【シャッターの種類は大きく分けて6つ】特徴や費用目安・利用環境をご紹介
シャッターには様々な種類があり、耐用年数や価格も多岐にわたります。手動か電動かによっても価格は大きく変わってくるはずです。この記事で詳細を説明していきますが、まずはこの記事で紹介している内容の結論を簡単に記載します。
POINT この記事のポイント
・シャッターは防火・防犯対策に有効
・シャッターの耐用年数はおおよそ10年から15年程度
・代表的なシャッターの種類は、軽量シャッター・重量シャッター・電動シャッター・防火シヤッター・防災シャッター・防水シャッターの6つ
・手動シャッターは8~25万円、電動シャッターは30~50万円が相場
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シャッターの必要性
シャッターの役割は主に防犯・防火対策、そして災害時に内部のものを守ることにあります。シャッターを閉めることによって、ゴミが入ったりほこりからも守ることができます。このような有効性から、シャッターは住宅や施設にとってもはや必須な設備と言っても過言ではありません。
シャッターの種類
シャッターには様々な種類があり、利用用途や開閉作業をする人によって選ぶことができます。耐用年数も10年から15年と長く、その間安心して生活することができます。
そんなシャッターは大きく分けて6種類あり、さらにスラットの幅や色が選べたり、換気ができるタイプなど細かくありますが、まずは大まかに6種類のシャッターの特徴をご紹介します。
1. 軽量シャッター|操作しやすく安価&小窓にも最適
軽量シャッターは開閉時に軽くて操作がしやすいので、大きな力を使うことなく開閉ができます。シャッターは蛇腹状のスラットを折りたたんで格納しますが、軽量シャッターの場合、このスラットを細く軽くすることで軽量化が実現しています。個人住宅の窓や、商店街の店舗などで多く採用されているのがこの軽量シャッターです。
軽量シャッターは工事費込みで約8.8万円~と、お手頃価格なのも取り入れやすい理由です。
住宅の小窓に取り付けられる小さめサイズもあり後付けも可能ですので、防犯対策として設置しておくと安心です。費用が安いものは手動操作になりますが、軽量なので開閉の負担が軽減されます。
デメリットは、耐久性が低く防火対策としても弱い点です。防火対策としては、防火塗料を塗布するか、防火タイプの商品を選びましょう。シャッターを取り付ける場所が防火地域として認定されている場合は防火性のないシャッターは採用できませんので、お住まいの地域の自治体に確認しておきましょう。
関連記事:防火地域と準防火地域の基礎知識/新築やリフォームの際に知っておくと役立ちます
2. 重量シャッター|防犯対策&防火対策
重量シャッターは、厚みがあり重量があることから、防犯対策・防火対策として有効です。倉庫やガレージなど建物の外部に取り付けることで万が一の火災の際にも隣家への延焼を防ぐことができます。また近隣で火災が発生した場合でもシャッター内部のものを守ることかできます。
※スラットタイプのみ有効、換気タイプは適しません。
重量シャッターは建物の内部にも設置することができ、大切な商品の管理を目的として一部のエリアにのみ設置することも可能です。重量があるため、開閉は基本的に電動式で行います。
3. 電動シャッター|操作が簡単
大型倉庫や大型ガレージなど、毎日の開閉が楽になるのが電動シャッターです。重量シャッターや大型タイプのシャッターは電動式にしておいたほうが、操作性が良くて楽です。リモコンによって開閉をコントロールできるので、力を使うことなく操作ができて便利です。
新しい商品では、スマートフォンに専用アプリをインストールして、シャッターの開閉や開閉状態の確認をすることができます。シャッターにもIoTの波がやってきていますね。
電動シャッターは大型タイプに多いので、シャッターの開閉中に挟まるような事故が起こらないよう安全装置がついた商品を選びましょう。安全装置は、人や物を感知すると自動で停止するので安心です。
関連記事:「IoT住宅」の未来はもうすぐ!IoTの基礎知識と導入に向けたプランニングどうすればいい?
4. 防火シャッター|防火地域には必須
防火シャッターは、建築基準法で定められたエリアには必ず設置しなければいけません。個人住宅でも取り付けは可能ですが、高層ビルや人口密集地などに設置するのが一般的です。防火シャッターを設置することで万が一の火災の延焼を防ぐことができ、人命を守ることができます。
電動式の場合は、煙感知器と連動して火災発生を感知すると自動的にシャッターが下りるシステムになっています。手動式の場合は、手動で閉じる操作が必要になりますので、万が一の火災の場合には電動式にしておくほうがより早く対処ができて安心です。
不特定多数の人が出入りするような施設に取り付けた防火シャッターは、専門業者による定期点検が義務付けられています。
5. 防犯シャッター|防犯対策として
防犯シャッターは、防犯対策を目的として設置するシャッターです。空き巣は窓から侵入するケースが約60%と高く、その中でもシャッターが設置されていなかったりシャッターがあっても閉めていなかった場合の被害が約93%というデータがあります。シャッターを破壊して侵入するとなると時間がかかり、短時間で犯行を済ませたい空き巣犯にとって心理的に諦めさせることができます。
参照:侵入経路の圧倒的1位は「窓」|YKKap
防犯シャッターを設置する際は、防犯カメラや人感センサーも同時に設置するとより効果的です。
住宅の窓への防犯対策として防犯シャッターをご検討の場合、防犯ガラスという方法もありますので、ご自宅の環境や予算に合わせて選択されるとよいでしょう。
関連記事:防犯ガラスかシャッターのどちらがいいか迷ったらお読みください
シャッターで、防犯・防火・暴風対策を
シャッターにはいろいろな種類かあり、防火や防風機能を重視したものもあれば、逆に採光や採風など居住性を高める機能を重視したものもあります。
機能はそれぞれありますが、いずれにしても期待できるのが、防犯効果です。特に防犯性能を高めた商品もありますが、一般的にはシャッターがついているだけでも、視覚的な防犯効果を得ることができます。
このように多機能なシャッターですが、ぜひ使う目的に応じて商品を選んでみてくださいね。
監修者:高橋 みちる(一級建築士)
6. 防水シャッター|浸水対策として
「防水シャッター」は、「止水パネルシャッター」「ウォーターガードシャッター」とも呼ばれ、集中豪雨や台風時に想定される万が一の浸水時に有効です。高さ約3mまでの高水位に対応できる商品もあるので、建物内部の物を守ることができます。大規模な建物や地下鉄などの出入口には特に有効です。
関連記事:床下浸水後に最優先で行うべき、3つの対処法
シャッターの種類別の費用目安
シャッターの種類 | 費用目安 |
---|---|
軽量シャッター | 4万円~ |
重量シャッター | 25万円~ |
電動シャッター | 30万円~ |
防火シャッター(定期点検義務あり) | 12万円~ |
防犯シャッター | 4万円~ |
防水シャッター | 800万円~ |
6種類のシャッターの特徴をご紹介しましたが、それぞれの費用目安を一覧にしました。機能性の高いシャッターほど費用も高くなりますので、どの程度の機能が必要か、ご家庭や店舗・施設などに合わせてお選びくたさい。
電動タイプは配線工事が必要になるため費用が高くなりますが、重量シャッターや大型・複数ある場合は電動タイプにしたほうが、日々の操作がとても楽になります。軽量で一ヶ所に設置する規模のシャッターの場合は、手動タイプでもそこまで手間にはならないでしょう。
上記のシャッターは本体代と工事費がセットになっている業者が多く、ご家庭用シャッターの費用目安は下記のとおりです。
・手動シャッター:8万円~25万円
・電動シャッター:30万円~50万円
店舗や施設用シャッターは大型になりますので本体代も高く、設置には足場を組む場合もあるので工事費用と合わせると100万円以上かかることもあります。
防火シャッターの定期点検費用
防火シャッターは、建築基準法で定められた場所には必ず設置する義務があり、年に一度の定期点検も義務付けられています。
定期点検は、下記のような有資格者が行います。点検結果は報告書にまとめ、特定行政庁に提出しなければいけません。
・国土交通大臣の定める防火設備検査員
・1級建築士または2級建築士
点検項目 | 費用目安 |
---|---|
基本料金 | 3.5万円~ |
防火扉(1枚あたり) | 0.3万円~ |
防火シャッター(電動、1枚あたり) | 0.6万円~ |
感知器連動試験(1ヶ所あたり) | 0.2万円~ |
シャッターの見積もりなら
シャッターは住宅用と店舗や施設用によって、本体代から設置工事費用まで大きく差があります。どのような用途でどの場所にシャッターを設置したいかを伝えて、複数の業者の見積もりを比較してみましょう。
家仲間コムの見積もりサイトには約1000社の登録業者さんがいて、独自のルートでシャッター本体代の割引があることが多いです。完全無料で利用できるので、お気軽にご利用ください。
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アールイーデザイン一級建築士事務所代表。
住宅業界で新築・リフォームの営業・設計・現場監理などを経験。
これまで3000件以上の現場を見ながら、「永く、快適に住み続けるためにはどうしたらいいのか?」を常に探求し続け、リフォーム提案を行っている。
また、現在は執筆活動や企業向けの社員研修、一般向けの講演会なども全国各地にて実施。
著書「やらなければいけない一戸建てリフォーム」(自由国民社、2020年7月発売)
【保有資格】
- 一級建築士(登録番号:第331817号)
- 既存住宅状況調査技術者(証明書番号:第02201400260号)
- 住宅性能評価員(終了証番号:第02170424号)
- インテリアコーディネーター(登録番号:011961A)
- 福祉住環境コーディネーター2級(証書番号:05201851)
- 震災建築物応急危険度判定士(認定番号:730220552)
【所属】
- アールイーデザイン一級建築士事務所:代表
- JIO|株式会社日本住宅保証検査機構:検査員 及び 評価員
- 三井ホーム株式会社:リフォームプランナー
noteにてリフォームに関するお役立ち情報を発信中!
高橋みちる|リフォームコンサルタント|note
利用会員数260,000人、登録リフォーム会社数1,400社を超える日本最大級のリフォームマッチングサイト「家仲間コム」を運営するリフォーム専門家集団の編集部が、一般的なリフォームの情報を纏めた簡易的な記事ではなく、実際の見積情報や価格相場に基づいた読者に役立つ、価値ある情報をお届けしています。
大永 和弘 (おおなが かずひろ)
大学卒業後、カーテンレールシェアNo1の内装材メーカートーソー株式会社にて、7年間勤務。
入社後は、大手ハウスメーカーやリフォーム会社、工務店、内装工事業者など約200社を担当。その際に新築住宅やリフォーム住宅など数多くの現場を経験。
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監修者:高橋 みちる(一級建築士)