半地下のメリット・デメリット|部屋面積を増やせる半地下の基礎知識

 半地下のメリット・デメリット|部屋面積を増やせる半地下の基礎知識

狭小住宅におすすめの半地下のメリット・デメリットをご紹介します。都心部で家を建てようと思ったり住宅リフォームを行う際、限られた敷地内で広い部屋を設けるのは難しいですよね。半地下を造ると約1.5倍も広いスペースを確保できるんです。まずはこの記事のポイントを以下にまとめました。

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POINT この記事のポイント

・「半地下」とは床部分の空間を有効活用して設けるもの
・半地下は家を広く造ることができるなどメリットがたくさんある
・半地下には浸水の可能性があるなどデメリットもあるので改善策を講じる必要がある

半地下のある住宅ってどんなもの?

ロフトのある住宅はご存知でも、半地下のある住宅が身近にあるという方はあまり多くないかもしれません。ロフトは天井付近の空間を有効活用するのに対し、半地下は床部分の空間を有効活用して設けます。半地下と地下は区別されておらず、総称して「地階」と呼ばれます。

地階とは「床が地盤面下にある階で、床面から地盤面までの高さがその階の天井の高さの1/3以上のもの」と定義されています。

半地下のメリット

 半地下のメリット

半地下のメリットとして最も大きな点は、半地下を設けることによって半地下がない場合よりも家を広く造ることができる点です。

1. 容積率が緩和される

土地には容積率の規定があり、その土地に対して建築できる面積が決められています。広い部屋を造りたいと思っても規定以上の面積の部屋は造ることができないのです。

以前は地階は居室としての利用ができませんでしたが、建築基準法改正により容積率の規定が緩和され、一定の条件を満たせば居室として利用できるようになりました。条件は下記の通りです。

・住宅として使用されている地階であること
・地盤面から高さ1m以内に天井部分があること
天井高の1/3以上が地盤面より下にあること

この容積率の緩和を利用して半地下を造れば、半地下を造らない場合と比較して約1.5倍のスペースを設けることが可能になります。

2. 遮音性が高い

 シアタールーム シアタールーム(※画像はイメージです)

半地下は半分が地中ですので、遮音効果が高い点がメリットです。趣味の部屋を造りたい方に最適です。

・ホームシアターとスピーカーを設置してシアタールームとして
・ピアノやギターなどの楽器を楽しむスペースとして
カラオケルームとして

防音効果を高めるために、壁にはコンクリートパネルや吸音素材を使用しておきましょう。

3. 温度が一定である

半地下は年間を通して温度が一定であるため、食品貯蔵庫として利用することができます。日差しも当たらないので、ワインセラーなどにも最適です。

監修者コメント
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狭小地で活躍する地下室

地下室を設ける魅力はいくつもありますが、中でも容積率の緩和は最大のメリットともいえます。都市部の狭小宅地などでは、限られた敷地面積の中でどれだけ居住空間を確保できるかと、ギリギリの計画となる場合も多くあります。そんな時にはこのように、容積率の緩和が適用される地下室・半地下室が活躍するのです。地上に建てるよりも費用はかかりますが、プラスアルファで趣味室などがつくれたら、楽しい住まいになりますね。

監修者:高橋 みちる(一級建築士)

1. 浸水の可能性がある

 豪雨による浸水 浸水(画像はイメージです)

台風や大雨で浸水被害を受ける住宅も多くあります。半地下は立地によってはこういった災害に遭う危険性もあるので、浸水対策は重要です。半地下を設ける前にお住まいの地域の地盤調査をしておくと安心です。また、半地下には防水工事を施して災害に備えておきましょう。

関連記事:
地下室に必須の防水工事は?
床下浸水後に最優先で行うべき、3つの対処法

2. カビの発生

 カビ カビ(※画像はイメージです)

半地下には湿気が溜まりやすく、カビが発生してしまうこともあります。カビを抑制するには換気が大切です。換気口の設置ドライエリアの設置を検討しましょう。
 
関連記事:地下室でできる5つのカビ対策

ドライエリアとは?

ドライエリアとは、主にカビ対策や採光を目的として地下室がある建物の周囲の地面を掘り下げて造った空堀のことを言います。建築基準法では、衛生面を考慮してドライエリアの設置を原則としています。

参照:ドライエリア|Panasonic

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半地下は新築時にご検討を

魅力のある半地下室ですが、今現在は地下空間がない家にリフォームで地下空間をつくるのは、現実的には非常に難しいといえます。地中には基礎が埋まっており、基礎のない地面があったとしても、そこを掘ることで周囲の基礎が沈下し建物に影響を及ぼすリスクが大きいためです。また地下室は施工にも専門の知識が必要となるため、地下室・半地下室が欲しい場合は、ぜひご新築のタイミングで、信頼できるプロにご相談なさってみてくださいね。

監修者:高橋 みちる(一級建築士)

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監修者プロフィール
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一級建築士

高橋 みちる (たかはし みちる)

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アールイーデザイン一級建築士事務所代表。

住宅業界で新築・リフォームの営業・設計・現場監理などを経験。
これまで3000件以上の現場を見ながら、「永く、快適に住み続けるためにはどうしたらいいのか?」を常に探求し続け、リフォーム提案を行っている。
また、現在は執筆活動や企業向けの社員研修、一般向けの講演会なども全国各地にて実施。

著書「やらなければいけない一戸建てリフォーム」(自由国民社、2020年7月発売)

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noteにてリフォームに関するお役立ち情報を発信中!
高橋みちる|リフォームコンサルタント|note

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家仲間コム編集部

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利用会員数260,000人、登録リフォーム会社数1,400社を超える日本最大級のリフォームマッチングサイト「家仲間コム」を運営するリフォーム専門家集団の編集部が、一般的なリフォームの情報を纏めた簡易的な記事ではなく、実際の見積情報や価格相場に基づいた読者に役立つ、価値ある情報をお届けしています。

執筆者プロフィール
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大永 和弘 (おおなが かずひろ)


大学卒業後、カーテンレールシェアNo1の内装材メーカートーソー株式会社にて、7年間勤務。
入社後は、大手ハウスメーカーやリフォーム会社、工務店、内装工事業者など約200社を担当。その際に新築住宅やリフォーム住宅など数多くの現場を経験。

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