ウォシュレット(温水洗浄便座)の選び方3選|事前の確認ポイントとは
ウォシュレットは温水洗浄便座の商品の一つですが、ご家庭のトイレに設置したい場合、どのウォシュレットでも取り付けできるわけではなく、トイレ内の設備や便器のタイプなど条件があります。今回は、ウォシュレットの選び方を解説しますので、商品購入前に参考にしてください。まずはこの記事のポイントは以下のとおりです。
POINT この記事のポイント
・ウォシュレット取付時にはまず現状のトイレ環境を確認する必要がある
・ウォシュレットの選び方には3つのポイントがある
・TOTOウォシュレットの価格は約88,990円〜
目次 [ 非表示 ]
ウォシュレット(温水洗浄便座)購入前にチェックしておきたいトイレ環境
ウォシュレット(温水洗浄便座)購入前にチェックしておきたいトイレ環境は上記の3点です。ちなみに、ウォシュレットはTOTOの温水洗浄便座の商品名で他社では別の呼び方をされていますが、ウォシュレットとして一般的に広く知られていますのでここではウォシュレットと記載しています。ご参考までにウォシュレット以外のメーカー商品名を一覧にしてみました。
メーカー | 温水洗浄便座の商品名 |
---|---|
TOTO | ウォシュレット |
LIXIL | シャワートイレ |
Panasonic | ビューティー・トワレ |
東芝ライフスタイル | クリーンウォッシュ |
1. コンセントがあるかどうか
ウォシュレットを動作させるためには電源を差すコンセントが必要です。今までウォシュレットが設置されていないご家庭ではトイレ内にコンセントがない場合も多く、その場合はコンセントの増設工事が必要です。
関連記事:リフォーム時の注意点!コンセントをトイレに増やす場合は専用回路とアースがポイントです
2. 便器のタイプ
ウォシュレットが取り付けできる便器のタイプは下記の3種類です。
・背面タンク式
・ワンピース式
・三角タンク式腰掛け便座
集合住宅に多いユニットバスタイプのトイレでは、水がかかって感電の恐れがあるためウォシュレットの設置ができません。
TOTOのホテル向けユニットバス用のウォシュレットもありますが、取扱い業者が少ないうえ工事が難しいため設置には約10万円程度の費用がかかり、一般的なウォシュレット取り付けより高額になります。
2-1. 背面タンク式
出典:背面タンク|TOTO
背面タンク式はご家庭用トイレによくあるタイプで、便器の背面にタンクが設置されています。
2-2. ワンピース式
出典:ワンピース式トイレ|TOTO
ワンピース式はパブリックトイレでよく見かけるタイプで、便器とタンクが一体型になっており、手洗いは別途必要です。
2-3. 三角タンク式腰掛け便座
和式トイレの三角タンク式のタンクをご参照ください。このタンクに洋式トイレ便座が設置されているタイプが、三角タンク式腰掛け便座です。「隅付きタンク式腰掛便器」とも呼ばれます。
こちらのタイプにもウォシュレットの設置は可能ですが、タンクの位置や給水管の長さによっては、別途取り付け金具などの交換工事が必要になる場合があります。
3. トイレのサイズ
ウォシュレットの便座部分のサイズは下記画像をご参照ください。単位はmmです。(アプリコット、S・SBは商品種別です)ウォシュレット全体部分のサイズは下記をご参照ください。
どちらも、大型サイズ(エロンゲートサイズ)・レギュラーサイズ兼用です。ウォシュレット本体のサイズは上記ですが、便器からドアや壁との距離が必要ですので、それより狭いトイレではウォシュレットの設置が難しくなります。
便器とトイレ内設備 | 一般的な必要サイズ |
---|---|
便器と前方の壁やトイレドア | 500mm以上 |
トイレットペーパーホルダーや手すりと便器 | 150mm~200mm |
一般的な住宅のトイレは狭くても0.5坪はありますので、現状洋式トイレでタンクが設置されている場合は、ウォシュレットに必要なサイズは備えておりほぼ問題ないと考えられます。
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ウォシュレットの3つの選び方
ウォシュレットの取り付けに必要な環境が確認できたら、ウォシュレットの選び方を見ていきましょう。ウォシュレットの選び方としては上記の3つのポイントから選んでいくと決めやすいです。TOTOウォシュレットの商品でそれぞれの内容を見ていきましょう。
1. 価格で選ぶ
ウォシュレットは機能によって価格が変わります。TOTOウォシュレットには3商品が展開されていますが、価格一覧は下記です。
ウォシュレットの種類 | リモコン便器洗浄付タイプ | レバー便器洗浄タイプ |
---|---|---|
ウォシュレットS | 117,920円~141,460円 | 100,540円~123,200円 |
ウォシュレットSB | なし | 88,990円 |
ウォシュレットアプリコット | 138,160円~207,460円 (オート洗浄) |
126,500円~195,800円 |
ウォシュレットアプリコットが最も高機能で価格も高くなっていますが、他の商品よりもオート機能が充実しており便利です。
共通機能 | 特徴 |
---|---|
ノズルきれい | ・使用前後に水でノズルを洗浄する「セルフクリーニング」 ・トイレ使用後「きれい除菌水」でノズルの内外を自動で洗浄・除菌 ・使用していないときも定期的に洗浄 |
プレミスト | ・自動で便器にミストをふきかけて汚れをつきにくくする |
クリーン便座 | ・防汚効果の高いクリーン樹脂便座 |
クリーンノズル | ・ノズルに防汚効果の高い「クリーン樹脂」を採用 |
基本機能に加えて、洗浄が手動か自動かによって価格が変わってきます。
・ウォシュレットSB:レバー便器洗浄
・ウォシュレットS:リモコン便器洗浄またはレバー便器洗浄
「ウォシュレットアプリコット」はさらにオート洗浄機能がついているだけではなく、下記のオート機能がプラスされています。
動作 | オート機能 |
---|---|
便器に近づく | ・オート便ふた開く ・瞬間暖房便座オン |
便座に座る | ・脱臭オン |
便座から離れる | ・オートパワー脱臭オン ・オート便器洗浄 |
便器から離れる | ・やわらかライト 消灯 ・オート便ふた閉じる ・瞬間暖房便座オフ |
今まで手動で行ってきたことがウォシュレットが自動で機能してくれるので、とっても便利になりますね。
温水貯蔵方式 | 特徴 |
---|---|
瞬間式 | ・内蔵タンクがない ・吐水する際にヒーターで水を温めて温水にする ・洗浄で使う分だけその場で温めるので省エネ効果が高い ・本体価格が高い |
貯湯式 | ・内蔵タンクあり ・設定温度までヒーターで温めた水を保持しておく ・出し切ってしまったらお湯切れを起こすことがある ・本体価格が安い |
3. 温水貯蔵方式で選ぶ
温水貯蔵方式とは、ウォシュレットで温水を出す方法のことを言い、下記の2種類があります。「瞬間式」のほうが省エネ効果が高いため上位機種で採用されています。
・瞬間式:ウォシュレットアプリコット
・貯湯式:ウォシュレットS,SB
本体価格が高くなりますが「瞬間式」のほうが年間の光熱費が安くなり、「貯湯式」と比べると半額近く安いです。長く使うのであれば「瞬間式」がおすすめです。TOTOウォシュレット製品だと「ウォシュレットアプリコット」一択ですね。
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ウォシュレットの選び方まとめ
ウォシュレットは機能や本体価格の前に、現状のトイレ環境を確認しておかなければいけません。ご自身での判断が難しい場合はトイレ設置業者さんに訪問見積りに来てもらい、最適な商品をいくつかピックアップして見積もりをもらいましょう。
今回は、TOTOウォシュレットに絞ってウォシュレットの選び方を解説してきましたが、温水洗浄便座を取り扱うメーカーの最新モデルはどれも高機能です。迷ったら、現状の便器と同じメーカーの上位モデルを選ぶと互換性もあり省エネ効果も高くて安心ですよ。
水道工事はプロに任せて安心
ウォシュレットの取り付けは難しくないので、DIYの中でも比較的初心者にも挑戦しやすい工事です。しかし気を付ける点も多くあります。例えば、瞬間湯沸式のウォシュレットは消費電力が大きいため、専用のコンセントがないと使用時にブレーカーが落ちてしまうこともあります。また、水道管の接続に不備があった場合など、万一にも水漏れが起きると被害が大きくなりがちです。不安な方は、ぜひ信頼できるプロに任せたいですね。
監修者:高橋 みちる(一級建築士)
ウォシュレットをお得に設置するには?
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アールイーデザイン一級建築士事務所代表。
住宅業界で新築・リフォームの営業・設計・現場監理などを経験。
これまで3000件以上の現場を見ながら、「永く、快適に住み続けるためにはどうしたらいいのか?」を常に探求し続け、リフォーム提案を行っている。
また、現在は執筆活動や企業向けの社員研修、一般向けの講演会なども全国各地にて実施。
著書「やらなければいけない一戸建てリフォーム」(自由国民社、2020年7月発売)
【保有資格】
- 一級建築士(登録番号:第331817号)
- 既存住宅状況調査技術者(証明書番号:第02201400260号)
- 住宅性能評価員(終了証番号:第02170424号)
- インテリアコーディネーター(登録番号:011961A)
- 福祉住環境コーディネーター2級(証書番号:05201851)
- 震災建築物応急危険度判定士(認定番号:730220552)
【所属】
- アールイーデザイン一級建築士事務所:代表
- JIO|株式会社日本住宅保証検査機構:検査員 及び 評価員
- 三井ホーム株式会社:リフォームプランナー
noteにてリフォームに関するお役立ち情報を発信中!
高橋みちる|リフォームコンサルタント|note
利用会員数260,000人、登録リフォーム会社数1,400社を超える日本最大級のリフォームマッチングサイト「家仲間コム」を運営するリフォーム専門家集団の編集部が、一般的なリフォームの情報を纏めた簡易的な記事ではなく、実際の見積情報や価格相場に基づいた読者に役立つ、価値ある情報をお届けしています。
大永 和弘 (おおなが かずひろ)
大学卒業後、カーテンレールシェアNo1の内装材メーカートーソー株式会社にて、7年間勤務。
入社後は、大手ハウスメーカーやリフォーム会社、工務店、内装工事業者など約200社を担当。その際に新築住宅やリフォーム住宅など数多くの現場を経験。
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※価格はこの依頼での一般的な価格相場です。
価格は省エネ性能も加味して検討しよう
ウォシュレットは商品代金に大きな差がありますが、高い・安いは単純にその販売価格だけでは決められません。というのも、上位機種ほど省エネ性能も良くなり、毎月支払う光熱費が安くなることがあるからです。ウォシュレットには水と便座を温めるために電気を使いますが、温め方によって電気代にも大きな差が出ます。ぜひ光熱費が安く快適な商品を、ぜひ長い目で見てオトクにお選びいただけたらと思います。
監修者:高橋 みちる(一級建築士)