電気自動車の充電スタンドを自宅に設置する費用|知っておきたい5つのポイントも紹介
エコカーとして人気の電気自動車(EV車)は、ガソリンの代わりに電気による充電が必要です。街中に充電スタンドもありますが、まだまだ多くはありません。そこで、ご自宅に充電スタンドを設置すればとても便利ですよね。この記事で詳細を説明していきますが、まずはこの記事で紹介している内容の結論を簡単に記載します。
POINT この記事のポイント
・電気自動車の充電スタンドは、主に「カーディーラー」「ガソリンスタンド」「大型コンビニエンスストア」「商業施設」「宿泊施設」「道の駅」などに設置されている
・自宅に充電スタンドがあれば、帰宅後から朝まで充電しておけば翌朝には充電が満タンの状態で出かけることができて効率的
・電気自動車の充電スタンド設置費用は約10万円~20万円
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電気自動車の充電スタンドってどこにあるの?
電気自動車の充電スタンドは、2020年現在で全国に約18,000ヶ所設置されています。充電スタンドの設置場所は主に下記のようなところです。
・カーディーラー
・ガソリンスタンド
・大型コンビニエンスストア
・商業施設
・宿泊施設
・道の駅
・高速道路のサービスエリア
・コインパーキング
電気自動車の普及に伴って今より充電スタンドも増加するでしょう。
1. 電気自動車の1回の充電での走行距離
多くの電気自動車は1回の充電で約200km~600km走行することができますので、日常使いしている分には充電切れを起こす心配はないと言えます。とはいえ、旅行など長距離を移動する場合には、まず充電スタンドで充電をしてから出かけたほうが安心ですが、貴重な旅行の時間を充電時間に充てるのはもったいない気もします。
2. 充電時間と走行距離目安、充電費用
充電時間と走行距離は、充電スタンドの充電器によって変わります。
充電スタンドの種類 | 充電時間 | 走行距離目安 |
---|---|---|
ケーブルあり普通充電器 | 約4時間 約7時間 |
80km 160km |
ケーブルなし普通充電器 | 約8時間 約14時間 |
80km 160km |
急速充電器 | 約15分 約30分 |
80km 160km |
街中の充電スタンドでは急速充電器が一般的で、1回の利用料は450円~600円です。電気自動車を販売するカーディーラーでは、充電サービスプランも用意されています。
参照:日産ゼロ・エミッションサポートプログラム3(ZESP3)
ガソリンより走行距離が長く費用も安いのが電気自動車のメリットですね。
電気自動車の充電スタンドを自宅に設置するメリット
電気自動車の充電スタンドを自宅に設置するメリットは、やはり効率の良さでしょう。充電スタンドが増えてきているとはいえ、まだ至るところに充電スタンドが数多く設置されているわけではないため、週末や休日ともなれば充電スタンドも混雑して待ち時間も発生しますし、急速充電スタンドでも充電時間の30分は待つ必要があります。
そう考えると、近くの充電スタンドまでわざわざ出かけて待ち時間が発生するという環境は不便で非効率的だと感じます。
自宅に充電スタンドがあれば、帰宅後から朝まで充電しておけば翌朝には充電が満タンの状態で出かけることができて効率的です。電気自動車は車に標準装備されている普通充電用ケーブルをコンセントに差すことで充電する仕組みですので、ご自宅にコンセントを設置するだけでいつでも充電ができて安心です。
太陽光発電システムや割引率の高い深夜電力を使うことで、電気代の削減にもなりお得です。
電気自動車の充電スタンドを設置する費用は?
では、ご自宅に電気自動車の充電スタンドを設置する費用はどれぐらいかかるのでしょうか?電気自動車の充電スタンド設置費用は約10万円~20万円です。
充電スタンドの設置工事内容
充電スタンドの設置工事は、一般的に下記の内容で施工されます。
・充電スタンドの設置場所を決める
・配線ルートを決める
・配線工事
・充電スタンドの設置
電気工事が発生しますので、DIYでの施工はできません。必ず、電気工事士の有資格者に工事を依頼してください。
充電スタンドの設置に伴う5つのチェックポイント
ご自宅に電気自動車の充電スタンドを設置する際には、上記のチェックポイントをご参照ください。
1. 契約アンペア数と主幹ブレーカー容量
電気自動車の充電に必要な電源には、「単相AC200V」の電力を必要とします。日本ではほとんどのご家庭で、分電盤まで「単相AC200V」の電源が供給されていますが、電気自動車の充電には3,000Wの電力を長時間連続で使用するため、既存の電力では容量が足りない場合があります。
容量より大きな消費電力を使った場合にどうなるかというと、ブレーカーが落ちます。例えば、電子レンジとホットプレートと電気ケトルを同じコンセントで使った場合に、ブレーカーが落ちた経験はありませんか?この3つの消費電力を合わせると3,900wにもなります。
電化製品 | 消費電力目安 |
---|---|
電子レンジ | 1,300w |
ホットプレート | 1,300w |
電気ケトル | 1,300w |
消費電力の大きな製品を使う場合には、専用コンセントを引いておくほうが安全です。電気自動車の充電スタンドも消費電力が大きいため、電気自動車専用のコンセントを設置しておきましょう。
関連記事:ブレーカーの故障かな?と思ったら|よくある原因と修理費用目安
2. 分岐ブレーカー
「分岐ブレーカー」とは、分電盤から電気を流す回路に容量以上の電気が流れた場合に、その回路のみを遮断して全体の電気が止まるのを防ぐための装置です。電気自動車の充電スタンドには安全のため分岐ブレーカーを設置しておきます。
・分岐ブレーカーの容量は20A以上とすること
・専用回路であること
3. 配線
配線には流れる電流によって最適な太さがあります。電気自動車の充電スタンドに使用する配線は、直径2.6mmの太さが推奨されています。
4. EV充電用コンセント
電気自動車(EV)の充電用コンセントは専用のものを使い、地面から1m前後の高さに設置しましょう。
出典:EVコンセント|Panasonic
電気自動車に装備されている充電ケーブルの長さは5mが基本です。駐車した状態でコンセントまで届くかどうか、位置をよく確認しておきましょう。
5. アース
アースは、万が一の漏電の場合に人体が感電しないようにする安全上のシステムです。電気自動車用コンセントにはアースがありますので、施工の際に必ずアース接続を行いましょう。
電気自動車の充電スタンドが装備された門柱
玄関廻りを機能的かつデザイン性も高めてくれる門柱には、電気自動車の充電スタンドが装備されたタイプがあります。充電スタンドを別で設置する必要がないため省スペースになりますし、設置工事も一度で済むので、電気自動車を利用される場合には機能性門柱の導入がおすすめです。
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エレポルト 機能門柱|YKKap
出典:エレポルト 機能門柱|YKKap
電気自動車の充電スタンドの他にも下記の設備が備わっています。
・ネームプレート
・照明
・インターホン
・屋外100vコンセント
電気自動車の充電スタンド設置する費用まとめ
電気自動車の充電スタンドを自宅に設置するのは、難しい工事ではありません。門柱の設置をご検討中の場合は、将来的に電気自動車への乗り換えも視野に入れて充電スタンド機能付きの門柱を取り入れてみてはいかがでしょうか?設置工事も一度で済むので費用も安く抑えられ、外観もスッキリしますよ!
電気料金を抑えるコツ
電気自動車に充電するためには、毎月の契約電力は現在の電気使用量に3Aを加えて算出する必要があります。 契約電力は増えれば増えるほど基本料金も上がるため、できるだけ低く抑えたいですよね。 そこで充電スタンドにタイマーを設置すれば、家庭での電気使用時間帯とずらして充電を行うことができるため、契約電力を低く抑えることができます。 他にも、電気料金の安い深夜電力を、家庭用の契約とは別に単独で深夜電力契約ができる電力会社もあります。 深夜電力に関しては電力会社によって対応が異なるので、詳しくは契約の電力会社に問い合わせてみるといいでしょう。
監修者:高橋 みちる(一級建築士)
電気自動車の充電スタンドをお得に設置するには?
電気自動車の充電スタンドをお得に設置するには、門柱の設置やエクステリア工事と同時に一括見積りが効率的です。充電スタンド単体でも充電機能付き門柱でも、本体の割引をしてもらえることもありますので見積もりを比較検討してみましょう。
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アールイーデザイン一級建築士事務所代表。
住宅業界で新築・リフォームの営業・設計・現場監理などを経験。
これまで3000件以上の現場を見ながら、「永く、快適に住み続けるためにはどうしたらいいのか?」を常に探求し続け、リフォーム提案を行っている。
また、現在は執筆活動や企業向けの社員研修、一般向けの講演会なども全国各地にて実施。
著書「やらなければいけない一戸建てリフォーム」(自由国民社、2020年7月発売)
【保有資格】
- 一級建築士(登録番号:第331817号)
- 既存住宅状況調査技術者(証明書番号:第02201400260号)
- 住宅性能評価員(終了証番号:第02170424号)
- インテリアコーディネーター(登録番号:011961A)
- 福祉住環境コーディネーター2級(証書番号:05201851)
- 震災建築物応急危険度判定士(認定番号:730220552)
【所属】
- アールイーデザイン一級建築士事務所:代表
- JIO|株式会社日本住宅保証検査機構:検査員 及び 評価員
- 三井ホーム株式会社:リフォームプランナー
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高橋みちる|リフォームコンサルタント|note
利用会員数260,000人、登録リフォーム会社数1,400社を超える日本最大級のリフォームマッチングサイト「家仲間コム」を運営するリフォーム専門家集団の編集部が、一般的なリフォームの情報を纏めた簡易的な記事ではなく、実際の見積情報や価格相場に基づいた読者に役立つ、価値ある情報をお届けしています。
大永 和弘 (おおなが かずひろ)
大学卒業後、カーテンレールシェアNo1の内装材メーカートーソー株式会社にて、7年間勤務。
入社後は、大手ハウスメーカーやリフォーム会社、工務店、内装工事業者など約200社を担当。その際に新築住宅やリフォーム住宅など数多くの現場を経験。
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V2HとはVehicle to Homeの略称で、電気自動車に搭載した蓄電池を家庭でも相互利用できるようにするシステムのことです。 充電スタンドは自動車に電気を送るだけですが、V2Hがあれば、車に蓄えた電気を家庭でも利用できるようになります。車の蓄電池は容量も大きいため、停電時などには頼もしい電力供給減となります。 太陽光発電もあれば、昼間に発電した電気を車に蓄えることもできます。これからは余った電気を売電するよりご自宅で消費する方がメリットが大きくなってきますので、ぜひご検討されてみてはいかがでしょうか。
監修者:高橋 みちる(一級建築士)