腐食した床の補修・修理&リフォーム費用|張り替えのポイントも紹介

腐食した床の補修・修理&リフォーム費用|張り替えのポイントも紹介

築40年の我が家、何年か前から歩くと一部の床がふかふかしてきました。歩くとそこだけ沈むような軋むようなあのふかふか、、、床のどこかが腐っているのでしょうか。また、原因は何なのでしょうか。この記事で詳細を説明していきますが、まずはこの記事で紹介している内容の結論を簡単に記載します。

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POINT この記事のポイント

・床がふかふかする原因は主に、「床材の接着剤の劣化」「根太や大引の劣化」「床束(ゆかづか)束石の劣化」「シロアリ被害」など
・床をふかふかの状態にさせないためには、湿気対策に気を付けることも重要
・床下工事にかかる費用は、工事内容によって差があるものの、およそ10万円〜30万円

床材の接着剤の劣化

合板フローリングは、薄い板を接着剤で張り合わせて作られています。築15年〜20年経つと接着剤が劣化し、板同士が剥がれて浮いてきて、下地である根太の無い部分(30センチ角位の幅)がふかふかとしてきます。湿気の多い場所に出やすいです。「床のふかふか」の多くがこの接着剤の劣化が原因のようです。

根太(ねだ)や大引の劣化

根太(ねだ) captuion:根太(ねだ)(※画像はイメージです)

根太とは、床板を支える4.5cm×6cm程度の下地です。その下に根太を支える大引があります。根太は大引の上に30cmまたは45cmの間隔で取り付けられます。

床がふかふかになる原因は、根太や大引の腐食による劣化が原因とも考えられます。水周りの部屋から床に水がしみこみ、床だけでなく床下の根太やさらに大引まで腐食していたり、床下の湿気や内部の漏水により腐食している場合もあります。

20〜30年前は浴室内の床や壁をタイルで仕上げる事が多く、このタイルがひび割れて床下に水や湿気が伝わり、隣接する脱衣所や廊下の床下まで腐食が及んでいるパターンもあります。

根太(ねだ)や大引の修繕方法

1、まずは床下の状況を確認してみましょう。
根太や大引の腐食が、床上の水漏れによる湿気か、床下の湿気か確認します。外壁や水回りの設備などから水漏れしている場合は、その部分の補修をして原因を取り除きましょう。地面からの湿気には、防湿シートの上に木炭や乾燥した砂利などを敷いたり、床下換気扇の設置で対応する方法もあります。

2、床を剥がし、腐った根太や大引を取り除き新しい板で補修。
部分的に木材が腐っている場合は、腐った材木を切り取り、新しい木材をはめ込み金物で補強する方法で補修されます。腐りにくい檜やヒバを使用する事が多いです。
腐食が広範囲の場合は根太や大引を全部取り替えます。

床束・束石の劣化

床束 captuion:床束(※画像はイメージです)

床束とは、大引きを支える90mm程度の木です。古い建物の場合、床束は束石の上にのっています(現在は床束はプラスチック製や鋼製などがよく使われています)。床のふかふかが全体でおこる場合は、床束・束石の劣化が原因とも考えられます。

【床束・束石の劣化の劣化例】
■水漏れなどの湿気のせいで床束が腐って崩れて、束石との間に隙間ができてしまい、歩いた時に床が沈む。
■コンクリートの束石の劣化•••土壌が強い酸性の場合、硫酸イオンがコンクリートの劣化を促進し、コンクリートが崩れて床束との間に隙間ができてしまい、歩いた時に床が沈む。
■地面が痩せて束石が沈み込み、床束との間に隙間ができて、歩いた時に床が沈む。

監修者コメント
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床を張り替えるなら床下断熱も補強しよう!

床がしっかりしていれば上からフローリングを張る「重ね張り」もできますが、ふかふかになっている場合は古い床材を撤去して、新しく床板を張り直す必要があります。 その際に、ついでに床下の断熱材も厚めのものをしっかりと入れ直すことをお勧めします。断熱材の材料費とわずかな工事費の追加で、足元の寒さが解消し、暖房効率も上げることができます。 温水床暖房の工事も一緒に行うと、一気に快適なお部屋にバージョンアップできますよ。 断熱工事はタイミングによっては補助金を受けられる場合も多くあるので、ぜひチェックしてみてくださいね。

監修者:高橋 みちる(一級建築士)

シロアリ被害

床がふかふかの原因が腐朽菌やシロアリ被害の場合もあります。柱がシロアリに食べられてボロボロ、スカスカになっていたら被害が広がる前にシロアリ対策をしましょう。シロアリは含水率の高い木部を好むので、水周りの水漏れや床下の湿気のある場所は注意が必要です。

シロアリの種類

■イエシロアリ
イエシロアリは千葉県より西の温暖な地域の沿岸部に生息しています。他のシロアリに比べひとつの集団の数が多く、湿った木材以外に乾いた木材でも湿らせて食べてしまうので被害のスピードが早く、大きくなります。

■ヤマトシロアリ
高山や北海道を除く全国に生息しています。湿った木材を食べます。床下に巣を作る事が多いですが、湿気のある木材があれば天井や二階も被害にあいまし。イエシロアリに比べ被害の進行は遅めです。

アメリカカンザイシロアリ
アメリカから渡来してきたといわれるシロアリです。乾いた木材の中の僅かな水分で何年も生き続けます。建物全体に被害がおよび、他のシロアリと比べ被害の進行が遅いため早期発見が難しいです。

水漏れ

床がふかふかになる原因のひとつに、水漏れがあります。例えば、お風呂や洗面所、キッチンなどの水回りスペースは湿気が溜まりやすく、水はねも多いため、床が腐食しやすい傾向にあります。 水漏れを放置しておくと、急に床が抜けるなどの被害が発生することも考えられるので、床についた水滴は、こまめに拭き取るようにしてください。

床の補修・修理方法

床の補修・修理方法は、「張り替え方法」もしくは「重ね貼り方法」の2パターンです。下記では、それぞれの方法の違いについて解説します。

張り替え方法

「張り替え方法」とは、既存の床を剥がして新しい床を貼る方法です。床の下地から一新するため、腐食を根本的に修繕することが可能です。

重ね貼り方法

「重ね貼り方法」とは、既存の床の上に新しい床材を重ねて貼る方法です。既存の床がふかふかしている場合は、まず床の痛んでいる部分の補修を行い、その上から新しい床材を貼ります。床の板が二重になり以前より床が高くなるので、ドア開閉や他の部屋との段差に注意が必要です。また、重ね張りができるのは既存の床がフローリングの場合に限ります。

床の補修・修理&リフォームにかかる費用

床の補修・修理にかかる費用は5万円〜10万円程度が相場です。ただし、実際の金額は修理の内容や修理範囲、工法、そして現状などによって変動するため、ここで紹介した金額はあくまでも目安程度とお考えください。

床の張り替えを行う際のポイント

床の張り替えを行う際は、以下の2つのポイントに留意することが重要です。納得のいくリフォームを実現するためにも、以下でそれぞれのポイントについて理解を深めましょう。

湿気対策を万全にする

床が傷んだ原因が床下の湿度だった場合は、床下換気扇などを使って床下に風を取り入れ、湿気を抑える工夫が必要です。床下の風通しを良くすることで、シロアリの繁殖を抑えられるだけでなく、室内の畳や押し入れのジメジメも解消できます。床下換気扇の取り付け料金は、床下換気扇3台・タイマー付きで120,000円〜150,000円が相場です。

本棚などの重いものを長期間置かない

長い間、重い本棚を同じ場所に置きっぱなしにすると床の沈む原因となります。対処方法としては、本棚は縦収納ではなく、横長の本棚にしましょう。そうすれば重量を分散させられ、沈みを軽減できます。どうしても多くの本を設置する場合は、初めから床補強をするのもおすすめです。

床補修・修理を業者に依頼する際の注意点

ここまで、床がふかふかする原因や床補修・修理にかかる費用について見てきました。では、床補修・修理を業者に依頼する際には、どのようなポイントを押さえれば良いのでしょうか。以下では、床補修・修理を業者に依頼する際の注意点を解説します。

床が劣化した原因を正しく突き止める

床がふかふかする原因はそれぞれで対処方法が異なります。そのため、床の沈みが気になる場合は、原因を特定するところから始めましょう。 しかし、素人では床下が沈んでしまう正しい原因が分からない場合があります。正しい原因を突き止め床の沈みを解消させるためには、業者に依頼をして耐震診断をおこなうことが最善です。

複数の業者に相見積もりを依頼する

事業者は少なくとも3社以上の料金・実績・口コミを比較しましょう。3社以上を比較すると、おおよそのサービス内容や料金の相場が把握でき、口コミ評価や実績の多さで事業者を絞ることができます。 さらに安心して補修を頼める事業者を見つけるために、見積りや問い合わせの時点で次のようなことを確認してください。

・金額の内訳がはっきりしているか
・床補修の実績や経験が豊富か
・問い合わせや見積もりの時の担当者の対応に変なところがないか


費用の内容や追加料金の可能性をきちんと伝えてくれる事業者や、同じような補修の実績が豊富にある事業者なら安心して補修をお願いできるはずです。

家仲間コムの登録業者による床の補修・修理事例

ここからは、家仲間コムの登録業者による過去の床の補修・修理事例について紹介します。

ダイニングの床の張り替え工事

施工前

施工後

「傷んできたダイニングの床を張り替えたい」とのお問い合わせでした。フローリング材の下地であるベニヤ板から傷んでいる状態だったため、全面を張り替えました。フローリング材だけではなく、その下地から新しくしたため、雰囲気を変えつつ頑丈な床に仕上がりました。

場所:千葉県 袖ケ浦市
建物のタイプ:戸建て
施工箇所:ダイニングの床
施工期間:約1日

関連記事:ダイニングの床を下地から張り替え、頑丈かつ新しい雰囲気にリフォームしました!

ぶよぶよ床の改修・フローリング重ね張り

施工前

施工後

「1階廊下既存の床にコンパネを張り、フローリングの上張りをしてほしい」とのご要望でした。既存のフロアーの劣化が著しい状態であったため、はじめに全撤去を行い、上からコンパネ合板を重ねました。施工は、2日ほどで完了しました。

場所:埼玉県 比企郡ときがわ町
建物のタイプ:木造2階建て
築年数:約20年
施工箇所:廊下
施工期間:2日

関連記事:ぶよぶよ床の改修・フローリング重ね張り

飲食店の床修復工事

施工前

施工後

「店舗の床が腐ってしまい、危ない状態なのでなんとかして欲しい。」とのご依頼でした。下地が腐り、今にも床が抜けそうな大変危険な状態でした。飲食店ということもあり、水回り設備が多かったため、下地を一から組み直して強固な床を作りました。

場所:東京都 文京区
建物のタイプ:木造店舗
施工箇所:客席床
施工期間:2日

関連記事:お店の床が落ちる?!店舗で腐ってブカブカの床を短期工事で元通りにしました!

まとめ

「​​床が沈むくらいはたいしたことがない」と思って放置しておくと、被害がどんどん拡大して、最終的には床が抜けてしまうこともあります。 シロアリが原因の場合は、被害が家全体に及んで建物の耐久性が低下してしまいます。

そうなると、小さな地震で家が崩壊する恐れがあるのです。 被害が拡大すれば、修理にかかる日数や費用もかさみます。床が沈む状態を放置していても自然には直らないので、「この程度なら」と思わずに、できるだけ早く専門業者に点検や修理を依頼しましょう。

監修者コメント
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湿気対策は発生源を抑えることが肝心

床板が傷んだ原因が床下の湿気だった場合、湿気の発生源を抑えなければ、せっかく床板を交換してもまた数年で傷んでしまいます。 できることなら発生源を抑え、同じ理由で傷まないようにしたいですね。 床下の湿気を抑えるには、防湿シートを敷く方法の他に、防湿コンクリートを打つ方法もより効果があります。費用は高額になりますが、工事の規模によっては長期優良化リフォーム推進事業の補助金の対象になる場合もあります。 興味があれば、リフォーム業者に相談してみるといいでしょう。

監修者:高橋 みちる(一級建築士)

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監修者プロフィール
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一級建築士

高橋 みちる (たかはし みちる)

WEBサイト


アールイーデザイン一級建築士事務所代表。

住宅業界で新築・リフォームの営業・設計・現場監理などを経験。
これまで3000件以上の現場を見ながら、「永く、快適に住み続けるためにはどうしたらいいのか?」を常に探求し続け、リフォーム提案を行っている。
また、現在は執筆活動や企業向けの社員研修、一般向けの講演会なども全国各地にて実施。

著書「やらなければいけない一戸建てリフォーム」(自由国民社、2020年7月発売)

【保有資格】

【所属】

noteにてリフォームに関するお役立ち情報を発信中!
高橋みちる|リフォームコンサルタント|note

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家仲間コム編集部

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利用会員数260,000人、登録リフォーム会社数1,400社を超える日本最大級のリフォームマッチングサイト「家仲間コム」を運営するリフォーム専門家集団の編集部が、一般的なリフォームの情報を纏めた簡易的な記事ではなく、実際の見積情報や価格相場に基づいた読者に役立つ、価値ある情報をお届けしています。

執筆者プロフィール
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大永 和弘 (おおなが かずひろ)


大学卒業後、カーテンレールシェアNo1の内装材メーカートーソー株式会社にて、7年間勤務。
入社後は、大手ハウスメーカーやリフォーム会社、工務店、内装工事業者など約200社を担当。その際に新築住宅やリフォーム住宅など数多くの現場を経験。