雨漏り修理の費用はどのくらい?対処方法との業者のおすすめの選び方
編集者:大永 和弘
最終更新日:2022年7月11日
雨漏りの修理費用の相場は、1万円から100万円と幅が広いものです。なぜなら雨漏りの発生原因は多様で、それによって施工内容が大きく変わってくるためです。この記事では、雨漏りの修理費用相場から、DIYで応急処置の手順、さらには専門業者の紹介までを解説していきますので、ぜひ参考にしてください。もう雨漏りで悩むことがなくなるでしょう。
POINT この記事のポイント
・雨漏りの修理費用相場は1万円〜100万円
・雨漏りが発生する主な原因は、屋根・瓦・棟板金・谷樋・ベランダ・外壁・窓など
・雨漏り修理は、素人が行うには原因を突き止めにくいうえに高所の作業は事故を招くおそれがあるため、プロの業者に依頼するのがおすすめ
目次 [ 表示 ]
雨漏りの修理費用相場は1万円〜100万円
それでは、雨漏りの修理費用の相場を見ていきましょう。なお、ここで紹介する相場はあくまで目安であり、実際には雨漏りの状態によって金額は変わってきます。より詳細な金額を知りたい方は、業者から見積もりを取ってみてください。
雨漏り補修箇所が分かり、その部分だけ補修してもまた数年するとまた違う個所から雨漏りしてしまう可能性が大きいものです。また、補修する箇所によって大きく費用は変わってきますので、状態を必ず確認しましょう。
雨漏りした箇所 |
修理費用相場 |
屋根の雨漏り修理 |
0.2~9万円 |
ベランダ(バルコニー)の雨漏り修理 |
3~27万円 |
窓サッシ・天窓の雨漏り修理 |
0.4~20万円 |
天井の雨漏り修理 |
2.5~10万円 |
外壁の雨漏り修理 |
1.5~50万円 |
屋上(陸屋根)の雨漏り修理 |
60~90万円 |
原因調査の費用相場は無料〜40万円
雨漏りは、劣化した場所から柱や壁・配線などをつたい、あなたの目に届く箇所に落ちてきます。よってどこから雨水が侵入してきているのかを詳しく調査し、施工するという流れです。
また、壁や屋根の材質によっても調査方法が変わる可能性があります。 雨漏りとは様々な原因が複雑に絡み合うため、原因を追求し根本から解決しないと何度も何度も工事をしないといけない最悪の流れになってしまいます。必ず調査段階で原因を突き止めましょう。
目視による調査 |
0~3万円(基本、無料の業者が多い) |
散水調査 |
3~35万円 |
紫外線投射発光調査(発光液調査) |
5~25万円 |
赤外線サーモグラフィー調査 |
10~40万円 |
目視による調査で、雨水の侵入経路を発見できるとよいですが、目視で発見できなかった場合、散水調査や発光液調査調査へとレベルアップしていき、値段も高額になっていきます。
屋根・瓦の雨漏りの修理費用相場は3〜120万円
瓦や屋根から雨漏りしている場合の修理補修費用は安くても3万円、最大で200万円となります。複数の経路から雨漏りがあった場合は大掛かりな工事となり、屋根全体を補修するかたちとなります。
瓦のズレの修理・差し替え |
0.2~10万円 |
棟板金のみの交換 |
0.3~5万円 |
ルーフィング/下地の補修・張り替え |
5~30万円 |
コーキング補修 |
5~20万円 |
漆喰の補修 |
6.5~21万円 |
谷樋の撤去・交換 |
8~20万円 (※大掛かりな工事の場合は~80万円) |
屋根全体交換(カバー工法/葺き替え) |
80~120万円 |
脚立でできる簡易的な補修と足場を組む大掛かりな工事とでは、修理費用も大きく変わってきます。
外壁の雨漏りの修理費用相場は5〜300万円
外壁が雨漏りの原因だったときの相場は、5~300万円と施工内容によって大きく異なります。
コーキング・ヒビ割れ補修 |
5~10万円 |
コーキングの打ち替え |
10~50万円 |
外壁塗装 |
80~100万円 |
外壁全体の張り替え/重ね張り |
120~300万円 |
外壁そのものが劣化し雨漏り原因だった場合は一か所補修しても、その後また雨漏りしてしまう可能性が非常に高いので、張り替えや重ね張りを行います。その場合、足場を組み外壁を撤去する等の工程が発生するため、この金額となります。
外壁を変えるとコーキングも打ち換えるので、家が見違えたようにきれいになり、まるで新築のように見えて、雨漏りの心配もなくなります。
ベランダ・窓の雨漏りの修理費用相場は7〜14万円
一戸建てで、50〜100㎡程度の面積の屋上(陸屋根)の場合、雨漏り修理費用の相場は7〜14万円です。ただし施工範囲が100㎡を超え、長寿命の高価な防水材を使い、足場設置が必要な際には、100万円を超える場合もあります。 屋上(陸屋根)の雨漏りは、ほぼ防水材の経年劣化と考えられます。また、排水口周辺に落ち葉やゴミが溜まり、詰まりがあふれて雨漏りに繋がっている可能性もあるので、応急処置で清掃して下さい。
家仲間コムでの過去事例における相場
当サイトにて、お客様から依頼された施工事例を紹介します。
屋根の補修工事【6万円】
■施工前
建物のタイプ:木造二階建て
築年数:40年
施工業者:成海建設
瓦の割れと、玄関上の屋根からの雨漏れを補修してほしいというお客様からのご要望のもと、瓦の差し替えとカバー工法を行いました。工事自体は1日で完了しています。
関連記事:雨漏れ修理
屋上・壁の修繕とフロア張替え【22万円】
■施工前
■施工後
施工箇所:クロス・クッションフロア・屋根板金・コーキング工事
施工期間:3日
施工業者:Going Home
屋上からの雨漏りの原因と思われる箇所の補修と、屋内の壁を張り替えるクロス工事を行ないました。また、階段にクッションフロアを貼ったことで見違えるようにきれいになりました。
関連記事:雨漏れ修繕
雨漏り修理と外壁塗装【89万円】
■施工前
建物のタイプ:木造二階建て
築年数:18年
施工業者:喜蔵
数年間続いた雨漏りを施工した事例です。外壁から雨漏りが生じていましたが、格子を復旧させて外壁の塗装を行いました。また、玄関扉の色を変えたことで、シックなイメージにまとまっています。
関連記事:外壁塗装 雨漏れ修理
雨漏りの主な発生箇所と原因
雨漏り修理が難しい一番の理由は「実際に室内で雨水が垂れている場所」と「その原因となる場所」が必ずしも一致しないからです。「室内に明らかに穴が空いている」というような雨漏りの事例はほとんどなく、シミになっている場所の真上や真横が本当の原因でないこともよくあります。
例え、劣化して穴が空いているのが見えたとしてもそれが原因ではないことが多々あります。ここでは、雨漏りする発生箇所とその原因を解説していきます。
1. 屋根・瓦
台風などにより飛来物が接触することによって屋根や瓦にヒビや割れが発生し、雨漏りにつながった事例は少なくありません。瓦はズレたり浮いたりすることもあります。また、単純に経年劣化により、ヒビや割れが発生してしまうケースもあります。
2. 棟板金・谷樋
棟板金が台風などの強風によって浮きあがってしまい、そこから雨水が侵入してくるケースがあります。また、板金が劣化し、腐食してしまうことも雨漏りの原因です。
3. ベランダ
ベランダの防水材が劣化してヒビや割れが起こると、そこから雨水が浸透します。それ以外にも、排水溝周りに落ち葉やゴミが溜まっていると水はけが悪くなり、劣化している箇所へ雨水が流れ込んでしまいます。
4. 外壁
外壁材そのものが劣化していたり、外壁材と外壁材の間のコーキングにヒビ・割れがあると、雨漏りが発生します。
5. 窓
窓枠周りのコーキングが劣化してヒビ・割れが発生したり、窓そのものが歪んで隙間ができてしまったりすると、そこから雨水が浸透します。
【自分でやる場合】雨漏りの応急処置の方法
突然の雨漏りの時の、自分でできる応急処置の方法を紹介します。室内の二次災害を防げて、原因解明への糸口となる場合もありますので応急処置はしておいた方がいいものです。また、雨漏りの状況をお持ちのスマートフォンで撮影しておくことも有効な手段といえます。
バケツを置いてシミの発生を防ぐ
突然の雨で天井から雨漏りしてきた場合は、まず雨が落ちてきている部分の下にバケツを置いて、室内が濡れるのを防ぎましょう。
可能であれば、点検口から雨染みができている個所を発見できれば写真を取っておくと解決の糸口となるかもしれません。
窓やサッシからの雨をふき取る
窓やサッシ周辺にビニールシートやごみ袋を敷いて、雑巾やタオルで水を吸い取るようにしましょう。手ごろなビニールシートやゴミ袋がない場合、雑巾やタオルを雨漏りしている場所に置いて頃合いをみて絞るか、交換してください。
カーテンは、早めに取り外してしまう事をおすすめしますが、濡れないように短く上にまとめてしまっても良いです。
屋根にはブルーシートをかける
雨がやみ屋根が乾燥した頃合いをみて、屋根にブルーシートを掛け、端部には重し(土嚢袋に砂利を詰めた物)を置き、ブルーシートが飛ばされないようにしましょう。※中身を「砂」など粒度の細かいものにすると、次回の雨の時泥水となって落ちてくるので避けてください。
ブルーシートは、お近くのホームセンターなどで安価で購入することができるのでおすすめです。
防水テープやコーキングを使う
雨漏りしている疑いのある場所が、窓やサッシの場合は「防水テープ・コーキング」を使って、隙間を塞ぎましょう。この時に掃除もせず、汚れた上から使ってしまうと効果が薄れてしまいますので必ず、キレイにしてから使ってください。
雨漏り修理がDIYでは難しい理由
雨漏り修理をDIYで解決しようとお考えかも知れませんが、とても難易度が高いのでおすすめはできません。 なぜならプロでも1回で原因を見極めることが難しいからです。雨漏りは雨量や風速、室内の柱や梁の通り方など、複数の要因が複雑に絡まりあって起きるものであるため、DIYでは難しいとされています。
1. 原因を突き止めにくい
雨量や風向き・風速によって見えにくい箇所から室内へ雨が吹き込んでいた場合、原因を突き止めにくいものです。例えば、劣化してボロボロの樋を交換した所、本当の原因は外壁にあったというケースはよくあります。非常に厳しいですが素人にはかなり難しいと言えるでしょう。
2. 高所の作業は事故を招くおそれがある
応急処置を除き、高所での作業はおすすめしません。なぜなら、作業中に風にあおられて墜落するなどの事故につながるためです。
なぜ、何年も工事をしているプロの施工者が作業するのに足場を組むのでしょうか?作業効率が良くなることもひとつですが、墜落事故が後をたたないためです。我が家を守るために、自分自身がケガをしては元も子もありません。
3. 応急処置ではいずれ再発する
応急処置で雨漏りが止まって安心し、そのまま放置ということもおすすめしません。応急処置で表面上は解決していても、根本からの解決にはならず、必ず再発します。最悪の場合、他の箇所からの雨漏りにつながってしまうので、応急処置で終わらせないでください。
4. 下地を劣化させてしまう可能性が高い
応急処置で終わらせてはいけない真の理由が「下地を劣化」させてしまう可能性が高いことにあります。なぜなら、室内に雨は漏っていなくても実は外壁と室内の壁にはまだ雨が漏っているなど、目に見えないところで雨漏りが進み、下地を劣化させてしまうからです。 劣化を放置していると何百万、下手すれば建て替えが必要になるほど莫大な工事費用になってしまう恐れがありますので、気を付けましょう。
専門業者に雨漏りを修理してもらう時の注意点
応急処置で終わらせてはいけない真の理由が「下地を劣化」させてしまう可能性が高いことにあります。なぜなら、室内に雨は漏っていなくても実は外壁と室内の壁にはまだ雨が漏っているなど、目に見えないところで雨漏りが進み、下地を劣化させてしまうからです。
劣化を放置していると何百万、下手すれば建て替えが必要になるほど莫大な工事費用になってしまう恐れがありますので、気を付けましょう。
専門業者に雨漏りを修理してもらう時の注意点
いくら価格が安くなっても、雨漏りがすぐに再発したりなおらなかったりすれば、かかった費用が丸ごと無駄になってしまいます。ここでは専門業者を選ぶうえで重要な3つのポイントを解説します。
1. 雨漏りの専門業者を選ぶ
専門業者を選ぶ際に「雨漏り診断士」が在籍している会社を調べましょう。雨漏り診断士とは、雨漏り修理を行なうための豊富な知識や経験を持ったプロが持つ資格です。雨漏り診断士が在籍し、事業者が供給した住宅に瑕疵(欠陥)があった場合、その修理や補修のための費用を補填してもらえる『住宅瑕疵担保責任保証』のある業者であると信頼できるでしょう。
参考:NPO法人 雨漏り診断士協会
2. 悪徳業者に注意する
頼んでないのに突然家にやってきて、「今すぐに雨漏りを治す事が可能で、今契約していただくと50%オフや数十万円の割引します」と、大幅な値引きを提示してくる業者や、調査してもいないのに、すぐ屋根の葺き替えなどの大規模工事を勧めてくる業者がいます。このような特徴のある業者は、悪徳業者である可能性が高いといえます。実績や評判などをインターネットで検索して、怪しいと思ったら契約しないほうが無難です。
3. 相見積もりを取る
雨漏り修理の見積もりは、少なくとも2社以上から出してもらうようにすると、必要な工事と適正価格が見えてきます。また、複数者の見積もりを準備しておくことで、少しなら値引きに応じてくれる可能性があります。
同じ工事内容であれば、少しでも安くなるほうが良いですよね。交渉材料として、2社以上から見積もりを取ると良いでしょう。
最後に
雨漏りによる調査・工事をご検討の方は、まず見積もりを依頼しましょう。DIYで雨漏りを解決することは大変難しいので、必ず雨漏り診断士のいる業者に依頼し、悪徳業者に騙されないようにしてください。でも、業者さんを探すのは意外と大変です。
リフォーム一括見積もりの家仲間コムでは、希望するリノベーションの内容を書き込むだけで、地域の業者さんから見積もりや提案がとどきます。匿名で利用できるので、後にしつこく営業される心配もありません。利用は無料なので、お気軽にご利用ください。

大永 和弘 (おおなが かずひろ)
株式会社マッチングジャパン 代表取締役社長。
大学卒業後、カーテンレールシェアNo1の内装材メーカートーソー株式会社にて、7年間勤務。
入社後は、大手ハウスメーカーやリフォーム会社、工務店、内装工事業者など約200社を担当。その際に新築住宅やリフォーム住宅など数多くの現場を経験。
退社後、株式会社マッチングジャパンを2006年に創業し、ハウスメーカーやリフォーム会社のWEBマーケティングを経験。
その他、内装材メーカーや建材メーカーにWEBプロモーションに関わるコンサルティングを提供。
同時にリフォーム業者検索サイト「家仲間コム」の運営責任者として、累計5千社を超える施工業者にサービスを提供。サイト規模は月間アクセス約360万PV、見積利用者数は年間約5万人までに成長。
自身も7度の引越しと2度の住宅購入を経験し、家のリフォームや修繕をユーザーの立場で多く経験。
その経験から、規模が小さくても優良なリフォーム業者を探せるサイトの必要性を強く感じ、サービスの利便性向上に注力している。
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