夏に涼しく過ごせる家づくり|3つの基本と方法を解説
日本の高湿度の夏は、家の中にいても暑苦しく大変過ごしにくい季節ですよね。家の中での熱中症も増えていますので、夏に涼しい家にするための工夫をして快適に安全に過ごしましょう。この記事で詳細を説明していきますが、まずはこの記事で紹介している内容の結論を簡単に記載します。
POINT この記事のポイント
・夏でも涼しい家にするためには、「断熱性の高さを重視する」「窓からの熱を遮る」「直射日光を遮る」の3つが重要
・窓からの熱を遮る方法は、「断熱性の高い樹脂サッシ+複層ガラス窓の設置」「遮熱性の高いウィンドウトリートメントの取り付け」の2つ
・直射日光を遮る方法は、「インナーバルコニー設計にする」「テラス屋根を設置する」「日除けシェードを設置する」の3つ
1. 断熱性の高さ
最近の住宅は「高気密・高断熱」の設計が増えてきて、断熱性の重要性が広まっています。断熱性を高めるためには、屋根や壁・床に断熱材を施工して外からの熱気や冷気を遮断します。断熱材は繊維や発泡樹脂でできており、これを下地に施工することで空気を固定して熱や冷気が伝わらないようにする仕組みです。
家を丸ごと断熱性の高い状態にしておくことが大前提ですが、夏涼しい家にするためには、屋根と壁の断熱性は特に重要です。
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「高気密・高断熱」の住宅では、空気の循環が自然に行われないため24時間換気システムで強制的に循環するよう義務付けられています。
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2. 窓からの熱を遮る
外の熱気は窓から侵入して室内の温度を上昇させます。窓の開口部からの熱の侵入率は74%にも上りますので、いくら断熱性を高めていても窓から熱が入ってきてしまいます。そこで、窓から入る熱をシャットアウトすることが大切です。窓からの熱を遮る方法は下記の2つです。
・断熱性の高い樹脂サッシ+複層ガラス窓
・遮熱性の高いウィンドウトリートメント
2-1. 断熱性の高い樹脂サッシ+複層ガラス窓
窓はサッシとガラスで構成されていますが、最も高断熱の組み合わせは「樹脂サッシ+複層ガラス」です。
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出典:樹脂窓「APW 330」|YKKap
最も断熱性の低いアルミサッシ窓と比較すると、夏の気温は約2℃も下がります。反対に冬は約4℃暖かくなり年間を通して快適になるため、エアコン効率も上がり省エネにつながります。
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2- 2. 遮熱性の高いウィンドウトリートメント
出典:バーチカルブラインド「コルトエコ(遮熱)」|TOSO
窓を樹脂サッシ+複層ガラス窓にしていれば、ずいぶん熱を遮ることができますが、遮熱性の高いウィンドウトリートメントを併用して、さらに熱を遮りましょう。ウィンドウトリートメントには、さまざまな機能が付加された商品が販売されています。夏涼しい家にするためには、「遮熱性」の高いウィンドウトリートメントがおすすめです。
3. 直射日光を遮る
夏涼しい家にするためには、窓からの直射日光を遮ることも重要です。
・インナーバルコニー設計にする
・テラス屋根を設置する
・日除けシェードを設置する
直射日光を遮る方法としては住宅の外に対策をするほうが効果的ですが、インナーバルコニーやテラス屋根は専門業者さんに太陽高度をきちんと計算して設置してもらいましょう。「太陽高度」とは、夏と冬で太陽の高さが変わることを言います。
太陽の高さが変わるということは差し込む日差しの角度が変わりますので、冬の太陽高度の時には暖かな日差しを取り入れられるような設計にしておくことが重要です。
3-1. インナーバルコニー設計にする
屋根がある住宅は屋根が日陰を作ってくれますが、最近の住宅は屋根があまり張り出していない、または屋根のない四角い形のスタイリッシュなデザインも増えています。このようなデザインは直射日光を浴びやすくなりますので、例えばベランダやバルコニーをインナーバルコニーにする方法があります。
インナーバルコニーとは建物の一部をくり抜いて造ることにより、建物の天井が屋根代わりになるという仕組みです。
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インナーバルコニーは後付けリフォームでは対応できませんので、屋根のないスタイリッシュなデザインで新築をお考えの方は、ぜひご検討してみてください。
3-2. テラス屋根を設置する
テラス屋根は、ウッドデッキなどがある場合にその上に取り付ける屋根のことで、日射しを気にすることなくウッドデッキで過ごせたり、室内に入る直射日光を遮ることができます。見た目にもおしゃれなので人気があります。バリエーションが豊富ですので、ご自宅のインテリアに合わせて選んでみてはいかがでしょうか。
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3-3. 日除けシェードを設置する
日除けシェードは窓の外側に設置する屋外設備で、簡単に取り付けができて日除け効果も高いため人気があります。日除けシェードは、暑い夏には下ろして、日差しを取り入れたい冬には開けておくことができる点がメリットです。
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夏涼しい家にするための基本まとめ
夏涼しい家にするためには新築時に対策をしておくことが大切ですが、昔に建てられた家でもリフォームで対策をすることができます。昔と現代では夏の気温も全然違いますので、リフォームをご検討の際には、ぜひ夏涼しい家にするための工夫を取り入れてみてくださいね。
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大永 和弘 (おおなが かずひろ)
大学卒業後、カーテンレールシェアNo1の内装材メーカートーソー株式会社にて、7年間勤務。
入社後は、大手ハウスメーカーやリフォーム会社、工務店、内装工事業者など約200社を担当。その際に新築住宅やリフォーム住宅など数多くの現場を経験。
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