瓦修理・補修|知っておきたい瓦の種類とそれぞれのメンテナンス方法を紹介
伝統的な日本の家屋に使われる屋根材、「瓦」。とても丈夫で長持ちしますが、一年を通して、太陽熱、雨風、雪、などにさらされ続けています。そのため、他の建材と同様、劣化が起こったり、一部が割れたり雨漏りがすることもあり得ますので、定期的なメンテナンスが必要です。この記事で詳細を説明していきますが、まずはこの記事で紹介している内容の結論を簡単に記載します。
POINT この記事のポイント
・瓦の種類は、「粘土瓦」「セメント瓦」「無釉薬瓦」「いぶし瓦」など
・瓦修理・補修を行う際は、足場を組む必要があるため、外壁工事も一緒にするのがおすすめ
・「突風・強風・台風・豪雨などの強い風で破損した場合」「積雪・落雪・ヒョウで破損した場合」「突風や強風に晒されて何らかの風災を受けている場合」などの場合は、火災保険が適用され、無料で修理ができる場合がある
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瓦の種類
瓦にも種類があり、使われる素材や工法などにより、細分化されます。瓦の種類によってメンテナンス方法も変わってきますので、まずはご自宅の瓦がどの種類なのか調べてみましょう。
粘土瓦(焼き瓦)
粘土を成型し、1100℃以上の高温で焼成された瓦のこと。一般的な「瓦」と言えば、粘土瓦を指します。陶器なので、耐久年数が長く、基本的にはメンテナンスも不要と言われていますが、重量があるため、耐震性に劣る面もあります。瓦を接着するための漆喰にはメンテナンスが必要です。
釉薬瓦(陶器瓦)
粘土瓦を瓦の形に成型し乾燥させたあと、釉薬(うわ薬)をかけ、1000℃~1250℃もの高温で焼成した瓦のこと。焼くことにより釉薬が溶け、表面にガラス質が形成されるため、釉薬の成分を変えて様々な色合いの瓦を作ることが出来ます。また、焼くことで色あせない瓦を作ることができます。別名、「日本瓦」「和瓦」とも呼ばれ、瓦の中は、赤い土色をしています。
J型
最も古くから作られているタイプの瓦。波型が美しいのが特徴です。
<費用目安:7,000円/㎡~>
F型
昨今の洋風住宅で使われるようになった平たい長方形の瓦。スタイリッシュでスッキリとしたデザインに仕上がります。
<費用目安:8,000円/㎡~>
S型(スパニッシュ型)
山と谷が一枚の瓦で形成され、波が斜めになったデザインは、洋風住宅によく合います。
<費用目安:20,000円/㎡~>
無釉薬瓦
釉薬を使用せず焼成する瓦のこと。成型したまま焼き上げる「素焼き瓦」、成型後に金属を練りこむ「練りこみ瓦」、窯の中で特殊な焼成方法を行い独特の色をつける「窯変(ようへん)瓦」などがあります。
●耐用年数:40~50年
●費用目安:6,000円/㎡~
いぶし瓦
焼成の段階で、燻化を行い、独特のいぶし銀の色合いを出した瓦のこと。高級感のある瓦です。
●耐用年数:約50年
●費用目安:7,000円/㎡~
セメント瓦
セメントと砂や砂利などを混ぜ瓦形に成型したもの。表面に、防水塗料を塗って色をつけて仕上げるため、カラーバリエーションが豊富です(下写真は一例)。塗料が剥げてくると、雨漏りの原因になったりするので塗装メンテナンスが必要です。
●耐用年数:約20年
●費用目安:6,000円/㎡~
瓦(焼き瓦)のメンテナンス
粘土瓦は、耐久性に優れているため、瓦本体のメンテナンスは必要がありませんが、瓦のずれによる雨漏り、漆喰の剥がれなどがある場合は、メンテナンスが必要です。約10~15年毎に点検し、上記の症状があれば修理・補修をしておきましょう。
粘土瓦の漆喰メンテナンスの費用目安は、おおよそ"1,500/㎡~"です。足場代、高圧洗浄代などは別途必要。また、粘土瓦の状態により、修理・交換が必要になると別途費用が発生します。
セメント瓦のメンテナンス
セメント瓦は、表面に防水塗料を塗って仕上げているため、塗料の剥げ・色あせや、塗装が剥げることによってコケが発生したり汚れやすくなります。このままの状態で放置していると、セメント瓦本体の割れやずれにつながり、雨漏りなどが起こります。約5~10年毎に点検し、上記の症状があれば修理・補修をしておきましょう。
セメント瓦の塗装メンテナンスの費用目安は、おおよそ"2,000円/㎡~"です。使われる塗料の種類によって費用が変わります。足場代、高圧洗浄代などは別途必要。また、セメント瓦の状態により、修理・交換が必要になると別途費用が発生します。
セメント瓦のメンテナンス手順
1.高圧洗浄
セメント瓦表面の塗膜やコケや汚れを、高圧洗浄で完全に除去します。
2.下処理
ずれたり割れたりしているセメント瓦の修理・交換をし、漆喰メンテナンスをして、下処理をきちんと行います。
3.塗装
瓦は、一年中過酷な天候の変化にさらされていますので、耐久性・耐候性・防カビ性に優れた塗料を使用します。
●水系塗料・・・水系アクリルシリコン樹脂塗料
●弱溶剤系塗料・・・二液型ポリウレタン樹脂塗料、二液型シリコン変性樹脂塗料、フッ素樹脂塗料
瓦修理・補修の際は、外壁も同時に行いましょう!
瓦修理・補修を行うには、足場を組む必要があります。そのため、同じく足場の必要な外壁の修理・補修を同時に行うことで、費用を抑えることができます。高圧洗浄で汚れを落とす作業や、下地のチェック、修理・補修も同時に行えますので、瓦修理・補修をご検討の際は、外壁メンテナンスも同時にご検討ください。
瓦修理・補修工事をもっとお得にする方法
瓦修理・補修工事は、数十万円から数百万単位で費用がかかりますが、火災保険に加入していると保険が適用され、無料で修理ができる場合があります。
火災保険が適用される場合
●突風・強風・台風・豪雨などの強い風で破損した場合
●積雪・落雪・ヒョウで破損した場合
●突風や強風に晒されて何らかの風災を受けている場合(100%経年劣化は対象外)
火災保険が適用されない場合
●100%経年劣化の場合
●前回修理した箇所からの再度の雨漏り
●新築当時からの雨漏り
●太陽光パネルを設置したら雨漏りがしてきた
●塗装メンテナンスをしたら雨漏りがしてきた
●増築後に点検をしたら瓦が割れていた
現在ご加入されている火災保険を見直し、瓦修理・補修業者にも確認してみましょう。
瓦修理・補修費用を一括見積り!
瓦修理・補修費用の見積もりを依頼する際は、一括見積りが便利です。依頼内容を入力すると業者から連絡が来て、訪問見積りや電話見積もりをしてもらえます。業者によって独自のサービスや技術があるので、希望に合う業者を比較検討しましょう。
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利用会員数260,000人、登録リフォーム会社数1,400社を超える日本最大級のリフォームマッチングサイト「家仲間コム」を運営するリフォーム専門家集団の編集部が、一般的なリフォームの情報を纏めた簡易的な記事ではなく、実際の見積情報や価格相場に基づいた読者に役立つ、価値ある情報をお届けしています。
大永 和弘 (おおなが かずひろ)
大学卒業後、カーテンレールシェアNo1の内装材メーカートーソー株式会社にて、7年間勤務。
入社後は、大手ハウスメーカーやリフォーム会社、工務店、内装工事業者など約200社を担当。その際に新築住宅やリフォーム住宅など数多くの現場を経験。
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