【ブレーカーの種類について】故障時の修理費用の相場もチェック
家にあるブレーカーは契約量以上の電気の抑制や漏電の発見の役割があります。修理が必要となった場合にどのように対処していけばいいのか今回はお伝えしていきます。ブレーカーの種類や修理の費用目安について解説していきますが、この記事のポイントは以下のとおりです。
POINT この記事のポイント
・ブレーカーには主開閉器・回路別ブレーカー・漏電ブレーカーがある
・回路増設にかかる費用は約40,000円〜80,000円
・漏電修理の費用目安は約7,000円~30,000円
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ブレーカーとは
ブレーカーとは、分電盤の中にあるいくつかのつまみ(スイッチ)を指します。契約した電気量や回線で決められた電気量を超える電気が流れないように制御する仕組みです。殆どのご家庭に設置してあり、制限を超える電気量になると電気の流れが一旦ストップします。
ブレーカーが落ちてしまった場合は、ブレーカーのスイッチを入れ直したり、ヒューズを繋ぎ直したりすることで再度電気が使えるようになります。また電気の使い過ぎだけでなく、漏電した時に電気を遮断して火災や感電を防止する役割もあります。漏電をしている場合は、安全の為に早めに電力会社へ連絡しましょう。
ブレーカーの種類
家の分電盤を見るとたくさんのつまみがあることからも分かるように、ブレーカーにはいくつか種類があります。知っておくともしもの時に便利なので順にご紹介していきます。
1. 主開閉器
電力会社と契約した量以上の電気を利用しようとした場合に電気の流れを制御するブレーカーです。契約ブレーカーと呼ばれることもあります。上限値は電力会社との契約によって決められています。主開閉器が何度も落ちて困る…という場合には、契約量を見直してみると良いでしょう。
消費電力の計算方法
消費電力の多い家電を同時に使う場合、ブレーカーが落ちてしまわないか心配になることもあるかもしれません。そのような時は電気会社との契約量を確認してみるのがお勧めです。例えば20Aの契約の場合利用できる電力は2000W(2kW)までとなります。
この時、仮にドライヤー(1200W)と電子レンジ(1300W)を同時に使うとブレーカーが落ちてしまうので、使うタイミングをずらすなどの工夫が必要となります。
主な家電の電気消費目安
下記に家電の電気消費量の目安の量をまとめてみました。消費電力の大きい家電は使うタイミングに注意が必要そうです。電化製品の消費電力はその製品自体や説明書などに記載がありますのでそちらでも確認してみると良いでしょう。消費電力が大きいものを同時に使わないようにすることが大切です。
●冷蔵庫:150-600W
●ドライヤー:800-1200W
●トースター:1000W
●アイロン:1200W
●電子レンジ:1300W
●炊飯器:300-700W
●洗濯機:500W
●掃除機:1000W
●テレビ:150-240W
契約アンペアの変更
主開閉器の電気容量を増やすためには、電力会社との契約アンペア数を変更することが必要です。使用する電気量が契約アンペア数より大きい場合は、契約変更を検討してみると良いでしょう。
契約の変更は、現在契約している電力会社に連絡をします。多くの場合は無料で対応をしてくれますが、屋内配線工事などが必要となる場合は有料になることもあります。
また、年間契約の場合は一年を通じての契約になるため、「夏だけ契約アンペアを増やす」などの時期的な変更には対応できないので注意が必要です。
2.回路別ブレーカー
一般的に一つの家の電気回路はいくつかに分かれていて、回路ごとに20Aの電気が流れるようになっています。その上限値を超えると、回路のブレーカーが落ちて電気が使えなくなってしまいます。回路はそれぞれ、1階のコンセント、キッチンのコンセント、というように分けられています。
またエアコンなどは消費電力が大きい為に専用のブレーカーが利用されます。エアコンを新設する場合や、特定の回路が頻繁に落ちてしまう場合などは、回路を増やす工事をお勧めします。
回路増設見積もり例
ここからは回路増設見積もり例を紹介します。
関連記事:一部の配線用遮断器が落ちます。増設?
40,000円 ~ 60,000円
3階建ての戸建てに住んでいます。電子レンジ+炊飯器、電気ケトル+トースター、ドライヤー+フライヤー…など、同時に家電製品を使うと、すぐに一部のブレーカー(画像の左上から2番目②)配線用遮断器が落ちてしまい、効率よく家事が出来ないので大変ストレスを感じています。回路を分岐?新設工事?を行えばいいのでしょうか?
関連記事:卓上IHヒータ用に専用コンセントを増設して欲しい
60,000 ~ 80,000円
台所に卓上IHヒーター用コンセントを増設してほしいです。プロパンガスの維持費が高いので、アイリスオーヤマ製の卓上IHヒーター(100V)に置き換えたいと考えています。1口タイプを2台設置したいので、専用回路(コンセント)を2本敷設してください。
キッチンリフォームでは回路を見直そう
家中で使う電化製品は増える一方ですが、中でも大きな電力を消費する家電はキッチンに集中しています。昔からある冷蔵庫・電子レンジ・炊飯器は対応できるように設計されていても、あとから食洗器、電気圧力鍋、エスプレッソマシン、電気ケトル、パン焼き機…どんどん追加されていく家電製品に対応しきれず、同時使用でブレーカーが落ちた!なんてご経験はされていませんか?キッチンをリフォームする際には、安定して家電製品を使える環境を整えられるよう、ぜひ回路も見直してみて下さいね。
監修者:高橋 みちる(一級建築士)
3. 漏電ブレーカー
漏電が起きた場合に、電気を遮断して二次被害を食い止める役割を持ったブレーカです。このブレーカーが落ちている場合には、どこかで漏電が起きているということになります。まずは漏電の発生している回路を特定します。
漏電が発生している回路を見つける手順
漏電ブレーカーが落ちた場合はどこの回路で漏電が発生しているのか確かめます。手順をご紹介していきます。
参照:東京電力ホームページ
1.アンペアブレーカーのつまみが「入」になっていることを確認する
2.配線用遮断器のつまみをすべて「切」にする
3.漏電遮断器のつまみを「入」にしたあと、配線用遮断器のつまみを1つずつ「入」にする
4.問題のある回路の配線用遮断器を入れたときに漏電遮断器が切れたら、その回路に漏電の可能性がある
5.すべての配線用遮断器を「切」にし、再び漏電遮断器のつまみを入れる
6.問題のある回路以外の配線用遮断器を1つずつ「入」にする
漏電が発生している回路を見つけたら、早めに業者に連絡して修理するのが良いでしょう。また、実際には漏電は発生しておらず、漏電ブレーカー自体が故障してしまい落ちているケースもあります。その場合はブレーカーの交換を検討すると良いでしょう。
故障なのか、漏電が起きているのかは、精密測定機器がないと分かりにくいです。漏電ブレーカーが落ちたらまずは専門家に見てもらうのが一番良いでしょう。
漏電修理の費用目安
どの箇所から漏電しているか分からない状態から始めるため、漏電修理は事前に見積もりが出しにくい工事です。すぐに修理箇所が見つかればスムーズに終わりますが、なかなか見つからずに時間がかかるケースもあります。
そのため、費用はケースバイケースになりがちですが、平均的な金額としては7,000円~30,000円程はかかります。
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アールイーデザイン一級建築士事務所代表。
住宅業界で新築・リフォームの営業・設計・現場監理などを経験。
これまで3000件以上の現場を見ながら、「永く、快適に住み続けるためにはどうしたらいいのか?」を常に探求し続け、リフォーム提案を行っている。
また、現在は執筆活動や企業向けの社員研修、一般向けの講演会なども全国各地にて実施。
著書「やらなければいけない一戸建てリフォーム」(自由国民社、2020年7月発売)
【保有資格】
- 一級建築士(登録番号:第331817号)
- 既存住宅状況調査技術者(証明書番号:第02201400260号)
- 住宅性能評価員(終了証番号:第02170424号)
- インテリアコーディネーター(登録番号:011961A)
- 福祉住環境コーディネーター2級(証書番号:05201851)
- 震災建築物応急危険度判定士(認定番号:730220552)
【所属】
- アールイーデザイン一級建築士事務所:代表
- JIO|株式会社日本住宅保証検査機構:検査員 及び 評価員
- 三井ホーム株式会社:リフォームプランナー
noteにてリフォームに関するお役立ち情報を発信中!
高橋みちる|リフォームコンサルタント|note
利用会員数260,000人、登録リフォーム会社数1,400社を超える日本最大級のリフォームマッチングサイト「家仲間コム」を運営するリフォーム専門家集団の編集部が、一般的なリフォームの情報を纏めた簡易的な記事ではなく、実際の見積情報や価格相場に基づいた読者に役立つ、価値ある情報をお届けしています。
大永 和弘 (おおなが かずひろ)
大学卒業後、カーテンレールシェアNo1の内装材メーカートーソー株式会社にて、7年間勤務。
入社後は、大手ハウスメーカーやリフォーム会社、工務店、内装工事業者など約200社を担当。その際に新築住宅やリフォーム住宅など数多くの現場を経験。
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監修者:高橋 みちる(一級建築士)