屋根の修理にかかる費用はどれくらい?応急措置の方法や業者に依頼する際の注意点
屋根の修理費用の相場は、3,000円~150万円と非常に幅広いものです。なぜなら、瓦1枚の部分補修から1棟全体の瓦の葺き替えまで、発生原因を根本から解決するための工法が様々であるためです。
この記事では、損傷度合いによる屋根の修理相場や修理を依頼するタイミングについて説明していきます。また、屋根が損傷した場合の応急処置の方法や、高額な請求を行う悪徳業者の見分け方までを解説します。
POINT この記事のポイント
・屋根の修理費用の相場は、3,000円~150万円ほど
・屋根を修理するタイミングは、築年数が10年以上経った時や台風などにより瓦の破損やズレが生じた時、雨漏りが発生した時など
・屋根の修理を専門業者に依頼するときの注意点は、「悪徳業者に注意する」「複数の業者に相見積もりを取る」「修理希望日の最低1か月前には依頼しておく」の3点
目次 [ 非表示 ]
屋根の修理にかかる費用相場
それでは、屋根の修理にかかる費用相場を見て行きましょう。
屋根修理の工法 |
費用相場 |
カバー工法 |
60~100万円 |
屋根塗装 |
20~50万円 |
瓦葺き替え |
90~150万円 |
瓦部分補修 |
3,000~4,000円 |
板金交換(1㎡当たり) |
8,000~1万円 |
漆喰補修(1㎡当たり) |
2,000~8,000円 |
なお、ここで紹介する相場はあくまで目安であり、実際には屋根の状態によって金額は変わってきます。より詳細な金額を知りたい方は、業者から見積もりを取ってみてください。
カバー工法は1棟当たり60~100万円
カバー工法とは、葺き替えるのではなく、現在の屋根に新しいものを乗せる工法で、ほこりがたちにくく、瓦の葺き替えに比べて短期間での工事が可能です。
このカバー工法は、撤去・解体、廃材運搬など、通常の葺き替えに比べ工期と工数を削減できるので、カバー工法の相場は、1棟当たり60〜100万円です。
屋根の塗装は1棟当たり20〜50万円
塗料を塗ることでも、屋根材の寿命を長くすることができます。この場合は屋根材が不要なため、葺き替えに比べ費用は大幅に安くなります。
屋根の塗装ができる屋根の種類は、スレート・金属屋根・瓦(材質による)です。瓦の場合は1枚1枚塗装し面積が少し増え、日数・工数もかかり、さらに瓦専用の塗料となる為、費用がプラスになる可能性があります。遮熱効果がある塗料を選ぶことで、特に夏場の生活快適性や省エネ性能なども期待できる工法です。
葺き替えは1棟当たり90~150万円
屋根修理のなかでも一番大がかりな工事が「葺き替え」です。 現在の屋根材をすべて剥がして、屋根下のルーフィングシート(防水材)や下地板の交換をするので、雨漏りしている時は葺き替えが何よりもおすすめです。屋根からの雨漏りを根本的に解決できます。
さらに、葺き替える時は、一度現在の屋根材を全て撤去してしまうので、例えば瓦屋根からガルバリウム鋼板(鉄板の屋根)や、コロニアル(スレート屋根)などの屋根に一新することが可能です。 一番高価な工事ですが、もう雨漏りに悩まなくて済みますし、外観を一新することが可能なので大変おすすめです。
瓦の部分補修は1枚当たり 3,000~4,000円
屋根の修理で一番軽微で相場も安価な修理がこの「部分補修」です。 部分修理とは、狭い範囲の損傷に適した修理方法です。例をあげると瓦が一枚だけ割れたので交換する場合や、一か所の漆喰の塗りなおしなど、部分的な補修を行う工事です。
板金交換は1m当たり8,000~1万円
棟板金は、建物で一番高いところにあるので、一番雨や風のダメージを受ける箇所で、その板金を交換する工事です。 おなじ板金でも、「銅葺き」になるとこの金額よりも高くなってしまう可能性があります。
漆喰補修は1m当たり2,000~3,000円
漆喰(しっくい)とは、瓦の頂上の棟と、屋根の地瓦(斜め部分)とが重なるところを漆喰で塗って雨の侵入を防ぐ重要な場所です。ここが劣化して朽ちると、雨が家の頂点から侵入し、家全体を劣化させます。 この漆喰は、屋根の形状にもよりますが、切妻屋根だと安価で済みますが、寄棟だと複数の漆喰があるので長くなってしまいます。
家仲間コムでの過去事例における費用相場
ここでは弊社が運営する『家仲間コム』での施工事例を紹介します。また、実際にかかった工事費用も紹介していますので、参考にしてください。
屋根のカバー工法【30万円】
■施工前
■施工後施工業者:有限会社アップライト工業
外壁のシーリングと塗装が経年劣化していて、屋根のコロニアルも傷んでいたのでカバー工法をおこなっています。
関連記事:まるで新築!サイディングと屋根のカバー工法。
屋根塗装工事【17万円】
■施工前
■施工後
施工業者:株式会社キュア・トラスト
コロニアル屋根の塗膜が前回の塗装から10年以上たち、経年劣化で色褪せや汚れが目立っていたので、屋根塗装工事を行っています。
関連記事:屋根塗装工事 神戸市
遮熱塗料で屋根塗装【44万円】
■施工前
■施工後
施工業者:普天間塗装
苔がびっしりついている屋根を高圧洗浄して、割れがあるところは新しいスレートに。その後遮熱塗料を用いて屋根を新しく塗り替えました。4日間をかけて丁寧に塗り替えています。
関連記事:遮熱塗料で屋根塗装
屋根は経年劣化や雨漏りしたら修理するタイミング
ここでは、修理するタイミングについて解説していきます。
1.築年数が10年以上経った時
築10年以上経過したときは、雨風の影響による、部品や材料などへのダメージが出てきますので。なにもなくても、調査を依頼すれば、雨漏りなどを初期の初期で発見でき、工事金額が大幅に抑えられるかもしれません。
2.台風などにより瓦の破損やズレが生じた時
瓦の破損やズレが生じたときも、修理を行うタイミングになります。
なぜなら、力は弱いところに集中しますが、一か所ズレるということは、他の場所にもそれなりに力がかかっているので、今は大丈夫でも、少し先の未来でズレる可能性があります。
3.雨漏りが発生した時
雨漏りが発生したら修理するタイミングですので必ず修理しましょう。 雨風が断続的に当たることで、コーキングや、瓦などがずれ、下地を傷めながら、落ちてきている可能性が高いものです。雨漏りを見つけたら、自分で「応急処置や濡れているところの写真」を取り、専門業者へ依頼することがおすすめです。
4.雨樋から水が溢れていた時
雨樋に何年もゴミや落ち葉などが堆積してあふれた時も、修理の一つの目安です。樋の中を堆積物がせき止め水が流れず、溢れだして室内へ雨漏りしていたという事例もあります。
5.経年劣化により色あせてきた時
外壁などが色褪せてきた場合も修理のタイミングです。毎日毎日、雨風や太陽からの日差しをあびて色褪せているのは、防水能力の低下や、劣化の合図となります。
屋根の修理や応急措置方法
ここでは屋根の修理や、応急処置の方法を解説します。屋根や脚立上などの高所での作業は大変危険です。雨漏りしたからと言って、大雨の中屋根を見に行くなどは絶対にせず、瓦を見て乾燥しているか確認し、応急処置を行ってください。
また、脚立で雨漏り箇所の調査や、何らかの応急処置をする場合も、必ず二人で作業を行い、一人は作業、一人は脚立を支えるなど安全への配慮が必要となります。家を愛し守りたいがゆえに、あなたがケガをしてしまったら本末転倒ですので安全な作業を心がけてください。
防水テープで修理する
外壁材と外壁材の間のコーキングが切れているところや、ちょっとした隙間を塞ぐなどの応急処置を行う時、大変役に立つのがこの防水テープです。
使用箇所は、サッシ周りの隙間や外壁材と外壁材の間などに使用できます。屋外で使用し、なおかつ直射日光に長時間当たるような場所は、『耐熱タイプ』の使用をおすすめします。
新しい瓦に交換する
台風の後などに、瓦が外れ風に飛ばされた時にこの補修を行ってください。新築を購入したときなどに予備の瓦を邪魔にならない場所に保管している場合が多いです。
その瓦を屋根上に持っていき、差し込み修理完了です。瓦上を歩くときは表面の乾燥状態をよく確認してください。すべって落ちる可能性があります。材質によっては濡れているか分かりづらい材質もあるので、見る角度を変えてみてください。
雨樋の部分補修にはアルミ製テープを貼る
雨樋の底や横面に穴が空いてしまった場合は、アルミ製のテープを貼りましょう。 脚立を使って修理作業を行うと予想しますが、一人での脚立作業は、バランスを崩し、転落してしまう恐れがあるので、二人での作業をおすすめします。
ブルーシートをかぶせる
台風などで瓦が飛んだり、瓦が損傷している場合は、雨漏りを防止するために、そのか所にブルーシートをかけ、さらなる被害を予防しましょう。ブルーシートをかぶせ、隅に砕石の入った土嚢袋を重しで置けば、応急処置完了です。
屋根上の作業は大変危険ですので、作業の際は注意してください。注意するポイントは、瓦の表面が濡れていない事と、瓦の表面にほこりが付着していないかを確認することです。また、動きやすい運動靴などで作業することをおすすめしますが、サンダルなどは滑る恐れがあります。足を滑らせ墜落すると命の危険がありますので、よく注意して作業を行ってください。
コーキングで隙間を埋める
サッシ周りのコーキングの切れやヒビがある、完全に切れている、または板金の取り合い部分に隙間ができていて、そこから雨が侵入している恐れがあるときは、コーキングで隙間を埋めてください。コーキングでの作業も脚立を使用すると思いますが、この作業も必ず二人での作業を行ってください。
屋根の修理を専門業者に依頼するときの注意点
屋根修理の専門業者に依頼するときの注意点をまとめて解説していきます。
1.悪徳業者に注意する
50万円値引き!や70%offなどあり得ないほどの大幅な値引きをしてきたり、屋根の葺き替えなどの「大型工事」を提案してくる業者には要注意です。調査も何もしていないのに見積もりを出してくるなど、通常では考えられない様な事ばかり提案してくる業者は悪徳業者の可能性が高いです。 この知識を頭の片隅に置いておいて、不当な悪徳業者と契約しないようにしましょう。
2.複数の業者に相見積もりを取る
合い見積もりは、悪徳業者を見抜くためと、交渉材料に使えるおすすめの手段です。相見積もりを取るには利点があるので解説します。
家の修理費用の相場が分かり、補修に対しての必要な工程が把握できます。さらに、最安値の施工業者の見積もりを使って、他の施工業者に対し工事費用の値引き交渉を行えることが相見積もりを取ることの利点があります。
3.修理希望日の最低1か月前には依頼しておく
屋根の修理に関しては、現場調査や打ち合わせに時間を要することを考慮して、最低でも1か月前には依頼するようにしましょう。足場を組む場合は特に時間がかかるため、依頼は早いに越したことがありません。
最後に
雨漏りによる修理や補修をご検討の方は、まず二社以上から見積もりを依頼しましょう。応急処置はあくまで応急処置なので、過信しないように注意が必要です。また、悪徳業者に騙されないようにしてください。
リフォーム一括見積もりの家仲間コムでは、希望する屋根補修の内容を書き込むだけで、お住まいの地域の施工業者さんから見積もりや提案が届きます。匿名で利用できるので、後にしつこく営業される心配などもありません。利用は無料なので、お気軽にご相談ください。
利用会員数260,000人、登録リフォーム会社数1,400社を超える日本最大級のリフォームマッチングサイト「家仲間コム」を運営するリフォーム専門家集団の編集部が、一般的なリフォームの情報を纏めた簡易的な記事ではなく、実際の見積情報や価格相場に基づいた読者に役立つ、価値ある情報をお届けしています。
大永 和弘 (おおなが かずひろ)
大学卒業後、カーテンレールシェアNo1の内装材メーカートーソー株式会社にて、7年間勤務。
入社後は、大手ハウスメーカーやリフォーム会社、工務店、内装工事業者など約200社を担当。その際に新築住宅やリフォーム住宅など数多くの現場を経験。
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