瓦屋根とスレート屋根を徹底比較|正しく選んで後悔しないリフォームを

瓦屋根とスレート屋根を徹底比較|正しく選んで後悔しないリフォームを

新築やリフォームを検討している時に迷うことの多い屋根材についてご紹介します。屋根材の中でも今回は「瓦」「スレート」について、それぞれの特徴やメンテナンスの内容、また、屋根材を選ぶ際の優先順位別のおすすめについても紹介しますので、参考にしてください。まずは記事のポイントをまとめました。

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POINT この記事のポイント

・屋根材には​​主に日本瓦、セメント瓦、スレート、ガルバリウム鋼板がある
・それぞれの屋根材には耐用年数や価格、メンテナンス方法に違いがある
・メリット・デメリットもそれぞれ
・屋根材を選ぶ際には優先順位別におすすめがある

1. 日本瓦

日本瓦日本瓦(※画像はイメージです。)

「日本瓦」は昔からある日本の伝統的な屋根材で、粘土で作られています。屋根材の中では高価ですが、日本瓦ならではの重厚な趣は今でも和風の住宅を建てる方に人気です。日本瓦は強度があり、屋根材の中で最も耐久性に優れています。

重量があるため地震には弱く、万が一大きな地震が来ると落下してしまうことがあります。

関連記事:助成制度もある耐震工事について徹底調査しました!

1-1. 日本瓦の耐用年数と価格相場

・耐用年数:50年以上
・価格相場:5,500円〜11,000円/㎡

1-2. 日本瓦のメンテナンスと葺き替え

塗装の必要はありませんが、下地材や棟部のしっくい部分には定期的な点検が必要です。部分的な交換はできますが、葺き替えの際は上から葺いていくカバー工法が使えませんので、既存の瓦屋根を撤去してすべて葺き替える必要があります。

2. セメント瓦

瓦屋根セメント瓦(※画像はイメージです。)

「セメント瓦」はセメントを成形して塗装しており、「日本瓦」と比べると一つ一つに均一性があります。日本瓦よりは安価ですが、屋根材の中では高価です。日本瓦と比較すると少しは軽量になりますが、金属屋根と比べると重量があるため住宅全体に負担がかかる点がデメリットです。

セメント製のため強度があり耐久性に優れ、表面の塗装をすることで色やデザインのバリエーションが豊富な点がメリットです。洋風デザインのものもあるので、様々な住宅デザインにも合います。

2-1. セメント瓦の耐用年数と価格相場

・耐用年数:30~40年以上
・価格相場:6,000円〜8,000円/㎡

2-2. セメント瓦のメンテナンスと葺き替え

下地材や棟部のしっくい部分には定期的な点検が必要であることと、15年を目安に再塗装メンテナンスが必要です。日本瓦同様、部分的な交換はできますが、葺き替えの際は上から葺いていくカバー工法が使えませんので、既存の瓦屋根を撤去してすべて葺き替える必要があります。

3. スレート

屋根スレート屋根(※画像はイメージです。)

「スレート」は、現在最も普及している屋根材で「コロニアル」「カラーベスト」とも呼ばれます。セメントに繊維を混ぜて形成して作られます。安価である点がメリットですが耐用年数は短めで、定期的なメンテナンスが長持ちさせるポイントです。瓦と比較すると軽量なため、施工しやすく地震に強い点がメリットです。

3-1. スレートの耐用年数と価格相場

・耐用年数:20年~30年
・価格相場:4,500円〜8,000円/㎡

3-2. スレートのメンテナンスと葺き替え

10年を目安に再塗装などのメンテナンスが必要になります。スレートは薄いので、下地に不具合がなく雨漏りもない場合には既存のスレートの上から葺いていくカバー工法が使えます。耐用年数が経過した後は、既存のスレート屋根を撤去してすべて葺き替える必要があります。

監修者コメント
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スレート屋根から瓦屋根に変えるのは難しい

今ある屋根材の葺き替えをご検討されている場合は、使用する材料を変更する場合には注意が必要です。というのも、瓦屋根は重いため、地震に耐える耐力壁がスレート屋根よりも多く必要になるのです。軽いスレート屋根から重い瓦屋根に変更すると、壁も補強する必要が出てくる場合があります。逆に、重い瓦から軽いスレートに変更するなら、耐震性能は改善されることになります。ぜひ屋根と耐震性能の関係にも注意して、屋根材をお選びいただけたらと思います。

監修者:高橋 みちる(一級建築士)

瓦とスレートの選び方

瓦とスレートの選び方

瓦とスレートのどちらを選べば良いか優先順位別にご紹介します。

1. 価格

初期費用の安さを優先したい方には、スレートがおすすめです。スレートは耐用年数が短いので、10年を目安に再塗装メンテナンス、20~30年経過したら葺き替えが必要になります。初期費用は安く抑えられますが、将来的にメンテナンス費用がかかってきますのでトータルコストを検討する必要があります。

2. 耐用年数

耐用年数を優先する場合は、瓦がおすすめです。50年以上も耐用年数がありますし、メンテナンスの手間も費用もほぼ不要です。下地材のメンテナンスや地震後の瓦のズレは確認しておく必要がありますが、割れやヒビが見つかった場合はその部分の瓦だけ交換することができるので、交換費用は安く済みます。

台風の多い日本では雨漏り対策を事前にしておくことで、屋根材を長持ちさせることができます。

関連記事:【工法別の費用目安あり】屋根・屋上防水工事の基礎知識

3. 耐震性

耐震性を優先する場合は、重さが瓦の1/3程度であるスレートがおすすめです。震度6以上の大地震の際には、瓦屋根の住宅は瓦がたくさん落下してメンテナンス作業が大変な住宅が多くありました。屋根の地震対策は下記リンクをご参考になさってください。

関連記事:屋根で地震対策も出来ます!屋根の葺き替え工事による地震対策と費用相場

4. メンテナンス性

メンテナンス性を優先する場合は、瓦がおすすめです。塗り替えの必要もなく、屋根材の中でも最も耐用年数が長いです。衝撃で割れやズレが生じることがありますので、台風や大地震の際には確認するほうが安心です。

5. デザイン性

デザイン性に関しては、それぞれの良さがあるためお好みによります。和風の住宅にはやはり日本瓦のほうが風情が出ますね。日本瓦の場合は「瓦職人」と呼ばれる専門職の方がいらっしゃいますので、より美しい仕上がりを求める場合は瓦職人に依頼したほうが安心です。

セメント瓦には洋風デザインもありますので、洋風デザインの住宅にも合います。シンプルでスタイリッシュな住宅にしたい場合は、スレート屋根がピッタリ合います。

参照:一般社団法人全日本瓦工事業連盟

監修者コメント
監修者画像

屋根選びは、ぜひ下地にもこだわって

屋根材を何にするのか、悩ましいところですね。耐久性の高さや見た目の良さでは瓦が魅力的ですが、その場合に気を付けていただきたいのが、下地のルーフィングと呼ばれる材料の材質です。瓦屋根そのものは本当に長持ちしますが、下地のルーフィングが先に劣化してしまうと、雨漏りを生じてしまう可能性があるのです。瓦のような長寿命の屋根材を選ぶ場合には、ぜひルーフィングも耐久性の高いものを選び、しっかりと長持ちさせてくださいね。

監修者:高橋 みちる(一級建築士)

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監修者プロフィール
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一級建築士

高橋 みちる (たかはし みちる)

WEBサイト


アールイーデザイン一級建築士事務所代表。

住宅業界で新築・リフォームの営業・設計・現場監理などを経験。
これまで3000件以上の現場を見ながら、「永く、快適に住み続けるためにはどうしたらいいのか?」を常に探求し続け、リフォーム提案を行っている。
また、現在は執筆活動や企業向けの社員研修、一般向けの講演会なども全国各地にて実施。

著書「やらなければいけない一戸建てリフォーム」(自由国民社、2020年7月発売)

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noteにてリフォームに関するお役立ち情報を発信中!
高橋みちる|リフォームコンサルタント|note

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編集責任者

家仲間コム編集部

プロフィール


利用会員数260,000人、登録リフォーム会社数1,400社を超える日本最大級のリフォームマッチングサイト「家仲間コム」を運営するリフォーム専門家集団の編集部が、一般的なリフォームの情報を纏めた簡易的な記事ではなく、実際の見積情報や価格相場に基づいた読者に役立つ、価値ある情報をお届けしています。

執筆者プロフィール
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大永 和弘 (おおなが かずひろ)


大学卒業後、カーテンレールシェアNo1の内装材メーカートーソー株式会社にて、7年間勤務。
入社後は、大手ハウスメーカーやリフォーム会社、工務店、内装工事業者など約200社を担当。その際に新築住宅やリフォーム住宅など数多くの現場を経験。

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