熱割れとはどんなもの?ガラスが突然割れる原因と予防策を徹底解説
「熱割れ」という現象をご存知でしょうか?熱割れはガラスが突然ひび割れる現象で、住宅だけでなく車の窓ガラスでも起こります。今回は熱割れが発生する原因や、熱割れの予防策について解説します。まずはこの記事のポイントを以下にまとめました。
POINT この記事のポイント
・熱割れが起こる原因はガラス表面での温度差が生じるため
・割れしてしまったガラスを交換する費用目安は約1万円〜
・熱割れを防ぐポイントは日陰を作り窓ガラス表面の温度差を作らないこと
目次 [ 非表示 ]
ガラスの熱割れとは?
住宅の窓に限らず、車の窓でも起こりうる熱割れ。ガラスが熱割れする原因とは何でしょうか?窓ガラスは室内と屋外を隔てるものですが、中と外では温度差が生じます。例えば真夏の場合で考えてみましょう。
エアコンで室内温度を下げる真夏は外気温との差が大きく、外気温37℃、室温26℃だとするとその差は約11℃、さらに窓ガラスに直射日光が当たっている場合はより高温となり温度差が大きくなります。
ガラスは耐久性が高いため、屋外側と室内側の温度差はある程度耐えられるのですが、熱割れが起こる原因となるのはガラス表面での温度差です。
1. ガラス表面の温度差
窓ガラス全体に均等に熱が当たっていればまだ熱割れは起こりにくいのですが、直射日光が当たる場所はガラスが膨張し、当たっていない場所はそのままなので表面温度に差ができてしまいます。膨張する箇所としない箇所ができることでガラスにひびが入り割れてしまう、これが熱割れの原因です。
直射日光が当たりやすい中心部と、温度が低くなりやすい周辺部との温度差が大きくなると熱割れを起こすのです。
2. 夏に限らず冬でも熱割れは起こる
暑い夏に多く発生するような気がしますが、夏に限らず寒い冬でもガラスの熱割れは起こります 。上記のような環境は熱割れを引き起こしやすいので特に注意しておきましょう。
3. 熱割れしたガラスの割れ方
ガラスが熱割れした場合、端から中心部にかけて走るようにヒビが入るのが特徴です。また、何も物が当たったり衝撃が加わっていないのに突然割れます。もし飛来物や何か固いものによる衝撃が加わった場合、ガラスは衝撃部分から放射線状にヒビが広がります。
留守中にガラスが割れていた場合、真っ先に空き巣の侵入などを疑ってしまいますが、割れ方をよく見てみると熱割れが原因の場合もあります。とはいえ、不審な点がある場合は念のために警察には連絡しておいたほうが安心です。
関連記事:空き巣の侵入口は窓からです!今すぐ窓リフォームで防犯対策を!
熱割れしたガラスは交換!
熱割れしてしまったガラスは、残念ながら交換するしかありません。放置していると、ガラスが全面割れてしまい危険です。応急処置として、割れた部分を接着剤でつなげておくことはできますが、容易に割ることができるため防犯上も良くありませんし、同じ環境のままであれば繰り返してまたすぐ熱割れを起こします。
ガラス交換にかかる費用は約1万円~3万円程度が目安です。ガラスの種類や大きさによって交換費用が変わってきますので、複数見積もりをもらって比較検討してみましょう。
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窓ガラスの熱割れが起きやすい環境
では、どういった環境の場合に熱割れが起きやすいのでしょうか?上記の3つの観点から順番に見ていきましょう。
1. 窓ガラスの種類
窓ガラスにはいろいろな種類がありますが、防火地域で使用が義務付けられている「網入りガラス」は、一般的に熱割れしやすいと言われています。「網入りガラス」はガラスの内部に金属ワイヤーが封入されており、万が一の火災発生時にガラスの飛び散りを防ぐように作られています。
この金属ワイヤーが直射日光を浴びることによって熱を持ち、温度差が発生するため熱割れが起きやすいのです。では、網入りガラス以外の窓ガラスであれば熱割れを起こさないかというとそうでもなく、どんな窓ガラスであっても環境によって表面に温度差が生じれば熱割れを起こすことはあります。
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1-1. 窓ガラスに遮熱フィルムを貼っている場合
室内の温度上昇を防ぐために窓ガラスに貼る遮熱フィルムという商品があります。室内の温度上昇は防いでくれますが、フィルムそのものが熱を吸収するため窓ガラスの表面温度は高くなります。
熱割れの原因は窓ガラス表面の温度差ですので、フィルムを張っている場合でも同様に温度差があれば熱割れを起こします。窓ガラスにフィルムを貼る場合は、表面に温度差が生じないよう工夫をしておくと安心です。
2. 立地や日当たりなど
窓ガラスに直射日光が当たり続ける立地では、窓ガラスの一部分に影ができて表面温度に差ができると熱割れが起きます。できるだけ全体的に日陰になるような工夫が必要です。
3. 室内側のウィンドウトリートメント
暑い日には、カーテンなどのウィンドウトリートメントを閉めると日差しを遮ることができエアコン効率もアップしますが、密着度が高い状態でずっと閉めっぱなしだとガラスとの間に熱がこもり温度差が大きくなります。
このような場合も熱割れが起きやすくなりますので、通気性を良くしてウィンドウトリートメントと窓ガラスとの間に熱がこもらないようにしておきましょう。
関連記事:夏涼しい家にするための3つの基本とその方法
ガラスの熱割れが起きないようにするには「日陰」を作る
ガラスの熱割れが起きないようにするには、局所的に熱が当たらないように、局所的に冷たい箇所ができないようにする必要があります。最も効果的な方法は、日陰を作ることです。
・オーニングやシェードを設置する
・植栽で日陰を作る
1. オーニングやシェードを設置
出典:オーニング|TOSO
商品価格:189,000円~
オーニングやシェードは、窓の外側から日陰を作るのに最適です。オーニングは、窓上部の壁や庇などを利用して取り付ける外付けウィンドウトリートメントで、窓全体に日陰を作ることができます。シェードは窓の外から取り付けるロールスクリーンのようなもので、窓を覆ったり、屋根のように広げることができます。
2. 植栽で日陰を作る
室内への直射日光を防ぐ方法として、植栽で日陰を作るのも有効です。外部からの目隠しとして自然な点と、やはり緑があるお宅はおしゃれなので外観性も向上します。
・植栽にかかる費用目安:約2.2万円~5万円
・植栽のメンテナンス費用目安:約0.3万円~8万円
熱割れしたガラス、賃貸住宅の場合の責任は?
賃貸の場合、日常生活を送るうえで生じた破損や経年劣化などは借主の責任はありません。もともと設置されていたエアコンの室外機をわざわざ移動させたり、窓ガラスに冷気を当て続けるなど、明らかに【故意】に誤った使い方をしている場合は借主に原状回復義務が発生します。
故意の過失がない場合は火災保険で対応できる場合がほとんどですので、まずは貸主や管理会社へ連絡をしましょう。
関連記事:原状回復トラブルを避けるための大切な5つのポイント
ガラスの熱割れの原因と予防策まとめ
ガラスの熱割れは突然起こることが多いので驚きますが、熱割れする原因を知って予防策をとることで未然に防ぐことが可能です。熱割れの予防は、とにかく窓ガラス表面の温度差を作らないことが大切。外部から上手に日陰を作ってガラスの熱割れを防ぎましょう!
外部の日よけ対策あれこれ
熱割れ対策は、窓の外部で直射日光を遮ることが有効ということで、いろいろな方法が紹介されていますね。他にも、ルーバータイプの雨戸やシャッターを設置するという方法もあり、こちらも使い勝手が良くておすすめです。外部の窓まわりに関しては、サッシ業者、外構業者などが得意な分野です。経験豊富な専門業者なら、いろいろな方法を提案してくれるでしょう。ぜひ信頼できるプロに相談し、ご自宅に合った日よけ対策を考えてみて下さいね。
監修者:高橋 みちる(一級建築士)
オーニングやシェードの設置費用を一括見積り!
オーニングやシェードの設置をする場合は、一括見積りで費用を比較してみましょう。取り付け工事と同時に商品を購入することで割引をしてくれる業者さんも多くあります。熱割れはガラスの交換をしても同じ環境であれば繰り返し起こってしまいますので、現状を変えて予防策をとるしかありません。
家仲間コムの見積もりサイトには約1000社の登録業者さんがいて、いろんな依頼に対応できるのが魅力です。また、匿名・無料で見積もり依頼ができるのでしつこい勧誘などもありません。
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アールイーデザイン一級建築士事務所代表。
住宅業界で新築・リフォームの営業・設計・現場監理などを経験。
これまで3000件以上の現場を見ながら、「永く、快適に住み続けるためにはどうしたらいいのか?」を常に探求し続け、リフォーム提案を行っている。
また、現在は執筆活動や企業向けの社員研修、一般向けの講演会なども全国各地にて実施。
著書「やらなければいけない一戸建てリフォーム」(自由国民社、2020年7月発売)
【保有資格】
- 一級建築士(登録番号:第331817号)
- 既存住宅状況調査技術者(証明書番号:第02201400260号)
- 住宅性能評価員(終了証番号:第02170424号)
- インテリアコーディネーター(登録番号:011961A)
- 福祉住環境コーディネーター2級(証書番号:05201851)
- 震災建築物応急危険度判定士(認定番号:730220552)
【所属】
- アールイーデザイン一級建築士事務所:代表
- JIO|株式会社日本住宅保証検査機構:検査員 及び 評価員
- 三井ホーム株式会社:リフォームプランナー
noteにてリフォームに関するお役立ち情報を発信中!
高橋みちる|リフォームコンサルタント|note
利用会員数260,000人、登録リフォーム会社数1,400社を超える日本最大級のリフォームマッチングサイト「家仲間コム」を運営するリフォーム専門家集団の編集部が、一般的なリフォームの情報を纏めた簡易的な記事ではなく、実際の見積情報や価格相場に基づいた読者に役立つ、価値ある情報をお届けしています。
大永 和弘 (おおなが かずひろ)
大学卒業後、カーテンレールシェアNo1の内装材メーカートーソー株式会社にて、7年間勤務。
入社後は、大手ハウスメーカーやリフォーム会社、工務店、内装工事業者など約200社を担当。その際に新築住宅やリフォーム住宅など数多くの現場を経験。
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外部からの直射日光を防ぐ
ガラスの熱割れは、直射日光による温度上昇が大きく影響します。したがって、この直射日光をガラスに当てないよう、窓の外側に日よけをつくることが熱割れ対策には有効です。窓の外側に日よけをつくると、夏場は室内に侵入する日射も遮ることができるため、暑さ対策にもなります。オーニングやシェードは簡易に取り付けられるものもありますから、ぜひガラスの熱割れと夏場の暑さ対策として、ご検討されてみてはいかがでしょうか。
監修者:高橋 みちる(一級建築士)