窓に隙間ができる原因トップ5|補修方法や費用目安を解説
築年数が経過した住宅の窓には隙間ができてくることがあります。窓に隙間があると隙間風が吹き込んで冬は寒く、夏には蚊が入り込むなどの弊害が出てきますので、快適に過ごしたい場合には隙間はなくしておくことが大切です。この記事で詳細を説明していきますが、まずはこの記事で紹介している内容の結論を簡単に記載します。
POINT この記事のポイント
・窓は新築の際にはほぼ隙間がないよう設計されているが、住宅の経年劣化とともに部品の摩耗などの原因により隙間ができてくることがある
・窓に隙間ができる原因は、「戸車の劣化や歪み」「気密ピースの歪みや劣化」「鍵の緩みや歪み」「サッシと窓ガラスのゴムパッキンの劣化」「窓枠のコーキングの劣化」など
・現在古いタイプの窓を使用している場合は隙間だけが原因ではなく、サッシや窓ガラスそのものから冷気を伝えている場合も多いので新しい窓に交換するのがおすすめ
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窓に隙間ができる原因
窓は新築の際にはほぼ隙間がないよう設計されていますが、住宅の経年劣化とともに部品の摩耗などの原因により隙間ができてくることがあります。アルミサッシなどはもともと断熱性が低いため、隙間ではなくサッシそのものから冷気が伝わっていることがあります。これは窓の隙間が空いているからではなく、アルミサッシの特性です。
関連記事:アルミサッシメーカー比較|ガラスと組み合わせて断熱性能を高めよう
窓に隙間ができる主な原因は下記の5つです。では、窓に隙間ができる原因と対処法を順に見ていきましょう。
1. 戸車の劣化や歪み
「戸車(とぐるま)」というのは、窓を動かすためにレールに取り付けられているコマのことで、窓の開け閉めをする際にグラグラしたりがたつくことがあれば、戸車の不具合が考えられます。緩みであれば調整することが可能ですが、劣化の場合は戸車の交換になります。
・戸車の交換費用目安:約0.5万円~2万円
1-1. 戸車調整機能があるサッシの場合
窓サッシには「戸車調整機能」がついている商品があり、この機能があるサッシであればドライバーで調整ネジを回して調整することができます。
出典:サッシの建付け調整方法|LIXIL
例えばLIXILさんのサッシでは、右に回すとサッシが上がり、左に回すとサッシが下がります。ネジを緩めすぎるとサッシごと外れてしまう危険性がありますので、少しずつ様子を見ながら作業を進めましょう。安全のため二人以上で作業をするようにしてください。
ちなみに上記の絵で「障子」と表記されている部分がありますが、これは和室によくある「障子」のことではありません。窓でいう障子とは「窓ガラス+窓枠」のことを指します。厳密にはメーカーにより多少の違いはあるのですが、修理の際に業者さんからこの用語が出てくることがありますので、頭の片隅にでも覚えておくと理解しやすくなります。
2. 気密ピースの歪みや劣化
「気密ピース」とは、窓の気密性を保つために障子とレールの隙間を調整するための部品のことを言います。呼び方が「気密ピース」「召し合わせシールピース」「下部摺動片(かぶしゅうどうへん)」などとメーカーにより異なりますが、同じような役割を持つ部品です。
2-1. 気密ピースの調整方法
出典:気密ピースの調整方法|LIXIL
気密ピースも戸車同様、ネジを緩めたり締めたりすることで隙間の調整を行います。
3. 鍵の緩みや歪み
窓にはクレセント錠という鍵がついています。鍵は一日に何度もかけ締めすることがあるためネジが緩みやすくなりますが、このクレセント錠の本体と受け側との位置がずれていることで窓に隙間が生じることがあります。
4. サッシと窓ガラスのゴムパッキンの劣化
サッシと窓ガラスはゴムパッキンで密着されていますが、経年と共にゴムは劣化してしまいます。経年劣化の目安としては新設後約10年頃からで、窓から隙間風や雨水が入り込んだり、ゴムパッキンのひび割れなどを見つけた場合は交換が必要です。
結露の多いご家庭で正しく結露の掃除が行えていないと、カビが生えてゴムパッキンが腐ってしまい、劣化が早まるケースがあります。
関連記事:ペアガラスの結露が発生する原因と対策【内部結露は交換のみ】
・ゴムパッキンの交換費用目安:約1,5万円~2万円
5. 窓枠のコーキングの劣化
窓は外壁との隙間をなくすためにコーキング材で密着されていますが、経年と共にコーキングに劣化が見られると隙間ができることがあります。日差しが強く当たる場所では新築後約7年程度からコーキングの劣化が見られるようになります。
こちらは窓の修理というより外壁の修理に近くなりますが、コーキング補修をする必要があります。窓やドアなどのつなぎ目など他のコーキング箇所にも劣化が始まっていると考えられますので、全体的に確認してまとめて補修をしてもらいましょう。
窓枠と外壁のコーキング劣化は放置していると、集中豪雨や台風時に雨水が侵入して雨漏りの原因となります。住宅内部の腐食につながりますので、早急に補修を行っておきましょう。
5-1. コーキング補修方法
コーキングには下記の2つの方法があります。
・コーキングをすべて除去して新しくコーキングを施す「打ち替え」
・既存コーキングの上から新しくコーキングを施す「増し打ち」
窓枠と外壁の場合、既存コーキングを除去できない場合があり、窓枠を傷つけないために「増し打ち」方式でコーキングを補修するケースが多いです。「打ち替え」のほうがより耐久性が高くなりますが、現場の状況によってプロの目で判断してどちらの方式を採用するかが決まります。
・コーキング打ち替えの費用目安:約700円~1,000円/mあたり
・コーキング増し打ちの費用目安:約300円~700円/mあたり
窓の隙間は窓そのものの劣化が原因になることも!
窓のガラス部分は破損がない限り経年劣化はほぼないといえますが、窓を構成しているサッシなどの部品は劣化します。先述した戸車や気密ピース・ゴムパッキンなどは、約10年を過ぎるとなんらかの不具合が見られるようになり交換が必要になります。
現在古いタイプの窓をお使いの場合は隙間だけが原因ではなく、サッシや窓ガラスそのものから冷気を伝えている場合も多いので新しい窓に交換したほうが快適です。10年以上お使いの窓がある場合は、新しい断熱性能の優れた窓への交換もご検討ください。
関連記事:室内の日焼け対策はUVカット率の高い窓ガラスへの交換が最も効果的
集中豪雨や台風による雨漏りの心配もなくなり、冷暖房効率も上がって光熱費の節約につながります。
内窓を追加し、二重サッシで快適に
サッシはまだまだ使えそうだけど、すきま風だけがどうにも防げなくて寒い… そんなときは、今あるサッシの内側に、樹脂製の内窓を追加するという方法があります。 樹脂の窓はもともとの断熱性能が良く、またサッシが二重になることでさらに断熱性能が上がり、隙間風も軽減することができます。 ただ、開閉が2重になるため、頻繁に開閉する窓は少しわずらわしさを感じるかもしれません。 内窓を追加するだけで、快適なエコライフが実現できるかもしれません。ぜひご検討されてみてはいかがでしょうか。
監修者:高橋 みちる(一級建築士)
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アールイーデザイン一級建築士事務所代表。
住宅業界で新築・リフォームの営業・設計・現場監理などを経験。
これまで3000件以上の現場を見ながら、「永く、快適に住み続けるためにはどうしたらいいのか?」を常に探求し続け、リフォーム提案を行っている。
また、現在は執筆活動や企業向けの社員研修、一般向けの講演会なども全国各地にて実施。
著書「やらなければいけない一戸建てリフォーム」(自由国民社、2020年7月発売)
【保有資格】
- 一級建築士(登録番号:第331817号)
- 既存住宅状況調査技術者(証明書番号:第02201400260号)
- 住宅性能評価員(終了証番号:第02170424号)
- インテリアコーディネーター(登録番号:011961A)
- 福祉住環境コーディネーター2級(証書番号:05201851)
- 震災建築物応急危険度判定士(認定番号:730220552)
【所属】
- アールイーデザイン一級建築士事務所:代表
- JIO|株式会社日本住宅保証検査機構:検査員 及び 評価員
- 三井ホーム株式会社:リフォームプランナー
noteにてリフォームに関するお役立ち情報を発信中!
高橋みちる|リフォームコンサルタント|note
利用会員数260,000人、登録リフォーム会社数1,400社を超える日本最大級のリフォームマッチングサイト「家仲間コム」を運営するリフォーム専門家集団の編集部が、一般的なリフォームの情報を纏めた簡易的な記事ではなく、実際の見積情報や価格相場に基づいた読者に役立つ、価値ある情報をお届けしています。
大永 和弘 (おおなが かずひろ)
大学卒業後、カーテンレールシェアNo1の内装材メーカートーソー株式会社にて、7年間勤務。
入社後は、大手ハウスメーカーやリフォーム会社、工務店、内装工事業者など約200社を担当。その際に新築住宅やリフォーム住宅など数多くの現場を経験。
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外部の隙間は雨漏りの原因にも!
しっかり補修しよう サッシの外周部に隙間が空いてしまっている場合は、風だけでなく雨も吹き込んでしまいます。雨は室内まで入ってこなくても、壁の内部に侵入すれば、構造材が濡れて腐ってしまいます。 外壁にひび割れや隙間を見つけたら、建物を傷めないためにも、できるだけ早めに補修を依頼しましょう。 ひび割れは自分で補修することもできますが、補修材料を間違えると、あとでその部分に塗装ができなくなるなどの不具合が生じることがあります。補修材は外壁補修用としっかり確認して、購入しましょう。
監修者:高橋 みちる(一級建築士)