和室を浴室にリフォーム|代表的なパターンとメリット・デメリット
家族の高齢化に伴い、和室を洋室にリフォームしたいというご依頼が増えています。和室は日本の文化で、畳の香りやその感触に癒されますが、車椅子をご利用される場合には使いにくいという方もいらっしゃるようです。今回は、和室を洋室にリフォームする際のリフォームパターンや、洋室のメリット・デメリットなどを合わせてお伝えします。まずはこの記事のポイントを以下にまとめました。」
POINT この記事のポイント
・和室を洋室にリフォームするメリットは車椅子の移動や掃除が楽であること
・和室を洋室にリフォームするデメリットは「寒さ」
・和室を洋室にリフォームするには大きく分けて3パターンある
・家族構成・ライフスタイルに合わせた最適なリフォームを相談するのがおすすめ
目次 [ 非表示 ]
和室を洋室にリフォームするメリット
和室と洋室のどちらが好みかをアンケートしてみると、洋室派が82.4%、和室派が17.6%という結果になり、洋室が好みという方が圧倒的に多いということが分かりました。では、和室を洋室にリフォームするメリットを挙げてみましょう。
1. 車椅子で移動できる
畳の部屋は車椅子では移動しづらいですが、フローリングであれば移動がスムーズになります。リフォームの際は段差をなくしたり、手すりを設置しておくと、より使いやすくなります。
2. お手入れが楽
和室は、畳の張替えやダニ防止など手がかかりますが、フローリングの床は、食べ物や飲み物をこぼしても、染み込んだり目詰まりすることなく、さっと拭き取れば綺麗になります。普段のお掃除も、掃除機をかけて拭き掃除をするだけなので、洋室の方がお手入れが楽と言えるでしょう。
3. インテリアコーディネートがしやすい
ソファを置いたりベッドを置いても跡がつきにくく、また壁紙やフローリング素材で雰囲気を変えて様々なコーディネートを楽しむことができる点が魅力です。家具とのコーディネイトのバリエーションが豊富になります。
4. クローゼット収納で片付け上手に
洋室へリフォームするにあたり、押入れもクローゼットにリフォームしておくと、洋服をハンガーにかけるだけで済むので収納しやすく、片付けやすくなります。
和室を洋室にリフォームするデメリット
和室から洋室へリフォームすると、良いことがたくさんありますが、唯一のデメリットといえば、「寒さ」ではないでしょうか。フローリング床は畳に比べると寒く感じますし、足元から冷えます。
リフォームの際に、床暖房を導入する、断熱材を入れる、カーペットなどを敷く、などで対処できます。特に床暖房を導入すると、冬がかなり快適に過ごせます。デメリットとはいえ、夏は涼しく過ごせますので、冬の寒さ対策を万全にしておけば大丈夫でしょう。
和室は日本の伝統です!
和室を洋室にリフォームする、という前提でお伝えしてきましたが、和室は日本の伝統であり、もちろん良いところがあります。
現代の住宅事情でも、和室を備えているご家庭は約86%もあるというデータが出ていて、特に戸建て住宅を新築する際は、基本的には洋室を使いたいけど、一部屋は和室にしておきたいと思う方が多いようです。
和室の最大の良さは、なんといっても畳の存在でしょう。畳の香りは癒し効果が高いうえ、ゴロンと横になって休むことができるなど使い勝手も良く、そのリラックス効果の高さも魅力です。
お子様がいらっしゃるご家庭では、和室は、遊び場所としても最適ですし、来客がお泊りになる際にも、フローリングにお布団だと落ち着きませんが、畳のある和室であればお布団を敷くだけで、落ち着いてお休みいただけます。
和室が良いか洋室が良いかはお好みによりますが、間取りに余裕があれば、和室スペースも設けておくと、使い勝手の幅が広がって便利ですよ。
和室を洋室にリフォームするには大きく分けて3パターン!
和室を洋室にリフォームする場合、大きく分けると3パターンが考えられます。現状の家族構成や、将来的にどんな使い方をする予定かによって、リフォームのパターンが変わってきます。
1. すべて洋室にリフォーム
現在も将来的にも、和室はまったく必要ない、という場合は、和室をすべて洋室にリフォームすると良いでしょう。押入れもクローゼットにリフォームしておくと、使い勝手も良くなります。その際、天井まである壁面収納にすれば、物が増えた場合にも対応できます。
和室全体を洋室にリフォームするには、畳をはがし、フローリングを張っていきます。フローリングは、畳よりも防音・遮音効果が低いため、これらの性能が高い床材を採用します。特に、小さなお子様がいらっしゃる集合住宅では、防音対策は必須と言えるでしょう。
障子やふすまは、お好みで残して洋風にアレンジしてもよいですし、洋室に合う扉や窓にリフォームすることも可能ですが、その分費用がアップします。カーテンやブラインドを取り付けたい場合は、壁に補強下地を入れておかないと、落下の危険性もありますのでご注意ください。
押入れは、広さがある割に使いにくいと感じる方も多いのではないでしょうか?そんな方は、押入れをクローゼットにリフォームしたほうが使い勝手が良くなります。二間ほどの押入れスペースがあれば、押入れの奥行きを活かしてウォークインクローゼットへリフォームすることも可能です。
和室を洋室にリフォームする際の費用目安
上記の表を目安にすると、和室を洋室に全面リフォームをした場合の費用目安は、おおよそ55万円~100万円程度となりますが、すべて同時に施工した場合は、値引きしてくれる業者さんもありますので、もう少し安く抑えることができないか複数の業者さんに相談してみましょう。
2. 和室を残して一部を洋室にリフォーム
使い勝手を考えると洋室がいいけど、畳も捨てがたいと考える人もいらっしゃることでしょう。そんなときは、和室と洋室のリビングをつなげて、畳のスペースを一角に設けたり、一段高いスペースをつくって畳敷きにするというパターンもあります。
また、例えば、6畳の和室を4畳半程度に縮小リフォームして、他のスペースを拡げるというアイデアもあります。全ての畳をはがす必要がなく、下地補強の面積も狭くなりますので、施工費用も安く抑えることができます。
3. 原状復帰できるように洋室へリフォーム
出典:ウッドカーペット|ニトリ
9,250円~23,056円
・表面は硬質仕上げのためキズがつきにくい。
・硬質塗装
・低ホルマリン
賃貸や、いずれ和室に戻したい、という場合は、原状復帰できるような方法で洋室にリフォームしておいたほうが良いでしょう。例えば、ウッドカーペット(フローリングカーペット)を畳の上に敷く方法です。
ただ敷くだけで良いのでDIYで施工できますし、費用も安く済みます。注意点は、畳とウッドカーペットの間にカビが発生しないよう湿気対策をすることと、部屋の大きさに合わせてウッドカーペットを敷き詰めるようにすることがポイントです。
出典:防虫・防湿シート|YOKOZUNA(ヨコズナ)
2,434円
施工時には、念のためダニやカビが発生しないよう、畳とウッドカーペットの間に「防虫・防湿シート」を挟んでおくと安心です。
まとめ
和室にも洋室にもそれぞれメリットがありますし、また、和室は日本の伝統でもあるので完全になくしてしまうというのも寂しい気もしますが、住宅事情やライフスタイルの欧米化に伴い、洋室にしたほうが住みやすいと感じることもあります。
ご家庭の家族構成やライフスタイルに合わせて、最適なリフォームになるよう、業者さんによく相談してみてくださいね。
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大永 和弘 (おおなが かずひろ)
大学卒業後、カーテンレールシェアNo1の内装材メーカートーソー株式会社にて、7年間勤務。
入社後は、大手ハウスメーカーやリフォーム会社、工務店、内装工事業者など約200社を担当。その際に新築住宅やリフォーム住宅など数多くの現場を経験。
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