雨漏りの原因は軒天の可能性あり|修理方法と各費用の目安
軒天は常の軒の影になっているため、耐水性はあまり問題にならないと考える方も多いかもしれません。しかし、大雨や吹き付ける雨の時には、軒天から浸水して雨漏りの原因になることもあります。特に月日が経って傷んだ軒天部分は耐水性が劣っている場合が多く、修理した方が良い場合もあります。この記事で詳細を説明していきますが、まずはこの記事で紹介している内容の結論を簡単に記載します。
POINT この記事のポイント
・軒天とは、屋根の裏側が外壁から飛び出ている部分に板などをはったもののことで、劣化により軒天が雨漏りの原因になることもある
・「シミがある」「汚れや色あせ」「黒っぽく変色した部分がある」「カビが生えている」などの症状が出ている場合は、軒天が劣化している可能性が高い
・軒天の修理費用は、おおよそ100,000円~230,000円ほど
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軒天とは
屋根の裏側が外壁から飛び出ている部分に板などをはったものを軒天と言います。軒天は軒天井や軒裏などとも呼ばれています。屋根の裏側が表に出ている形になるので、屋根裏の通気などの役割を果たすこともあります。軒天は常に外気に触れているので外壁や屋根と同じように劣化していきます。その為、外壁や屋根と同じタイミングで塗装、リフォームされるケースが多いです。
軒天が雨漏りの原因になることも
雨漏りと聞くと、まずは屋根が破損しているのかと思う方も多いかもしれません。しかし見落としがちなのが軒天の破損、劣化です。特に築35年以上の住宅の中には、軒天にべニア板を張る工法で耐水性に劣るものもあります。また軒天に勾配がある場合は、施工がしにくいため隙間が空いていることもあります。
軒天に雨漏りが発生する主な理由は下記のとおりです。
- 屋根の不具合
- 雨樋のオーバーフロー
- 強風による影響
関連記事:雨漏り修理の費用はどのくらい?対処方法との業者のおすすめの選び方
軒天修理のチェック項目
軒天の劣化と言っても、普段生活しているうえではなかなか気が付かないものです。そこでチェック、点検方法をまとめてみました。数年おき、または大雨暴風の後などにチェックしてみましょう。
上記に当てはまる場合は、雨水が浸水している可能性が高いと言えます。経年劣化などで徐々に起こる場合もあるので気を付けてみてみましょう。
修理方法と費用目安
軒天の修理にはいくつかの方法があります。目的や費用に応じて検討してみると良いでしょう。
1. 塗装する 100,000円~120,000円
塗装をすることも有効な修理方法の一つです。塗装された膜が保護の役割を果たして、屋根部分を劣化から守ります。屋根部分の材質を問わず、広く使われる方法です。
【塗料】
●EP(エマルションペイント)、AEP(アクリルエマルションペイント)
水溶性の塗料で比較的安全な塗料です。費用は安いですが、接着性や耐水性が弱いという面もあります。
●NAD(アクリル樹脂系非水分散形塗料)
他の塗料に比べて費用は若干高めです。耐水性や接着性も高く、ヤニ止めなどの効果もあります。
軒天塗装のDIYは玄人向き
軒天部分の塗装であればDIYでもできそうに思いますが、実は意外と大変です。真上の部分を塗るため、常に上を向いた姿勢になりますし、はしごを利用しての塗装は塗れる範囲が狭い為に何度もの折々を繰り返すことになります。もし初めて行う場合は数日はかかることを見越して予定を立てると良いでしょう。
2. 上から重ねて張る 120,000円~170,000円
不燃性や耐久性、耐水性に優れた建材を上から被せて施工していくやり方です。既存部分の撤去の必要がないので、張り替えに比べると工期も短めです。軒天部分の劣化がそれ程ひどくない場合や補強したい場合などに使われます。
【建材】
●合板、ベニヤ板
●ケイカル板
●スラグ石膏板
●フレキシブルボード
●金属板
3. 張り替える 180,000円~230,000円
劣化が酷い場合には張り替えも視野に入ってきます。古くなった既存部分を撤去して、必要があれば下地などの修理をし、新しい建材を貼っていきます。他の二つの方法に比べて費用や手間はかかりますが、建物の耐久性向上の点からすると優れたやり方です。
【建材】
●合板、ベニヤ板
●ケイカル板
●スラグ石膏板
●フレキシブルボード
●金属板
費用まとめ
軒天の修理の場合は足場を組む必要があることもあります。上記でご紹介した費用目安は、足場を含まない価格なので、実際に足場を組むことも加味して考えると費用帯は下記のようになってきます。また足場を組む場合は、外壁や屋根の工事と合わせて行われるケースが多いです。
塗装:100,000円~120,000円
重ね張り:120,000円~170,000円
張り替え:180,000円~230,000円
足場組み立てと撤去:150,000円~200,000円(一般的な二階建て住宅の場合)
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大永 和弘 (おおなが かずひろ)
大学卒業後、カーテンレールシェアNo1の内装材メーカートーソー株式会社にて、7年間勤務。
入社後は、大手ハウスメーカーやリフォーム会社、工務店、内装工事業者など約200社を担当。その際に新築住宅やリフォーム住宅など数多くの現場を経験。
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