【和室の長押(なげし)とは】理想的な活用方法と撤去費用を解説

【和室の長押(なげし)とは】理想的な活用方法と撤去費用を解説

和室の長押の活用方法が分からずお困りの方は少なくないことかと思います。そこで今回は、長押の活用方法や使わない場合の撤去の仕方について網羅的に解説します。後ほど詳細を説明していきますが、まずはこの記事で紹介している内容の結論を簡単に記載します。
 

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POINT この記事のポイント

長押とは、和室の壁面を囲っている化粧部材のこと
・長押の活用法は、「長押フックを使って洋服や小物かけを収納する」「プッシュピンで雑貨やポストカードを飾る」「和室のインテリアに合わせて塗装する」など
・長押を使わない場合は撤去することもできる
・長押の撤去費用は約3万円で、内装工事も同時に施工した場合は約9万円~23万円程度が相場

和室にある長押(なげし)ってなに?

長押と鴨居

和室にある「長押(なげし)」がどれのことかご存知でしょうか?「長押(なげし)」とは、和室の壁面を囲っている化粧部材のことを言い、昔は柱を固定するための構造材の役割がありました。

現在では建築方法の変化に伴って構造材としての役割はほとんどなくなってしまい、新築住宅では長押がない和室もあります。古い住宅では長押は当たり前のように取り付けられているので、ハンガーで洋服をかけたり、洗濯物干しとして使ったことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか。

鴨居(かもい)とは違うもの?

長押と混同しやすい部材に「鴨居(かもい)」があります。「鴨居(かもい)」は、ふすまや障子を取り付けるための横木のことを言い、レールをはめ込み滑らせるための溝があります。

ちなみに、上部にある横木を「鴨居(かもい)」と言い、下部を「敷居(しきい)」と呼びます。ふすまや障子とセットなのが「鴨居(かもい)」で、なくてはならない建具です。

和室の長押のお悩み

和室の長押には、厚みがあるだけでなく壁と長押との間に隙間があることも多く、その厚みや隙間にゴミが溜まるので「掃除が面倒」というお悩みが多いです。隙間には虫が出入りすることもあり、長押の掃除が苦手な方は多いです。身長より高い部分にあるので椅子などに乗って掃除をしなければならず、長押をお掃除してくれるハウスクリーニング業者さんもあるほどです。

長押の掃除が楽になる方法

長押の厚みにのったほこり等はハタキや掃除機のブラシノズルで吸い取ることができますが、隙間があるとほこりやゴミが溜まってしまいますよね。

長押に隙間がある場合には、中に発泡スチロールを詰めるのが簡単で費用も安く、掃除が楽になります。発泡スチロールを詰める時に出る細かいクズは掃除機で吸い取っておきましょう。長押からはみ出さないようカットしておくと見た目も良くなります。

和室の長押の活用方法

長押の活用方法

和室の長押はそれだけで空間を引き締める効果がある化粧部材ですが、活用したい場合には上記の方法があります。

費用も数百円から千円程度でできますので、和室のインテリアに合わせて長押を活用してみてください。また、長押は厚みのある板なので、少し重さのある絵画などを吊るすこともできます。和室に合った絵画を飾るのもおしゃれですね。

監修者コメント
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せっかくの長押、活用してみては?

長押といえば、和室に必ず付いている昔ながらの部材ですが、その便利さが再び注目されてきています。最近の新築では和室のない家も多くなっていますが、洋室の壁にわざわざ長押状のフックを取り付けるのが人気になっているのです。確かに、高さといい形状といい、上着や小物を掛けるのに便利ですよね。和室の造作には昔ながらの知恵が詰まっていますが、良いものは、これからもぜひ残していきたいですね。

監修者:高橋 みちる(一級建築士)

長押を使わない場合は撤去もアリ!

長押を撤去する手順

長押は構造材としての役割はなくなりつつあるものの、客間として使うことの多い和室では空間を引き締めるための化粧部材として、品格や見栄えに影響します。もし、見栄えを気にせず掃除の手間をかけたくない場合には、上記の手順で長押を撤去できることもあります。

1. 柱に留めているビスを外す

長押は柱にビス留めされていますので、ビスを外せば取り外すことができます。古い住宅ではビスが錆びついたり固くなっていることがありますので、電動ドライバーなどがあると便利です。

2. 長押を取り外す

長押は厚みがあり接着剤で固定されていることもありますので、取り外す際は軍手などをして力を入れて折るように外していきます。長押を取り付けている柱や横木・壁部分を傷つけないよう注意しましょう。長押を取り付けている壁部分は内装を省略していることが多く、長押を取り外すと下地材が見えます。

3. 下地材のない部分/または全体にパテ塗りをしていく

「パテ」とは補修材のことで、内装や外壁などのリフォームでひび割れを補修したり、穴を塞ぐために利用されます。

長押を取り外した部分は下地が見えていますので、この部分をパテで平らに補修していくのですが、他の部分と均等にならしていくには熟練の技が必要です。また、現状の壁によっては部分補修だと綺麗に仕上がらないことがあります。例えば壁紙クロスを張っている場合は、長押部分だけ継ぎ足すと目立って不格好になってしまいますので、全面を張り替える必要が出てきます。全面を張り替えるためには、パテも全体に塗った方が仕上がりが綺麗です。

昔ながらの和室によく採用されている砂壁は、砂がボロボロ落ちてきて掃除の手間もかかりますので、天然素材でおしゃれな珪藻土などにリフォームするのもおすすめです。

関連記事:ボロボロの砂壁を珪藻土にリフォームするには?下地の確認が大切です

4. 表面を滑らかにする

パテ塗りが終わったら、表面の凹凸を滑らかにするためにやすりをかけていきます。範囲が広いため手作業だと大変なので、ハンドサンダーがあると便利です。最後に内装を仕上げる際の見た目に影響しますので、パテ塗り後の表面を滑らかにする作業はとても大切です。職人さんは、パテ塗りからやすりをかける作業を何度か繰り返して、丁寧に施工しています。

5. 内装を仕上げる

パテ塗りが終わったら最後に内装を仕上げていきます。和室におすすめの内装には、珪藻土や漆喰などの天然素材、壁紙クロス、塗装の3種類があります。

ナチュラルでおしゃれな和室にしたい場合は「珪藻土」や「漆喰」、洋風に変えたりイメージを変えたい場合にはバリエーションが豊富な「壁紙クロス」、費用を抑えたい場合は「塗装」がおすすめです。

関連記事:和室をモダンインテリアにおしゃれにコーディネートする4つのポイント

長押の撤去にかかる費用目安

長押の撤去だけであれば処分費用を含めて約3万円程度ですが、先程の手順でご説明した通り、長押を取り外した後は内装を仕上げる必要がありますので、内装工事も同時に施工します。内装工事は約6万円~20万円が目安で、合わせると約9万円~23万円程度が目安です。

和室から洋室へリフォームする場合は、天井・壁・床・扉や押入れなどの施工が追加されますので、約55万円~程度を見ておく必要があります。

監修者コメント
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長押の撤去ついでに、和モダンなリフォームはいかが?

長押は和室の象徴的なデザインの一つでもあるため、撤去すると少し物足りなく感じることもあるかもしれません。でもここはひとつ、シンプルになったデザインを活かし、イメージチェンジしてみませんか?柱はステインで黒く着色してからクリア塗装し、壁にはリフォーム珪藻土を上塗り、床は縁無しの琉球畳か、フローリングに変えてもgood。これだけで、和モダンの素敵なお部屋に早変わりです。DIYで楽しむのもいいですね。

監修者:高橋 みちる(一級建築士)

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監修者プロフィール
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一級建築士

高橋 みちる (たかはし みちる)

WEBサイト


アールイーデザイン一級建築士事務所代表。

住宅業界で新築・リフォームの営業・設計・現場監理などを経験。
これまで3000件以上の現場を見ながら、「永く、快適に住み続けるためにはどうしたらいいのか?」を常に探求し続け、リフォーム提案を行っている。
また、現在は執筆活動や企業向けの社員研修、一般向けの講演会なども全国各地にて実施。

著書「やらなければいけない一戸建てリフォーム」(自由国民社、2020年7月発売)

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家仲間コム編集部

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執筆者プロフィール
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大永 和弘 (おおなが かずひろ)


大学卒業後、カーテンレールシェアNo1の内装材メーカートーソー株式会社にて、7年間勤務。
入社後は、大手ハウスメーカーやリフォーム会社、工務店、内装工事業者など約200社を担当。その際に新築住宅やリフォーム住宅など数多くの現場を経験。

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