外壁防水シートの重要性|施工方法や製品価格の目安

外壁防水シートの重要性|施工方法や製品価格の目安

外壁用の防水シートは、建物を雨漏りや結露から守ってくれる建材で、建物の耐久性を高めるために非常に大切な役割があります。今回は、外壁に使われる防水シートの基礎知識や施工方法、製品価格の目安などを解説します。まずはこの記事のポイントを以下にまとめました。

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POINT この記事のポイント

・外壁に使われる防水シートは透湿防水シートとアスファルトフェルトの2種類
・最近の住宅はサイディング外壁が多いため透湿防水シートが多く使われている
・透湿防水シートの施工には技術が必要
・耐用年数の長い透湿防水シートはデュポン社製でその分価格も高め

外壁に防水シートが必要な理由

外壁は厚みもあり、それだけで防水性が高いと思われますが、最近の高気密高断熱住宅では外壁を通して家が呼吸しにくくなっているため通気性が低下し、外壁の中で結露が発生します。結露は水分ですので、いずれカビが発生して外壁材から広がり住宅建材の腐食へとつながります。

住宅建材が腐食すると、次は住宅の倒壊などの恐れがあり大変危険です。そのため、湿気を外に逃がすことができる対策をしておかなければいけません。また、外壁は雨の際に雨水を室内に取り込まないよう防水性も重要です。

防水性を持ったうえで湿度を逃がすことができるのは防水シートだけですので、外壁には防水シートが必要なのです。

外壁に使われる防水シートの種類

外壁に使われる防水シートには下記の2種類があります。

1. 透湿防水シート

「透湿防水シート」は比較的新しい防水シートで、1990年頃から普及し始めたタイプの防水シートです。原材料はポリエチレン不織布が使われています。雨水の侵入を防ぐ「防水性」と、結露などの湿気を排出する「透湿性」を持っており、高気密高断熱住宅に最適な防水シートです。

現代の住宅に多いサイディング外壁と相性が良く、サイディング外壁を作る際に内側に透湿防水シートを貼って仕上げられます。

関連記事:外壁サイディング、いろいろな種類とその特徴を徹底調査!

2. アスファルトフェルト

「アスファルトフェルト」は、古紙に繊維くずを混ぜて原紙を作り、さらにアスファルトを浸透させて作った防水シートです。モルタル外壁が多かった昔ながらの住宅によく採用されており、高い「防水性」が特徴です。

モルタルは経年劣化でひび割れを起こしやすい外壁材なので、アスファルトフェルトのような水に濡れずに強い防水性のある防水シートが役立ちます。

現在は「透湿防水シート」が主流

住宅の外壁工事住宅の外壁工事(※画像はイメージです)

「透湿防水シート」の項目でもご説明しましたが、近年の住宅はサイディング外壁が多いため必然的に「透湿防水シート」が使われることが一般的になっています。近年の外壁には、外側から順に下記のような建材が使用されます。

・外壁材(サイディング)
・通気層を設ける
・透湿防水シート
・構造用合板
・断熱材
・防湿シート
・石膏ボード
・内装仕上げ材(壁紙クロスなど)

外壁材と透湿防水シートの間に通気層を設ける工法を「外壁通気工法」と言い、この通気層があることで通気性を高めています。

透湿防水シートの施工方法

外壁工事外壁工事(※画像はイメージです)

透湿防水シートは雨漏りを防ぐためピンと張るように施工していくことが重要ですので、施工には技術が必要です。透湿防水シートは一枚で外壁すべてを覆うことはできませんので、複数枚を重ねていくことになります。

1. 下のシートに上のシートが重なるように施工

重ねる時には、下から上へ透湿防水シートを重ねていき、常に下のシートの上に上のシートが重なるように施工していきます。この重なった部分のことを「かぶせ」と言います。上から垂れてくる水滴が中に入り込んでしまわないよう、かぶせは上から重ねるシートが上になっている必要があるのです。

また「かぶせ」部分の幅には規定があり、通常「90mm」、角など出隅部分は「150mm以上」重ねて、より防水性を高めていきます。

2. しわを伸ばしながら施工

透湿防水シートにしわがあると、しわ部分から雨水が入り込む可能性があります。施工時にはピンと張るようにしわを伸ばしながら施工することが重要です。

3. タッカー留めは最小限にする

透湿防水シートはタッカーという大きなホッチキスのような工具で外壁に留めていきますが、このタッカーを留める箇所が多いと小さな穴もそれだけ開くことになり防水性が落ちます。タッカー留めは必要最小限にし、万が一穴が開いてしまった場合には「防水シート」で補強しておく丁寧な施工が大切です。

開口部など端になる部分はもともと雨水が侵入しやすいので、タッカーの穴に関係なく周囲に防水シートを施工して防水性を高めておきます。

透湿防水シートの製品価格目安

透湿防水シートを販売しているメーカー5社の製品価格目安は下記一覧です。

透湿防水シートのメーカー参考価格(1000mm×50m)
フクビ4,583円
デュポン9,680円
三菱樹脂5,057円
エムエフ4,015円
日東エルマテリアル
(アルミ透湿防水シート)
13,900円

日東エルマテリアル以外の透湿防水シートは「ポリエチレン不織布」製ですが、日東エルマテリアルは表面にアルミを加工しており、遮熱性も高めた新しい透湿防水シート製品のため、価格も高くなっています。

また、一般的に透湿防水シートのメーカー保証は10年ですが、アメリカのデュポン社のみメーカー保証が20年と倍の長さを保証しているので、その分価格が高くなっています。

サイディング外壁の場合は約10年~15年でメンテナンスが必要になりますので、単純に考えれば透湿防水シートの耐用年数は10年以上あるほうが良いです。

どのメーカーも遜色なく優れた製品ですので、選び方としては、最初に予算をかけられる場合は耐用年数の長いデュポン社製を、最初の費用を抑えたい場合には他のメーカーを選ぶと良いでしょう。

外壁透湿防水シートのリフォームにかかる費用目安

外壁に使われる透湿防水シートの保証年数は長くても20年ですので、築20年を経過したら(防水シートの保証年数が短ければもっと早く)外壁仕上げ材をはがして透湿防水シートの張替えを行う必要があります。

透湿防水シートのリフォームにかかる費用目安は、平均的な約30坪の住宅外壁の場合は約100万円近くかかります。

外壁の防水シートを丁寧に施工してくれる業者選びが大切

外壁の防水シートは施工不良が多く報告される工事でもあります。理由は簡単で、外壁仕上げ材まで施工して完成してしまえば、中の防水シートがどんな状態かがすぐには分からないからです。ですが、万が一施工不良の手抜き工事がされていた場合、築10年も過ぎれば家の中に雨漏りが発生し始めて発覚します。

関連記事:
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雨漏り修理の費用目安|屋根、外壁、軒など

手抜き工事をするような業者に当たらないためにも、施工前の業者選びは大切です。また、防水シートだけでなく断熱材など外壁の中の施工途中段階も見せてもらい、丁寧な施工をしているか確認しておくのが安心です。

外壁の防水シート工事を安心して頼める業者を探すには?

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編集者プロフィール
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大永 和弘 (おおなが かずひろ)

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株式会社マッチングジャパン 代表取締役社長。

大学卒業後、カーテンレールシェアNo1の内装材メーカートーソー株式会社にて、7年間勤務。
入社後は、大手ハウスメーカーやリフォーム会社、工務店、内装工事業者など約200社を担当。その際に新築住宅やリフォーム住宅など数多くの現場を経験。

退社後、株式会社マッチングジャパンを2006年に創業し、ハウスメーカーやリフォーム会社のWEBマーケティングを経験。
その他、内装材メーカーや建材メーカーにWEBプロモーションに関わるコンサルティングを提供。

同時にリフォーム業者検索サイト「家仲間コム」の運営責任者として、累計5千社を超える施工業者にサービスを提供。サイト規模は月間アクセス約360万PV、見積利用者数は年間約5万人までに成長。

自身も7度の引越しと2度の住宅購入を経験し、家のリフォームや修繕をユーザーの立場で多く経験。
その経験から、規模が小さくても優良なリフォーム業者を探せるサイトの必要性を強く感じ、サービスの利便性向上に注力している。

現在は、ウォールステッカーカーテンブラインドロールスクリーンなどのECも展開中。

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