大開口窓のメリット・デメリット|窓ガラスとサッシで断熱効果を向上しよう
明るく開放感のある大開口窓が近年注目されています。大開口窓は限られた間取りを広く使うことができ、開放的な空間を作り上げることが可能です。この記事で詳細を説明していきますが、まずはこの記事で紹介している内容の結論を簡単に記載します。
POINT この記事のポイント
・大開口窓のメリットは、「明るく開放感が得られる」「庭と一体化したリビングを演出できる」など
・大開口窓のデメリットは、「断熱性が低くなる」「虫が入ってくる」など
・大開口窓の断熱性を高める方法は「南向き・東向きの部屋に設置する」「断熱効果の高い窓ガラスを採用する」「樹脂製サッシにする」の3つ
大開口窓ってなに?
大開口窓とは、主にリビングから庭へつながる開口部を大きく取った窓のことを言います。明るい日差しを取り入れることができ、また庭の景観を楽しむことができるので近年人気のデザインです。
1. 大開口窓のメリット
1-1. 明るく開放感が得られる
大開口窓は、一般的な掃き出し窓と比べると窓一枚分ほど面積が広いため、外の明るさをより取り入れることができます。大きくて明るい窓があることで、狭い住宅スペースでも広く見せる視覚効果があり、解放感のある住宅を造ることができます。
1-2. 庭と一体化したリビング
大開口窓を開けることで、庭と一体化した大きなリビングになります。庭にウッドデッキやサンルームを設置するとさらに使い勝手が良くなり、ホームパーティや子供のプレイスペースとして・ペットが遊びやすい空間造りとしても活躍します。
2. 大開口窓のデメリット
2-1. 断熱性が低くなる
住宅の中で熱が逃げやすい場所は主に開口部からで、その割合は実に48%にも上ります。大きな窓があるとより熱が逃げやすくなるため、断熱効果を高める工夫が必須です。大開口窓の断熱性を高める方法はいくつかありますので、のちほど詳しく解説します。
2-2. 防犯や災害時の安全性
窓が大きいことで、台風などの強風時に窓ガラスが破損しないか安全面が気になる方は多いでしょう。大開口部に使用される窓ガラスは厚みのあるものを採用しますので、強風で割れる心配はほとんどありません。
台風時に窓ガラスが破損する原因の多くは飛来物の衝撃によるものですので、飛来物から窓ガラスを守るためにシャッターを取り付けたり、割れてもガラスが飛び散らない防犯ガラスの設置をすることで安全性を高められます。
シャッターや防犯ガラスは、防犯対策としても有効です。より防犯効果を高めたい場合は照明の設置もおすすめです。
関連記事:【目的別】ベランダ照明の設置は防犯対策としても有効です
2-3. 虫が入ってくる
大開口窓に限らず、一般的な掃き出し窓であっても開けたままにしておくと蚊などの虫が室内に入りやすくなります。掃き出し窓と異なる点は、大開口窓は開放することが前提の窓ですので虫対策は万全にしておきたいですね。
2-3-1. 網戸を設置
窓の虫対策にはやはり網戸が役立ちます。網戸に使用するネットの色や網目の大きさによって、景観を損なわないタイプの網戸もありますよ。
関連記事:
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網戸張り替えの基礎知識/網戸選びは2つのポイントを抑えるだけ!
2-3-2. 虫を寄せ付けない植物を植える
植物の中でもハーブは虫を寄せ付けにくい効果があります。「レモングラス」「ローズマリー」「バジル」「ミント」などを大開口窓の近くに置いておくと、嫌な虫の侵入を防いでくれます。どれも比較的丈夫で育てやすいハーブです。
大開口窓の断熱性を高める方法は3つ!
大開口窓の大きなデメリットは、夏は外からの熱が室内に入り込み、冬は外の冷たい空気が窓を伝って室内に入り込む点にあります。このデメリットを改善するポイントは大開口窓の断熱性を高めることです。
1. 南向き・東向きの部屋に設置する
断熱性を高めるためには、まず大開口窓は東向きか南向きのお部屋に設置します。北向きのお部屋は日当たりが良くないため、夏の暑さは軽減できますが、冬は他の方角に比べるとどうしても気温が低くなってしまいます。
2. 断熱効果の高い窓ガラスを採用
大開口窓に採用する窓ガラスは、熱を逃がさない「複層ガラス」や「Low-Eガラス」がおすすめです。複層ガラスのみ、Low-Eガラスのみ、複層ガラス+Low-Eガラスの組み合わせ、など立地や大開口窓を設置する方角によって選択できます。
2-1. 複層ガラス
複層ガラスはガラスの組み合わせ方のことを表し、2枚から3枚のガラスを重ねて造られています。「ペアガラス」「トリプルガラス」とも呼ばれます。
出典:アルミ樹脂複合窓 エピソードNEO|YKKap
ガラスとガラスの間に特殊なガスを封入して空気層を作ることによって、外気温と室温の急激な変化を軽減させます。断熱性の他にも、遮音性・防音性・防犯性に優れます。費用目安は、1㎡あたり3万円〜です。
2-2. Low-Eガラス
Low-Eガラスはガラスの種類のことを言います。複層ガラスの室内側または室外側のガラス面を金属コーティングすることによって断熱性を高めます。
・室内側をコーティング:遮熱効果が高い(夏の暑さ対策におすすめ)
・室外側をコーティング:断熱効果が高い(冬の寒さ対策におすすめ)
費用目安は、1㎡あたり2万円〜5万円です。薄く青みがかった金属コーティングの色がついているので、透明なガラスと比較すると好みが分かれるところですが、窓ガラスの中で最も断熱効果が高くなります。
3. 樹脂製サッシにする
窓の断熱性を考えた時につい窓ガラスにばかり目が行ってしまいますが、断熱性を高めるうえで実はサッシは大変重要です。日本の窓サッシは費用を軽減するためにアルミ製のものを使用することが多いのが現状ですが、アルミは熱を伝える働きが大きいため断熱効果が劣ります。
また、アルミサッシは結露が発生しやすいので特に冬はお手入れの手間がかかりますが、近年では結露しにくいアルミサッシも開発されています。
関連記事:アルミサッシメーカー比較/ガラスとの組み合わせで断熱性能を高めるのがポイントです
大開口窓の断熱性を高めるには、樹脂製サッシがおすすめです。樹脂製は熱を伝えにくいため、アルミサッシと比較すると熱の逃げにくさは4倍も変わってきます。
樹脂サッシのデメリットは、アルミサッシと比較すると費用が高くなってしまう点ですが、樹脂サッシ取り付けを業者に依頼する際に大幅値引きをしてもらえることもありますので、複数の業者に見積もり依頼をして費用を比較検討してみましょう。
関連記事:樹脂サッシメーカー比較/初期投資よりランニングコストを重視
大開口窓の断熱性をさらに高めるコツ
大開口窓の断熱性を高めるために窓ガラスやサッシをリフォームしたうえで、さらに断熱性を高める方法をご紹介します。簡単に取り入れられて、より断熱性を上げることができるので省エネにもつながりますよ!
1. 庇や軒を上手に使おう!
昔からある庇(ひさし)や軒は、日差しを遮る役割を果たします。また、雨よけにもなるので、窓ガラスが汚れにくくなります。オーニングやシェードであれば、設置費用も安く抑えることができます。
2. 植樹で自然に断熱
庭にスペースがある場合は、落葉する種類の木を植えるのもおすすめです。夏は育った葉が日差しを遮り、冬は落葉した枝の隙間から暖かな日差しを取り入れられます。
関連記事:
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まとめ
快適な大開口空間を作るためには、大開口を設置する部屋全体の断熱性を高めることが大切です。また、大開口に面した庭の植樹を活かして日差しをコントロールすることを考えた植物選びも有効です。上手に組み合わせて断熱性を高めて、大開口窓を楽しんでくださいね!
大開口窓の設置費用を一括見積り!
大開口窓の設置費用見積もりを依頼する際は一括見積りが便利です。依頼内容を入力すると業者から連絡が来て、訪問見積りや電話見積もりをしてもらえます。設置と同時に窓やサッシを購入することで、大幅値引きをしてもらえることもありますので、複数見積もりをとって費用を比較検討してみましょう。
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大永 和弘 (おおなが かずひろ)
大学卒業後、カーテンレールシェアNo1の内装材メーカートーソー株式会社にて、7年間勤務。
入社後は、大手ハウスメーカーやリフォーム会社、工務店、内装工事業者など約200社を担当。その際に新築住宅やリフォーム住宅など数多くの現場を経験。
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