隔て板の交換費用の相場と対応手順|火災保険が適用されるポイントも紹介

サムネイル「隔て板の交換費用の相場と対応手順|火災保険が適用されるポイントも紹介」

隔て板は万が一の避難経路としてベランダの隣家との境界に設置される大変重要な設備ですが、昨今の集中豪雨や台風による被害で「隔て板」が破損した住宅が多く見られます。この記事で詳細を説明していきますが、まずはこの記事で紹介している内容の結論を簡単に記載します。

匿名・無料の一括見積もり

POINT この記事のポイント

・隔て板には、「隣家とのプライバシーを守る」「非常時に蹴破り避難経路として利用」などの役割がある
・隔て板の応急処置は、ブルーシートや段ボール、プラ板などを破損部分に張り、飛んでいかないように固定すること
・隔て板の修理・交換費用の目安は2万円~3万円で、板のみの交換であれば約8,000円程度が相場

隔て板とは?

ビートレス隔板|ビニフレーム工業株式会社
出典:ビートレス隔板|ビニフレーム工業株式会社

「隔て板(へだていた)」とは、マンションやアパートなどの共同住宅において隣接する住戸を隔てるベランダにある壁状の板のことを言います。他の呼び名として「仕切り板」「蹴破り戸」「隔板(かくはん)」「仕切り板」「ベランダ隔て」「パーテーション」などがありますが、この記事内では隔て板と呼びます。

一般的に「ケイカル板(ケイ酸カルシウム)」または「フレキシブル板」という素材でできており、どちらも法定不燃材料です。法定不燃材料とは、建築基準法で定められた材料または認定された材料のことを指します。フレキシブル板のほうが強度があるため、少し費用が高くなります。

隔て板の役割

バルコニー隔板|井上商事株式会社
出典:バルコニー隔板|井上商事株式会社

隔て板は日常生活の中ではあまり意識することのない住宅建材ですが、その役割には次のようなものがあります。

・隣家とのプライバシーを守る
・非常時に蹴破り避難経路として利用


隔て板には一般的に下記のような文言が記されており、その文言が緊急時の避難方法となりますので一度は目を通しておいたほうが良いでしょう。
 

「非常の時は、ここを破って隣戸へ避難できます」
「避難のため、ここには物を置かないでください」


このような文言の場合は、階下へ避難するための避難器具(避難ハッチ)のある場所へつながっています。何も表示がない場合は、こちら側から隣家へ行くことはできませんが、逆に隣家からこちら側へ避難してくる場合があります。

隔て板の前に物を置いてはいけない

隔て板は普段あまり意識していない方も多く、隔て板の前についつい物を置いてしまう方がいらっしゃいます。隔て板は緊急避難経路ですので、いざという時に物があると避難の妨げになり逃げ遅れてしまう危険性があります。物置・掃除道具・小物・植木など、物を置かないように注意しましょう。隔て板が破損した場合に物を置いていたことが判明すると保険対象外とみなされてしまう可能性もあり、借主または区分所有者へ修理費用が請求されてしまう場合もあります。

隔て板の破り方

隔て板の破り方

隔て板は破って隣家へ避難をする前提で造られているので破れやすくなっていますが、隔て板を破った経験がない方は手間取ってしまうかもしれません。上記の手順で足を保護しつつ何度か蹴ってみてください。隔て板の割れた部分で怪我をしないように十分ご注意ください。

監修者コメント
監修者画像

日ごろから、万一の避難経路を確認しておこう

マンションなどの共同住宅は上下左右を隣家に挟まれているため、いざというときの逃げ道に困ってしまいますね。そのため、緊急に避難する場合には、横方向であれば隔て板を突き破って、上下方向であれば避難はしごなどを経由して避難できるよう、経路が確保されています。緊急時には慌ててしまいますから、日ごろからご自宅がどのような避難経路になっているのか、しっかり確認しておけると安心ですね。

監修者:高橋 みちる(一級建築士)

隔て板が破損した場合の対応手順

火災発生時など緊急避難以外の理由で隔て板が破損した場合は、まずは現状の写真を撮りましょう。例えば下記のような場合です。

・物がぶつかったり子供が蹴って破ってしまった
・落下物などにより穴が開いた
・台風や竜巻などの自然災害により破損した


写真を撮ったらオーナーまたは管理会社へ連絡を入れて状況を説明します。オーナーまたは管理会社は現場調査に来ますので、破損当時の写真があると現状説明がスムーズですし、証拠としても残せます。特に自然災害の場合は、できるだけ早めに写真を撮っておくことで過失とみなされずに済みます。

隔て板が破損した場合の応急処置

隔て板が破損した場合、隣家と行き来ができてしまい、プライバシーの面でも防犯面からも心配ですよね。台風や竜巻などの自然災害による隔て板の破損の場合は、業者も対応に追われて、すぐに修理・交換がされない可能性があります。実際、筆者の友人は台風時に隔て板が破損しましたが、2週間も業者に来てもらえなかったそうです。

隔て板の応急処置としては、ブルーシートや段ボール、プラ板などを破損部分に張る方法があります。ガムテープでしっかり貼っておきましょう。不透明で丈夫な材質であればなんでも構いませんが、すぐに飛んで行ったりしないようにしっかりと貼り付けましょう。ベランダの鍵は必ず施錠し、カーテンをして室内が見えないようにしておくことも大切です。

隔て板の修理・交換費用は誰が負担するの?

集合住宅は借主または区分所有者の所有である「専有部分」と、専有部分以外の「共用部分」に分かれています。ベランダ・バルコニー・庭は実は「共用部分」で、隔て板も共用部分にある住宅設備です。共用部分ですので、基本的には隔て板が破損してしまった場合の修理・交換費用はオーナーまたは管理会社が負担をします。

ただし、過失による破損の場合は借主または区分所有者が修理・交換費用を負担しなければなりませんが、この場合でもオーナーまたは管理会社へ事前連絡が必要です。

関連記事:
原状回復/借主負担になる具体例と費用目安を調べました
原状回復トラブルを避けるための大切な5つのポイント

隔て板の修理・交換費用の目安

隔て板の修理・交換費用の目安は2万円~3万円です。フレームはそのまま再利用し、板のみの交換であれば約8,000円程度です。

火災保険が適用される場合があります

一定の条件を満たしていれば火災保険の適用で隔て板の修理・交換ができます。下記リンクは瓦修理・補修の記事ですが、火災保険についての項目がありますので参考にしてください。

関連記事:瓦修理・補修/知っておきたい瓦の種類とそれぞれのメンテナンス方法

監修者コメント
監修者画像

バルコニーや廊下は共用部分

隔て板は緊急時の避難経路となるために設けられていますが、バルコニーや廊下は基本的に共用部分です。各住戸に割り当てられて専用使用が認められていても、いざというときには全住民の避難経路として使われることもあることなどから、物置や大型の植木鉢などは、置くことが制限されている場合もあります。管理規約はしっかり守り、バルコニーには日ごろからあまり物を置かずに、整理整頓しておきたいですね。

監修者:高橋 みちる(一級建築士)

隔て板の修理・交換費用を一括見積り!

隔て板の修理・交換費用の見積もりを依頼する際は一括見積りが便利です。依頼内容を入力すると業者から連絡が来て、訪問見積りや電話見積もりをしてもらえます。隔て板の修理・交換業者の中には10万円以上の費用を請求してくる悪質業者もいます。高額請求被害に遭わないためにも、一社で契約してしまわずに必ず複数見積もりを取ることをおすすめします。

家仲間コムの見積もりサイ
トには約1000社の登録業者さんがいて、いろんな依頼に対応できるのが魅力です。また、匿名・無料で見積もり依頼ができるのでしつこい勧誘などもありません。

隔て板の修理・交換費用の見積もりを無料でしてみる

完全無料で利用できるので、お気軽にご利用ください。

家仲間コムなら
業者の手数料が無料だから安くなるかも!/

一般的に業者さんがサイトに支払う成約手数料
(売上の約10〜20%)が家仲間コムではかかりません。

隔て板の
業者さんを匿名で探してみる
監修者プロフィール
監修者画像

一級建築士

高橋 みちる (たかはし みちる)

WEBサイト


アールイーデザイン一級建築士事務所代表。

住宅業界で新築・リフォームの営業・設計・現場監理などを経験。
これまで3000件以上の現場を見ながら、「永く、快適に住み続けるためにはどうしたらいいのか?」を常に探求し続け、リフォーム提案を行っている。
また、現在は執筆活動や企業向けの社員研修、一般向けの講演会なども全国各地にて実施。

著書「やらなければいけない一戸建てリフォーム」(自由国民社、2020年7月発売)

【保有資格】

【所属】

noteにてリフォームに関するお役立ち情報を発信中!
高橋みちる|リフォームコンサルタント|note

編集責任者プロフィール
編集者画像

編集責任者

家仲間コム編集部

プロフィール


利用会員数260,000人、登録リフォーム会社数1,400社を超える日本最大級のリフォームマッチングサイト「家仲間コム」を運営するリフォーム専門家集団の編集部が、一般的なリフォームの情報を纏めた簡易的な記事ではなく、実際の見積情報や価格相場に基づいた読者に役立つ、価値ある情報をお届けしています。

執筆者プロフィール
編集者画像

大永 和弘 (おおなが かずひろ)


大学卒業後、カーテンレールシェアNo1の内装材メーカートーソー株式会社にて、7年間勤務。
入社後は、大手ハウスメーカーやリフォーム会社、工務店、内装工事業者など約200社を担当。その際に新築住宅やリフォーム住宅など数多くの現場を経験。

関連するテーマの見積もり依頼

※価格はこの依頼での一般的な価格相場です。