地下室に防水工事が必要な理由|工事の方法とお得に行うコツは

地下室に防水工事が必要な理由|工事の方法とお得に行うコツは

地下室を設ける上で心配な点は、集中豪雨などによる浸水被害ではないでしょうか?地面より低い位置に造られた地下室は真っ先に被害を受けやすい場所です。そこで、浸水被害から地下室を守るための地下室の防水工事について調べてみました。まずはこの記事のポイントを以下にまとめます。

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POINT この記事のポイント

・コンクリートは結露するため、地下室には断熱対策と防水対策が必須である
・地下室防水工事ではまず地盤調査を行い、防水設計をする
・防水工事の方法は主に「先やり防水」と「後やり防水」の2つ
・地下室の防水工事をお得に行うには耐用年数の長い防水材を使うのがおすすめ

なぜ地下室に防水工事が必要なの?

地下室は鉄筋コンクリートで造られており、断熱性能と防水性能がありません。浸水被害に遭わなければどちらも対策をしなくてよいのでは?と思われるかもしれませんが、コンクリートは結露します。

結露することでカビが発生して建物が劣化し耐久性が落ちると知れば、断熱対策と防水対策が必要なことがお分かりいただけるでしょう。そして、浸水が起これば地面より低い位置にある地下室から先に水が流れ込みます。

防水工事をしていないとどんどん地下室の壁から水が染み込み、最悪な場合は建物の倒壊につながる危険性があるのです。このようなことが起こらないよう、防水工事は地下室にとって最も重要な工事なのです。

参照:見えない地下防水の見える話|日本建築材料協会

地下室に防水工事は不要という業者にご注意!

「コンクリートは水を通しにくいし厚みもあるので、地下室に防水工事は不要ですよ」という業者がいます。防水工事をしていなくても、すぐに水漏れなどの被害があるわけではありませんが、経年劣化によりコンクリートにひび割れができることを想定すると、防水工事をしておくことは必須です。

監修者コメント
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地下室をしっかりつくっておくべき理由

地下には地下水もあり、土が含んでいる水もあり、とても水分の多い環境です。コンクリートそのものは水に強い材料ですが、内部の鉄筋は水に触れると錆びやすく、錆びた鉄筋が膨張して周囲のコンクリートを破壊してしまうのです。地下室は上部の建物を支えているため、地下室の崩壊は建物全体の寿命を縮めてしまいます。地下室の防水工事をしっかり行うことが、建物全体の寿命を延ばすことにつながるのです。

監修者:高橋 みちる(一級建築士)

地下室防水工事の手順

1. 地盤調査

防水工事に入る前に、まずは地盤の強度と地下水位を計測する地盤調査を行います。この地盤調査は建築基準法で定められており、施工業者都合で調査結果を改ざんされないためにも外部の地盤調査会社に依頼するほうが安心です。地盤調査費用の価格相場は、5万円~10万円です。

2. 防水設計および防水工事

地盤調査により土地形状と地下水位が分かりますので、これらを基に防水設計および防水工事を行います。地下室の形状は、下記の3種類に分けられます。

「完全地下型」・・・地下室が完全に地下に埋まっている
「半地下型」・・・地面から1mほど地上に出ている
「深基礎型」・・・住宅用基礎の延長で造ったもの

地下室の防水工事は、10帖あたり70万円ほどかかりますが、完全地下型が最も費用が高く、半地下型、深基礎型の順で費用が安くなります。地下室を造りたい場合は、防水工事費用も考慮して形状を決めましょう。

関連記事:防水工事の価格や種類は?|家仲間コム

1. 先やり防水

住宅の基礎となる部分を「躯体」と言いますが、躯体を造る前に地面を掘り起こし掘った土の部分が崩れてこないように固める工事を行います。この工事を「山留め」と言います。この山留め部分に防水層を施す方法を「先やり防水」と言います。

参照:山留め壁の目的|鹿島建設株式会社

先やり防水工事が終わってからコンクリートを打ち込み躯体を完成させると、躯体の外側に防水層ができ上がります。

近年では地下構造物の建築工法が変化してきており、山留め壁面自体をコンクリート躯体の外型枠として利用して外型枠を省略する「外型枠省略工法」が主体になっているため、先やり防水を行うのが一般的になっています。外型枠省略工法については、下記サイトの図が分かりやすいと思いますのでご参考になさってください。

参照:外型枠省略工法|株式会社ウォータイト

2. 後やり防水

昔ながらの方法で、狭い敷地に施工する場合に採用されます。コンクリートを打ち込んで養生した上から、コンクリート面に直接防水を施す方法です。

防水工事に使用される材料は?



出典:ボルクレイ地下防水材|けんせつPlaza

防水材料としてよく使用される材料は「ボルクレイ地下防水材」です。ベントナイトという材質が水分に触れると膨らんでゲル状の防水層を形成します。耐用年数が長く、釘打ちで固定するため施工が早いので工期短縮が可能です。

標準設計価格は下記の通りです。

部位 工法 価格(1㎡辺り)
底部 先やり/後やり 7,500円
側部 先やり 9,700円
側部 後やり 7,500円

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地下室が得意な業者に依頼しよう

一般的には、住宅の建築を行う業者は地面より上部の工事を得意としており、地下の工事は土木や造成業者の得意分野になります。地下室は地下水や土圧など、地上とは違った特殊な環境要素があるため、得意ではない建築業者も多くいます。不得意な業者に依頼すると、思わぬトラブルが生じる場合もあります。業者選びの段階で得意分野を見極め、できるだけ地下室の施工実績が豊富で、得意な業者を探し出せるといいですね。

監修者:高橋 みちる(一級建築士)

地下室の防水工事をお得に行うには?

地下室の防水工事は、建物を建ててしまった後からでは難しく費用もかかります。建築段階で先に耐用年数の長い防水工事を行うことで、初期費用はかかりますが長い目で見るとお得になるのです。

地下室の形状を「深基礎型」で検討してみたり、耐用年数の長い防水材を使用するなど、防水工事がお得になる方法を複数の業者に相談してみましょう。

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監修者プロフィール
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一級建築士

高橋 みちる (たかはし みちる)

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アールイーデザイン一級建築士事務所代表。

住宅業界で新築・リフォームの営業・設計・現場監理などを経験。
これまで3000件以上の現場を見ながら、「永く、快適に住み続けるためにはどうしたらいいのか?」を常に探求し続け、リフォーム提案を行っている。
また、現在は執筆活動や企業向けの社員研修、一般向けの講演会なども全国各地にて実施。

著書「やらなければいけない一戸建てリフォーム」(自由国民社、2020年7月発売)

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家仲間コム編集部

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利用会員数260,000人、登録リフォーム会社数1,400社を超える日本最大級のリフォームマッチングサイト「家仲間コム」を運営するリフォーム専門家集団の編集部が、一般的なリフォームの情報を纏めた簡易的な記事ではなく、実際の見積情報や価格相場に基づいた読者に役立つ、価値ある情報をお届けしています。

執筆者プロフィール
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大永 和弘 (おおなが かずひろ)


大学卒業後、カーテンレールシェアNo1の内装材メーカートーソー株式会社にて、7年間勤務。
入社後は、大手ハウスメーカーやリフォーム会社、工務店、内装工事業者など約200社を担当。その際に新築住宅やリフォーム住宅など数多くの現場を経験。

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