木造住宅の寒さ対策を考える|木造住宅用の断熱材と断熱窓の種類とは?

木造住宅の寒さ対策を考える|木造住宅用の断熱材と断熱窓の種類とは?

木造住宅の寒さ対策にはどんなことが考えられるでしょうか。まず断熱材リフォームそして熱が逃げやすい窓リフォームなどが考えられます。今回はそれらの方法や種類をより具体的に詳細にお伝えします。後ほど詳細を説明していきますが、まずはこの記事で紹介している内容の結論を簡単に記載します。

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POINT この記事のポイント

・屋根・壁・床などを断熱材リフォームしたり、窓リフォームをすることで寒さ対策ができる
・断熱材には「繊維系断熱材」「天然素材系断熱材」「発泡樹脂系断熱材」などの種類があり、それぞれ性能が異なる
・窓リフォームにかかる費用は概算価格で30万円程度

家の寒さの原因となる壁と床、屋根に断熱材を

断熱材をもちいることで家の保温状態が上がることはごぞんじですか?30年前の断熱材に比べて今は飛躍的にその効果は上がっています。一番効果的なリフォームは屋根、壁、床に断熱材をすることです。ただ、ひとこと断熱と言ってもあらゆる施工方法や、断熱材にも多くの種類があります。知識として知っておくと、自分の理想の家に近づけますね。

屋根の断熱材リフォームについて

木造二階建ての屋根断熱についてのリフォーム相談例。

天井断熱という方法があります。これは天井に断熱材を入れて冬は熱が逃げないように、夏は暑い熱が入り込まないようにします。天井のすぐ上に断熱材を入れる方法と、天井と断熱材を分けて施工する方法の二種類があります。メリットはランニングコストが抑えられるという点ですね。

屋根断熱という方法もあります。これは屋根で断熱をすることで、垂木の上(外張り断熱)にするものと垂木の間(充填断熱)にする方法と二種類あります。ロフトがあったり、天井が斜めになっている場合(勾配天井)である場合多く使われる施工方法です。

壁の断熱材リフォームについて

木造二階建ての壁断熱についてのリフォーム相談例。

外張り断熱という方法は柱や梁の外側に施工する断熱方法です。メリットは、日本のように野外の気温が大きく変化する環境から守ってくれること。また構造材躯体の長期保存が可能です。デメリットとしては構造躯体の外側に付けるため厚さに限界があります。(通常3cmくらいの物を使います)それにより断熱するにも限界があります。

内断熱という方法は文字通り壁の中に断熱材を入れる方法で、充填断熱とも言います。

メリットはもともと隙間のある柱の間に入れるので、厚い断熱材を入れることがでること。繊維系の断熱材などのコスト面においても得なことが多いため多く利用されています。またどのような間取りにも対応でき、使える素材も多く存在するのです。

デメリットは断熱材と気密の施工は慎重にする必要があります。特に木造部分は断熱材よりも2.5倍熱が伝わりやすいので筋交いがある場合などに断熱性能を上げるため、施工は隙間なく詰めることが難しく、そこで断熱性能を悪くしてしまう原因にもなります。

床の断熱材リフォームについて

木造二階建ての床断熱についてのリフォーム例。

繊維系断熱材を床下の梁の間に敷き詰めるやりかたがあります。フローリングをはがして張るか、床下に入ることができれば外側から断熱材を入れることも可能です。

発泡プラスチックの断熱材を繊維系のものと同じように床に敷き詰める事で断熱が可能になります。フローリングを外す方法もありますが、床下に入れる場合下から断熱施工をすることができます。床下に直に泡状のウレタンを吹き付けることで、断熱施工をする方法もあります。

断熱材の種類について

断熱材の種類

断熱材にはどれだけの種類があるでしょうか。以下は断熱材の種類とその性能についてです。

繊維系断熱材

繊維系の断熱材というものがあり、これらは鉱物系と木質繊維系に分かれています。

鉱物系

鉱物系は比較的有名な素材で、グラスウールやロックウール素材のことを言います。

グラスウール断熱材はその名の通り、ガラス繊維でできた綿の断熱材で材料費の安さから多くの建築物に使われています。防音性もあり、これらは防音室などにも利用され、防火性にも優れているのです。

ロックウール断熱材は人造鉱物繊維のことを言います。玄武岩や他の天然岩石などが主な成分です。電気炉などで溶融させたり、製鉄するときに出る溶融スラグを遠心力で吹き飛ばすと繊維状になります。

木質繊維系

セルロースファイバーが代表的なもので、その他にインシュレーションボードという種類があります。

セルロースファイバー断熱材は古紙などを再利用している、木質繊維の断熱材です。木の繊維は空気を多く含むことで高い断熱効果があるのです。また防音効果や防音効果もあります。

インシュレーションボード断熱材はセルロースファイバー断熱材と同じく、木の繊維から作られた断熱材です。細かな木材を水に混ぜ繊維状になるまで熱し、合成樹脂や接着剤でボード状に固めてから乾燥させて作られました。多孔質なため防音効果も高いです。

繊維系断熱材のデメリット

繊維系断熱材のデメリットは施工方法によって断熱性能が変わってくるということです。断熱材は多ければ多いほど良いわけではなく、もちろん小さかったり少なすぎても効果が発揮できません。それによってこの素材に対して知識をきちんと持った技術者によって施工しなくては十分な効力が発揮できないというところがあります。

天熱素材系断熱材

天熱素材断熱材には2種類あります。

羊毛断熱材はその名の通り、羊の毛から作られています。ウールは自然素材からできていて湿度調整や空気浄化などに優れた素材です。またシックハウスの原因となる有害物質もなく安心の断熱材なのです。

炭化コルク断熱材とはコルクを炭化させ、もともとあるコルクの高い断熱性をより高めた断熱材です。住宅だけでなく、温度調整に必要な冷蔵庫や倉庫、工場などにも使われています。接着剤などの添加物は使わず、天然100%の素材です。防音効果や消臭性、湿度の調節などにも優れています。またダニも寄り付かないという利点もあります。

天熱素材系のデメリット

例えば羊毛断熱材などは水分を多く含んでしまう傾向が。また天然素材のため虫やカビが発生するリスクもあります。それを防ぐためにホウ酸を混ぜたりしていますが、今度はアレルギーの問題も起きるときがあるので注意が必要になります。

発泡樹脂系断熱材

発泡樹脂系素材は合成樹脂中に細かなガスを閉じ込める事によって断熱としての効果が発揮される素材なのです。四つの種類があります。

ポリスチレンフォーム断熱材はポリスチレン樹脂に炭化水素系の発泡剤を用い作られています。プラスチック系の断熱材ではコストパフォーマンスに優れているため、多く用いられています。ビーズ法ポリスチレンフォームと押出法ポリスチレンフレームの2種類があります。

硬質ウレタンフォーム断熱材とはプラスチック発泡体です。小さな泡が集まり1つ1つが小さな固い独立した泡でできていて、長い間もち、他の断熱材にはない優れた断熱効果があるのです。

フェノールフォーム断熱材はフェノール樹脂でできており、フロンガスなどを使わない自然にあるガスで、エコなガスを発泡させて作った断熱材です。燃えた場合炭化する性質。そのため燃え広がる事がないという利点があります。

発泡ポリカーボネート断熱材とはポリカーボネート樹脂を発泡させて、ボードにした断熱材で非常に固い素材です。とても固いのでシロアリなどに侵食される心配がありません。熱伝導率はグラスウールと変わりません。

発泡樹脂系のデメリット

発泡樹脂系のデメリットは、硬質ウレタンフォーム断熱材などは燃焼時に猛毒のシアン系ガスがでてしまうところです。

寒さの原因は断熱材だけじゃない

さて、断熱材をリフォームする際に一緒にするとより効果的なリフォームは窓ガラスのリフォームです。
この対策をする家庭は多く効果も非常に期待できます。30年も前の窓ガラスと現在の窓ガラスとではかなり構造も断熱効果も違っていて、ここを交換するだけでも寒さ対策になります。内窓にかかる費用は概算価格で30万円~が一般的です。

木造二階建て窓ガラスリフォーム例。

断熱の高い順窓の種類

ガラスにはその種類で断熱性能が変わります。以下はその種類と断熱性能についてです。

その前に、断熱性能を表す熱貫流率というものがあります。これは熱が伝わりやすいかどうかを数値に表したものなのです。温かな熱のエネルギーが窓ガラスを通し、低い温度の空間へ伝わるのを熱流動と言います。その熱が伝わりやすいほど数値が高いです。要するに家の中を暖かく保ってくれる可能性が高い窓は熱貫流率が低い→部屋の保温効果が高くなる。と考えてください。

遮熱高断熱複層ガラス

断熱性能(熱貫流率)1.4

複数枚のガラスの間にアルゴンガスを封入されることで(真空ガラスにする場合もあります)中間層を作ります。外側の内部に特殊な金属の膜をはったものを言います。太陽の熱を遮断にして熱を室内に入れないようにするガラスです。

高断熱複層ガラス

断熱性能(熱貫流率)1.8

遮熱高断熱複層ガラスと違い、内側のガラスの外側に特殊金属膜を設けた形を言います。太陽の熱を取り入れつつ室内の暖房エネルギーは外に出ないようにする高性能なガラスです。

このように上記二つの柄図にはその土地や環境によって使い分けすることが可能です。

今ある窓ガラスを交換したい場合はサッシの必要のないタイプがお勧め。今あるサッシをそのまま使うことができるので工事価格がいりません。低コストで断熱ガラスに取り替えることができます。

一般の単発ガラスの熱貫流率はどれくらい?

断熱性能(熱貫流率)は6.0と言われます。この数値を見てから上の数値を見れば、複層ガラスがいかに断熱性能が高いかがわかります。

複層ガラス(ペアガラス)にすることでこれだけ光熱費が安くなります

単ガラスから複層ガラスに変えたことでもちろん断熱効果があがるわけですから、暖房に使っていた電気代も安くなります。

窓ガラスには省エネ等級がそれぞれあり、等級4になると平均で年間空調電気価格が約16000円節約になるそうです。

高い順に
等級4、いまある最高の複層ガラス
等級3、通常の複層ガラス
等級2、普通の複層ガラス


になっています。

複層ガラス(ペアガラス)は全部屋に取り付けた方が効果的です。

リフォームする際、窓ガラスをこの複層ガラスに変えるだけで変わります。そしてできるなら家の全部屋を複層ガラスに替え、家全体を断熱することでより効果的に寒さ対策ができます。

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さて、寒さの原因がわかれば早速リフォーム開始です。自分の希望する壁断熱材のリフォームと新しいガラス取り付けなどを業者に相談して見積もりをしてもらいましょう。リフォーム一括見積もりができる家仲間コムでは、望まれる工事の内容を書き込むだけで、地域の業者さんから見積もりや提案がとどきます。匿名で利用できます。後からしつこく営業される心配はありません。

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利用会員数260,000人、登録リフォーム会社数1,400社を超える日本最大級のリフォームマッチングサイト「家仲間コム」を運営するリフォーム専門家集団の編集部が、一般的なリフォームの情報を纏めた簡易的な記事ではなく、実際の見積情報や価格相場に基づいた読者に役立つ、価値ある情報をお届けしています。

執筆者プロフィール
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大永 和弘 (おおなが かずひろ)


大学卒業後、カーテンレールシェアNo1の内装材メーカートーソー株式会社にて、7年間勤務。
入社後は、大手ハウスメーカーやリフォーム会社、工務店、内装工事業者など約200社を担当。その際に新築住宅やリフォーム住宅など数多くの現場を経験。

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