【日当たりの悪い家のデメリット】改善方法とリフォームの相場を解説
日当たりの悪い家は住宅の劣化が進みやすく、できるだけ早く日当たりを良くする対策をしなくてはいけません。今回は、日当たりの悪い家のデメリットや日当たりを良くするためにできる対策を解説します。まずはこの記事のポイントをまとめました。
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日当たりの悪い家のデメリット
日当たりが悪いことで、カビの発生や断熱性の低下・精神的な悪影響などが考えられ、住宅だけでなく心身面への影響も懸念されます。日当たりの悪い家にはデメリットしかないと言っても過言ではありません。しいてメリットを挙げるとするなら、販売価格が相場よりも安いことぐらいでしょうか。
建売住宅で元から日当たりの悪さを了承して購入したんであれば、ある程度想定されることですが、住んでいる間に近隣が住宅密集地になってしまったり高層建物が建設されたために日当たりが悪くなってしまうこともあります。
このような状況から日当たりが悪い家に住んでいることで考えられるデメリットは上記の3つです。以下、詳しく見ていきましょう。
1. カビが発生する
日当たりの悪い家は湿気がたまりやすく、湿度の高い状態が続きます。湿度が高いと、年間を通して家の中がジメジメとするため、いずれ部屋の中にカビが発生します。特に押入れやクローゼットはカビの温床になりやすく、衣類や布団にまでカビが広がる恐れがあります。
関連記事:押入れのカビ対策のポイントは「換気」「除湿」「掃除」の3つです
洗濯物も乾きにくく、花粉症などで室内干しをしたい時にはさらに湿度が上がるため、浴室乾燥機や除湿機などを使って湿度を下げる工夫が必要です。
関連記事:冬に洗濯物が乾かない!洗濯物を早く乾かす3つのコツとおすすめリフォーム
2. 寒い
日当たりが悪いということは家の中の温度が上がりにくく、常に家の中がひんやりとした空気になります。日当たりが良いと日中は太陽光によって室内が温められますが、日当たりが悪いことによって寒い状態になるので暖房の効きも悪く、光熱費ががかさみます。
関連記事:
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3. 精神面に影響が出る
人間は太陽に当たることによって、セロトニンという気分を高めてくれる物質が脳から発生するのですが、年中日当たりの悪い家にいると、このセロトニンが出にくくなり気分が落ち込み抑うつ状態になる危険性があります。
例えば冬のヨーロッパでは晴れた日が少なく日照時間の短さによってうつ病患者が増えるというデータがあります。
参照:冬だけ体がだるい、眠い、過食…それは冬季うつかも?|eo健康
日当たりの悪い家を改善する方法
日当たりの悪い家を改善する方法には主に上記の3つがありますが、大規模リフォームになる場合が多く予算を立てておく必要があります。
1. 窓を増設する
日当たりの悪い家を改善する方法として、最も費用が抑えられるのが窓を増設する方法です。日当たりの悪さを改善するためであれば採光用の小窓があればよいので、この場合だと約10万円~15万円程度の費用に抑えることができます。
採光できる窓の種類には下記があります。それぞれ設置費用目安とともに一覧をご覧ください。
窓の種類 | 施工費用目安 |
---|---|
小窓 | 約10万円~15万円 |
室内窓 | 約10万円~ |
腰高窓 | 約10万~40万円 |
掃き出し窓 | 約15万~24万円 |
天窓 | 約30万~50万円 |
掃き出し窓のような大きなサイズの窓や、天窓のように天井や屋根を部分解体して穴を開ける工事が発生する窓は費用も高額になります。また、二階以上の場合は足場の設置費用が加わる点も費用がアップする理由です。
関連記事:
天窓設置のメリット・デメリットと価格相場【事例あり】
足場工事の見積書の見方を知ってトラブル回避!見積書の内容や足場工事費用の目安
出典:デザイン窓|YKKap
出典:画像提供:スリット窓とロールスクリーン|TOSO
スリット窓やFIX窓のような小窓の設置をするだけでも採光しやすくなり、日当たりの悪さを改善することができます。YKKapには豊富なデザイン窓が揃っており、階段の横や壁上部の横長スリット窓など、デザイン性も兼ね備えた窓を選べます。
2. 2階リビングにリフォームする
2階リビングとは、日当たりの悪い1階から2階へ人が多く長く集うリビングを配置することで日当たりの悪さを改善する方法です。2階リビングにすることで水廻りの移動なども発生するため、費用は高額になります。
2階リビングを設置するためにかかる費用目安は下記一覧で、すべてが必要ではありませんがどの程度の設備を2階へ増設するかによって費用が変わります。
リフォーム内容 | 費用目安 |
---|---|
キッチン増設 | 約250万円~ |
トイレ増設 | 約50万円~150万円 |
浴室増設 | 約150万円~250万円 |
内装工事 | ~約50万円 |
耐震補強工事 | 約50万円~100万円 |
2階LDKで明るく開放的に
起きている時間を一番多く過ごす場所といえば、LDKではないでしょうか。となれば、やっぱりLDKは家の中で一番条件のいい場所に設定したいですよね。1階よりも2階の方が、日当たりや風通しなどの居住性能は良いですね。そしてさらに、2階は1階に比べ、地震に耐えるための壁の量が少なくてすみます。つまり、壁の少ない広々とした大空間をつくりやすいのです。長い時間を過ごすLDK、ぜひ2階にご計画されてみてはいかがでしょうか?
監修者:高橋 みちる(一級建築士)
3. 吹き抜けを造る
住宅内の日当たりを良くする方法として、新築で多く採用されているのが吹き抜けです。狭小住宅の場合は、採光と空間を広く見せることもできるので人気です。新築の場合は吹き抜けの間取りを考慮するのは難しくありませんが、リフォームで吹き抜けを造るとなると、費用も施工期間もかかります。
吹き抜けを造るためには、2階の天井部分を解体し2階の部屋も部分的または全体的に撤去する必要があります。費用目安は約100万円程度はかかるとみておいた方が良いでしょう。
関連記事:吹き抜けのメリット・デメリットとリフォームの種類・価格相場とは
日当たりの悪い家にできる3つの改善策まとめ
日当たりの悪い家に住んでいると、毎日が辛くて精神面での影響のほうが早く出てくる可能性もあります。日当たりの悪い家を改善する対策が今すぐにできない場合は、壁紙を明るい色にしたり、日照時間の短い北欧インテリアを参考にしてみたり、除湿機で湿度を下げてみたりすると良いでしょう。
関連記事:ウォールステッカーは北欧が人気!ウォールステッカー 北欧や北欧風一覧
上記はあくまでも簡易的な対処法ですので、早いうちに日当たりを良くするためのリフォームをされるほうが住宅が長持ちします。いくつかの業者さんに相談して早急に日当たりを良くするリフォームをご検討してみてくださいね。
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アールイーデザイン一級建築士事務所代表。
住宅業界で新築・リフォームの営業・設計・現場監理などを経験。
これまで3000件以上の現場を見ながら、「永く、快適に住み続けるためにはどうしたらいいのか?」を常に探求し続け、リフォーム提案を行っている。
また、現在は執筆活動や企業向けの社員研修、一般向けの講演会なども全国各地にて実施。
著書「やらなければいけない一戸建てリフォーム」(自由国民社、2020年7月発売)
【保有資格】
- 一級建築士(登録番号:第331817号)
- 既存住宅状況調査技術者(証明書番号:第02201400260号)
- 住宅性能評価員(終了証番号:第02170424号)
- インテリアコーディネーター(登録番号:011961A)
- 福祉住環境コーディネーター2級(証書番号:05201851)
- 震災建築物応急危険度判定士(認定番号:730220552)
【所属】
- アールイーデザイン一級建築士事務所:代表
- JIO|株式会社日本住宅保証検査機構:検査員 及び 評価員
- 三井ホーム株式会社:リフォームプランナー
noteにてリフォームに関するお役立ち情報を発信中!
高橋みちる|リフォームコンサルタント|note
利用会員数260,000人、登録リフォーム会社数1,400社を超える日本最大級のリフォームマッチングサイト「家仲間コム」を運営するリフォーム専門家集団の編集部が、一般的なリフォームの情報を纏めた簡易的な記事ではなく、実際の見積情報や価格相場に基づいた読者に役立つ、価値ある情報をお届けしています。
大永 和弘 (おおなが かずひろ)
大学卒業後、カーテンレールシェアNo1の内装材メーカートーソー株式会社にて、7年間勤務。
入社後は、大手ハウスメーカーやリフォーム会社、工務店、内装工事業者など約200社を担当。その際に新築住宅やリフォーム住宅など数多くの現場を経験。
関連するテーマの見積もり依頼
掃出し窓2枚と腰窓1枚 網戸サッシごと交換 | ¥62,000 ~ ¥74,000 |
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浴室内倒し窓ガラスの交換 | ¥12,000 ~ ¥38,000 |
二重窓(窓枠161㎝縦178㎝ 腰窓幅140㎝縦88㎝) | ¥116,000 ~ ¥260,000 |
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1箇所 二重窓 | ¥49,000 ~ ¥1,040,000 |
※価格はこの依頼での一般的な価格相場です。
窓は高い位置ほど明るく照らす
窓を新しく追加するリフォームは、比較的費用も高額になりがちなリフォームではあります。せっかくお金を掛けてリフォームするなら、効果を最大限に高めたいですよね。お部屋を明るくするために最も効果的なのは、窓の位置を高くするということです。一番高い位置は屋根、トップライトです。屋根の葺き替えとタイミングを合わせてトップライトの追加工事を行えば、ついでの工事として余計な費用も抑えることができます。ぜひ、ご検討されてみてはいかがでしょうか。
監修者:高橋 みちる(一級建築士)