防音リフォームは自分でできる?業者に依頼した場合の費用を比較

防音リフォームは自分でできる?業者に依頼した場合の費用を比較

昨今のマンションなどの集合住宅は気密性が高く、厚い壁や防音効果のある壁紙が使用されています。とはいえ、子どもの足音や泣き声、ピアノなど迷惑にならないような配慮が必要です。防音リフォームは高額になりがちですが、自分でできる防音対策や業者に依頼した場合の費用相場について調べてみました。

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POINT この記事のポイント

・音には「空気振動で伝わってくる音」と「固体を伝わってくる音」の2種類がある
・防音の基本は「密閉性」「吸音」「遮音」の3つ
・防音対策を行う箇所は床​、壁、天井、窓、ドア、楽器演奏の部屋など​​​​​​
・防音リフォームの費用は40万円未満のケースが多い

住宅における騒音の基準値

基準

参照:環境省

環境庁によると、騒音の基準値は上記のようになります。また、日常の生活音の大きさは以下の通りです。

ほとんどの生活音が、基準値を超えていることが分かります。特にマンションは、多くの人が住む集合住宅のため、普段から生活騒音に注意し、できる限り大きな音を立てないよう配慮をする必要があります。また、苦情があった場合は、誠意を持って対応することも大切です。

生活している以上、生活騒音を一切なくすことは不可能です。あまり神経質に近隣の騒音に反応せず、お互い様の精神で広い心を持つことも大切ですね。

音の性質

音の伝わり方

音は、空気の振動によって起こります。音には、「空気振動で伝わってくる音」と、「固体を伝わってくる音」の二種類があります。

■音はまっすぐに進み、空気を振動して伝わり、わずかな隙間からでも伝わっていく。
コンクリートのような質量の重い材料ほど、空気振動で伝わる音をよく遮断する。
グラスウールロックウールなどのふわふわした繊維系材料は、音の伝わろうとするエネルギーをよく吸収する。

防音の基本

防音対策する場所

部屋の隙間をふさぎ密閉性を高め、騒音となる音を小さくしたり(吸音)、外部に漏れないようにすること(遮音)が、防音の基本です。

※マンションは管理規約があるため、リフォームする場合にはさまざまな制約があります。まずは管理組合などに確認しましょう。

1. 防音対策:床

L値

日常生活で一番ご近所間のクレームとなるのが、マンションなどの集合住宅で階下へ伝わる音です。この階下へ伝わる音には、物を落としたり、スリッパで歩く時に発生する軽くて硬い感じの軽量床衝撃音(LL)と、子供がバタバタと走り回ったり、イスやベッドなどから飛び降りる時に起こる鈍い重量床衝撃音(LH)の2種類があります。

床の防音対策として
■衝撃音を増幅しないように防音性の高い床材やカーペット、ラグ、マットなどを使う。
■スピーカーやピアノなどを置く場合、床に直置きすると建物全体に音が広がるため、防振台を設置することである程度の防音効果が期待できます。

2. 防音対策:壁、天井

TVの音や話し声など、壁を通して聞こえる音は、自分も隣人もお互いに聞こえているのではないかと気になるものです。壁や天井の防音・遮音対策は、より多くの音を反射し吸収することがポイントになります。厚みが大きいほど音を反射する能力が高く、防音・遮音性能が上がります。

「グラスウール」「ロックウール」のような吸音材を利用する。
「遮音シート」「遮音ボード」などで固定する。
■隣人側ではなく、自宅の別室側にTVやスピーカーを配置する。
 

3. 防音対策:窓、ドア

窓やドアは、直接外部と接する場所であり、隙間が多いため、音を通しやすい場所になります。

■窓を二重窓にする。
■戸建て住宅や新築であれば、既存の窓を防音・遮音性能の高い窓にする。
防音(遮音)カーテンに変更する。
■ドアは、ドアそのものを防音・遮音性能の高いものに交換する。

4. 防音対策:ピアノや楽器演奏のための部屋

日常の生活音も気になりますが、ピアノや楽器演奏を趣味とされる場合は、よりご近所への騒音が気になるものです。筆者も映画が好きで、天井スピーカーをつけて映画を楽しんでいますが、TVを置く部屋は、お隣ではなく、自宅の別室側の壁面に沿って置いたり、遅い時間は観ない、もしくはボリュームに気を付けるなどの対策をしています。

それでもカバーできない、例えば何時間もレッスンをする、明け方まで映画を大音量で観たいなど、ご近所へのハイレベルな防音機能を求める場合は、専門の業者に依頼し防音リフォームをする必要があります。ただし、専門の業者に依頼する場合は費用もとても高額になります。

6帖間の専門防音リフォーム費用の目安は、おおよそ200~500万円になります。賃貸住宅の場合は、リフォーム自体ができないため、室内に組立式の防音室を設置する必要があります。組立式の防音室の費用目安はおおよそ100~200万円(3帖間)となっています。

監修者コメント
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防音工事の基本は「上から重ねて張る」

音の問題は、日常生活となると大きなストレスになってきますよね。何とか解消したいものです。音を遮るためには、天井・壁・床といった境界部分の密度を高める必要があります。これをできるだけ簡単に行うためには、今ある部屋の内側に、密度の高い材料を重ねて張っていくことになります。そのため、防音性能を高めるほどお部屋が狭くなり、床段差なども生じてきます。部屋の使い勝手も考えながら、どこまで防音性能を求めるかを考えていきます。

監修者:高橋 みちる(一級建築士)

防音リフォームの費用相場

費用相場

防音リフォームの費用相場は下記の通りです。多くが40万円未満で済んでいるようですが、現状やどこまでの防音リフォームをするかによって、大きく費用が変わります。では、実際に過去に、家仲間コムに寄せられた防音リフォームを見てみましょう。

■マンションの壁の防音リフォーム
築12年、マンション、6帖間
"7万円~12万円"
遮音シート貼り込み、際部、コーキング充填、石膏ボード貼り、同等壁紙貼り仕上げなど。

■床の防音リフォーム
築5年、マンション、リビングダイニング15帖と廊下
"22万円~26万円"
概算防音フローリング張り替え

■換気口の防音リフォーム
築30年、マンション
防音型ガラリを購入してDIYの場合→"1万円~2万円"
換気扇、ペイントキャップ、電源配線工事の場合→"11,3万円~"

防音リフォーム費用は、使用する素材、面積、工法によって大きく異なるため、まずは見積もりをとりましょう。

監修者コメント
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防音工事は専門業者に依頼しよう

防音工事は、数ある建築工事の種類の中でも、特に高い専門性が必要とされる分野です。防音材量を張っていく工程でも、隙間が空いてしまったり正しい施工がなされないと、仕上がりの防音性能にも大きく影響してしまうのです。防音工事を専門に行っている業者は、通常はそれを会社案内などでも謳っていますので、業者選びの段階からしっかり情報を収集し、間違いのない依頼先をお選びいただけたらと思います。

監修者:高橋 みちる(一級建築士)

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防音リフォーム費用の見積もりを依頼する際は、一括見積りが便利です。依頼内容を入力すると業者から連絡が来て、訪問見積りや電話見積もりをしてもらえます。業者によって独自のサービスや技術があるので、希望に合う業者を比較検討しましょう。

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監修者プロフィール
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一級建築士

高橋 みちる (たかはし みちる)

WEBサイト


アールイーデザイン一級建築士事務所代表。

住宅業界で新築・リフォームの営業・設計・現場監理などを経験。
これまで3000件以上の現場を見ながら、「永く、快適に住み続けるためにはどうしたらいいのか?」を常に探求し続け、リフォーム提案を行っている。
また、現在は執筆活動や企業向けの社員研修、一般向けの講演会なども全国各地にて実施。

著書「やらなければいけない一戸建てリフォーム」(自由国民社、2020年7月発売)

【保有資格】

【所属】

noteにてリフォームに関するお役立ち情報を発信中!
高橋みちる|リフォームコンサルタント|note

編集責任者プロフィール
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編集責任者

家仲間コム編集部

プロフィール


利用会員数260,000人、登録リフォーム会社数1,400社を超える日本最大級のリフォームマッチングサイト「家仲間コム」を運営するリフォーム専門家集団の編集部が、一般的なリフォームの情報を纏めた簡易的な記事ではなく、実際の見積情報や価格相場に基づいた読者に役立つ、価値ある情報をお届けしています。

執筆者プロフィール
編集者画像

大永 和弘 (おおなが かずひろ)


大学卒業後、カーテンレールシェアNo1の内装材メーカートーソー株式会社にて、7年間勤務。
入社後は、大手ハウスメーカーやリフォーム会社、工務店、内装工事業者など約200社を担当。その際に新築住宅やリフォーム住宅など数多くの現場を経験。

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