狭い家の間取りの5つの問題点|改善する方法を解説

狭い家の間取りの5つの問題点|改善する方法を解説

狭い家では計画的に間取りを考えておくことが、快適な生活を送るうえで重要なポイントです。今回は、狭い家を効率の良い間取りに変えるための改善策を解説します。まずはこの記事のポイントを以下にまとめました。

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POINT この記事のポイント

・狭い家に住んでいる人は動線が悪い、家の中が暗いといった不満がある
・狭い家では広く見せる、動線の良い間取りを造るが快適な暮らしのポイント
・狭い家の間取りは狭小住宅の施工経験豊富な業者に相談するのがおすすめ

狭い家の間取りに関する問題点

近年では都心部でも、若い世代が比較的手の届く価格でマイホームを持つことができますが、デメリットは敷地が広くないため狭い家になってしまうことです。約10坪の狭い家で生活されている方などがリフォーム番組で取り上げられたりしますが、数々の工夫は目からうろこで、つい見入ってしまいます。

では、狭い家の間取りに関する問題点にはどのようなものがあるのでしょうか。狭い家にお住まいの方は、主に上記の5つのような不満を抱えていらっしゃいます。狭い家では、隣家との距離も近いため、ある程度の広さを確保するために縦に細長い3階建ての家の間取りが多いです。

この記事では、1階に玄関や駐車場(駐輪場)、2階・3階に水廻りや居室という家の間取りを想定して話を進めていきます。では順番に、改善策と共に詳しく見ていきましょう。

問題点1. 動線が悪い

家事をする際にできるだけ同じ場所で完結できる間取りであると効率的ですが、狭い家の場合は空間が分散していることが多く動線が悪くなりやすいです。

また朝起きて身支度をして出勤・通学するまでの一連の流れも事前に考えておかないと、慌ただしい朝から家の中を行ったり来たりするはめになり、こちらも動線が悪くなります。

1-1. 動作の流れを書きだしてみる

動線を改善するためには、まずは一連の動作の流れを書き出してみることから始めましょう。

1-1-1. 洗濯の動線

例えば、洗濯の場合。

・洗濯機で洗う→干す→取り込む→収納

という流れになります。1階の洗濯機で洗い、2階のベランダで干して取り込み各居室へ収納する、という間取りの方も多いのですが、これでは動線が良くありません。この一連の動作が同じ場所で完結するよう間取りを考えましょう。

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洗濯機と干すスペースは同じ階、できれば同じスペースにあるのが望ましいです。間取りの改善ポイントは下記です。

・2階に洗面所兼洗濯機置き場
・2階のベランダに干す
・または浴室乾燥機付き浴室を2階に設置
・洗面所にも収納を造る

洗濯物を室内干しされる方は、洗面所と浴室を同じ空間に造り、浴室換気乾燥機を設置しておくと効率が良くなります。余談ですが、筆者は最近タオルを買い替えて2枚で運用しています。トイレ用・洗面所用・バスタオル、すべて各2枚です。(以前は3枚で運用していましたが減らしました)

1枚は使用中、もう1枚は洗濯して乾いたらそのまま使う分に回し、使用中だったものは洗濯へ。毎日洗濯をしますが、洗濯物の量が減ってたたんで収納する工程がなくなったため、かなり楽になりました。限られた収納スペースだからこそ物を減らす工夫をしようと断捨離中です。

関連記事:洗濯物が乾きにくい季節に最適な浴室乾燥機

1-1-2. 通勤・通学準備の動線

通勤・通学の準備をする動線は下記の流れが多いのではないでしょうか。

・起床後、洗面所で洗顔、歯磨き
・キッチンで朝食
・洗面所で歯磨き
・着替え等身支度
・外出

人によって多少の流れが異なりますが【身支度・食事・外出】が主な行動ですね。

間取りの改善ポイントは下記です。

・2階に洗面所を設置
・2階にキッチンを設置
・スキップフロアに収納スペース

すべて2階で完結する動線です。

スキップフロア|YKKap画像出典:スキップフロア|YKKap


出典:スキップフロア|YKKap

「スキップフロア」とは、中2階・中3階の部分のことで、2~3段の階段で段差を造って設けた空間のことを言います。壁を設けなくても段差で部屋を区切ることができるので、狭い家を有効活用できる間取りです。

リビングにつながるスキップフロアを設けてウォークインクローゼットのように使えば、身支度の移動距離が減り動線も良くなります。収納スペースも1ヶ所にまとめることで無駄なものがなくなり、片付けがしやすくなりますよ。

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問題点2. 採光しにくく家の中が暗い

採光しにくい暗い家採光しにくい暗い家(※画像はイメージです)

狭い家は、隣家との距離が近く採光しにくい点がデメリットです。外壁に窓を設けてもお隣さんが壁となり、日が入りにくいです。採光がしにくいと家の中に湿気がたまりやすくなりますので、狭い家にこそ、吹き抜けや天窓を設置して明るく日が当たる間取りを造りましょう。

2-1. 吹き抜け

明るい吹き抜け明るい吹き抜け(※画像はイメージです)

1階から3階まで吹き抜けを造ることで、上部から光を取り込むことができます。縦に長い空間ができ上がるので、家を広く見せる視覚効果もあります。

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2-2. 天窓・高窓

天窓天窓(※画像はイメージです)

掃き出し窓を造ってもあまり採光が期待できないのが狭い家のデメリットです。できるだけ高いところに窓を造り、上部からの光を取り込みましょう。高いところの窓には、高窓や天窓という種類があります。

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監修者コメント
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天井と床を広く見せよう

狭い部屋を少しでも広く見せたい時には、天井と床の見える面積をできるだけ大きくするという方法があります。目に入る面積が大きいと、視覚的に大きい部屋という印象を与えることができるからです。天井を広く見せるには、吊り戸を無くしたり、できるだけ家具の高さを低く抑えると効果があります。床面は、家具を壁に固定して足元を浮かせたり、足の長い家具を置いたりすると広々と見えます。ぜひ、工夫してみて下さいね。

監修者:高橋 みちる(一級建築士)

問題点3. 圧迫感がある

間仕切り引き戸|Panasonic

出典:間仕切り引き戸|Panasonic

狭い家の一部屋は約4.5帖から広くても6帖程度までしかスペース的に造るのが難しいのですが、壁を極力造らないことで圧迫感を軽減することができます。

先ほどもご紹介しましたが、スキップフロアを設ければ段差を利用して空間をわけることができるので、狭い家にはおすすめの間取りです。あとは、収納の扉も圧迫感があると同時に開閉スペースが必要になりますのでなくしてしまいましょう。

オープンな収納スペースにしたくない場合は、引き戸にするか、隠したい時だけ下ろすことのできるロールスクリーンがおすすめです。

・引き戸にする
・ロールスクリーンにする

引き戸やロールスクリーンは、半透過性のあるものやガラス・明るい色を使用すると広く見えます。

関連記事:リビングの間仕切りはロールスクリーンがお手軽でおしゃれ!

問題点4. 収納が少ない

狭い家では収納を多く造ることは困難ですが、デッドスペースを有効活用することで収納のお悩みが解決できます。

・階段
・階段下
・天井付近の上部空間
・吹き抜け
・壁面

特におすすめなのは、階段下と壁面収納です。

4-1. 階段下

ワークスペースワークスペース(※画像はイメージです)

階段下は、広すぎず狭すぎない空間で収納としても最適ですが、お子様のプレイスペースや子供部屋として、ワークスペースとしても使える万能スペースです。

関連記事:階段下を有効して収納スペースを作ろう!気になる費用や気をつけるポイント

4-2. 壁面収納

壁面収納壁面収納(※画像はイメージです)

壁面収納は、居室に限らずどんなスペースにも作ることができるので収納を増やしたい方に最適です。注意点は、本などの重さがあるものを収納する場合は、壁の下地強度を確かめておく点です。

関連記事:壁面収納はここをチェック!3つの確認ポイントやリフォーム費用

問題点5. 通気性が悪い

狭い家では空間が分断されやすいため、空気が滞留して通気性が悪くなることがあります。通気性が悪いと匂いがこもったり、湿気がうまく逃げずにカビが発生する原因にもなりますので、空気の流れを造る間取りを考えなければいけません。

新しい住宅は高断熱・高気密住宅が多いため、24時間換気システムを設置しておきましょう。

5-1. 夏の通気性

夏は冷たい空気が低い位置に滞留します。そのため、2階部分に給気口を設けておくと下降気流が発生し、空気が循環しやすくなります。また、サーキュレーターを使って下から上へ空気を回すとより効果的です。

5-2. 冬の通気性

反対に冬は暖かい空気が上部に滞留します。そのため家の1階部分に給気口を設けて上昇気流を作り出す仕組みを作っておきましょう。吹き抜け部分にはシーリングファンを設けておくのもおすすめです。

関連記事:シーリングファンを取り付けよう!シーリングファンのメリット・デメリットや取り付け時の注意点

監修者コメント
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マルチに使える空間をつくろう

昔ながらの日本家屋では、和室が一部屋でいくつもの役割を果たしてきました。布団を敷けば寝室に、ちゃぶ台を出せば食堂や客間に、そして明かりを灯して勉強に…。日本人は「1台〇役」と多機能なものが好きですが、和室こそなんにでも使えるオールマイティーな部屋として活躍してきました。今は寝室・食堂・書斎など独立した部屋が求められる傾向がありますが、一つの空間を多用途に使える工夫をしてみるのもいいですね。

監修者:高橋 みちる(一級建築士)

狭い家の間取り改善策まとめ

狭い家では、いかに広く見えて動線の良い間取りを造るかが、快適な暮らしのポイントになります。毎日の暮らしの中で効率の良い動線を考え、その動線に従ってレイアウトをしていくのが間取りを考える上での成功の秘訣です。

狭い家の間取りをプロに相談するには?

狭い家の間取りは、狭小住宅の施工経験豊富な業者さんに相談してみるのが最もお得です。狭い家ならではの間取りの問題点など、施工経験に基づいて提案してもらいましょう。

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監修者プロフィール
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一級建築士

高橋 みちる (たかはし みちる)

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アールイーデザイン一級建築士事務所代表。

住宅業界で新築・リフォームの営業・設計・現場監理などを経験。
これまで3000件以上の現場を見ながら、「永く、快適に住み続けるためにはどうしたらいいのか?」を常に探求し続け、リフォーム提案を行っている。
また、現在は執筆活動や企業向けの社員研修、一般向けの講演会なども全国各地にて実施。

著書「やらなければいけない一戸建てリフォーム」(自由国民社、2020年7月発売)

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noteにてリフォームに関するお役立ち情報を発信中!
高橋みちる|リフォームコンサルタント|note

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家仲間コム編集部

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利用会員数260,000人、登録リフォーム会社数1,400社を超える日本最大級のリフォームマッチングサイト「家仲間コム」を運営するリフォーム専門家集団の編集部が、一般的なリフォームの情報を纏めた簡易的な記事ではなく、実際の見積情報や価格相場に基づいた読者に役立つ、価値ある情報をお届けしています。

執筆者プロフィール
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大永 和弘 (おおなが かずひろ)


大学卒業後、カーテンレールシェアNo1の内装材メーカートーソー株式会社にて、7年間勤務。
入社後は、大手ハウスメーカーやリフォーム会社、工務店、内装工事業者など約200社を担当。その際に新築住宅やリフォーム住宅など数多くの現場を経験。

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