足場工事の見積書の見方を解説|内容や費用目安を知ってトラブル対策を

足場工事の見積書の見方を解説|内容や費用目安を知ってトラブル対策を

足場工事は住宅の屋根や外壁リフォームで必要なので見積書に記載されていますが、よく見ると業者によって費用が全然違うことがあります。足場工事の設置には技術力が必要で、高所作業をしてくれる職人さんの命を守るために大切な工事ですが、残念なことにこの足場工事費用が不明瞭な業者も中にはいますので、足場工事費用の見積書の見方を知っておくとトラブルを回避することができます。この記事で詳細を説明していきますが、まずはこの記事で紹介している内容の結論を簡単に記載します。

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POINT この記事のポイント

足場工事は、建物の高所作業をする際に必要になり、住宅の場合は「屋根の葺き替え、塗装、修理」「外壁の塗装、修理」などの工事やリフォームに足場が設置される
・足場工事には、くさび式足場、枠組み足場、単管足場、吊り足場、張出し足場などの種類が存在する
足場工事の見積書の見方は、「仮設工事(足場工事のこと)と記載」「足場の組み立て方の種類が明記されている」「付随工事(シートなど)の内容が明記されている」「それぞれの㎡単価と㎡数、合計金額が明記されている」の4つがポイント

足場工事が必要なリフォームとは?

足場工事は、建物の高所作業をする際に必要になります。住宅の場合ですと、下記のような工事やリフォームに足場が設置されます。

・屋根の葺き替え、塗装、修理
・外壁の塗装、修理
・雨樋・軒天交換、補修(2階以上の場合)
・太陽光発電システムの設置、修理


上記のような、脚立やはしごでは対応できない作業が発生する工事の際に足場が必要になってきます。「労働安全衛生法令」において、高さ2m以上の場所での作業時には足場などを組み立てて作業床を設けるもの、と定められています。

監修者コメント
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足場を設置したらフル活用しよう

外部の工事は高所作業も多く、2階以上の工事となれば足場も不可欠になります。しかし足場は作業を安全に行うために必要なもので、後には何も残らない「仮設工事」という費用です。せっかく足場を掛けるなら外部の工事はまとめて行い、経費を節約したいところです。外壁塗装や屋根の葺き替え、太陽光パネルの設置、2階以上のエアコンの移設や新設など、予定があるならこの機会に一緒に行い、無駄なく工事ができるといいですね。

監修者:高橋 みちる(一級建築士)

1. 足場工事の必要性

足場足場(※画像はイメージです)

足場は高所作業をしやすくするためだけに設置するわけではなく、下記のように、作業員さんの安全確保と近隣住宅への工事の被害を最小限に抑えるためにも必要です。

・足場があることで、足元が安定して細かい作業がしやすくなる
・作業員さんの落下防止と安全確保
・足場に飛散防止ネットや粉塵シートを同時に設置し、近隣への工事被害を抑える


建設現場で最も多い事故が転落事故といわれており足場工事は必要不可欠なので、新築・リフォーム問わず高所作業が発生する工事では省くことのできない大切な工事なのです。

2. 足場工事の種類

足場工事の種類

足場工事は組み立てに専門の職人さんがいるほど、高い技術力が必要です。現場によって組み立て方も異なり、足場工事にはいくつかの種類があります。それぞれの足場の詳細は下記記事で詳しく解説しています。

関連記事:足場設置の必要性、種類、費用目安は?

足場工事は丁寧かつ慎重に組み立てていかなければ命にかかわりますので、その分施工時間がかかります。下記に施工時間や解体時間の目安を一覧にしていますので、ご参考になさってください。

足場工事の現場 施工時間目安 解体時間目安
新築2階建て 約4時間 約3時間
新築3階建て 約5時間 約4時間
リフォーム2階建て 約6時間 約5時間
リフォーム3階建て 約8時間 約6時間

3. 足場工事に付随する他の作業

足場工事の際に、工事内容によって別の施工作業が発生することがあります。多くの工事では近隣住宅への配慮と安全対策のためにシートを張る作業が発生します。シートには主に下記の3種類がありますが、別々のシートの場合もありますし、それぞれの効果を兼ねているものもあります。

3-1. メッシュシート

多くの場合は、工具等の飛来落下防止のためのメッシュシートの取り付けが必要です。作業員さんは多くの工具を持って足場の上で作業します。もちろん安全対策はとっていますが、万が一工具等を落下させてしまった場合でもメッシュシートがあることで足場付近を通行する人に当たることがないよう、さらなる安全対策を行っています。

3-2. 粉塵シート(養生シート)

粉塵シートは、建物の解体などで発生する粉塵が近隣住宅に飛散しないよう防止するためのシートです。「粉塵シート」は「養生シート」と言われ、足場工事には取り付け必須です。

3-3. 防音シート

防音シートは、騒音が大きな工事の場合に必要になります。防音シートの性能には基準が定められており、防音シートを使用することで高い防音性を発揮し近隣への騒音被害を抑えることができます。現場の規模によっては防音シートではなく防音パネルが採用されることもあります。

足場工事の見積書の見方

では、足場工事の見積書の見方を見ていきましょう。足場工事の見積書の内容は、施工業者によって表記が異なる場合がありますが、工事の内容がきっちり明記されているもののほうが依頼する側は安心です。

1. 足場工事の見積書の内容

時々、「工事費用一式」とひとまとめにされている見積書もありますが、このような見積書の場合は、一式のなかに何が含まれているかを確認しておいたほうが良いでしょう。本来基本工事に入っている内容であっても「一式には含まれていない」と追加費用を請求してくる業者もいて、トラブルの元になることがあります。一般的に足場工事の見積書は下記のような内容で記載されています。

工事見積書の内容 意味
仮設工事 足場工事のこと
枠組み足場(※例) 足場の種類のこと
(現場によって最適な種類がある)
メッシュシート 飛散防止のためのシート
防音シート 防音のためのシート

足場工事の見積書では、上記表のように足場の種類や取り付けるシートなどが明記され、それぞれの㎡単価と㎡数、合計金額が明記されています。見積書を見る上で基本的なことですが、計算が合っているかどうか確認しておくことも大切です。

工事全体の見積書では、例えば「外壁塗装工事」や「屋根葺き替え工事」などメインとなる工事内容が記載され、その中に「仮設工事(足場工事)」として項目があります。

2. 足場工事の費用目安

足場工事が非常に重要な工事であることがお分かりいただけたと思いますが、実際に足場工事の費用目安はどれぐらいなのでしょうか。足場工事の単価は一般的に700~800円/㎡が目安です。

住宅の面積 足場面積 費用目安
(単価800円の場合)
35坪(116㎡) 200~214㎡ 160,000~171,200円
50坪(165m2) 245~259㎡ 196,000~207,200円

足場設置を伴う工事には上記の費用が必ずかかり、基本的に足場工事をしないという選択はできませんし割引もありません。

2-1. 悪質業者にご注意!

時々「近隣でリフォーム工事を行っているので良ければお宅もリフォームしましょうか?」「足場代は無料にしますよ」などと営業してくる業者がいます。足場代が無料ということにして、本体工事費に必ず料金が乗せられていますので結果的に安くなることはありません。

こういった訪問営業をしてくるリフォーム業者は、費用トラブルやずさんなリフォームなどを行うことが多いので十分注意してください。その場で契約を迫られても絶対に契約してはいけません。必ず他の業者からも見積もりをもらって費用や工事内容を比較検討しましょう。

監修者コメント
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無料のサービスなんてない

世の中には「今なら無料!」という謳い文句が多く氾濫していますが、よく考えれば、無料でサービスを提供していては経済活動が成り立ちません。その無料は、どこかで得た収入によって必ず帳尻が合うようになっています。相談無料で「気に入った場合のみ有料のご契約を」という場合も、話が深まると断りづらくなるものです。安易に「無料」に釣られず、本当に必要なサービスにはお金を払う意志をもって、主体的に計画を立てていきたいですね。

監修者:高橋 みちる(一級建築士)

足場工事を安くするには「まとめて一度に工事」

先述したように、足場工事費用は必要経費ですので必ずかかってくる費用ですが、足場を組む工事を同時に施工することで足場工事が一度で済みます。例えば、屋根工事と外壁工事を同時施工するなどです。

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平均的な戸建住宅の面積約35㎡で算出すると、屋根工事と外壁工事を別々に施工した場合、足場工事費用は約16万円×2回で約32万円~かかることになります。それを一度の工事で済ませることによって約16万円の足場工事費用を節約でき、結果的に安く費用を抑えることが可能になります。

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足場工事の見積書の見方まとめ

足場工事の見積書の見方は、下記の4つがポイントです。

1. 仮設工事(足場工事のこと)と記載
2. 足場の組み立て方の種類が明記されている
3. 付随工事(シートなど)の内容が明記されている
4. それぞれの㎡単価と㎡数、合計金額が明記されている


これらを知っておくと、何が書いてあるかわからなかった見積書が格段に見やすく理解できるようになります。それでも分からない場合は業者さんにきちんと工事内容や費用内訳を書いた見積書を再発行してもらうなど、納得したうえで工事を依頼するのがトラブルに遭わないためのポイントです。

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足場を伴う工事費用の見積もりを依頼する際は一括見積りが便利です。依頼内容を入力すると業者から連絡が来て、訪問見積りや電話見積もりをしてもらえます。見積書の記載方法は業者によって異なりますので、複数の見積もりをもらうことで比較検討できて相場を知るのにも役立ちます。

家仲間コムの見積もりサイトには約1000社の登録業者さんがいますので、足場を伴う工事はできるだけまとめて依頼すると足場工事費用の節約につながりお得です。また、匿名・無料で見積もり依頼もできますし、見積もりの内容などもきちんと説明してもらえるので安心です。

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監修者プロフィール
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一級建築士

高橋 みちる (たかはし みちる)

WEBサイト


アールイーデザイン一級建築士事務所代表。

住宅業界で新築・リフォームの営業・設計・現場監理などを経験。
これまで3000件以上の現場を見ながら、「永く、快適に住み続けるためにはどうしたらいいのか?」を常に探求し続け、リフォーム提案を行っている。
また、現在は執筆活動や企業向けの社員研修、一般向けの講演会なども全国各地にて実施。

著書「やらなければいけない一戸建てリフォーム」(自由国民社、2020年7月発売)

【保有資格】

【所属】

noteにてリフォームに関するお役立ち情報を発信中!
高橋みちる|リフォームコンサルタント|note

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編集責任者

家仲間コム編集部

プロフィール


利用会員数260,000人、登録リフォーム会社数1,400社を超える日本最大級のリフォームマッチングサイト「家仲間コム」を運営するリフォーム専門家集団の編集部が、一般的なリフォームの情報を纏めた簡易的な記事ではなく、実際の見積情報や価格相場に基づいた読者に役立つ、価値ある情報をお届けしています。

執筆者プロフィール
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大永 和弘 (おおなが かずひろ)


大学卒業後、カーテンレールシェアNo1の内装材メーカートーソー株式会社にて、7年間勤務。
入社後は、大手ハウスメーカーやリフォーム会社、工務店、内装工事業者など約200社を担当。その際に新築住宅やリフォーム住宅など数多くの現場を経験。

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