駐車場をコンクリートにする場合の費用|施工時の費用も工程別に解説
編集者:大永 和弘
最終更新日:2023年3月31日
駐車場をコンクリートにした場合の費用について項目ごとに徹底的に調べてみました。コンクリート施工は条件によって金額が異なってきますが、単価を載せてありますので、お宅の駐車場の広さに合わせて計算すると相場がわかります。検討する際の参考にしてください。まずはこの記事のポイントをまとめました。
POINT この記事のポイント
・駐車場は見た目もすっきりしてお手入れしやすいコンクリートが人気
・駐車場をコンクリートにする場合の費用目安は約10万円〜15万円
・駐車場をメンテナンスする場合の費用は13万円~25万円
目次 [ 表示 ]
駐車場をコンクリートにする場合にかかる費用と工程
コンクリート(※画像はイメージです)
駐車場をコンクリートにする場合、費用はどれぐらいかかるのでしょうか。ここでは、車1台分のスペース(15㎡)をコンクリートにする場合に必要な工程と、それぞれの費用目安について紹介します。
鋤取り
鋤取り(※画像はイメージです)
「鋤取り」とは、コンクリート施工する面を平らにして強化するために、砂利や土を取り除く作業のことです。鋤取りにかかる費用は、600円/m3ほどです。
残土処分
残土処分(※画像はイメージです)
「残土処分」とは、鋤取りで出てきた土を処分することです。残土処分にかかる費用は、5,000円/m3ほどです。
土間下砕石
土間下砕石(※画像はイメージです)
「土間下砕石」とは、コンクリートの基礎を入れる前に、砕いた石を敷き詰める作業のことです。重さを均等に分散させるのが土間下砕石の目的です。土間下砕石にかかる費用は、3,000円/m3ほどです。
転圧
転圧(※画像はイメージです)
「転圧」とは、下地を押し固める作業のことです。転圧にかかる費用は、900円/㎡ほどです。
生コンクリート
生コンクリート(※画像はイメージです)
「生コンクリート」とは、コンクリートの原料のことです。生コンクリートは、長時間放置してしまうと成分が分離するため、ミキサー車などで常にかき混ぜておく必要があります。生コンクリートの費用は、13,000円/m3ほどです。
周囲型枠
周囲型枠(※画像はイメージです)
「周囲型枠」とは、コンクリートを流すための枠のことです。施工場所がブロックなどで囲まれている場合は、周囲型枠が必要ないこともあります。周囲型枠にかかる費用は、300円/mです。
ワイヤーメッシュ
ワイヤーメッシュ(※画像はイメージです)
「ワイヤーメッシュ」とは、鉄筋を縦横に組んで溶接した物のことで、コンクリートのひび割れ防止や補強の目的で使います。ワイヤーメッシュの費用は800円/㎡ほどです。
カッター目地
カッター目地(※画像はイメージです)
「カッター目地」とは、コンクリートの特徴である、ひび割れを誘発するために設置される溝のことです。コンクリートは、乾燥が始まると、弱い部分にクラック(ひび)が発生します。その性質を利用して、あらかじめカッター目地を入れておくことで、クラックを減少させる狙いがあるのです。カッター目地にかかる費用は、600円/mです。
車止め
車止め(※画像はイメージです)
「車止め」とは、工事車両を駐車するときに、車が後ろに行き過ぎないようにするブロックのことです。車止めの設置にかかる費用は、800円~3,000円/個です。
人件費
駐車場をコンクリートにする場合は、15,000~20,000円/人ほどの人件費が発生します。なお、遠方からの場合は別途出張費が付くこともあります。
重機回送費
重機回送費
「重機回送費」とは、コンクリート施工に利用する重機の搬入搬出用費用です。重機回送費の相場は、20,000~50,000円/回です。
駐車場施工時の費用例
上記の費用を踏まえて15㎡の駐車場を施工するのにいくらかかるのかを計算してみました。(※費用に幅があるものは低い方の金額で計算しています)
鋤取り(厚さ25cm):0.25m×15㎡×600円/m3=2,250円
残土処分(厚さ25cm):0.25m×15㎡×5,000円/m3=18,750円
土間下砕石(厚さ15cm):0.15m×15㎡×3,000円/m3=6,750円
転圧:15㎡×900円/㎡=13,500円
生コンクリート(厚さ10cm):0.10m×15㎡×13,000円/m3=19,500円
周囲型枠:16m×300円/m=4,800円
ワイヤーメッシュ:15㎡×800円/㎡=12,000円
カッター目地:6m×600円=3,600円
車止め:2個×800円=1,600円
人件費:2人×15,000円=30,000円
重機回送費:20,000円
合計:132,750円
コンクリートの駐車場の撤去する場合にかかる費用と工程
コンクリートの駐車場を撤去する場合には、ある程度まとまった費用が必要となってきます。そのため、コンクリートの駐車場を導入する際は、利用する年数などを見越したうえで検討するのがおすすめです。以下では、コンクリートの駐車場の撤去する場合にかかる費用とその工程について説明します。
コンクリートを剥がす
コンクリートを剥がす(※画像はイメージです)
コンクリートを全て撤去する場合は、施行されているコンクリートをカッターなどで細かく切って剥がしやすくする作業が必要です。費用は、コンクリートの厚さによっても異なりますが、1,500円~5千円/㎡が相場となっています。
人件費
コンクリートの駐車場を施工する場合同様、撤去する場合にも、作業する人の人件費が発生します。人件費の相場は、1万5千円~2万円/人です。
コンクリートの処分費
コンクリートの処分
撤去していらなくなったコンクリートは、必ず各自治体に決まりに沿って処分する必要があります。処分費は、コンクリートの量によって異なりますが、およそ3万円です。
撤去時費用例
上記の費用を踏まえて、15㎡のコンクリート駐車場を撤去するのにいくらかかるのかを計算してみました。
コンクリートを剥がす:15㎡×1,500円/㎡=22,500円
人件費:2人×15,000円/人=30,000円
処分費:30,000円
合計:82,500円
駐車場をメンテナンスする場合にかかる費用
既にコンクリートの駐車場を採用している場合には、メンテナンスを検討することもあるでしょう。しかし、基本的にコンクリートの駐車場は、耐久性が高いこともあってメンテナンスを考える必要はありません。
表面の小さいクラッチ(細かいヒビ)はどうしても発生してしまう現象のため、見た目を気にしないのであれば、定期的な手入れをする必要はないでしょう。ただし、コンクリートが大きく割れたり、欠けたりしている場合は、補修を検討してください。駐車場のコンクリートの補修にかかる費用は、13万円~25万円ほどです。
駐車場をコンクリートにするメリット
ここまで、駐車場をコンクリートにする場合にかかる費用とその工程について見てきました。では、駐車場をコンクリートにすることで、どのようなメリットを得られるのでしょうか。以下では、駐車場をコンクリートにするメリットについて紹介します。
耐久性が高い
駐車場は、毎日自動車が出入りする場所であることから、十分な耐久性を持っていることが欠かせません。その点、コンクリートは耐久性に優れた材質であるため、自動車の重量にも十分に耐えられます。
ただし、コンクリートは圧縮力には強い力を発揮するものの、引っ張り力は、それほど強くありません。そのため、施工時には引っ張り力を補うために、ワイヤーメッシュなどの鉄筋を入れることがキーポイントとなってきます。
家の外観が明るく見える
コンクリートは、シンプルで見栄えが良いことから、家の外観を全体的に明るく見せられます。また、コンクリート打ちにすることで、雑草が生えてくることもなくなるため、景観を損ねる心配もありません。住宅のテイストに関わらず、美しさを演出できる点がコンクリートのメリットなのです。
車体やタイヤに汚れがつきにくい
コンクリートには、水はけが良いという利点もあります。砂利や芝でできた駐車場は、雨が降ると地面が泥化するため、車体やタイヤが汚れやすい傾向にあります。しかし、コンクリートの駐車場であれば、雨水が溜まってしまうのを防げるため、大切な愛車を綺麗に保てます。
駐車場をコンクリートにする際の注意点
駐車場をコンクリートにすることで、さまざまなメリットを得られる一方で、施工には少なからず注意点も存在します。後悔しないためにも、ここで駐車場をコンクリートにする際に押さえておきたいポイントについて理解を深めておきましょう。
DIYでは施工しない
駐車場をコンクリートにする際は、DIYではなく専門業者に依頼することが不可欠です。なぜなら、コンクリート塗装は、専門的な知識が必要になるうえに、高い技術力も要するためです。
例えば、不十分な強度で完成した場合は、数年後にひび割れや陥没などを起こしてしまうリスクが高まります。この失敗を防ぐためには、コンクリートが固まるタイミングを正しく予測しながら、作業を進めなければなりません。
さらに、コンクリート塗装に失敗してしまった場合は、コンクリートの撤去からやり直す必要があります。結果的に、コストがかさんでしまうため、素人が安易に行うのは避けるのが無難です。
スケジュールには余裕を持つ
駐車場をコンクリートにする場合にかかる工事日数は、およそ1週間〜2週間ほどです。ただし、天候によって実際の工事日数は延びる可能性があるうえ、コンクリートは気温や工事環境によって、完全に硬化するまでの時間が変動する性質を持っています。
コンクリートが十分に硬化するまでは、原則として車を駐めることはできません。そのため、工事期間中は一時的にコインパーキングを利用するなどして、車を駐車する場所を確保する必要があります。 このような理由から、駐車場をコンクリートに施工する場合は、スケジュールに余裕を持って依頼することがポイントとなります。
家仲間コムの登録業者による駐車場の工事事例
この章では、家仲間コムの登録業者による過去の駐車場の工事事例について紹介します。ぜひ、ご自宅の駐車場をリフォームする際の参考にしてください。
庭の一部を駐車場へ
施工前
施工後
「庭の一部をコンクリート打ちにして、駐車場として利用したい。」とのご依頼でした。車の買い替えなども考慮して、広めにスペースを確保しました。コンクリートにしたことで、泥や砂などによるタイヤ汚れの心配も解消されました。
場所:埼玉県 さいたま市見沼区
施工箇所:外構
施工期間:7日
関連記事:庭の一部を駐車場へ
駐車場新設工事
施工前
施工後
「空き地スペースに駐車場を新設してほしい。」とのご要望でした。既存ブロックや木、雑草などを全て撤去した後に、コンクリート加工を行い、使いやすい駐車スペースとして生まれ変わりました。
場所 神奈川県 横浜市旭区
施工箇所 庭
施工期間 10日
関連記事:駐車場新設工事
玄関前をコンクリート仕上げで駐車スペースに
施工前
施工後
「玄関前を駐車スペースとして利用したい」とのご依頼でした。希望スペースには、ブロック塀があったため解体し、植栽も全て撤去しました。希望通りのすっきりとした駐車なったと、大変満足いただいた事例です。
場所:愛知県 清須市
建物のタイプ:木造二階建て
築年数:約20年以上
施工箇所:エクステリア
施工期間:10日
関連記事:玄関前をコンクリート仕上げで駐車スペースに
駐車場費用のまとめ
コンクリートの駐車場は便利ですが、施工にはまとまった金額が必要になってきます。施工時、メンテナンス、撤去時の費用をまとめると以下のようになります。15㎡の駐車場として計算をしています。
●15㎡の駐車場の費用例
施工時:132,750円
メンテナンス:130,000円
撤去時:82,500円
上記の中でメンテナンスは必要ないことも多いです。メンテナンスを除いたとしても、20万近くはかかりますので、導入する際によく検討することをお勧めいたします。

ひび割れしにくいコンクリートを打とう
コンクリートは基本的にメンテナンスはほどんど必要ありません。しかし、ひび割れなどが生じると、見た目にも気になってしまいますよね。
コンクリートは車の荷重などによる圧縮には強いのですが、地盤が動いたりした際にはひび割れやすいという弱点があります。
地震や地下水の影響などで、地盤の変異は起こるものです。
地盤の影響を受けにくくするためには、全面を一気に打つのではなく、間に隙間をあけていくつかのブロックに分けて打つと、ひび割れしにくいコンクリートをつくることができます。
監修者:高橋 みちる(一級建築士)
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アールイーデザイン一級建築士事務所代表。
住宅業界で新築・リフォームの営業・設計・現場監理などを経験。
これまで3000件以上の現場を見ながら、「永く、快適に住み続けるためにはどうしたらいいのか?」を常に探求し続け、リフォーム提案を行っている。
また、現在は執筆活動や企業向けの社員研修、一般向けの講演会なども全国各地にて実施。
著書「やらなければいけない一戸建てリフォーム」(自由国民社、2020年7月発売)
【保有資格】
- 一級建築士(登録番号:第331817号)
- 既存住宅状況調査技術者(証明書番号:第02201400260号)
- 住宅性能評価員(終了証番号:第02170424号)
- インテリアコーディネーター(登録番号:011961A)
- 福祉住環境コーディネーター2級(証書番号:05201851)
- 震災建築物応急危険度判定士(認定番号:730220552)
【所属】
- アールイーデザイン一級建築士事務所:代表
- JIO|株式会社日本住宅保証検査機構:検査員 及び 評価員
- 三井ホーム株式会社:リフォームプランナー
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高橋みちる|リフォームコンサルタント|note

大永 和弘 (おおなが かずひろ)
株式会社マッチングジャパン 代表取締役社長。
大学卒業後、カーテンレールシェアNo1の内装材メーカートーソー株式会社にて、7年間勤務。
入社後は、大手ハウスメーカーやリフォーム会社、工務店、内装工事業者など約200社を担当。その際に新築住宅やリフォーム住宅など数多くの現場を経験。
退社後、株式会社マッチングジャパンを2006年に創業し、ハウスメーカーやリフォーム会社のWEBマーケティングを経験。
その他、内装材メーカーや建材メーカーにWEBプロモーションに関わるコンサルティングを提供。
同時にリフォーム業者検索サイト「家仲間コム」の運営責任者として、累計5千社を超える施工業者にサービスを提供。サイト規模は月間アクセス約360万PV、見積利用者数は年間約5万人までに成長。
自身も7度の引越しと2度の住宅購入を経験し、家のリフォームや修繕をユーザーの立場で多く経験。
その経験から、規模が小さくても優良なリフォーム業者を探せるサイトの必要性を強く感じ、サービスの利便性向上に注力している。
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コンクリートにする場合は勾配に注意
砂利敷きならば水平でも問題はなかった場所でも、コンクリートを打つとなると、勾配(傾斜)をつけなければ水たまりなどの問題が生じてしまいます。
この勾配によって、駐車場の高さが変わることがあり、建物の基礎に接している場合は特に注意が必要です。
基礎の高さは通常地面から3~4cmほど上がっていますが、それは地面からの湿気を避けるためでもあります。
建物の基礎が隠れるほどコンクリートを打ってしまうと、湿気が上がりやすくなって土台や柱を傷めてしまったり、最悪の場合には基礎の内部に水が侵入してしまうこともあります。
コンクリートはどの高さまで打つことになるのか、事前にしっかりと打合せをしておきましょう。
監修者:高橋 みちる(一級建築士)