コンクリート打ちっぱなしの家のデメリットと対策3選

コンクリート打ちっぱなしの家のデメリットと対策3選

無機質でクールな印象のコンクリート打ちっぱなしの家。おしゃれな印象とは裏腹に大きなデメリットも存在し、実際に生活をしていくうえで住みづらさを感じる人も少なくありません。今回は、コンクリート打ちっぱなしの家を快適にするためのデメリット改善対策をご紹介します。後ほど詳細を説明していきますが、まずはこの記事で紹介している内容の結論を簡単に記載します。

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POINT この記事のポイント

・コンクリート打ちっぱなしの家のメリットは、「見た目がスタイリッシュでカッコイイ」「広い空間を造ることができる」「防音効果が高い」「防火性が高い」など
・コンクリート打ちっぱなしの家のデメリットは、「夏は暑く冬は寒い」「結露が発生しやすい」「汚れがとれにくい」など
・デメリットについては、「外断熱を施す」「樹脂サッシ+複層ガラス窓にする」「撥水コーティングを施す」の3つの対策を施すことで快適に暮らせる

1. 見た目がスタイリッシュでカッコイイ



出典:コンクリート打ちっぱなし住宅|SUMIKA

コンクリート打ちっぱなしの家は、その見た目のカッコよさで住んでみたいと憧れる人も多いでしょう。

デザイナーズマンションでもコンクリート打ちっぱなしの家は多くあり、人気が高いです。有名な建築家の安藤忠雄さんもコンクリート打ちっぱなしの建築物を多く手掛けていらっしゃいますね。無機質で静寂を感じさせるコンクリートは非日常を味わうことができ、また、生活感をすべて消し去ってくれるスタイリッシュなデザイン性の高さが魅力です。

参照:安藤忠雄建築研究所

2. 広い空間を造ることができる

コンクリートの壁面は住宅を支えるのに十分な強度と耐久性があるため、柱を設けず広い空間を作り出すことができます。例えば30帖のスペースの間仕切りをなくして、あえて広いワンルームの住宅を設計することも可能になります。

また、コンクリートは枠の中に流し込んで形成していくため曲線を描いた壁などを造ることもでき、デザイン性を高められます。

3. 防音効果が高い

コンクリートの壁は厚みがあるので、防音効果の高い家を造ることができます。ピアノやドラムなどの楽器を演奏される方や、カラオケやホームシアターを楽しみたい方におすすめです。

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4. 防火性が高い

コンクリートは不燃性なので、防火性に優れています。住宅密集地では延焼や飛び火なども火災の怖い要因ですが、コンクリート打ちっぱなしの家はその危険性がないため安心です。その防火性の高さから、火災保険料が安く設定されています。

参照:火災保険|日本損害保険協会

コンクリート打ちっぱなしの家のデメリット

コンクリート打ちっぱなしの家のデメリット

魅力しかないように感じるコンクリート打ちっぱなしの家ですが、デメリットも多くあります。

1. 夏は暑く、冬は寒い

コンクリート打ちっぱなしの家の最大のデメリットは「断熱性の低さ」です。特に冬は凍えるほどの寒さで暖房が効きにくいため、光熱費も高くなります。コンクリート打ちっぱなしの家の断熱性が低い原因はコンクリートの「熱伝導率の高さ」にあり、熱も冷気もため込むため「夏は暑く冬は寒い」という住宅になってしまうのです。

2. 結露が発生しやすい

結露 結露(※画像はイメージです。)

コンクリートは砂利と水を合わせたもので、固まったあとも数年かけて水分が蒸発していく性質を持っています。水分が蒸発するということは水蒸気が室内に発生するということですので、数年間は湿度の高い状態が続きます。そのため、約5年程度は年間を通して除湿機を使用したり、エアコンのドライ機能で乾燥させるなどの対策が必要です。

監修者コメント
監修者画像

今すぐできる結露対策は、換気

家の中に結露が発生すると、それがカビやダニの原因となり、健康被害につながってしまいます。なんとかしたいですよね。結露の発生原因は大きく二つ、
①家の断熱性能が低い
②換気が悪い(家中の湿度が高い)
です。もちろん①の断熱性能を高めることが、快適な住環境を整える解決策となりますが、お金もかかるのですぐには解決できないかもしれませんね。そんな時は、とにかく換気を行うだけで、結露は解消することができます。ただ冬は寒いですから、ぜひ断熱工事もご検討なさってみてくださいね。

監修者:高橋 みちる(一級建築士)

3. 汚れがとれにくい

コンクリートは水分を吸収しやすい性質があるため、例えば飲み物をコンクリートの壁や床にこぼしてしまうと、その場所がシミになります。防水処理を施して、水分を吸収しないよう対策をしておく必要があります。

コンクリート打ちっぱなしの家のデメリット改善対策3選

コンクリート打ちっぱなしの家のデメリットを知った上でも、「やっぱり住んでみたい!」という方のために、デメリット改善対策をご紹介します。コンクリート打ちっぱなしの家はもともとの建築費用がかかりますが、デメリットを改善することでその費用を上回るスタイリッシュな住宅を造ることができますので、ぜひとも対策をしておきましょう。主にしておきたい対策は下記の3つです。

1. 外断熱を施す

外壁工事 caption外断熱工事(※画像はイメージです。)

一般的に住宅は内側に断熱材を施工する「内断熱」が採用されますが、室内側をコンクリート打ちっぱなしにしたい場合は内断熱は施工できません。内断熱をしてしまうと、せっかくのスタイリッシュなコンクリート面を隠してしまうからです。コンクリート打ちっぱなしの家の断熱性を高めるためには、ぜひ「外断熱」をご検討ください。外断熱は建物全体を断熱材で覆うため住宅の断熱性が向上し、快適に過ごせるようになります。

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外断熱を施工すると住宅の外観はコンクリート打ちっぱなしの家ではなくなってしまう点がデメリットですが、生活する上で断熱性の低い家は快適ではありませんし、健康を害する恐れもあります。外観と内装のどちらをコンクリート打ちっぱなしにするか、また、コンクリートを使う場所や別の材質との組み合わせなど、よく検討されてみてください。

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監修者コメント
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コンクリートの蓄熱性を活かす外断熱

コンクリートの打ちっぱなしは、見た目にもスタイリッシュで魅力的ですよね。しかしコンクリートは熱を蓄える「蓄熱性」に優れた材質ということも見逃せません。この蓄熱性、何もしなければ冬は寒さを、夏は暑さを蓄えてしまうのですが、外断熱で外気温をシャットアウトすれば、冬は室内の暖かさを、夏は涼しさを蓄え、快適な室温をキープしてくれるのです。外断熱で快適な暮らしを、ぜひ叶えていただけたらと思います。

監修者:高橋 みちる(一級建築士)

2. 樹脂サッシ+複層ガラス窓にする

窓樹脂サッシ+複層ガラス窓(※画像はイメージです。)

外断熱を施した上で効果的なのが、窓を「樹脂サッシ+複層ガラス」にすることです。断熱性を高めていても窓から熱と冷気が出入りするため、窓への断熱対策も重要です。コンクリート打ちっぱなしの家は一般的な住宅よりも断熱性が低いため、窓の中でも最も断熱性の高い「樹脂サッシ+複層ガラス」の組み合わせがおすすめです。

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3. 撥水コーティングを施す

コンクリート打ちっぱなしの家は汚れを吸着しやすい点もデメリットですが、生活をしていると液体をこぼしてしまうシーンはよくあります。撥水コーティングをしておくことで、液体が染み込むのを防ぎ、水分の侵入やカビの発生を防ぐことができます。

ただし、コンクリートは固まってから約3年~5年程度は中の水分が蒸発する性質があります。新築時にコーティングが施工できるかどうかは、専門業者によく相談してみることが大切です。

コンクリート打ちっぱなしの家のデメリット改善対策まとめ

コンクリート打ちっぱなしの家は、スタイリッシュなデザインで憧れる方も多いですが、デメリットを改善する対策は重要です。長く住む家であるからこそ、初期費用をかけてでも住みやすい環境にしておくことで快適な暮らしが実現します。コンクリート打ちっぱなしの家の施工経験が豊富な業者さんに相談をして、ぜひおしゃれでデザイン性の高い住宅を叶えてくださいね。

コンクリート打ちっぱなしの家を快適にしたい時は?

コンクリート打ちっぱなしの家を快適にしたい時は、施工経験豊富な業者さんに一括見積りで相談してみましょう。コンクリートの性質を良く理解して多く施工を手掛けている業者さんであれば、デメリットを改善する知識も豊富です。

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監修者プロフィール
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一級建築士

高橋 みちる (たかはし みちる)

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アールイーデザイン一級建築士事務所代表。

住宅業界で新築・リフォームの営業・設計・現場監理などを経験。
これまで3000件以上の現場を見ながら、「永く、快適に住み続けるためにはどうしたらいいのか?」を常に探求し続け、リフォーム提案を行っている。
また、現在は執筆活動や企業向けの社員研修、一般向けの講演会なども全国各地にて実施。

著書「やらなければいけない一戸建てリフォーム」(自由国民社、2020年7月発売)

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執筆者プロフィール
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大永 和弘 (おおなが かずひろ)


大学卒業後、カーテンレールシェアNo1の内装材メーカートーソー株式会社にて、7年間勤務。
入社後は、大手ハウスメーカーやリフォーム会社、工務店、内装工事業者など約200社を担当。その際に新築住宅やリフォーム住宅など数多くの現場を経験。

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