【最新】24時間換気システム|戸建には第一種換気がおすすめ
編集者:大永 和弘
最終更新日:2023年6月2日
24時間換気システムは、気密性が高くなった最近の住宅への取り付けが義務化されていますが、住宅設備なので経年劣化と共に故障することもあります。この記事で詳細を説明していきますが、まずはこの記事で紹介している内容の結論を簡単に記載します。
POINT この記事のポイント
・24時間換気システムの役割は、「気密性の高さから換気が必要」「シックハウス症候群やハウスダストの防止」「結露の防止」の3つ
・24時間換気システムが故障した場合の症状は、「空気の流れが感じられない(換気をしていない)」「異音がする」「スイッチを入れても作動しない」など
・24時間換気システムの種類は、「第一種換気」「第二種換気」「第三種換気」の3つ
目次 [ 表示 ]
24時間換気システムとは
「24時間換気システム」は、住宅のなかの空気を自動的に循環させて、入れ換えるシステムのことです。2003年の建築基準法の改正によって、これ以降に建てられた住宅に導入することが、義務化されました。
24時間稼働が原則
鉄筋コンクリート造の住宅においては、生活音や、断熱性を考慮した設計から、密閉性に優れた造りになっています。密閉性に優れた住宅では、空気が滞留して湿度が上がり、結露が発生しがちです。
また、結露の発生によって床や壁が劣化してしまったり、カビやダニが発生し、アレルギー症状につながることも考えられます。 このようなリスクを軽減するために、現在の住宅では24時間換気システムが取り入れられているのです。 24時間換気システムは、年中稼働させて常時空気の入れ替えを行うのが原則です。
24時間換気システムの役割
24時間換気システムは各居室に取り付けられた給気口から外気を取り込み、部屋の空気を綺麗にしてトイレや洗面所の排気口から外へ排出することによって、室内の空気を循環させています。2003年に改正された建築基準法で、新築住宅には24時間換気システムの設置が義務付けられました。
関連記事:シックハウス症候群やカビの抑制に大活躍!24時間換気の必要性やかかる電気代は?
1. 気密性の高さから換気が必要
なぜ24時間換気システムの設置が義務付けられたかというと、ひとつには住宅の気密性の高さが関係しています。昔は自然に呼吸をする木材を使用して住宅が造られていましたが、近年の住宅は建材そのものの気密性が高くなったので常時換気をする仕組みが必要になりました。
2. シックハウス症候群やハウスダストの防止
気密性が高くなったということは建材から発生する化学物質や住宅内のハウスダストの逃げ場がなくなり、室内に滞留することになります。24時間換気システムは、住宅内の空気を循環させることによってこれらの原因となる物質を外へ排出するので、シックハウス症候群やハウスダストアレルギーの防止につながります。
3. 結露の防止
住宅の気密性が高いと、外気温と室温との温度差が大きくなります。結露はこの温度差が大きくなるほど発生しやすくなるので、換気をして通気性を良くしておくことで結露の発生を防いでくれます。特に断熱性能の低い窓が取り付けられている住宅では結露には十分注意が必要です。
関連記事:マンションの結露がひどい場合は「換気」と「除湿」で解決!
24時間換気システムが故障した場合の症状
24時間換気システムは耐用年数が約10年で、下記のような症状が発生したら故障の可能性が高いので交換が必要になってきます。
1. 空気の流れが感じられない(換気をしていない)
24時間換気システムをつけているのに空気が循環していないと感じる場合は、フィルターの目詰まりが考えられます。
24時間換気システムには給気・排気ともにフィルターが取り付けられています。1ヶ月もすればこのフィルターは真っ黒になるほど汚れますので、定期的に洗って2年に一度は新しいものと交換する必要があります。
汚れたフィルターを取り付けたままにしておくと、汚れた空気を室内に取り込むことになり24時間換気システムの意味がなくなってしまいます。24時間換気システムのフィルターはメーカー純性のものは高価なので、サイズが合うものであれば純正でないものを購入される方も多いです。
フィルター交換の際は、安全のためにいったん24時間換気システムのスイッチを切ってから取り外し・取り付けを行いましょう。
2. 異音がする
24時間換気システムは静音設計になっているので、普段使用中に音が気になることはあまりありませんが、異音がしてくることがあります。これも劣化のサインですが、多くはモーターなどの電気系統の故障が考えられます。交換費用は約8万円~10万円です。
3. スイッチを入れても作動しない
24時間換気システムのスイッチを入れても作動しない場合も電気系統の故障が考えられます。こちらも全体交換になり、交換費用は約8万円~10万円です。
24時間換気システムの種類
24時間換気システムには下記の3種類があります。
第一種換気
「第一種換気」は、機械で強制的に給気と排気を行う方式です。高気密住宅では強制的に換気が必要なので、近年導入される方が増えています。
メリット | ・エネルギー効率が良い ・静か ・確実に換気を制御できる |
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デメリット | ・導入コストがかかる ・電気代が他の方式より高い |
第二種換気
「第二種換気」は一般住宅では採用されず、病院などで採用されている方式です。機械で給気を行い、排気は自然に行います。
メリット | ・室内に塵やほこりが入りにくい ・消費電力量が少ない |
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デメリット | ・エネルギー効率があまり高くない ・結露しやすい |
第三種換気
「第三種換気」は、開口部から自然に吸気し、排気を機械によって行う方式です。コストが安く抑えられるので最も多く採用されています。
メリット | ・結露を発生させにくい ・電気代が安い |
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デメリット | ・各居室に給気口を設置する必要がある ・エネルギー効率が低い |
24時間換気システムを交換するなら「第一種換気」がおすすめ
24時間換気システムを交換する必要が出た場合は、「第一種換気」方式がおすすめです。
出典:24時間換気システム「パイプファン24システム」第1種換気|Panasonic
初期導入費用がかかりますが、確実に給排気が行えるのでそもそもの24時間換気システムとしての機能が最も発揮されます。また「第一種換気」は、熱交換率が良いので室温をできるだけ保ったまま換気をすることができてエアコン効率が上がるので、年間の光熱費の削減につながります。
導入費用が15万円~25万円程度かかりますが、耐用年数の10年が経過する前に初期費用の元が取れることが多いです。
24時間換気システムを上手に活用するコツ
1. フィルターを使用する
虫などの侵入を防止したい場合には、専用のフィルターを使用するのがおすすめです。また、外側に防虫網を取り付けるなどの対策も良いでしょう。
花粉やPM2.5などを防ぎたい場合には、本体にセットするフィルターを見直してみるのもひとつの手です。なかには、花粉防止に特化したフィルターや、排ガスによる臭気や騒音を軽減そてくれる効果を持つフィルターもあります。
ただし、フィルターの目は細かいほど、汚れが溜まりやすく、通気も悪くなりがちです。そのため、高性能なフィルターを使う際には、お手入れにも気を配りましょう。
2. 空気清浄機を併用する
なるべく空気を綺麗に保ちたい場合には、空気清浄機を併用することも有効です。ただし、空気清浄機単体での使用は、あまり得策ではありません。 なぜなら、空気清浄機は、あくまでも室内の浮遊物を除去する機器であり、空気の入れ替えは行えないためです。
空気の循環をしないと、炭素などが滞留してしまうので、換気と同時に空気清浄機を利用する必要があるのです。 また、室内の空気を清潔にキープする意味では、花粉やPM2.5は床に溜まりやすいため、こまめに掃除機をかけることも対策になります。
3. 電気代を気にすることなく使う
24時間換気システムが導入されている住宅では、機械が動きっぱなしになっているため、電気代が気になることもあるでしょう。しかし、24時間換気システムで使う電力はあまり大きくはなく、料金にすると月に数百円程度です。24時間換気システムを使うことで、大幅に電気代が変わる心配はないため、気にすることなく使用してください。
ただし、第一種換気で、熱交換器を使用している場合には、月に1,000~2,000円ほど電気代が高くなる可能性があります。その分、空調が効きやすく省エネにはなるので、トータルバランスを考慮して、導入する機種を選んでください。
家仲間コムの登録業者による24時間換気システム施工事例
ここからは、ご参考までに家仲間コムの登録業者による24時間換気システム施工事例を紹介します。
24時間換気システム
施工前
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大永 和弘 (おおなが かずひろ)
株式会社マッチングジャパン 代表取締役社長。
大学卒業後、カーテンレールシェアNo1の内装材メーカートーソー株式会社にて、7年間勤務。
入社後は、大手ハウスメーカーやリフォーム会社、工務店、内装工事業者など約200社を担当。その際に新築住宅やリフォーム住宅など数多くの現場を経験。
退社後、株式会社マッチングジャパンを2006年に創業し、ハウスメーカーやリフォーム会社のWEBマーケティングを経験。
その他、内装材メーカーや建材メーカーにWEBプロモーションに関わるコンサルティングを提供。
同時にリフォーム業者検索サイト「家仲間コム」の運営責任者として、累計5千社を超える施工業者にサービスを提供。サイト規模は月間アクセス約360万PV、見積利用者数は年間約5万人までに成長。
自身も7度の引越しと2度の住宅購入を経験し、家のリフォームや修繕をユーザーの立場で多く経験。
その経験から、規模が小さくても優良なリフォーム業者を探せるサイトの必要性を強く感じ、サービスの利便性向上に注力している。
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