賃貸物件にウォシュレットを取り付け|必要な手続きは全部で5つ
最近の賃貸物件では、トイレに最初からウォシュレットが取り付けてあったり、取り付けることを前提にコンセントがあらかじめ増設してあることも多いです。では実際に賃貸物件にウォシュレットを取り付ける際はどのような手順を踏めば良いのでしょうか。この記事で詳細を説明していきますが、まずはこの記事で紹介している内容の結論を簡単に記載します。
POINT この記事のポイント
・ウォシュレットの取り付けには基本的に管理会社や大家さんへの許可が必要
・ウォシュレット本体の価格相場は3万円〜5万円で、トイレへの取り付け工事費は概ね1万円以下が相場
・トイレ内にコンセントが足りない場合はコンセントの増設工事が必要
1.物件の管理会社、または大家さんへの確認
ウォシュレットの取り付けには基本的に管理会社や大家さんへの許可が必要です。ただ、退去時の原状回復(もとの状態に戻すこと)を守るのであれば大抵の場合は許可されるようです。また、やってはいけないのが「設備がグレードアップするんだから大家さんや次に入居する住人も喜ぶだろう」と思って元の便座や取付金具を間違って捨ててしまうことです。
入居者が退去する場合のルールは「原状回復」ですので、この場合は原状回復もできず、取り付けられたウォシュレットを処分する費用も支払わなくてはいけません。(実際に処分費用を支払うことになってしまった事例を知っています)工事で取り外した便座や部品はちゃんと退去時まで保管しておきましょう。
2.予算
無事に許可が得られたら、まずは予算決めです。ウォシュレットを取り付けるための費用には大きく分けると、ウォシュレット本体の価格と、取り付けの工事費があります。ウォシュレット本体の価格は安いもので1万円台、高いものになると20〜30万円以上するものもあります。平均的なものだと3万円〜5万円が相場です。グレードが上がるにつれて、便座の自動開閉機能や強力な節電機能、便器の自動洗浄機能がついた製品などがあります。
賃貸物件のトイレへの取り付け工事費については概ね1万円以下が相場です。(ただし、業者さんが遠距離の場合は+移動費がかかる場合があります)これらの情報を元にどれくらいの予算が組めそうかを想定しておくと良いでしょう。業者にウォシュレットの取り付けを依頼する場合は、予算を伝えた上で「ウォシュレット購入+取り付けの依頼」か「ウォシュレットは自分で購入し、取り付け工事のみの依頼」かを伝えておくと業者さんもお客さんのために、いろいろと検討してくれます。
3.設置するトイレの環境
見積もりを問い合わせる前にやっておくと良い準備をご紹介します。
3-1.便器のメーカー(品番)
まずは、便器のメーカー(品番)です。温水洗浄便座を販売しているメジャーな企業としてTOTO、INAX、Panasonicなどがありますが、それぞれのメーカーが全ての便器に対応しているわけではありません。
例えばTOTOウォシュレットのサイズには「エロンゲート(大型)」と「レギュラー(普通)」があります。製品によっては両方のサイズに対応したものもありますが、大きさが合わないものを購入してしまうと取り付けできません。失敗しないように事前に便器の品番部分を控えておきましょう。インターネットで品番を検索すれば対象のメーカーと便器の種類が分かることもあります。
3-2.余っているコンセント+アース
ウォシュレットは電化製品ですから、電源が必要です。トイレ内にコンセントが足りない場合はコンセントの増設工事が必要ですが、これも物件の管理会社、あるいは大家さんの許可が別途必要です。
また、電気工事士の資格を持った者でないと工事できないため(業者さんでも持ってない方がいらっしゃいます)、自分で増設を行うことはできません。必ず依頼を行なってください。また、アース線がついたコンセントである必要があるので、ついていない場合も同様に許可を得て工事を行う必要があります。配線が大丈夫なのか等、よく分からない場合は写真を撮っておくと良いでしょう。
3-3.トイレの空間(広さ、壁など)
賃貸物件は基本的に狭い空間にコンパクトに設備が取り付けられているので、トイレ空間も狭いことが多いです。ですから、ウォシュレットを取り付ける際に本体横に操作パネルがあるタイプのものだと設置ができなかったりします。
この場合は操作パネルを赤外線型のリモコンタイプにする必要がありますが、リモコンタイプだと設置する壁が取り付け可能なものかを検討する必要があります。そこで、可能な場合はトイレがどれくらいの広さなのか、配管やトイレタンクも含めて空間の状態が分かるような写真を撮っておくことをオススメします。(現状回復する場合の参考写真にもなります)
まとめ
ということで、自分でウォシュレットの取り付けを行うにしろ、業者さんにお願いするにしろ、必要な手続きを説明してきました。最後にまとめてみます。
1.物件の管理会社または大家さんへの許可をとる。
2.予算を決める。
3.取り付ける先の便器のメーカー(型番)を調べる。
4.余っているコンセント+アースの確認。
5.トイレの空間(配管、トイレタンク、広さ、壁など)の確認。
ウォシュレットと一緒に、インテリアもいかが?
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監修者:高橋 みちる(一級建築士)
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アールイーデザイン一級建築士事務所代表。
住宅業界で新築・リフォームの営業・設計・現場監理などを経験。
これまで3000件以上の現場を見ながら、「永く、快適に住み続けるためにはどうしたらいいのか?」を常に探求し続け、リフォーム提案を行っている。
また、現在は執筆活動や企業向けの社員研修、一般向けの講演会なども全国各地にて実施。
著書「やらなければいけない一戸建てリフォーム」(自由国民社、2020年7月発売)
【保有資格】
- 一級建築士(登録番号:第331817号)
- 既存住宅状況調査技術者(証明書番号:第02201400260号)
- 住宅性能評価員(終了証番号:第02170424号)
- インテリアコーディネーター(登録番号:011961A)
- 福祉住環境コーディネーター2級(証書番号:05201851)
- 震災建築物応急危険度判定士(認定番号:730220552)
【所属】
- アールイーデザイン一級建築士事務所:代表
- JIO|株式会社日本住宅保証検査機構:検査員 及び 評価員
- 三井ホーム株式会社:リフォームプランナー
noteにてリフォームに関するお役立ち情報を発信中!
高橋みちる|リフォームコンサルタント|note
利用会員数260,000人、登録リフォーム会社数1,400社を超える日本最大級のリフォームマッチングサイト「家仲間コム」を運営するリフォーム専門家集団の編集部が、一般的なリフォームの情報を纏めた簡易的な記事ではなく、実際の見積情報や価格相場に基づいた読者に役立つ、価値ある情報をお届けしています。
大永 和弘 (おおなが かずひろ)
大学卒業後、カーテンレールシェアNo1の内装材メーカートーソー株式会社にて、7年間勤務。
入社後は、大手ハウスメーカーやリフォーム会社、工務店、内装工事業者など約200社を担当。その際に新築住宅やリフォーム住宅など数多くの現場を経験。
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監修者:高橋 みちる(一級建築士)