水害対策は建築前に検討するのが吉|事前にできる対策4選

水害対策は建築前に検討するのが吉|事前にできる対策4選

毎年台風シーズンがやってくると、多くの地域で水害が発生し、たくさんの家屋が水の被害に遭っています。水害対策は台風前に行うよりも、家を建築する前によく検討しておく必要があります。この記事で詳細を説明していきますが、まずはこの記事で紹介している内容の結論を簡単に記載します。

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POINT この記事のポイント

水害対策を行うことは、人々の命と資産を守るためにとても重要
主な水害の種類は「洪水」「外水氾濫」「内水氾濫」「高潮」「津波」の5つ
建築前にできる水害対策は「敷地をかさ上げする」「高床式にする」「防水壁を設置する」「防水外壁を採用する」など

水害対策の重要性

近年、異常気象の影響で大型台風や集中豪雨が頻発しており、多くの地域で水害が発生しています。平成30年の西日本豪雨や、平成29年九州北部豪雨などは記憶に新しいのではないでしょうか。

参照:災害をもたらした気象事例|気象庁

水害は多くの犠牲者を出してしまうだけでなく、家屋の倒壊や浸水被害も起こり人々の大切な資産まで失われます。水害対策を行うことは、人々の命と資産を守るために大変重要なのです。

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主な水害の種類

主な水害の種類

主な水害の種類は上記の5つです。どれも台風や豪雨・地震などの自然現象が引き金になりますので止めることはできませんが、どのような水害対策ができるのかを知るために知識として覚えておきましょう。

1. 洪水

「洪水」は、台風や集中豪雨により河川の水位が上昇して、水が道路などにあふれ出る状態のことを言います。

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2. 外水氾濫

「外水氾濫」は、台風や豪雨などによって水位が上昇した河川から水があふれ、堤防などが決壊して起こる現象のことを言います。水を堰き止める堤防が決壊するため一気に多くの水が住宅街に流れ込み、被害が大きくなります。また、河川の水は泥を含んでいるため、水がひいたあとも建物や道路には大量の泥が堆積し、復旧までに長い時間を要します。

関連記事:床下浸水後に行うべき3つの対処法|業者に依頼したときの相場とは

3. 内水氾濫

「内水氾濫」は、台風や豪雨によって市街地の排水路や下水管の雨水処理能力を超えて水があふれ出してしまう現象です。大都市の主要駅付近やショッピング施設付近でも内水氾濫が起こっています。泥は少ないですが、下水管が逆流してしまうと匂いも残り、衛生面でも消毒作業が必要になるため復旧作業は大変です。

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4. 高潮

「高潮」は、台風による気圧の低下などで海面が通常より上昇し、防波堤などを超えて海水が陸に侵入する現象を言います。大型台風時には「沿岸部の高潮に注意してください」というような速報が流れることがあります。海沿いの住宅は要注意です。

5. 津波

「津波」は、地震によって地殻変動が起こり、大規模な波が発生する現象のことを言います。2011年の東日本大震災では最大9mを超える大きな津波が起こり、一瞬にして住宅地を飲み込み甚大な被害をもたらしました。

監修者コメント
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ハザードマップを確認しよう

近年は気候変動により、集中豪雨の被害も大型化する傾向にあります。地震だけでなく、水害にもしっかり備えておきたいところです。建物で備えるには高床にするなどの方法もありますが、浸水の被害を防ぐのはとても難しいものです。幸いなのは、浸水被害をもたらす原因となる河川の氾濫は、ハザードマップで公表されていることです。自分のエリアを確認し、事前にできる対策はしっかり行っておきたいですね。

監修者:高橋 みちる(一級建築士)

建築前に考えておくべき水害対策

建築前に考えておくべき水害対策

これから家を建築される予定のある方は、ぜひ水害対策もしっかり検討しておいてください。建築前にできる水害対策は主に上記の4つです。建築予定の土地が水害に遭う可能性がある場合、上記のような水害対策を行うことを強くおすすめします。

参照:ハザードマップポータルサイト|国土交通省

1. 敷地をかさ上げする

敷地のかさ上げは、盛り土をして敷地全体を高くする方法です。氾濫した水が流れてきた場合でも、河川よりも敷地が高ければ水の流入を防ぐことができます。敷地をかさ上げする費用は地域によって費用が異なり、国税庁によって単価の相場が決められています。

参照:財産評価基準を見る|国税庁

上記のサイトで建築予定の都道府県を選択し、「宅地造成費の金額表」をご覧ください。敷地のかさ上げにかかる期間は、半年から1年間はみておくほうが良いでしょう。

2. 高床式にする

「高床式」とは、住宅の基礎を高くする方法です。下記の2つの施工パターンがあります。

・1階床の基礎を高くする方法
・1階部分はピロティ状にして、居住空間は2階に設ける方法

ガレージピロティと小上がりのある家|ハーバーハウス
出典:ガレージピロティと小上がりのある家|ハーバーハウス

「ピロティ状」とは、1階部分を柱だけの空間にすることで、1階は玄関と駐車場などとして利用します。万が一浸水被害に遭ったとしても居住空間が1階以上の位置にあるので、被害を最小限に抑えることができます。

3. 防水壁を設置する

防水壁は、住宅の周囲に防水性のある高い壁を設置する方法です。玄関や駐車場などの出入口は、止水板を設置できるようにしておくと住宅全体の水害対策になります。止水板|合同建設
出典:止水板|合同建設

4. 防水外壁を採用する

防水外壁は、住宅の外壁そのものの防水性を高める方法です。外壁の防水性は防水塗料を塗布することで高めていきます。塗装は経年と共に劣化してはがれてきますので、水害に強い住宅を造るためにはメンテナンスは定期的に行いましょう。

関連記事:外壁塗装リフォームに使われる塗料の種類と費用目安

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火災保険も備えておこう

自然災害の中でも、特に水害は完全に防ぐ対策が難しいものです。そこで、万一に備えて火災保険には加入しておきたいところです。すでに入っている場合は、ぜひ補償内容を確認してみてください。台風などによる風災・水災被害は通常セットになっていることが多いですが、他にも地震保険や個人賠償責任保険なども、オプションでの加入がおすすめです。今のうちに火災保険を見直しておけば、いざという時も安心ですね。

監修者:高橋 みちる(一級建築士)

建築前にできる水害対策まとめ

水害対策はできるだけ建築前に行っておくほうが安心です。ハザードマップや土地の形状などで確認して、水害の可能性が高い土地に新築予定や建て替え予定がある場合は、出来る限りの水害対策を行っておくことで、大切なご家族の命と資産を守ることができます。

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監修者プロフィール
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一級建築士

高橋 みちる (たかはし みちる)

WEBサイト


アールイーデザイン一級建築士事務所代表。

住宅業界で新築・リフォームの営業・設計・現場監理などを経験。
これまで3000件以上の現場を見ながら、「永く、快適に住み続けるためにはどうしたらいいのか?」を常に探求し続け、リフォーム提案を行っている。
また、現在は執筆活動や企業向けの社員研修、一般向けの講演会なども全国各地にて実施。

著書「やらなければいけない一戸建てリフォーム」(自由国民社、2020年7月発売)

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執筆者プロフィール
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大永 和弘 (おおなが かずひろ)


大学卒業後、カーテンレールシェアNo1の内装材メーカートーソー株式会社にて、7年間勤務。
入社後は、大手ハウスメーカーやリフォーム会社、工務店、内装工事業者など約200社を担当。その際に新築住宅やリフォーム住宅など数多くの現場を経験。

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