防音対策の効果的な方法と費用|窓・壁・床それぞれの対策方法とは?

防音対策の効果的な方法と費用|窓・壁・床それぞれの対策方法とは?

防音対策について、お悩みの方はとても多いようです。特にマンションなどの集合住宅においては、防音対策に関心のある方の割合は高くなります。今回は、防音対策の効果的な方法と費用、窓・壁・床それぞれの対策方法について解説します。まずはこの記事のポイントを以下にまとめました。

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POINT この記事のポイント

・住宅地で望ましい音の基準は55デシベル以下、夜間は45デシベル以下
・音は窓から進入しやすいため窓の防音対策が重要
・防音ガラスや二重サッシに交換する場合の交換費用目安は約10万円〜
・壁や床の防音対策はいくつかある

防音対策の種類

防音対策には大きく2通りあります。

・自分の家の音を、外に出さないようにする防音対策
・まわりの音を、自分の家に入れないようにするための防音対策


どの音を、どこに対して防音したいのかを冷静に判断して、最適な防音対策を選ぶ必要があります。

音の経路に対する防音対策の種類

音の経路に対する防音対策の種類

音の経路に対する防音対策は大きく3通りあります。

防音対策の前に、騒音とはどんなもの?

住宅地での維持されることが望ましい音の基準は55デシベル以下夜間の騒音は45デシベル以下となります。日常の生活の中での音の大きさは以下となります。

日常生活での騒音の大きさ

洗濯機約64~72デシベル
掃除機約60~76デシベル
ピアノ約80~90デシベル
犬の鳴き声約90~100デシベル
子供のかけ足約50~66デシベル

騒音レベルの目安

110デシベル 自動車の警笛
100デシベル プロのピアノ、電車が通過するときのガード下
90デシベル 騒々しい工場の中、犬の鳴き声、大声による独唱、カラオケ
80デシベル 普通のピアノ、せみの声、赤子の泣き声、電車地下鉄の車内
70デシベル ステレオ、電話のベル、騒々しい事務所の中、騒々しい街頭、鈴虫の音色
60デシベル 普通の会話、静かな乗車用車車内、平均的な事務所内、電気ひげ剃り
50デシベル 静かな事務所、扇風機、クーラー(室外、始動時)
40デシベル 図書館、クーラー吹き出し音、市内の深夜、静かな住宅地の昼
30デシベル 郊外の深夜、板の間の足音、ささやき声
20デシベル 木の葉のふれあう音、置き時計の秒針の音

窓の防音対策

外から入ってくる騒音には、車の音、人のしゃべり声などがあります。外からの音は、空気を媒体として伝わる空気電波音といい、窓などの開口部などから入ってきます。

一般的な住宅の外壁は120〜200mmあるのに比べ、窓ガラス部分が最も薄く、1枚ガラスの場合5mm程度しかありません。また、サッシの隙間からの音の出入りもあります。つまり、音は窓から進入しやすいため、窓の防音対策はとても重要です。窓の防音対策にはどのようなものがあるのでしょうか?

1. 窓の防音対策「防音ガラス」

防音ガラスは騒音によって起こる振動を熱に置き換え、音の波を消滅させる原理を用いたもので、2枚以上のガラスで特殊中間膜を挟みこんだ合わせガラスです。

価格をガラス屋さんに問い合わせてみると、防音ガラス本体や施工費などを含め、一般的な一間掃き出し窓(幅170cm(幅80cm×2枚)×高さ180cm)で10万円前後〜となっています。もちろん、ガラスにより価格は異なるためご近所のガラス屋さんなどにお問い合わせください。

2. 窓の防音対策「二重サッシ」

現在ある窓の内側にもう一枚窓をつけて、二重サッシにする方法です。非常に防音効果が高く、高い断熱効果も期待できます。

価格を問い合わせると、一般的な一間掃き出し窓(幅170cm(幅80cm×2枚)×高さ180cm)でサッシ代とガラス代、施工費で通常10万円前後とのことでした。新設する内側のサッシに使用するガラスを防音ガラスにする場合はもう少し値段は高くなるとのことです。

3. 窓の防音対策「遮音カーテン」

窓に遮音性のあるカーテンをつけるもので、手軽にできる防音対策です。遮音カーテンは、生地または裏面に特殊加工を施したものや生地に樹脂コーティングしたものなどがあります。

価格を調べてみると、一般的な一間掃き出し窓(幅170cm×高さ180cm)で既製品で1万5千円前後〜、オーダー品でメーカー希望小売価格で5万円〜10万円位でした。オーダー品の場合、販売店さんでは平均3割引きで販売されている所が多いようです。もちろん、条件などにより販売価格は変わります。

ご近所の内装屋さんやカーテン屋さんにお問合せください。

監修者コメント
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防音・断熱効果の高い内窓がおすすめ

外からの音を防ぎたい場合、窓に内窓を設置する方法は、工事も手軽で遮音効果も高いためおすすめです。内窓は今あるサッシの内側に取り付けるだけで、遮音効果だけでなく断熱性能のアップや結露対策なども期待できます。断熱性能を向上させるリフォームは補助金の対象となる場合も多いため、ご興味のある方は、ぜひ補助金情報もマメにチェックしていただき、オトクに内窓を設置されてくださいね。

監修者:高橋 みちる(一級建築士)

壁の防音対策

壁は厚みがあるため、壁からの音の進入は比較的に少ないです。壁自体からの音の進入よりも、換気口や換気扇などの開口部からの方が音の進入は多いでしょう。壁の防音対策にはどのようなものがあるのでしょうか?

1. 壁の防音対策「防音下地材」

防湿遮音シート、遮音下地パネルなどを使って壁の防音対策を行います。壁自体にリフォームが必要となりますので、手軽な防音対策ではありません。

2. 壁の防音対策「防音換気口」

壁には換気口などの開口部があります。換気口の防音対策として防音効果のある換気口に交換します。

3. 床の防音対策

床の防音対策は、子供の飛び跳ねる音や歩行音などを階下に響かないようにする場合が多いです。窓や壁の防音対策の場合とは違い、自宅の音を外に出さないという需要が高いのが床の防音対策です。

床の騒音には二種類あります。

重量床衝撃音(LH):子供高いところから飛び降りたり、走り回る「ドンドン」という音
軽量床衝撃音(LL):スリッパでの歩行音や床を軽く叩く「コツコツ」という音

重量床衝撃音の防音対策は、床の構造自体をリフォームしなくてはならず、マンションの場合では難しいでしょう。軽量床衝撃音は、比較的手軽な防音対策で軽減することができます。

1. 床の防音対策「防音カーペット」

床の上に、さらにカーペットやジュータン、コルクなどのクッション性のある敷物を敷きます。床の一部に敷くより、床全体に敷き詰めた方が効果がアップします。遮音性を高めた「防音カーペット」にはLL-30、LL-40の遮音性能のものもあります。

オーダー防音カーペットのメーカー希望小売価格は平米4千円〜15,000円で値段に幅があります。オーダー品の場合、販売店さんでは平均3割引きで販売されている所が多いようです。本体代以外にオーバーロック加工(カットした縁をミシンで加工)代が約m/500円ほどかかります。

例:平米5,000円のオーダー防音カーペットの江戸間6畳(261cm×352cm)
生地代 9.19平米 × 5,000円49,550円
ロック加工代 12.3m × 500円6,150円
小計 55,700円

既製品の防音カーペットはオーダー品に比べて安く、江戸間6畳(261cm×352cm)の場合で、実売価格で2万円前後〜であります。

2. 床の防音対策「遮音フローリング」

フローリングには遮音性を高めたタイプがあります。普通品でLL-60程度、遮音タイプではLL-45〜LL-55程度の遮音性能があります。

遮音フローリングの製品代のみで、江戸間6畳(261cm×352cm)の場合で10万円以上はします。製品代以外に施工費や廃材処理費などがかかります。遮音フローリングへのリフォーム費用は、現状の床がフローリングかカーペットかなどにより異なります。

※「LLとは?」軽量床衝撃音の遮音性能を示すもので、LLの後の数字が小さい方が遮音性能が高い。LL(軽量床衝撃音)の遮音性能は以下のとおりです。

遮音等級人の走り回り、飛び跳ねなどイスの移動音・物の落下音など生活実感・プライバシーの確保
LL-30通常ではまず聞こえない聞こえない上階の気配を感じない
LL-35ほとんど聞こえない通常ではまず聞こえない上階の気配を感じる事がある
LL-40かすかに聞こえるが
遠くから聞こえる感じ
ほとんど聞こえない上階で物音がかすかにする程度
気配は感じるが気にならない
LL-45聞こえるが意識することは
あまりない
小さく聞こえる上階の生活が多少意識される程度
大きな動きはわかる
LL-50小さく聞こえる聞こえる上階の生活が多識される
歩行などがわかる
LL-60聞こえる発生音が気になる上階の生活行為がある程度わかる
スリッパ歩行が聞こえる
LL-65よく聞こえる発生音がかなり気になる上階の生活行為がよくわかる
LL-70うるさいかなりうるさい人の位置がわかる
大変うるさい
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マンションでは床の仕上げに気をつけよう

マンションでは隣家とは壁や床1枚で隔てられているため、遮音には配慮したいところです。特に床は歩いたり物を落としたりして、下階へ音を生じやすい部位です。フローリングは遮音に配慮した商品もありますが、カーペットに比べると表面で音が生じやすい材質のため、管理規約などでフローリングが禁止になっている場合もあります。リフォームの際には事前に管理組合に相談し、近隣とのトラブルにならないよう気をつけたいですね。

監修者:高橋 みちる(一級建築士)

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監修者プロフィール
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一級建築士

高橋 みちる (たかはし みちる)

WEBサイト


アールイーデザイン一級建築士事務所代表。

住宅業界で新築・リフォームの営業・設計・現場監理などを経験。
これまで3000件以上の現場を見ながら、「永く、快適に住み続けるためにはどうしたらいいのか?」を常に探求し続け、リフォーム提案を行っている。
また、現在は執筆活動や企業向けの社員研修、一般向けの講演会なども全国各地にて実施。

著書「やらなければいけない一戸建てリフォーム」(自由国民社、2020年7月発売)

【保有資格】

【所属】

noteにてリフォームに関するお役立ち情報を発信中!
高橋みちる|リフォームコンサルタント|note

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家仲間コム編集部

プロフィール


利用会員数260,000人、登録リフォーム会社数1,400社を超える日本最大級のリフォームマッチングサイト「家仲間コム」を運営するリフォーム専門家集団の編集部が、一般的なリフォームの情報を纏めた簡易的な記事ではなく、実際の見積情報や価格相場に基づいた読者に役立つ、価値ある情報をお届けしています。

執筆者プロフィール
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大永 和弘 (おおなが かずひろ)


大学卒業後、カーテンレールシェアNo1の内装材メーカートーソー株式会社にて、7年間勤務。
入社後は、大手ハウスメーカーやリフォーム会社、工務店、内装工事業者など約200社を担当。その際に新築住宅やリフォーム住宅など数多くの現場を経験。

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