チョウバエが発生する理由とは?効果的なアプローチ方法と費用を解説
編集者:大永 和弘
最終更新日:2022年8月28日
キッチンや浴室で目にすることの多い「チョウバエ」の発生源は主に排水口です。チョウバエは、早急に駆除しないと爆発的に増えていく厄介な害虫なので、一匹でも見つけたらすぐに対策を講じることが重要です。この記事で詳細を説明していきますが、まずはこの記事で紹介している内容の結論を簡単に記載します。
POINT この記事のポイント
・チョウバエの発生源は、主にキッチンや浴室の排水口周辺
・チョウバエの活動シーズンは4月~11月頃の約半年間で、梅雨前に爆発的に増える
・チョウバエの発生を防ぐには「排水溝」「排水溝周り」を徹底的に掃除し、「乾燥した状態を作る」ことが大切
・対策を講じても、なおチョウバエが大量発生する場合は排水管の交換をすることがおすすめ。排水管の工事費用は、1mあたり約2万円~程度が相場
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家庭内のチョウバエの発生源
チョウバエによって汚れた浴室(※画像はイメージです。)
家庭内のチョウバエの発生源は、主にキッチンや浴室の排水口周辺です。チョウバエは、排水口や排水管のヘドロや油脂が沈殿する「スカム」という泥状の浮遊有機物を好みます。さらに、ジメジメとした温かい環境に集まります。
食品や調理油が多く流れるキッチンの排水口、石鹸カスや皮脂などが流れる浴室の排水口は、チョウバエにとっては恰好の生息エリアとなるのです。最近の浴室はユニットバスタイプが多く、バスタブの外側にエプロンというカバーがある造りになっています。
このエプロンは定期的に取り外して掃除をする必要があるのですが、全く掃除をしていないご家庭ではこの部分にもチョウバエが卵を産む場合がありますので注意が必要です。
関連記事:浴室お掃除は大変!お手入れしやすい浴室へリフォームしてみませんか?
1. チョウバエの生態
チョウバエはハエ目の一種ですが蚊に近い仲間で、体長は約1~4mm程度と小さく、キッチンや浴室の壁に止まっているところをよく目撃されます。飲食店の店内でも時々チョウバエが飛んでいるお店がありますが、ご家庭でも飲食店にも発生するチョウバエは「ホシチョウバエ」と「オオチョウバエ」という2種がほとんどです。
2. チョウバエの活動シーズン
チョウバエの活動シーズンは4月~11月頃の約半年間で、梅雨前に爆発的に増えます。繁殖力が高いため数の少ない春前には対策をしておくほうが安心ですが、発生のピークを迎える5月6月に突入していたとしても、できるだけ早く対策をしておきましょう。
3. チョウバエの繁殖力
チョウバエは非常に繁殖力が高く、あの小さな体で1匹が卵を産む数は200個~300個とかなりの数です。
チョウバエの一生 | 成長過程 |
---|---|
産卵後約2日目 | 孵化 |
10~15日 | 幼虫からさなぎへ |
さなぎになってから約2~4日後 | 羽化し成虫へ |
成虫後約14日間 | 寿命 |
寿命自体は最長でも約14日間程度と短いのですが、産卵から成虫になるまでのサイクルが早いため、快適な環境があればどんどん卵を産み数を増やしていきます。
チョウバエの発生を防ぐ3つの対策
チョウバエの発生を防ぐためには上記の3つの対策が有効です。いつもキッチンや浴室を清潔に保つことが大切です。
1. 排水口の徹底洗浄
浴室の排水口掃除(※画像はイメージです。)
排水口の掃除をしていないと、汚れが蓄積され不衛生な場所になります。チョウバエが好む場所は汚れのたまった「スカム」ですので、このような環境のままにしておくとどんどん集まってきて卵を産みます。ご家庭内で発生していなくても、近隣から侵入し生息しやすいエリアを見つけるとそこで産卵しますので油断大敵です!排水口の洗浄には下記の方法があります。
1-1. チョウバエの予防策として
まだチョウバエを見つけていない場合や1匹見かけた程度であれば、下記の予防策を試してみましょう。
・60℃のお湯を3分程度流し続ける
・パイプクリーナーを使って洗浄
キッチンや浴室は、日常の使用後は40℃程度のお湯で汚れをで流しておき、時々60℃程度のお湯で排水管の油や皮脂などの汚れをきちんと流しておくと効果的です。熱湯を流すと排水管のパッキンなどの部品が傷みますので、60℃程度までにしておくほうが安心です。火傷しないようご注意ください。
さらに月に2回程度、パイプクリーナーを使用して排水管の中の汚れを落としておくと中に汚れが溜まりにくくなります。隅々までお掃除をするのが難しい場合は、年に一度はプロのハウスクリーニング業者さんに依頼して排水口清掃をしてもらうのもおすすめです。
関連記事:浴室の排水口・排水溝の嫌な臭いは浴室クリーニングで解決!
1-2. チョウバエが発生していたら?
出典:チョウバエコナーズ 泡スプレー|KINCHO
すでにチョウバエが発生している場合、チョウバエ専用の殺虫剤を使って駆除する必要があります。チョウバエ専用の殺虫剤はピンポイントで効果を発揮しますので、発生源を特定してから使用するのが効果的です。安全のため、換気をしながら使用するようにしてくださいね。
何十匹ものチョウバエが発生している場合は素人の手には負えません。プロの駆除業者に依頼しましょう。業者さんによって駆除費用が異なりますが、ダスキンさんのチョウバエ駆除サービスでは13,200円で依頼できます。
参照:チョウバエ駆除サービス|ダスキン
2. 排水口周りの掃除
排水口内を徹底洗浄したら、排水口周辺やシンク内・浴室内も掃除をしておきましょう。排水口周辺にも水垢などが溜まりやすいため、チョウバエを誘導してしまいます。キッチンや浴室を使用したら、できれば毎日ブラシでこすっておく方が良いですが、難しければせめてお湯で汚れを流して乾燥させておきましょう。
3. 乾燥した状態を作る
スクイージーで浴室の水気をカット(※画像はイメージです。)
汚れやすい場所は湿度が高いままだと、水が腐りカビなども発生します。汚れを落としたあと、換気扇を回してしっかり乾燥した状態を作ることで雑菌の繁殖を抑えることができます。
関連記事:浴室のカビ対策|カビの3大要因とお手入れのコツ
それでもチョウバエが大量発生する場合は排水管の交換を!
排水管の掃除(※画像はイメージです。)
築年数が経過した戸建住宅では経年劣化により部品が緩んで隙間ができていたり、長年蓄積された汚れが溜まっていることがあります。チョウバエを駆除してもまだ大量に発生する場合は、排水管そのものに問題があるのかもしれません。
高圧洗浄機でも落としきれず洗剤でも溶かしきれない長年のヘドロが溜まっていると、チョウバエはそこに卵を産んでどんどん増え続けます。また、このような状態の排水管をそのまま放置していると、いずれ排水口の詰まりや水漏れなどにつながり住宅にも影響が出てきますので、排水管の交換工事をしておくのがおすすめです。
排水管の交換にかかる費用目安
一般的に排水管は敷地内の土の中に埋設されており、排水管の交換にかかる費用目安は、新たに設置する排水管の長さによって異なります。このほかにも、排水桝の交換作業が伴う場合の費用や排水桝の個数、コンクリートのはつり量や修復費用、掘削作業量、モルタル補修量によっても変動します。
建物の構造によっては、一度給水管を取り外してから作業しなくてはならないケースもあり、給水管の補修費用が発生することもあります。ひとつずつ詳しい内容や費用についてみていきましょう。
排水管の交換費用
排水管工事の交換費用目安は、1mあたり約2万円~で、1mごと増えるごとに約5,000円〜が加算されます。一部の排水管のみの交換であれば安く済みますが、排水管全体の交換が必要となると高額になることもあります。
作業時間は、簡易であれば数時間〜1日程度みておくと良いでしょう。ただし、コンクリートを掘る作業や配管の移設が必要になる場合は1日以上かかることもあります。
排水桝
排水管の交換工事を行う場合、排水桝の交換が必要になる場合もあります。排水枡とは、住宅からの汚水や排水を敷地外にある排水管に流す時に、通過するゴミや汚泥を沈殿させるゴミ溜めの役割を果たしている設備です。
排水桝の素材によって「塩ビ枡」「コンクリート枡」と呼ばれることもあります。排水桝の場所は住宅ごとに異なりますが、主に配管同士の合流地点や配管の勾配が変わる地点、敷地の境目付近などに設置されています。 交換費用目安は、撤去費や設置費、材料費などを含めて1箇所あたり約40,000円〜です。
排水枡の蓋は外から開けられますが、排水枡そのものは地面の下に埋まっているため、排水桝まわりの土を掘削する場合は、1mあたり約5,000円〜の費用がかかります。
コンクリートのはつり量・修復費用
排水管周辺が土ではなく、コンクリートで固められている場合は、コンクリートを削る必要が出てきます。コンクリートを削る、穴を開ける、切る、壊すといった作業全般のことを総称して「はつり」と言いますが、厚さ10cmのコンクリートで1㎡当たり約15,000円〜かかります。
排水管工事完了後には、コンクリートの修復も行います。
掘削作業量
掘削とは、主に建物内の給水や排水を、地中に敷設されている公共の給水・排水管につなぐために、そのルート上の地面を掘る作業のことです。
排水管は屋外の土中に埋設されているため、排水管交換工事には掘削作業も伴います。活きている配管があると事前にわかっている場合は、基本的に手掘りを実施します。手掘りの掘削作業の費用目安は、普通土で1㎥あたり6,000円〜、硬い地盤の場合で1㎥あたり7,500円~です。
モルタル補修量
コンクリートは、セメント+水+砂+砂利でできていますが、モルタルはセメント+水+砂で、粗骨材となる砂利は含まれていません。モルタルの基本的な配合は、セメント2:水1:砂6の割合です。 新しい排水枡へ交換し、埋め戻した後にモルタル補修を行います。この仕上げ作業の費用目安は、1㎡当たり約10,000円〜です。

排水管の高圧洗浄は定期的に行おう
マンションなら修繕計画の一つとして、排水管の高圧洗浄を年に1回など、定期的に行っているところが多くあります。これなら排水管の汚れや詰まりの心配も少なく、安心ですね。しかし一戸建てではこのようなメンテナンスは自分で計画しなければなりません。排水管が詰まって交換することになると、思わぬ出費になってしまいます。排水管の高圧洗浄を定期的に行っておけば、長い目で見て安く、そして何よりも安心して暮らせますね。
監修者:高橋 みちる(一級建築士)
チョウバエの発生源を見つけて早めに駆除しよう!
チョウバエを見つけたら早めに発生源を特定して、駆除対策をしておきましょう。チョウバエはなかなかしぶとく駆除するのは大変ですので、発生源の徹底洗浄や駆除にはプロの力を借りるのが効率的です。古い住宅でチョウバエが大量発生している場合は、排水管の点検をしてもらい交換したほうが効率よく駆除ができますよ!
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アールイーデザイン一級建築士事務所代表。
住宅業界で新築・リフォームの営業・設計・現場監理などを経験。
これまで3000件以上の現場を見ながら、「永く、快適に住み続けるためにはどうしたらいいのか?」を常に探求し続け、リフォーム提案を行っている。
また、現在は執筆活動や企業向けの社員研修、一般向けの講演会なども全国各地にて実施。
著書「やらなければいけない一戸建てリフォーム」(自由国民社、2020年7月発売)
【保有資格】
- 一級建築士(登録番号:第331817号)
- 既存住宅状況調査技術者(証明書番号:第02201400260号)
- 住宅性能評価員(終了証番号:第02170424号)
- インテリアコーディネーター(登録番号:011961A)
- 福祉住環境コーディネーター2級(証書番号:05201851)
- 震災建築物応急危険度判定士(認定番号:730220552)
【所属】
- アールイーデザイン一級建築士事務所:代表
- JIO|株式会社日本住宅保証検査機構:検査員 及び 評価員
- 三井ホーム株式会社:リフォームプランナー
noteにてリフォームに関するお役立ち情報を発信中!
高橋みちる|リフォームコンサルタント|note

大永 和弘 (おおなが かずひろ)
株式会社マッチングジャパン 代表取締役社長。
大学卒業後、カーテンレールシェアNo1の内装材メーカートーソー株式会社にて、7年間勤務。
入社後は、大手ハウスメーカーやリフォーム会社、工務店、内装工事業者など約200社を担当。その際に新築住宅やリフォーム住宅など数多くの現場を経験。
退社後、株式会社マッチングジャパンを2006年に創業し、ハウスメーカーやリフォーム会社のWEBマーケティングを経験。
その他、内装材メーカーや建材メーカーにWEBプロモーションに関わるコンサルティングを提供。
同時にリフォーム業者検索サイト「家仲間コム」の運営責任者として、累計5千社を超える施工業者にサービスを提供。サイト規模は月間アクセス約360万PV、見積利用者数は年間約5万人までに成長。
自身も7度の引越しと2度の住宅購入を経験し、家のリフォームや修繕をユーザーの立場で多く経験。
その経験から、規模が小さくても優良なリフォーム業者を探せるサイトの必要性を強く感じ、サービスの利便性向上に注力している。
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徹底的な排水管のお掃除は、暑い夏場がおススメ
チョウバエが発生しないよう、排水管の汚れはできる限りお掃除しておきたいですよね。排水管の内部に固体となって付着している動物性の油脂は、高温になることで液状化し、流れていきます。そのために60℃程度のお湯を流すわけですが、冬場は周りが寒いので、流している間にお湯の温度が下がってしまい、思ったような洗浄効果が得られない場合もあります。なので、排水管の温水洗浄に最適な季節は、暑い真夏なのです。排水管は真夏に大掃除、ぜひ覚えておいてくださいね。
監修者:高橋 みちる(一級建築士)