軒天の種類と選び方まとめ|耐火性や耐水性を重視しよう

軒天の種類と選び方まとめ|耐火性や耐水性を重視しよう

軒の天井である軒天にはどんな建材を選んだらよいのでしょうか。軒にはいくつかの役割があり、建物の耐久性を考える際には重要な箇所でもあります。この記事で詳細を説明していきますが、まずはこの記事で紹介している内容の結論を簡単に記載します。

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POINT この記事のポイント

・軒天とは、屋根が外壁から飛び出している所の天井部分のこと
・軒の役割は、「雨除け」「日差しの調整」「外壁を保護する」「火事の際の燃焼を防ぐ」など
・軒天に使われる素材の種類は、「合板、ベニヤ板」「ケイカル板」「スラグ石膏板」「フレキシブルボード」など

軒天って何?

軒天という言葉は聞いたことがあるような、ないような、実際にどこかと聞かれるとイメージがわかない人も多いかもしれません。軒天は一言でいうと屋根が外壁から飛び出している所(軒)の天井部分の事を指します。

そのままだと屋根の下地が露出する構造になるため、通常はこの軒天部分に建材を張って補強をします。
耐火性の建材を張って、火事の際の屋根の燃焼を防ぐ役割を果たすこともあります。

外壁や屋根と違って、軒天は家の中からも見ることのできる場所なので色やデザインなどが凝ったものもありますが、一般的にはシンプルで明るい色のものが選ばれるようです。

あると便利!?軒の役割

最近では軒のないデザインの家も良く見かけます。軒のあるなしで何か違ってくることはあるのでしょうか見逃されがちな軒の機能をいくつか紹介していきたいと思います。

雨除け

軒が出ていることで、軒の下にある窓に雨が吹き付けるのを防ぐことができます。その為窓から室内に雨が吹き込むのを防ぐ効果があります。

日差しの調整

外壁に当たる直射日光を遮り、外壁の劣化防止に繋がります。また窓への直射日光も遮ってくれるので、眩しさを軽減し、夏場は室内の急激な温度上昇も抑制します。

日光の差し込む角度を考えると、丁度良い軒の長さは90センチほどだと言われています。この長さにすると夏は日差しを遮り、冬は日光が差し込む丁度いい状態になります。

外壁を保護する

直射日光や雨水などから外壁を守り、劣化を防止する効果があります。特に木造住宅の場合は、木材は水に弱いので軒で保護した方が耐久性が上がります。

火事の際の燃焼を防ぐ

火災時に窓から炎が上がった時に屋根まで炎が上がるのを食い止めます。この場合は軒天部分に不燃性の材料を使っていることが望ましいです。

このように軒には色々な役割があります。建物の劣化防止など軒を付けることでのメリットが大きいことが分かります。最近では軒のないデザインも多いですが、機能面からみるとやはり軒があった方が良いとする意見が主流のようです。

軒天材の種類

軒天材の種類

軒天の建材にはいくつか種類があります。種類によって費用や機能などが異なりますので、紹介していきたいと思います。

※費用は一枚辺り(約910×1820mm)のものを参考にして載せています。

合板、ベニヤ板 500円~1200円

比較的築年数が経っている建物にはよく軒天に合板、ベニヤ板などが利用されています。値段は安価ですが、耐水性、耐火性はあまりないので注意が必要です。経年劣化や機能面の関係から、ベニヤ板を下でご紹介するケイカル板にリフォームする事例も多いです。

ケイカル板 650円~1090円

軒天によく使われる建材で、正式名称はケイ酸カルシウム板と言います。不燃ボードの為火に強く、湿気などでの寸法変化、反りを防止します。

またケイ酸カルシウムは腐食しないという特徴を持っているので、建物の雨水の被害から守ります。以前アスベストの健康被害が問題になったこともあり、最近ではアスベスト不使用のものが主流です。合板、ベニヤ板と同じ費用帯で安価な上、機能的にも優れているので、軒天部分に利用されることの多い建材です。

スラグ石膏板 1,200円~2,200円

スラグ(鉱物)に石膏を混ぜて作られていて、防火、耐火性、断熱性のある素材です。エクセルボードとも呼ばれています。扱いやすく施工しやすい建材で、建物の色々な箇所にも使われています。

フレキシブルボード 1780円~2380円

セメントと補強繊維から作られた不燃ボードです。繊維強化セメント板、スレート、スレートボードなどと呼ぶ場合もあります。衝撃に強い特徴があり、また湿気にも強いので経年使用で寸法が変化するということが起こりにくいです。値段はケイカル板と比べると高めになります。

軒天材の費用まとめ

上記でご紹介した軒天の建材の費用をまとめてみると下記のようになります。費用は一枚辺りのものになります。また厚みはいくつか種類がありますが2.5~5mmのものを載せています。

●合板、ベニヤ板 500円~1200円(厚さ2.5mm~5mm、約910×1820mm)
●ケイカル板 650円~1090円(厚さ5mm、約910×1820mm)
●スラグ石膏板 1,200円~2,200円(厚さ5mm、約910×1820mm)
●フレキシブルボード 1780円~2380円(厚さ4~5mm、約910×1820mm)

建材選びは耐水性と防火性に着目して選ぶと良い

軒天の建材としてまず大切なのが耐水性、そして耐火性です。この二点に軸を置いた上で、費用やデザインなども考慮して決めていくといいでしょう。迷う場合はまずは主流のケイカル板を選択しても良いでしょう。

有孔ボードの意味とは

軒天井の建材を見ていくと、有孔とそうでないものがあり、有孔の方が値段が高くなっています。この有孔とはどんな意味があるのでしょうか。

有孔とはその名前の通り板に穴が空いていることを指します。この穴が屋根の通気の役割をしています。屋根の通気性が良いと建物が長持ちしますし、火事の際に防火の役割も果たします。

ちなみに有孔ボードだけでは効果はなく、屋裏頂部や棟部などの通気口と対になって空気の通り道を作ることで効果を発揮します。空気の通り道があることで、湿気、カビなどの防止に繋がります。

軒天にお勧めの色

軒天にお勧めの色

軒天部分には一般的に明るい色が推奨されるようです。通常あまり光が当たらない場所なので、明るく見せるためという理由です。白系や外壁より少し薄めの色を選ぶ方が多いです。外壁と同色にして広い印象を持たせる場合もあります。

またあえて暗い色を選ぶ場合もあります。暗い色を選ぶとどっしりとして落ち着いた感じに見せることができます。

軒天は室内から見えるだけでなく外からもよく見える場所でもあります。色の選び方、外壁や屋根の色の組み合わせで印象は変わってきます。色々とシミュレーションをして満足のできる色を選択しましょう。

まとめ

今回は軒天の種類や選び方についてお伝えしていきました。軒天には幾つか種類がありますが、まずは機能面(耐水、耐火)その後でデザインや費用面から選んでいくと失敗が少ないかと思われます。建物の耐久性の事を考えると意外に重要な箇所なので、しっかり検討していきましょう。

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執筆者プロフィール
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大永 和弘 (おおなが かずひろ)


大学卒業後、カーテンレールシェアNo1の内装材メーカートーソー株式会社にて、7年間勤務。
入社後は、大手ハウスメーカーやリフォーム会社、工務店、内装工事業者など約200社を担当。その際に新築住宅やリフォーム住宅など数多くの現場を経験。