屋根瓦の修理費用にはいくらかかる?施工事例をもとに解説

 屋根瓦の修理費用にはいくらかかる?施工事例をもとに解説

住宅の屋根を守っている瓦は強風によって吹き飛ばされることもあり、瓦のない屋根は劣化が早まるので、早急に修理しておかなければいけません。今回は、屋根瓦の修理が必要になった際に知っておきたい修理費用の相場と過去の施工事例・見積もり事例をお伝えします。まずはこの記事のポイントをまとめました。
 

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POINT この記事のポイント

・瓦屋根の「土葺き工法」は「引っかけ桟葺き工法」より耐久性が弱い
・台風被害から屋根瓦を守るためには事前対策を講じる必要がある
・屋根瓦の修理は主に「部分補修工事」「全体の葺き替え工事」のふたつ
・屋根の修理には火災保険が適用される場合がある
・定期点検をして現状把握しておくと災害対策になる

新築は耐久性があり丈夫

近年の新しい瓦は施工方法が昔と異なり、瓦を瓦留め付け用の木材にひっかけて固定する「引っかけ桟葺き工法」が主流です。この工法は風雨に強いので、台風で吹き飛ぶ心配が少なく耐久性が高いです。

築10年以上は弱くなってくる

瓦の耐用年数は約40~50年ほどと長いですが、一年中天候にさらされる瓦はやはり劣化してきますので、約10年程度からメンテナンスが必要になります。また、昔ながらの漆喰などの土の上に瓦を乗せていく「土葺き工法」の場合は耐久性が劣ります。

古い工法や築年数が経過している屋根瓦の場合は、大きな台風によって被害を受けることもありますので、定期的な点検と台風前の事前対策が重要です。

監修者コメント
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防災瓦で安心・安全

昔の瓦は屋根の上に乗せるような状態で固定されているため、地震時に落下したり、台風時に飛散したりするリスクが多くあります。それに対し、最近の瓦は「防災瓦」といって、瓦同士の連結を強化したり、屋根に強固に固定したりして、落下や飛散のリスクが大幅に軽減されています。瓦屋根の修理をご検討の方は、費用は掛かりますが、いざというときの安心・安全のためにも防災瓦への葺き替えもご検討いただければと思います。

監修者:高橋 みちる(一級建築士)

台風被害から屋根瓦を守る事前対策

台風がやってくるシーズンや台風の進路は事前に予想ができますので、被害を防ぐためにも事前対策をしておきましょう。

1. 屋根の事前チェック

シーズン前には定期点検をしておくと安心です。細かな瓦のひび割れや欠け・ずれなど、事前に修理しておけば、いざ台風が来た時でも被害を最小限に抑えることができます。定期点検にはもう一つメリットがあり、ゆっくり業者選びができる点です。

実際に台風被害などに遭ってからでは、修理を急ぐために悪質な業者と契約してしまう恐れもあります。実際に過去の台風被害の際には、屋根の無料修理をするといって後から高額請求をしてきたり、普段より高額な契約を取り付けようとする事件が多発しています。

こういう悪質な業者の被害に遭われる方には下記の傾向が見られます。

・屋根瓦の修理費用の相場を知らない
・今まで点検したことがなく屋根の現状を知らない
・無料と聞いたから契約した

普段から定期点検をしてくれる優良な業者とのお付き合いをしておくことで修理費用相場が分かったり、修理内容の知識が得られます。修理を依頼する際には、必ず複数の見積もりをとって費用を比較したり、すぐに契約に応じないことも重要ですよ。

屋根の定期点検をしてくれる業者を一見積もりで探してみる

2. ブルーシートを張っておく

台風が直撃するという予想が出ていたら、屋根にブルーシートを張って瓦を保護しておきましょう。ブルーシートは、ハトメ付きの防水タイプが丈夫でおすすめです。ご自身でも作業は可能ですが、慣れない施工内容と高所作業は危険です。できれば業者に任せる方が安心で効果的です。

屋根へのブルーシート設置を業者に依頼した場合の費用目安は約1~3万円です。

屋根瓦の修理は大きくわけて2つ

屋根瓦の修理は大きくわけて下記の2つがあります。

・部分補修工事
・全体の葺き替え工事

1. 屋根瓦の部分補修工事

部分補修工事は、下記のような工事内容が多いです。

・ひび割れなど劣化した瓦の交換
・瓦のずれ
・下地の漆喰の塗り直し
・再塗装

雨どいや外壁など、別の箇所の補修工事をついでに依頼される方も多く、同時に施工してもらうと工事が一度で済むのでお得です。特に足場が必要な施工工事の場合は、足場代の節約につながります。

関連記事:足場設置の必要性、種類、費用目安は?

1-1. 瓦の交換

 瓦の劣化 瓦の劣化(※画像はイメージです)

築年数が経過するにつれ、部分的に瓦に劣化が見られるようになってきます。主に、ひび割れや欠けなどの症状が現れます。ひび割れや欠けの部分から雨水が染み込むと雨漏りが起こり、屋根の腐食につながりますので、毎年点検をして劣化した瓦がないか確認しておくことが大切です。

瓦の交換費用目安は、1枚あたり約1万円~3万円です。瓦の枚数が増えたり、下地の調整なども追加で行うと費用が増えていきます。ご参考までに、家仲間コムでの施工事例や見積もり事例をご紹介します。

施工事例:「屋根瓦が割れていて雨漏りが心配なので補修をお願いしたい」とのご要望です。

地域 山梨県
築年数 不明
施工内容 割れた棟瓦の部分補修
施工費用目安 5万円
施工日数 1日


見積もり事例:「屋根の瓦と外壁の一部が剥がれたので修理したい」とのご要望です。

地域熊本県
築年数20年以上
施工内容瓦と外壁の剥がれ修理、防腐剤の塗布
見積もり価格相場3.8万円~4.6万円

1-2. 瓦のずれ

 新しい屋根瓦 新しい屋根瓦(※画像はイメージです)

台風や地震によって瓦がずれてしまうことがあります。特に近年は大きな台風によって屋根瓦の被害が多く見受けられますね。ずれた瓦と瓦の隙間から雨水が入り込むと、雨漏りや腐食の原因となります。瓦のずれは屋根に上ってずれている箇所を元に戻す作業で済むため、施工費用は約5万円~と安く済みます

1-3. 漆喰の塗り直し

昔は屋根の下地の上に漆喰を塗り、その上に瓦を並べて設置していく工法が一般的でした。漆喰部分も経年と共に劣化していきますので、定期的な塗り替えが必要になります。

屋根の漆喰の塗り直し費用目安は約1,500円/㎡~程度です。

施工事例:「棟、鬼瓦漆喰、コーキング補修工事」のご要望です。

地域 千葉県
築年数 不明
施工内容 棟、鬼瓦漆喰、コーキング補修工事
施工費用 18万円
施工日数 1日


見積もり事例:「瓦屋根修理と漆喰塗り替えを頼みたい」とのご要望です。

地域大阪府
築年数20年以上
施工内容瓦ずれ、棟瓦直し、漆喰塗り直し
見積もり価格相場15万円~70万円

1-4. 再塗装

日本瓦ではなくセメント瓦の場合は防水塗料で仕上げるため、定期的な塗り替えが必要です。

関連記事:瓦修理・補修/知っておきたい瓦の種類とそれぞれのメンテナンス方法

瓦の再塗装の費用目安は約2,000円/㎡~程度です。

見積もり事例:「屋根瓦の塗装メンテナンス」をご希望です。

地域福島県
築年数28年
施工内容屋根瓦の再塗装
見積もり価格相場25万円~30万円

2. 屋根全体の瓦葺き替え工事

 屋根の葺き替え工事 屋根の葺き替え工事(※画像はイメージです)

耐用年数に近いほど築年数が経過していたり劣化がひどい場合は、屋根全体の瓦の葺き替え工事をするほうが安心です。葺き替えの際に、最新の瓦に変更したり、より機能性の高い別の屋根材に変更する方も多いです。

屋根瓦の葺き替え工事費用目安は約3,500円/㎡です。

葺き替え工事の費用には下記のような内容が含まれます。
・足場の設置
・既存屋根瓦の撤去
・既存屋根瓦の処分
・新しい瓦の設置

多くの場合、下地の補強なども必要になってくるので予算は多めで考えておき、見積もり内容をよく確認しておきましょう。不明な点は業者さんに質問して明確にしておくことも大切です。

施工事例:「地震対策のため軽い屋根材に葺き替えたい」とのご要望です。

地域 神奈川県
築年数 40年
施工内容 和瓦屋根からルーガ雅への葺き替え
施工費用 280万円
施工日数 2週間


見積もり事例:「老朽化した瓦の葺き替え」をご要望です。

地域長崎県
築年数20年以上
施工内容瓦の葺き替え
見積もり価格相場270万円~320万円

火災保険が適用されると屋根瓦の修理費用負担は無し

屋根の修理には火災保険が適用される場合があります。

関連記事:屋根の修理が保険でできる!?火災保険の風災補償による屋根修理

家仲間コムでの過去の施工事例の中に、火災保険適用で0円で修理が行えた事例がありますのでご紹介します。

施工事例:「火災保険適用で自己負担0なら悪いところを直したい」とのご要望です。

地域千葉県
築年数不明
施工内容ノシ瓦、棟瓦の取り直し、 漆喰補修、雨樋清掃
施工費用0円(火災保険適用)
施工日数2日間
監修者コメント
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火災保険で備えよう

瓦屋根は重厚感があり、見た目だけでなく耐久性の高さも魅力ですが、やはり心配なのは地震や台風などの被害に遭いやすいということです。災害に強い防災瓦に葺き替えるといっても、費用も掛かるのでなかなか簡単ではないですよね。そんな時に頼りになるのが、火災保険です。台風などの被害はもちろん、地震保険にも加入すれば、自然災害全般に幅広く備えることができます。ぜひ一度、ご自宅の火災保険の補償内容を確認してみてくださいね。

監修者:高橋 みちる(一級建築士)

屋根瓦の修理費用まとめ

 屋根瓦の修理費用まとめ

普段あまり見ることのない屋根は、定期点検をして常に現状を知っておくことで災害対策にもなります。台風被害の中でも屋根瓦の修理件数は多く、事前に修理費用の目安を知っておくことで、悪質な業者から身を守ることもできて安心ですよ。

また、屋根瓦の修理をする際は、外壁などのリフォームと同時施工すると足場代の節約になり費用がお得になります。

屋根瓦の修理費用を一括見積り!

屋根瓦の修理費用の見積もりを依頼する際は一括見積りが便利です。「実際に修理が必要かどうかわからないけど点検を依頼したい」というケースでも、地域別に業者を探すことができます。家仲間コムの見積もりサイトには約1000社の登録業者さんがいて、いろんな依頼に対応できるのが魅力です。

台風被害が起こってからでは業者さんもすぐに対応できないことも多いので、日頃から定期点検をしてくれる業者さんと信頼関係を作っておくのも大切です。


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完全無料で利用できるので、お気軽にご利用ください。

監修者プロフィール
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一級建築士

高橋 みちる (たかはし みちる)

WEBサイト


アールイーデザイン一級建築士事務所代表。

住宅業界で新築・リフォームの営業・設計・現場監理などを経験。
これまで3000件以上の現場を見ながら、「永く、快適に住み続けるためにはどうしたらいいのか?」を常に探求し続け、リフォーム提案を行っている。
また、現在は執筆活動や企業向けの社員研修、一般向けの講演会なども全国各地にて実施。

著書「やらなければいけない一戸建てリフォーム」(自由国民社、2020年7月発売)

【保有資格】

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noteにてリフォームに関するお役立ち情報を発信中!
高橋みちる|リフォームコンサルタント|note

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家仲間コム編集部

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利用会員数260,000人、登録リフォーム会社数1,400社を超える日本最大級のリフォームマッチングサイト「家仲間コム」を運営するリフォーム専門家集団の編集部が、一般的なリフォームの情報を纏めた簡易的な記事ではなく、実際の見積情報や価格相場に基づいた読者に役立つ、価値ある情報をお届けしています。

執筆者プロフィール
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大永 和弘 (おおなが かずひろ)


大学卒業後、カーテンレールシェアNo1の内装材メーカートーソー株式会社にて、7年間勤務。
入社後は、大手ハウスメーカーやリフォーム会社、工務店、内装工事業者など約200社を担当。その際に新築住宅やリフォーム住宅など数多くの現場を経験。

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