住宅リフォームの流れとは?押さえておきたいポイントを徹底解説
編集者:大永 和弘
最終更新日:2022年12月3日
住み始めてから年数が経った住宅は、リフォームを検討する機会が増えてきます。このとき気になるのが、リフォームの流れや費用ではないでしょうか。実際に住んでいるご自宅が、どのような流れでリフォームを行うのか、事前に知っておくと安心です。
そこで今回は、住宅リフォームの流れや工期、注意点などを詳しく解説します。ご自宅のリフォームを考えている方は、ぜひ参考にしてください。まずはポイントをまとめました。
リフォームの流れ
住宅リフォームは、一般的に以下の流れで進められます。各工程における詳細の内容を見てみましょう。
1. リフォーム内容を決める
最初に、どのようにリフォームをしたいのか、内容の検討から始めます。リフォームの目的を明確にするために、リフォームをしたい動機や場所を箇条書きなどで書き出してみましょう。これまでリフォームされたお客様のお声では、主に以下のような希望が挙げられています。
・キッチンの使い勝手を良くしたい
・部屋の間取りを変えたい
・断熱性を高めたい
・雨漏りが気になる
・暗い部屋を明るくしたい
・結露を発生しにくくしたい
・息子・娘家族と同居できる間取りにしたい
・バリアフリー対応の家にしたい
・耐震補強を行いたい
上記のように、リフォームの目的はご家庭によってさまざまです。せっかくリフォームを行うのならば、複数箇所を一度にリフォームしたいと考えるご家庭もあるでしょう。予算との兼ね合いも考え、ご家族全員で話し合い、リフォームの優先順位をつけておくとスムーズに決められます。
2. 業者に依頼する
希望するリフォーム内容が決まったら、リフォーム業者を選んで依頼します。リフォーム業者ごとで、得意とするリフォーム工事や料金などが異なるため、必ず複数の業者から見積もりを取ることが大切です。主なリフォーム業者の種類は、以下の通りです。
住宅メーカー…二世帯改装リフォームや増築リフォームなど、大がかりなリフォームを得意とします。
建設会社…住宅メーカー同様、大がかりなリフォームに適しており、費用も住宅メーカーより抑えられることが多いです。
工務店…内装・外装リフォームや、ユニットバスなどの設備機器交換といった、部分的なリフォームを得意としています。
業者ごとの特徴を踏まえたうえで見積もりを依頼・比較し、最終的に複数の業者を絞っておきましょう。この時点では、ひとつの業者に決める必要はありません。
3. 現地調査
より詳しい見積もりを業者に出してもらうには、現地調査が基本です。現地を業者に確認してもらい、希望通りのリフォームができるか・どのぐらいの費用がかかるかなどを相談しましょう。
業者ごとの見積もりを比較できるように、見積もりの条件は全ての業者で統一することが大切です。例えば、床材の張り替えであれば、床材のグレードを指定しておくことで、同じ条件で見積もりが比較できます。
現地調査の時には、普段の生活ぶりや問題点などを加味したうえで見積もりを出してもらうために、必要以上に家の中を片付けないことがポイントです。業者ごとで時間が重複しないよう、約束の時間帯に注意しましょう。建築時の図面や建築確認申請書類、リフォームの希望を書き出したリスト、管理規約(マンションの場合)などを準備しておくと、見積もりの算出やプランの構築などに役立ちます。
4. プランの検討
現地調査後1週間から10日ほどで、各業者から正式な見積書が届きます。見積書に、リフォームの要望が反映されているか・リフォームの目的と工事範囲が一致しているか・担当者の対応が誠実で信頼できるかなど、重要なポイントを必ずチェックしましょう。
複数業者のプランを検討するなかで、費用を下げたいために競合他社から提示された費用を話すことは避けた方が賢明です。必要以上に経費を下げるには、素材のグレードを落としたり人件費を削ったりする可能性があるためです。安さだけではなく、工事の品質や使用する素材、業者および職人の実績などに着目して選ぶようにしましょう。
5. 契約
プランを十分検討したうえで、リフォームを依頼する業者を正式に決定します。リフォームを依頼するには、業者との間で請負契約の締結が必要です。住宅リフォーム工事請負契約書には以下の項目が記載されますので、必ずチェックしましょう。
・工事名称
・工事場所
・工事期間
・請負金額
・支払い方法・期日
・添付書類(見積書・仕様書・設計図・その他)
・注文者
・請負者
上記の項目のうち、特に注意すべきなのは、工事期間・請負金額・支払いの3つです。これに加え、万が一の保証内容や工事後のアフターフォローなどについても確認しておきましょう。
6. 着工
契約が完了したら、いよいよリフォームが始まります。間取りの変更やリノベーションなどを伴う大規模なリフォームであれば、一時的な転居が必要な場合もあります。工事が始まるまでに、必要な作業を終えておきましょう。
増築を伴うリフォームでは、建築確認申請が必要です。工事の着工前に行いますが、万が一業者から検査などの話がない場合は、必ず声をかけましょう。また、リフォームによる助成金や補助金の受け取りには、業者からの証明書や図面を添付し事前申請を行う必要があります。リフォームにおける補助金を受けるには、補助事業に登録している業者であることが条件です。
リフォーム工事中は、騒音やホコリなどによりご近所に迷惑がかかることもあります。工事開始前に、きちんとご挨拶を済ませておきましょう。 工事期間中は、できるだけ現場に足を運び、計画通りに進んでいるかを確認しましょう。工事の邪魔にならないよう、現場に行くタイミングや気がついた点などは、現場の作業者ではなくリフォーム業者の担当者に確認することが大切です。
7. 完成・引き渡し
リフォーム工事が終了したら、竣工検査を行い、現場監督が最終チェックをします。問題がなければ、完成・引き渡しに移ります。 リフォーム工事の施工箇所を、担当者と一緒に全て確認し、間違いや疑問点があれば必ずその場で伝えましょう。
最終確認が完了したら書類にサインをし、引き渡しを受けます。リフォーム会社から、設備の説明書や保証書、残額の請求書などを受け取ります。アフターフォローが受けられる会社であれば、アフターフォローに関する保証書があるかを確認しておきましょう。
部位別リフォームにかかる工期
リフォームにかかる工期は、リフォーム箇所によって異なります。部位別のリフォーム工期の目安は、以下の通りです。リフォームの内容やお住まいの状況によって工期は変動しますので、あくまでも参考としてお考えください。
1.リビング
リビングのリフォーム工期は、施工箇所によって変動します。フローリングの張り替えは3日程度、床暖房の設置は4日から5日程度、壁紙の張り替えは1日から2日程度が目安です。
電気配線の変更や窓の増設などがあると、プラスアルファの工期が必要です。
2.キッチン
キッチン設備のみを取り替えるリフォームであれば、6日程度が目安ですが、キッチンの種類によっては10日前後かかる場合もあります。既存キッチンの撤去・床の給排水工事・新しい機器の取付などが必要です。
キッチンの向きを変えたり、間取りそのものを変えたりする大規模リフォームでは、2~3週間ほどかかります。排水管や給水管の移設工事、天井や壁などの工事も発生するほか、システムキッチンへのリフォームでは、種類によってさらに時間がかかることもあります。
3.トイレ
便座や便器などの取り替えは、1日で完了します。トイレの室内の壁や床の交換は1日から2日程度、和式から洋式へのトイレリフォームは、3日程度見ておきましょう。
配管工事や内装工事を伴うリフォームは、上記期間にプラスして3日から5日程度必要です。
4.浴室
浴室のバスタブのみを交換する場合は、1日で作業が完了します。ユニットバス全体のリフォームでは、解体・バスタブやドアの据付・電気工事などが必要となり、4日程度かかります。
タイル風呂からユニットバスへのリフォームには、土間の基礎工事も行うため、1週間程度必要です。
5.玄関
玄関のドアのみを交換する場合は、1日で作業が可能です。開き戸から引き戸に変えたり、玄関を広くしたりする場合は、壁の工事が必要となり、1週間程度必要です。
床や土間などの工事を伴うリフォームは、2週間から1か月程度かかる場合もあるため、余裕のあるスケジュールを組みましょう。
6.外壁
外壁塗装は、1週間から1か月ほどかかります。天候の影響を大きく受けるうえ、乾かす時間も必要なことから、他の箇所以上にリフォーム期間に余裕を持たせることが大切です。
屋根のリフォームも検討しているのであれば、外壁とともに足場を組む工事であるため、まとめて施工した方が工事期間・費用の両面において効率的です。
7.フルリフォーム
家全体をフルリフォームする場合は、1か月から2か月半ほどかかります。リフォーム箇所が多かったり、劣化が激しく進んだりしていると、さらに工期は延長されます。
工期がどのくらい必要なのかを、現地調査や見積もりの時点でしっかり打ち合わせしておきましょう。
住宅のリフォームを検討する際の注意点
理想の住まいに近づけるため、住宅リフォームを検討する際には、以下の3つに注意することが大切です。それぞれの注意点について、詳しく解説します。
1.リフォームの目的を明確にする
リフォームの流れでも紹介したように、なぜリフォームするのか・リフォームによってどのような住まいに変えたいかなど、リフォームの目的をはっきりさせることが重要です。
目的が決まると、目的を達成するにはどのようなリフォームをすれば良いかが見えてきます。住まいの理想をあげていくと、フルリフォームを行うほどの規模になるかも知れませんが、全てを一度にリフォームできるとは限りません。
リフォームをしたい箇所の中で優先順位を決め、目的を明確にした上でリフォームを進めていきましょう。
2.情報収集はしっかり行う
具体的なリフォーム方法を検討するには、機器やデザインなどの情報収集をしたり、これまでの施工事例をチェックしたりする方法があります。雑誌・カタログ・Webサイトなどで、できる限り多くの情報を入手しましょう。
さらに詳しく知りたい方は、ショールームへ足を運び、展示例などで実物を見るのもおすすめです。最新機器の機能が体験できるほか、スタッフに相談することもできます。
3.複数の業者から見積もりを取る
こちらも、リフォームの流れでも説明したとおり、業者ごとの特徴や得意分野によって、リフォームの施工可能範囲は変わってきます。業者を決めるには、複数の業者に同じ条件を提示し、見積もりを取りましょう。
業者選びのポイント
リフォームの施工業者を選ぶ際には、以下の3つのポイントに着目しましょう。
1.施工実績
業者ごとの得意分野を知るには、今までの施工実績を確認するのが必須です。リフォームを依頼したい分野と、業者の施工実績が一致すると、希望のリフォームが叶う可能性が高いでしょう。
施工実績とともに、社員の資格取得の状況も確認できると、さらに安心です。資格を持っていると、リフォーム工事に必要な知識を持ち合わせていることが証明できます。建築士・建築設備士・施工管理技士・増改築相談員などの資格を持った社員がいるか、ホームページなどでチェックしてみましょう。
2.保証の有無や期間
リフォーム工事後に、万が一不具合があった場合、多くのリフォーム会社で保証制度を設けています。ご自身がリフォームを依頼する会社で、リフォーム後の保証があるかどうか・期間はリフォーム後いつまでなのかなど、保証内容をしっかり確認しておきましょう。
3.アフターメンテナンス
不具合がなくとも、リフォーム工事後一定期間はアフターメンテナンスを受けられると安心です。設備の使い方や、担当者による定期的なメンテナンスなど、メンテナンスの内容を確認しましょう。
家仲間コムの事例
家仲間コムでは、各種リフォームの工事事例を紹介しています。その中からいくつか紹介しますので、リフォームを検討する参考としてご覧ください。
リビング拡張工事
施工前
施工後
場所:大阪府 吹田市
建物のタイプ:マンション
施工箇所:リビング洋室
施工期間:4日
施工業者:くらリフォ
リビングを拡張したいとのご要望があり、リビングと洋室の間にあった間仕切り壁を撤去しました。間仕切り壁を撤去した袖壁には補強を施し、縁が切れるところまで壁紙を張り替えました。
関連記事:『リビング拡張工事』吹田市
キッチン取り替え
施工中
施工後
場所:神奈川県 平塚市
建物のタイプ:木造戸建
築年数:約25年
施工箇所:キッチン
施工期間:2日
施工業者:タヤスイ
キッチンが古くなり、ガスコンロも点火不良が見られるようになりました。これに伴い、全て取り替えて欲しいとのご要望があったため、取り替え工事を施工させていただきました。
関連記事:キッチン取り替え
在来浴室からユニットバスへの交換
施工前
施工後
場所:兵庫県 姫路市
施工箇所:浴室・洗面所
施工期間:1週間
施工業者:株式会社ひぐち住建
タイル貼りの浴室が寒かったため、ユニットバスへの交換と脱衣室の全面リフォームを行いました。高断熱サッシの窓に交換したほか、浴槽の向きも変えました。お客様からご要望のあった横長ミラーも取り付けています。
関連記事:在来浴室からユニットバスへの交換
賃貸アパートリフォーム
施工前
施工後
場所:東京都 大田区
施工箇所:全部屋
価格:3,100,000円
施工期間:18日
施工業者:株式会社Revive
アパートの室内がかなり汚れてしまっていたため、丸ごとのリフォームと水回り設備の交換を希望されていました。リフォームにより、部屋の雰囲気が一気に明るくなり、以前と同じ部屋だと想像できないほどです。
関連記事:賃貸アパートリフォーム
マンション、フルリフォーム
施工前
施工後
場所:神奈川県 海老名市
建物のタイプ:鉄骨
施工箇所:キッチン・ユニットバス・洗面所・リビング
施工期間:20日
施工業者:株式会社ユニヴァーサル
マンションリフォームをご依頼頂いたお客様です。入居前に、クロスの張替えから水回りまで全般的に入れ替えました。キッチン・洗面台・ユニットバスはタカラ商品を利用し、トイレはTOTOピュアレストとパナソニックを組み合わせました。
関連記事:マンション、フルリフォーム
最後に
一般的なリフォームの流れを解説してきました。リフォームでは、複数の業者から見積もりを取って決断することをおすすめします。
リフォーム一括見積もりの家仲間コムでは、希望する屋根補修の内容を書き込むだけで、お住まいの地域の施工業者さんから見積もりや提案が届きます。匿名で利用できるので、後にしつこく営業される心配などもありません。利用は無料なので、お気軽にご相談ください。

大永 和弘 (おおなが かずひろ)
株式会社マッチングジャパン 代表取締役社長。
大学卒業後、カーテンレールシェアNo1の内装材メーカートーソー株式会社にて、7年間勤務。
入社後は、大手ハウスメーカーやリフォーム会社、工務店、内装工事業者など約200社を担当。その際に新築住宅やリフォーム住宅など数多くの現場を経験。
退社後、株式会社マッチングジャパンを2006年に創業し、ハウスメーカーやリフォーム会社のWEBマーケティングを経験。
その他、内装材メーカーや建材メーカーにWEBプロモーションに関わるコンサルティングを提供。
同時にリフォーム業者検索サイト「家仲間コム」の運営責任者として、累計5千社を超える施工業者にサービスを提供。サイト規模は月間アクセス約360万PV、見積利用者数は年間約5万人までに成長。
自身も7度の引越しと2度の住宅購入を経験し、家のリフォームや修繕をユーザーの立場で多く経験。
その経験から、規模が小さくても優良なリフォーム業者を探せるサイトの必要性を強く感じ、サービスの利便性向上に注力している。
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