ピアノの置き場所で避けるべき環境は|最適な環境と置き場所の注意点を解説
ピアノを弾く方にとって悩むのがピアノの置き場所です。一般的な住宅では、ピアノ専用の部屋などを造ることはスペースの問題もあり難しいですよね。この記事で詳細を説明していきますが、まずはこの記事で紹介している内容の結論を簡単に記載します。
POINT この記事のポイント
・ピアノの置き場所として避けたほうが良い環境は、「湿度が高いところ」「乾燥するところ」「狭い空間」「直射日光が当たる場所」「床暖房の上」など
・ピアノの置き場所として最適な環境は、「吹き抜け」や「階段の近く」など
・ピアノの置き場所で注意するポイントは、「防音対策」「床の強度」「調律スペース」の3つ
目次 [ 非表示 ]
ピアノの置き場所として避けたほうが良い環境
まず最初に、ピアノの置き場所として避けたほうが良い環境について解説します。ピアノは木でできているので、環境によって劣化が進行したり音への影響が出てきます。ピアノの置き場所として避けたほうが良い環境は、主に下記の5つです。
・湿度が高いところ
・乾燥するところ
・狭い空間
・直射日光が当たる場所
・床暖房の上
これらの場所はまずピアノの置き場所として適していませんので、消去法で避けておきましょう。
1. 湿度が高いところ
ピアノは木でできているため湿気が苦手です。キッチンやお風呂場などの水廻りの近くは避けたほうがピアノの劣化がしにくくなります。ピアノにとって最適な湿度は、人間にとっても快適な約50%~70%が目安です。
2. 乾燥するところ
湿度と同じように木にとっては乾燥しすぎる環境も得意ではありません。極度の乾燥は割れや反りを引き起こし、音が狂う原因にもなります。特にエアコンの風が直撃するような場所は避けましょう。
3. 狭い空間
ピアノは広い空間ほど音が反響して広がり、美しい音色を奏でます。時々、ピアノを設置するための大きめのニッチを設ける方もいらっしゃいますが、音が反響しないだけでなく調律の際にも作業がしづらいのでおすすめしません。
「ニッチ」とは、壁をくり抜いてへこんだ部分を飾り棚や収納スペースとして活用する空間のことを言います。
4. 直射日光が当たる場所
直射日光が当たる窓辺は、ピアノが日焼けして劣化してしまいます。窓辺はご近所さんへの騒音問題になる場合もありおすすめしませんが、やむを得ず窓辺にピアノを置く場合には、遮光カーテンで直射日光が当たらないように工夫しましょう。
5. 床暖房の上
最近のリビングには床暖房を設置してあるご家庭も多いです。建売住宅でも床暖房が標準装備されていることもありますよね。
ピアノの置き場所として選ばれやすいリビングに床暖房が設置されている場合、床暖房の上にピアノを置くことは避けたほうが安心です。
ピアノにとって最適な室温は15℃~25℃ですが、床暖房の上に直接ピアノを置くと足元からピアノが暖まり過乾燥状態となります。
2つ目の項目でご説明した通り、乾燥すると割れや反りの原因となり音も狂いますので、どうしても床暖房の上を置き場所にするのであれば断熱シートを敷いて熱を遮断しておきましょう。
ピアノの置き場所として最適な環境
では、ピアノの置き場所として最適なのはどのような環境でしょうか。
1. 吹き抜け
ピアノの置き場所として最も適しているのは、吹き抜け空間です。「広くて天井高がある空間」は、温度や湿度も適度で、広い空間が音の広がりを助けてくれます。吹き抜けへ上がる階段を背にピアノを設置すると、階段の上昇気流に乗って音が上階へ広がり心地よい音色を楽しむことができます。
これから新築される方でピアノを置く予定の場合は、ぜひ吹き抜け空間にピアノの設置スペースを組み込まれることをおすすめします。
関連記事:吹き抜けの間取りは実際の生活をイメージして検討しましょう
2. 階段の近く
吹き抜けほどの空間がない場合でも、階段の近くにピアノを置くことで音に広がりが出やすくなります。2階へ上がる階段を背にピアノの置き場所を確保しましょう。
3. ピアノの後方に空間がある
ピアノは背の部分から音が出ますので、後方にはできるだけ空間を開けておくと音が広がって良く聞こえます。空間を開けるといっても、ベランダや庭に背を向けるとご近所迷惑になることが多いので注意が必要です。
ピアノの置き場所で注意するポイント
ピアノの置き場所として、避けるべき環境と最適な環境をご説明しましたが、ピアノを置くうえで注意するポイントがあります。
1. 防音対策
ご近所さんからピアノの音が聞こえてくるシチュエーションは、多くの方がご経験されているのではないでしょうか。プロのように上手に弾く方や一所懸命練習している人など様々ですが、聞いている側の家庭環境によっては心地よく聞くことができる人とそうでない人がいます。
ようやく寝かしつけた赤ちゃんがいたり、夜勤明けで一刻も早く寝たい人などにとっては、少し静かにしてほしいと思うことも。ピアノの音は騒音問題にもなりえますので、防音対策はしっかり行っておきましょう。
1-1. 外壁よりも内壁に背を向ける
ピアノは背面から音が出ますので、背面には空間を開けておくほうが良いのですが、多くの場合壁につけて置くケースが多いです。外壁に面して置くと音が外に漏れやすくなるので、できるだけ部屋と部屋の間の内壁に置きましょう。
壁に沿って設置する場合は10cm~15cm程度離しておくと音の逃げ道ができ、より美しい音が聞こえます。
1-2. 内窓を設置する
ピアノを置く場所に窓がある場合は、内窓を設置しておくと音漏れを軽減することができます。外からの騒音もシャットアウトできますので、ピアノにも集中できますよ。
関連記事:騒音対策は窓に「内窓」を取り付けよう!効果的な騒音対策4ステップ
2. 床の強度
ピアノの重量の目安は下記の通りです。
ピアノの種類 | 重量目安 |
---|---|
アップライトピアノ | 約210kg~275㎏ |
グランドピアノ | 約255kg~410㎏ |
大人4~5人程度の重さですので、そこまで床の強度を心配する必要はありません。ただし、築年数が経過した古い木造住宅の場合には下地や構造部分が老朽化している可能性もありますので、ピアノを設置する前に耐震性の問題があります。
3. 調律スペース
ピアノは正確な音を奏でるために調律が必要です。「調律」とは、正しい音を出すためのチューニング作業のことで、年に一度は調律師さんによる調律をするのが望ましいです。調律作業には専用の器具を使いますが、その際ピアノの右側で作業を行います。下記の調律スペースを目安に開けて置きましょう。
ピアノの種類 | 調律スペース |
---|---|
アップライトピアノ | 上:約40cm 右側:約50cm |
グランドピアノ | 上:約40cm 右側:約50cm 手前:約100cm |
ピアノの置き場所まとめ
ピアノは自然の木から造られたとても繊細な楽器です。置き場所によってピアノの音の響きも変わりますし、耐久性にも影響が出ますので、この記事をご参考に最適な環境に置いてピアノを楽しんでくださいね。防音対策には内窓の設置がお手軽で効果的ですよ!
ピアノの音漏れを防いで快適な環境を造るには?
ピアノの音漏れを防いで快適な環境を造るには、下記の2つのリフォームがおすすめです。
・内窓を設置して防音対策
・吹き抜けを設置してピアノに最適な環境作り
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大永 和弘 (おおなが かずひろ)
大学卒業後、カーテンレールシェアNo1の内装材メーカートーソー株式会社にて、7年間勤務。
入社後は、大手ハウスメーカーやリフォーム会社、工務店、内装工事業者など約200社を担当。その際に新築住宅やリフォーム住宅など数多くの現場を経験。
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