リノベーションとリフォームの違いとは?それぞれにかかる費用を解説
リノベーションとリフォームは、どちらも古くなった住宅に手を加えることを指しますが、両者の違いについてはきちんと理解できていない方も、少なくないのではないでしょうか。この記事では、リノベーションとリフォームの違いやそれぞれにかかる費用について解説しています。
POINT この記事のポイント
・リノベーションとは既存の建物に大規模な工事を施すこと
・リフォームとは経年劣化によってマイナスの状態になった住宅を建築当初の状態に戻すこと
・リフォームとリノベーションにはそれぞれメリット・デメリットがある
・リノベーションの相場は50~2,000万円近くと幅広い
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リノベーションとリフォームの違い
リノベーションとリフォームは、混合されやすい言葉ですが、それぞれで明確な違いが存在します。まずは、リノベーションとリフォームの違いについて見ていきましょう。
リノベーション
「リノベーション」とは、既存の建物に大規模な工事を施すことを指します。住宅の性能を向上させ、価値を高めることが主な目的で、ライフスタイルや生活環境に合わせて自由にアレンジできることから、近年では非常に人気が高まっています。
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リフォーム
「リフォーム」とは、経年劣化によってマイナスの状態になった住宅を建築当初の状態に戻すことを言います。クロス・床紙の張り替えや設備の交換、外壁の塗り替えなどが主な施工内容です。
リノベーションのメリット
リノベーションのメリットは、主に「物件の選択肢が豊富になる」「設計の自由度が高い」「新築よりもお得」の3つです。以下で、順に見ていきましょう。
1.物件の選択肢が豊富になる
リノベーションは、新築と比べより安い予算で希望の住宅を造れるため、物件の選択肢が豊富です。「駅から徒歩5分以内」や「都心部に近い」「周辺の生活環境が良い」など、細かな希望条件を満たす戸建やマンションを探し出せる可能性が高いです。
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2.設計の自由度が高い
前述した通り、リノベーションでは、ライフスタイルに合わせた住宅改修がメインになります。 お子様が生まれることを想定して、子供部屋の数を多く設けたり、最先端のシステムを搭載したキッチンを導入したり、趣味を楽しむ娯楽スペースを作ったりと、そのバリエーションはさまざまです。設計の自由度が高く、自分好みの住宅を建築できる点は、リノベーションならではのメリットだと言えるでしょう。
3.新築よりもお得
新築戸建てを建てる際には、安くても1㎡あたり20~30万円ほどの工事費がかかります。一方、リノベーションでは、工夫次第で数百万円で施工できるケースも存在します。
リノベーションのデメリット
さまざまなメリットがあるリノベーションですが、施工には少なからずデメリットも存在します。以下では、リノベーションのデメリットについて紹介します。
1.工期が長くなる
リノベーションは、工事の内容や住宅の規模にもよりますが、一般的に2ヶ月〜半年程度の工期がかかります。また、工事期間中は原則として、工事対象の住宅には住むことができません。一時的に仮住まいに引っ越す必要があり、その分の費用や労力が発生します。
2.金利が高くなりやすい
リノベーションは、通常の住宅ローンを使うことができないため、リフォームローンを組まなければなりません。リフォームローンは、金利が高いうえに借入期間が比較的短く、コスト面における負担が大きいデメリットがあります。
3.リフォームよりも高くなることも
リノベーションは、リフォームよりも工事が大規模になるため、多額の費用が必要です。特に、フルリノベーションを希望するような場合は、さらに工事範囲が広がり、それに伴って工事費用も高額となります。築古物件を安く購入できたとしても、修繕箇所が大規模になれば、想定以上の費用がかかる可能性があるのです。
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リフォームのメリット
ここまで、リノベーションのメリット・デメリットについてお伝えしてきました。では、リフォームにはどのようなメリットがあるのでしょうか。ここからは、リフォームのメリットについて紹介します。
1.工期が短め
リノベーションは、工事の規模が大きいため、その分工期も長くかかりますが、リフォームの場合は、リフォーム箇所のみの工事で終わるため、工期が比較的短めです。長くても2週間以内に終わるケースがほとんどのため、生活における負担はかなり少ないでしょう。
2.生活導線への影響が少ない
リフォームは、家に住みながらリフォームを進められる点も、メリットとして挙げられます。一部だけを新しくするため、生活導線への影響が少なく、家全体の住み心地も変わりません。
リフォームのデメリット
リノベーション同様、リフォームにもいくつかのデメリットが見受けられます。以下では、リフォームのデメリットを説明します。
1.デザインを変更しにくい
リフォームでは、リノベーションと違い、間取りを大幅に変更したり、ライフスタイルに合わせて住まいのデザインを一新したりといった大掛かりな工事は行えません。リフォームは、あくまでも部分的な改修を行う工事であることを覚えておきましょう。
2.設計の自由度が低い
既存の家の間取りや構造を残したまま行うリフォームは、建物の構造によって希望の工事が行えないなどの制約が発生します。特に、家の構造に関わる梁(はり)や柱、階段などは、手を加えられないことが少なくありません。また、もし手を加えることができても、家の強度を落としてしまう可能性があるため注意が必要です。
リノベーション・リフォームそれぞれの費用相場
ここでは、リノベーション・リフォームそれぞれの費用相場について紹介します。ただし、下記で紹介する相場はあくまで目安であり、実際の金額は工事内容によって変動します。より詳細な金額を知りたい方は、業者に見積もりを依頼してください。
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リノベーション(40㎡)の相場は600~850万円
住宅の一部をリノベーションするような小規模な工事は、600~850万円前後で依頼できます。
リノベーション(80㎡)の相場は900~1,700万円
住宅全体をフルリノベーションするなら、900~1,700万円ほどを想定しておきましょう。ただし、配管工事や補強工事などが伴う場合は1,700万円以上かかることもあります。
リフォーム(水回り設備の交換)の相場は50~200万円
水回り設備の交換は、50万円~100万円ほどと費用が高くなる傾向にあります。和式トイレから洋式トイレに変更するリフォームでも、50万円程の費用が発生するケースは決して珍しくありません。
リフォーム(和室から洋室への変更)の相場は15~20万円
和室から洋室へのリフォームは、15~20万円ほどかかります。さらに、部屋を分けるための間仕切り壁を設置する場合は、1箇所あたり8~25万円前後が追加で発生します。
リフォーム(トイレの交換)の相場は20~40万円
トイレのリフォームにかかる費用は20〜40万円程度で、最新設備をフル導入したとしても、70万円未満で収まるケースがほとんどです。
リフォーム(クロスの張替え)の相場は5~20万円
クロスの張り替えにかかる費用相場は、5~20万円程度です。ただし、デザイン性や機能性に優れたクロスを選ぶと、相場以上の金額が発生します。
一般的なリノベーションの流れ
一般的なリノベーションの流れは、以下の通りです。
1.イメージを具体化して予算を決める
まずは、リノベーションでどのような部屋にしたいのか、イメージを具体化して予算を決めます。家族全員で、今後のライフステージに合わせた間取りなどの要望や、優先順位のすり合わせを行いましょう。
2.現地調査
住宅の完成イメージがある程度固まったら、現地調査を行います。気になるリノベーション事例を手掛けたリフォーム会社に問い合わせたり、リノベーション事例を紹介しているサイトから見積もりを取ったりして、希望のリノベーションプランのヒアリングをしてもらいましょう。 また、よりイメージを固めたい場合は、ショールームに足を運んでみるのもひとつの手です。気になるリフォーム会社があれば、積極的に相談してみましょう。
3.プランの設計・費用の決定
業者が決まったら打ち合わせを行い、どのようなプランにするのか検討します。住宅のコンセプトやイメージスケッチ、3Dパースなども参考に、費用やプランを最終決定します。 なお、リノベーション費用を金融機関から借り入れる場合には、この段階でローン審査を依頼しましょう。
4.施工
業者と契約を交わしたら、いよいよ着工です。施工中は、こまめに現状の確認や進捗の共有を受けましょう。気になる点は、都度早めに業者へ問い合わせることで、後のトラブル回避につながります。
5.引き渡し
施工完了後は、立ち会い確認を経て引き渡しになります。引き渡し後は、着手金を除く設計費用や工事費用の残金、追加工事による費用の精算を行います。
家仲間コムでの過去事例における相場
ここからは、家仲間コムで紹介しているリノベーションの施工事例をご紹介します。ご自宅のリノベーションを考えている方は、ぜひ参考にしてください。
木造住宅のフルリノベーション【3,200万円】
【施工前】
施工箇所:全体リノベーション
築年数:約50年
施工業者:彩建コーポレーション
築50年の木造住宅をフルリノベーションしたいとの要望でした。リビングスペースにはボルダリングの壁を貼り、上部のロフトまで運動しながら移動できるように工夫しました。また、キッチンには、フラット対面式のシステムキッチンを導入し、家族間のコミニュケーションが取りやすい開放的な空間に仕上げました。
関連記事:築50年の木造住宅リノベーション
バリアフリー化リノベーション【720万円】
【施工前】
施工箇所:フルリフォーム
築年数:約20年
施工業者:イケヤ建築設計
高齢の家族も住みやすい住宅になるよう、バリアフリー化を施して欲しいとの依頼でした。普段は車いすを利用しているとのことでしたので、玄関には広々としたスロープを取り付け、住宅内の設備には手すりの追加を行いました。
関連記事:バリアフリー化リノベーション
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利用会員数260,000人、登録リフォーム会社数1,400社を超える日本最大級のリフォームマッチングサイト「家仲間コム」を運営するリフォーム専門家集団の編集部が、一般的なリフォームの情報を纏めた簡易的な記事ではなく、実際の見積情報や価格相場に基づいた読者に役立つ、価値ある情報をお届けしています。

大永 和弘 (おおなが かずひろ)
大学卒業後、カーテンレールシェアNo1の内装材メーカートーソー株式会社にて、7年間勤務。
入社後は、大手ハウスメーカーやリフォーム会社、工務店、内装工事業者など約200社を担当。その際に新築住宅やリフォーム住宅など数多くの現場を経験。
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