二世帯住宅リフォームにかかる費用とは?事例とあわせて紹介

二世帯住宅リフォームにかかる費用とは?事例とあわせて紹介

二世帯住宅リフォームにかかる費用の相場は、300万円〜1,500万円と幅が広く高額なリフォームです。なぜなら、二世帯の生活をどこまで共有するかでリフォームする場所や工事が違うからです。この記事では、二世帯住宅のリフォームの費用相場や、リフォームするときの失敗しないポイント・施工事例や減税について解説していきます。

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POINT この記事のポイント

・二世帯住宅リフォームの種類は、「完全分離型」「部分共有型」「完全同居型」の3つ
・二世帯住宅リフォームにかかる費用相場は、工事内容によって異なるものの、おおよそ300万円〜1,500万円ほど
・二世帯住宅リフォームを成功させるためには「プライバシーを確保する」「水道光熱費を分担する」「世帯ごとに業者と打ち合わせる時間をつくる」「リフォーム費用の分担を話し合う」の4点に留意することが大切

1. 完全分離型

完全分離型二世帯住宅とは、玄関やキッチンなどの生活空間を世帯ごとにすべて分離するスタイルです。 間取りとしては、世帯ごとの居住スペースを左右や上下階に分ける場合が多く、親世帯と子世帯で生活時間や価値観・ライフスタイルが異なり、プライバシーを重視したい場合はこの完全分離型がおすすめです。

メリット: 二世帯住宅の中では最もトラブルが少ないとされています。資金面と敷地面積に余裕がある方におすすめのタイプです。お互いのプライベートを守りながら生活することが可能です。

デメリット 生活空間をまったく共有しないため、水まわり設備が二世帯分必要になり、リフォーム費用が高額になる可能性が非常に高いものです。また、家の構造を完全に分離させているため、水道代や電気代が高くなる可能性が高く、毎月の経済的な恩恵は他のタイプに比べ少ないです。

2. 部分共有型

「部分共有型」世帯住宅とは、玄関やキッチン・お風呂が共有など、ある部分を共有するスタイルです。 リビング・キッチン・浴室のどこを共有するかは、それぞれの生活様式に合わせて相談しながら決定します。

例えば、ダイニングやキッチンを共有にして、家族が顔を合わせられる空間をつくれば、食事や家事を手伝えるなど、家庭内ストレスへのバランスが取れるのでおすすめです。

メリット:共有するスペースがあることで、コミュニケーションがとれ、親世帯と子世帯での家事全般の助け合いができます。

デメリット:生活リズムが大きく違う場合、水道光熱費のランニングコスト低減の恩恵が少なくなる可能性があります。また、独立と共有部分については認識のすり合わせが必要です。

3. 完全同居型

完全同居型の二世帯住宅とは、基本的な生活空間をすべて共有し、二世帯がひとつ屋根の下で暮らすスタイルです。

メリット:リフォームの費用や水道・光熱費などを削減でき、大家族でにぎやかな生活を送れることが魅力です。また、病気やケガなどの有事の際の対応が、どのタイプよりも早くできます。

デメリット:間仕切りなどがないため、プライバシーを確保するには工夫が必要です。

二世帯住宅リフォームにかかる費用相場

ここでは、二世帯住宅へリフォームする際にかかる費用の相場を解説していきます。なお、ここで紹介する相場はあくまで目安であり、実際には状態によって金額は変わってきます。より詳細な金額を知りたい方は、業者から見積もりを取ってみてください。

完全分離・部分共有型の費用目安は1000~1500万円

ひとつの家でも、玄関をはじめ建物内のすべてのスペースが、親世帯と子世帯で分離されているタイプです。

リフォームの際には親と子ども世代で意見をすり合わせる必要があまりないため、自分たちの考えを反映しやすいという特徴があります。その反面、キッチンや浴室・トイレなどの工事が必要になるため、1,000~1,500万円が相場です。

新築の注文住宅で二世帯住宅の完全分離型にした場合の金額と、二世帯にリフォームした場合の金額を比較すると、断然リフォームのほうがお得に済む可能性があります。家の敷地面積内であれば、自分の思い通りにできる点もおすすめです。

完全同居型リフォームは300万円から可能

上記の完全分離や部分共有タイプとは違い、夫婦の寝室や子ども部屋などを除いた玄関やリビング、ダイニング、浴室、トイレ、キッチンなどはすべて共用となります。リフォーム箇所で差がありますが、完全同居型のリフォームの相場は300万円程度です。

二世帯住宅リフォームがお得になるポイント

二世帯住宅リフォームがお得になるポイント

ここでは、二世帯住宅のリフォームがお得になるポイントを解説していきます。各地方自治体ごとで二世帯住宅の条件が違う可能性もあるので、確認が必要です。

1. 相続税の控除

相続税の対象として多いのは土地です。具体的には、土地の価値を下げる「小規模宅地の特例」に基づきますが、親と一緒に住んでいる二世帯住宅は、土地の評価額が80%も減額されます。

2015年1月より相続税の基礎控除額が縮小されたので、対象となる土地面積が240㎡から330㎡に広がりました。よって二世帯住宅の土地は、実質100坪まで相続税削減が可能です。 つまり、二世帯住宅リフォームを行い子が親と同居し、親名義の自宅土地を相続すれば、税金が80%も減額されることがあるのです。

2. 不動産取得税の軽減

不動産取得税は、中古住宅を購入してリフォームするときや新築購入をするときにかかってきます。これを軽減するには、不動産を購入後、60日内に不動産取得税減額申告の手続きを行うと、一戸につき1,200万円までの控除を受けられます。

軽減条件として
①50㎡以上240㎡以下の床面積
②取得者の居住または、別荘の住宅
③1982年以降の新耐震基準を満たしている住宅

以上の要件を満たし、それぞれ独立した二世帯住宅と認められた場合、この控除を2戸分、つまり1,200万円(控除額)×2(世帯)=2,400万円と2倍の額で受けることができます。

独立した二世帯住宅の要件は、各自治体によって異なるので注意が必要です。基本的には世帯ごとに別々の玄関(※勝手口は対象外)やキッチン・トイレがあり、世帯間の通路が、扉などで仕切られていなければなりません。このように構造上の独立性の有無がチェックされます。

3. 固定資産税の軽減

「小規模住宅用地(敷地面積が200㎡以下の宅地)」では、固定資産税の評価額が1/6に減額されます。一方、「一般住宅用地(敷地面積が200㎡以上の住宅地)」は、固定資産税評価額を1/3に減額されます。

それぞれ独立している完全分離型二世帯住宅として認められた場合は、2戸分で計算されるため、税制の対策になるのです。

4. 三世代同居リフォームの減税

住宅特定改修特別税額控除の控除額は、多世帯同居改修工事の標準的な費用の額(250万円を限度)の10%です(算出された控除額のうち100円未満の端数金額は切り捨て)。 

リフォームを行うことにより、玄関・トイレ・キッチン・浴室の内の2つが、2つ以上に設けられた場合、リフォーム費用もしくはリフォームローンが減税対象になります。

例:玄関 1 トイレ 2 キッチン 1 浴室 2 →〇減税対象   
  玄関 1 トイレ 2 キッチン 1 浴室 1 →×減税対象外

ただし、リフォーム後の住宅に「三世代が実際に居住すること」が条件となるため、注意してください。三世帯とは祖父母・親・子どもで構成される世帯です。自分の兄弟や姉妹は該当しません。

二世帯住宅リフォームを成功させるためには

二世帯住宅リフォームを成功させるポイント

ここでは、二世帯住宅のリフォームを成功させるためのコツやポイントを、失敗談をもとに解説していきます。

1. プライバシーを確保する

完全分離型でないリフォームを行った場合に一番起こりがちなのが、プライバシーの問題です。例えば、それぞれ分けたはずの寝室に断りなく入られたのがストレスになった、ということがあるようです。

予算や敷地面積などの事情で完全分離型の二世帯住宅にできない場合、同居を始める前に遠慮せず、「寝室には入らないでほしい」や「読書をしているときは話しかけないでほしい」など、ルールを作って提案したり、価値観のすり合わせをしておくとトラブルを回避できて、ストレスの原因の発生を抑えることができます。

関連記事:家事楽動線の間取りは家族構成やライフスタイルで考えよう!

2. 水道光熱費を分担する

水道光熱費の分担を決めておくことも重要です。昼間家にいる親世帯と水道光熱費を折半していることに不満を感じて、親世帯との関係がうまくいかなくなったという失敗例があります。電気代は、「共働きで昼間家にいないことが多いのになぜ折半なの?」と、納得がいかない点があるご家庭も多いかと思います。

対策として、親世帯と相談して水道光熱費を多めに出してもらうように話し合い、水道光熱費を報告して節約を促すことが、トラブルなく、円満に暮らしていけるポイントです。

関連記事:二世帯住宅のキッチンリフォームはどうする?3つのパターンと注意点

3. 世帯ごとに業者と打ち合わせる時間をつくる

次にリフォーム後の間取りの打ち合わせの時に、パートナーの両親を目の前にすると、言いたいことも言えなくなると思います。これから長い時間生活していく住居なので、後悔しないためにも、世帯ごとで業者との打ち合わせ時間をつくり、業者の方に間に入ってもらって要望や提案を伝え、調整してもらうようにしましょう。

関連記事:完全分離の二世帯住宅に多い外階段のリフォーム|かかる費用はどれくらい?

4. リフォーム費用の分担を話し合う

リフォームの間取りや製品が決まり、業者から見積もりが出たら、リフォーム費用の分担を話し合いましょう。失敗例で、頭金を折半して出し合うという約束を破られ、二世帯住居の話がなくなったという例もあります。

お金の問題でトラブルに発展したら、その後の関係も悪くなってしまう可能性が高いものです。そのようなことにならないためにも、支払い前には具体的な負担額までを煮詰めて話し合う必要があります。

家仲間コムでの施工事例

ここでは弊社が運営する『家仲間コム』で紹介している事例を紹介します。また、実際にかかった工事費用も掲載していますので、参考にしてください。

完全同居型リフォーム【2260万円】

【施工前】
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【施工後】
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施工業者:ハウジングプラザ
施工内容: 構造部は、柱や梁を取り替え、耐力壁の増設で構造補強を行う。外壁はモルタル仕上げから通気工法のサイディング仕上げに変更、内部は階段を移設し、在来浴室をシステムバスへ、トイレを増設し、キッチンを対面式キッチンへリフォームしました。

関連記事:輝きを取り戻したわが家~新たな生活が始まる二世帯住宅~

中古住宅の二世帯リフォーム【2176万円】

【施工前】
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【施工後】
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施工業者:(株)ダイケンリフォームサービス 
施工内容:中古住宅を購入後、内装外装の前面リフォームを行いました。 

関連記事:中古住宅を購入しフルリフォームして二世帯で住まう

二世帯二階ミニキッチン設置リフォーム【23.5万円】

【施工前】
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【施工後】
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施工業者:柳田設備工業
施工内容:二世帯住宅の二階にミニキッチンを設置。設置に伴う配管工事をおこないました。

関連記事:兵庫県 姫路市 二世帯 二階ミニキッチン設置

玄関ホールの間仕切り【10万円】

【施工前】
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【施工後】
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施工業者:夢木家 グループ・夢木家建築設計事務所
施工内容:広い玄関ホールを2階階段登り口側からL型に間仕切り壁を作り、ボード下地の上からクロス張り仕上げ間仕切りを設置しました。

関連記事:玄関ホールを間仕切り・部屋の間仕切り工事

最後に

二世帯住宅リフォームを検討する場合は、間取りから、金銭面などをしっかり二世帯で話し合い決定してください。また、控除や軽減が受けられる条件等もあるので、しっかり確認しながら検討していきましょう。

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利用会員数260,000人、登録リフォーム会社数1,400社を超える日本最大級のリフォームマッチングサイト「家仲間コム」を運営するリフォーム専門家集団の編集部が、一般的なリフォームの情報を纏めた簡易的な記事ではなく、実際の見積情報や価格相場に基づいた読者に役立つ、価値ある情報をお届けしています。

執筆者プロフィール
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大永 和弘 (おおなが かずひろ)


大学卒業後、カーテンレールシェアNo1の内装材メーカートーソー株式会社にて、7年間勤務。
入社後は、大手ハウスメーカーやリフォーム会社、工務店、内装工事業者など約200社を担当。その際に新築住宅やリフォーム住宅など数多くの現場を経験。