新築やリフォーム時に役立つ防火地域と準防火地域の基礎知識

新築やリフォーム時に役立つ防火地域と準防火地域の基礎知識

住宅密集地での建物火災の広がりを防ぐために、都市計画法で定められた規制があります。いずれも新築やリフォームをする際には知っておくと役立つ知識です。この記事で詳細を説明していきますが、まずはこの記事で紹介している内容の結論を簡単に記載します。

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POINT この記事のポイント

防火地域に指定される場所には、「都市の中心市街地」「商業施設など多くの建物が密集している商業地域」「主要駅前」「消防車や救急車などの緊急車両が通る幹線道路沿い」などが挙げられる
・防火地域は、新築・リフォームに関わらず耐火性能の高い建築資材を使用しなければいけないため、工事費用が高くなる傾向がある
・防火地域と準防火地域に建築する際は、複数の業者から見積もりをとって、法律を遵守し適正価格できっちりと工事を行ってくれる業者を見定めることが大切

防火地域や準防火地域ってなんのための規定なの?

都市計画法第9条20項にて「市街地における火災の危険を防除するため定める地域とする」ことが定められています。これにより「防火地域」「準防火地域」が規定されています。

住宅が密集している都心部では、一戸の住宅からの火災発生により、隣家に燃え広がり大惨事につながることがあります。これを防ぐため法律で建築物の構造を規制しているのです。新築やリフォームの際には、この基準にのっとった建築をしなければいけません。

1. 防火地域

最も規制が厳しいのが「防火地域」になります。

1-1. 防火地域に指定される場所

防火地域に指定される場所として下記のような場所が挙げられます。

・都市の中心市街地
・商業施設など多くの建物が密集している商業地域
・主要駅前
・消防車や救急車などの緊急車両が通る幹線道路沿い

1-2. 防火地域の建築物

防火地域に建築物を建てる場合は、鉄筋コンクリート造や鉄骨鉄筋コンクリート造などの防火・耐火建築物を建てなければいけません。木造住宅は防火性が低いため基本的には建築できません。具体的には建築基準法第61条に下記のような基準が定められています。
 

延べ面積 1階・2階(地階を含む) 3階(地階を含む)
100㎡以下 耐火建築物または準耐火建築物 耐火建築物
100㎡以上 耐火建築物 耐火建築物

参照:建築基準法第61条

1-2-1. 地階とは?

地階とは「床が地盤面下にある階で、床面から地盤面までの高さがその階の天井の高さの1/3以上のものをいう」と定義されています。半地下や地下も「地階」と総称されていますので、詳しくは下記リンクをご参考になさってください。

関連記事:半地下のメリット・デメリット|部屋面積を増やせる半地下の基礎知識

防火地域では地階も含めて基準が定められています。

耐火建築物とは?

耐火建築物は、下記の建築物のことを指します。

・主要構造部が防火構造であるもの
・または耐火性能検証法等により火災が終了するまで耐えられることが確認されたもの
・外壁の開口部で延焼のおそれのある部分に防火戸等を有する建築物のこと

準耐火建築物とは?

準耐火建築物は、下記の建築物のことを指します。

・耐火建築物以外の建築物で、主要構造部が準耐火構造であるもの
・またはそれと同等の準耐火性能を有するもの
・外壁の開口部で延焼のおそれのある部分に防火戸等を有する建築物のこと

1-3. 防火地域の適用除外となる建築物

 防火地域の中でも下記のような建物は防火地域の適用除外となります。

・延べ面積が50㎡以内の平家建の附属建築物で、外壁及び軒裏が防火構造のもの
・卸売市場の上家または機械製作工場で主要構造部が不燃材料で造られたもの
・これらと同等以上に火災の発生のおそれの少ない用途に供するもの
・高さ2mを超える門または塀で、不燃材料で造りまたは覆われたもの
・高さ2m以下の門または塀

2-1. 準防火地域に指定される場所

準防火地域は、防火地域周囲の広範囲に渡るエリアに指定されますが、防火地域の規制と比べるとその内容は緩やかです。

2-2. 準防火地域の建築物

準防火地域の建築物は、防火地域よりも規制が緩やかです。一定基準に適合していれば木造建築物も建てることが可能です。具体的には下記の内容が定められています。

延べ面積 1階・2階 3階 4階
500㎡以下 規制なし
(防災措置があれば木造建築物可)
耐火または準耐火建築物、
一定の記述的基準を満たす建築物
耐火建築物
500㎡超~1,500㎡以下 耐火または準耐火建築物 耐火または準耐火建築物 耐火建築物
1,500㎡超 耐火建築物 耐火建築物 耐火建築物

※すべて地階を除く

防火地域と準防火地域にまたがる場合は?

防火地域と準防火地域にまたがるエリアに建築物がある場合は、建築物全体に対して、より厳しい制限である「防火地域」の規定が適用されます。ただし、準防火地域側に自立している防火壁を設ける場合には、防火地域の規制ではなく準防火地域の規制で良いことになっています。

防火地域と準防火地域に建築する際の注意点

防火地域と準防火地域に建築する際は下記の点に注意が必要です。簡単に言えば、新築でもリフォームでも耐火性能の高い建築資材を使用しなければいけないため、工事費用が高くなってしまうということです。

安全を守るためには必要な経費ですので、複数の業者から見積もりをとって、法律を遵守し適正価格できっちりと工事を行ってくれる業者を見定めましょう。

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執筆者プロフィール
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大永 和弘 (おおなが かずひろ)


大学卒業後、カーテンレールシェアNo1の内装材メーカートーソー株式会社にて、7年間勤務。
入社後は、大手ハウスメーカーやリフォーム会社、工務店、内装工事業者など約200社を担当。その際に新築住宅やリフォーム住宅など数多くの現場を経験。

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