【ウォシュレットなしの暖房便座を取り付けるには】費用相場やメーカー解説

ウォシュレットなしの暖房便座の設置で、お悩みですか?「ウォシュレットは使わないので、暖房便座に変えたいけど、設置は自分でできる?」「暖房便座にすると、電気代はお得になる?」「業者に施工を頼むなら、いくらかかる?どこに頼めばいい?」などとモヤモヤされているかもしれません。
でも、ご安心ください!今回は、新聞記者歴22年の筆者が、暖房便座のメリットや設置手順、業者の費用相場、業者選びのコツ、安く済ませるポイントなどについて、取材内容を徹底解説します。
ご自宅の工事費用が気になる方には、複数の地元業者と相見積もりが無料かつ匿名でできるボタンも用意していますので、ぜひ試してみてくださいね。
POINT この記事のポイント
・暖房便座とは、便座の座る部分だけを暖める機能がついた便座のこと
・暖房便座は「掃除の手間を減らしたい」「賃貸物件」「自分で取り付けたい」ケースでおすすめ
・ただし、電気代は温水洗浄便座(ウォシュレットなど)の方が安い場合が多い
・暖房便座設置を業者に依頼した場合の費用相場は、本体価格+施工費用+廃材処分費で約4~7万円
・古い便器の交換などの必要がある場合は、暖房便座設置もまとめて業者に依頼した方がお得
・リフォーム成功のポイントは、①最低3社と相見積もり②業者の技量・質を見極めるーなど3つ
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暖房便座ってなに?

出典:ウォームレットG・S|TOTO
出典:暖房便座|LIXIL
暖房便座とは、便座の座る部分を暖める機能がついた便座のことです。別名「ウォームレット」「温便座」ともいわれます。
冬場に便座に座ったときのヒヤッとする不快感や、お年寄りのヒートショックを防ぐことができます。耐用年数は約7~10年とされます。
主にTOTOとリクシルで販売されており、いずれも機種は①「脱臭・着座センサー機能付き」と②「機能なし」の2グレードが存在します。
関連記事:【温水洗浄便座取り付けガイド】費用、おすすめの便座、業者選び解説
関連記事:【ウォシュレット取り付け・交換は自分でできる?】方法や費用、業者選びも解説
温水洗浄便座との違いとは

出典:ウォームレットG・S|TOTO
出典:ウォシュレット「アプリコット」|TOTO
温水洗浄便座(ウォシュレットなど)とは違って、暖房便座には、おしりやビデの洗浄機能がついていません。
温水洗浄便座ファンにとっては、「ウォシュレットなしはきつい」などと物足りなく感じる製品かもしれません。しかし、温水洗浄便座を巡っては「ノズルの使いまわしに抵抗感がある」「ノズル掃除の手間をなくしたい」「ウォシュレットはいらないけど、冬場に便座が冷たいのは嫌だ」などの声があるのです。そうした声に応えて販売されているのが、暖房便座というわけです。
ただし、注意したいのは電気代です。TOTOによると、「暖房便座」のひと月当たりの電気代は約320円。一方、「温水洗浄便座」は年々節電機能が発達していることもあり、約160円以下に抑えることが可能となっているのです。このため、節電目的で「暖房便座」を選ぶのは最適ではない可能性もあります。
監修者コメント「省エネならウォシュレット」
暖房便座がおすすめのケース

「暖房便座」がおすすめなのは、次の4ケースです。
| 暖房便座がおすすめなケース | 詳細 |
| ②掃除の手間を極力減らしたい | ■ノズルは自動洗浄機能付きではある ■一方、感染症を防ぐためにも定期的な掃除は必要 |
| ③お住まいが賃貸物件 | ■賃貸物件でも原状回復が可能であれば、便座交換は可能 ■温水洗浄便座に比べて、暖房便座は原状回復が容易 |
| ④自分で暖房便座を取り付けたい | ■温水洗浄便座に比べて、暖房便座は取り付けも容易 |
暖房便座取り付けの注意点
暖房便座の取り付けには、いくつかの注意点があります。注意点は、次の4つです。
①トイレ内にコンセントが必要

暖房便座は、トイレ室内にコンセントがなければ使えません。トイレは水が飛び交う環境であり、延長コードを使うと、感電や漏電、火災発生の恐れがあって大変危険だからです。温水洗浄便座(ウォシュレット)の場合はアース端子も必要です。
トイレ内にコンセント増設とアース端子を設置する追加工事は、国家資格「電気工事士」の有資格業者によるコンセントやアース端子の増設、電圧変更工事が必須となります。
| 追加工事内容 | 費用相場 |
| コンセント増設のみ | 約1~2万円 |
| コンセント増設+アース端子設置 | 約1~3.5万円 |
②取り付けできない便座あり

出典左:トイレ・ウォシュレット®・便座・便器|TOTO
出典中:タンクレストイレ「サティス」|リクシル
出典右:家仲間コム施工事例|神奈川ハウスクリーニングセンター
暖房便座には、取り付けが不可能または難しいトイレがあります。それは、上の図の3種。①タンク、便器、便座が一続きとなった「一体型」(タンクレストイレや家具などと一体になったシステムトイレも含む)②「3点ユニットバス」のトイレです。
③3点ユニットバスは浴室内に手洗いとトイレが設置されているタイプ。水分が飛び交う環境のため、暖房便座用のコンセントを付けると感電・漏電リスクがあり、基本的には設置できません。
③便座サイズに合った製品を選ぶ

便座のサイズには大型(エロンゲート)サイズと標準(レギュラー)サイズの2種類があります。図のようにA寸法、B寸法が合っていれば、暖房便座と便器のメーカーが異なっていても取り付けは可能です。
なお、TOTOの暖房便座はサイズ兼用のためサイズを測る必要がなく、どちらのサイズにも取り付け可能です。標準サイズに設置した場合は、便座の先端が少し前に出ることがあります。
④賃貸の場合は大家さんに確認

暖房便座の取り付けを希望する家が賃貸物件の場合は工事前に、家主・管理会社に相談しておくことをおすすめします。賃貸物件は、あくまで家主の所有物です。勝手な改造行為は、退去時の原状回復費用の請求につながる恐れがあります。一方、もし希望する工事が「物件全体の魅力アップに必要だ」と家主が判断した場合は、家主負担で物干しの新設が実現する可能性もあり得ます。
暖房便座の設置費用相場料金表
暖房便座の設置を業者に依頼した場合の費用相場は、本体価格+施工費用+廃材処分費で約4~7万円です。細かい料金を表にまとめると、次の通りです。
| 項目 | 費用相場 |
| 暖房便座本体価格 | 約0.7~5.3万円 |
| 暖房便座設置工事費用 | 約1~1.3万円 |
| 暖房便座本体+施工費用+廃材処分費 | 約4~7万円 |
| コンセント増設 | 約1~2万円 |
| コンセント+アース端子増設 | 約1~3.5万円 |
※現場の状態や業者により変わります。別途、見積費、出張交通費などの諸経費がかかることもあります。
暖房便座取付は自分でできる?

ちなみに、DIYで暖房便座を設置する場合にかかる費用は、およそ500円〜2000円ほど。内訳としては、ボルトやナットの購入代金となっています。業者による施工費用は約1~1.3万円です。
暖房便座の取り付け方
暖房便座の設置方法は、とてもシンプルで簡単です。
| 暖房便座の設置手順 |
| 1. トイレ本体と便座を固定している取り付けボルトを外します |
| 2. 暖房便座を便器に取り付けます |
| 3. 取り付けボルトにパッキンとナットをセットして、便座に固定します |
| 4. コンセントに電源を差し込み、暖房便座が暖まるか確認して完成です |
監修者コメント「取り付けはプロに任せたい」
暖房便座や温水洗浄便座の交換は、ご自身でDIYでも行うことができます。しかし、特に温水洗浄便座の場合は、使用する電力が大きいため、コンセントの容量を確認する必要があります。またリモコンを壁につけるなら、壁下地にしっかり固定しなければ緩んで外れてしまうかもしれません。水道管の接続も、水漏れを起こしたら大変です。水道や電気が絡む工事は、プロにお願いすれば後々も安心です。
監修者:高橋 みちる(一級建築士)
暖房便座工事はどこに頼む?

暖房便座や温水洗浄便座の取り付け・交換の依頼先は、主にリフォーム業者となります。
一口にリフォーム業者といっても、営業形態や専門分野は様々。建築士やインテリアコーディネーター、大工など、建築のプロを一通り揃えた「ハウスメーカー」のほか、主に大工で構成する「工務店」、内装工事専門店、電気工事専門店、水回りのリフォーム専門店、ヤマダ電機やケーズデンキ、エディオン、ビックカメラなどの家電量販店やコーナンなどのホームセンターが主に自社商品の購入者を対象に営むリフォーム店などがあります。
中でも、工務店や内装工事専門店、電気工事専門店、水回りリフォーム専門店は、最も実績や知識が豊富。料金も安い傾向にあります。
「ハウスメーカー」も、便座取り付け・交換以外のリフォームとセットで任せると、割引が効く確率が大!この機会に、便器交換や床の張替えなどのリフォームも一緒に検討してはいかがでしょうか?便器の耐用年数は約15年です。
温水洗浄便座は施主支給も可能ですが、業者さんから購入した方がかなりお得になるケースが多いです。
また、電気店やホームセンターのリフォーム部門は、工事は下請けの業者に依頼するため、マージン分、リフォーム料金が高くなる傾向にあります。
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見積もりから工事までの流れ

最適な工事内容を適正価格で発注するためには、相見積もりは最低3社と行いましょう。
サイト内には、各業者の情報ページが掲載されていますから、保有資格や施工事例、過去の金額、口コミ評価をチェック。家仲間コムHP内でのメッセージによるやり取り・交渉の上、発注業者を絞ってください。
家仲間コムでは、口コミ評価が低い業者は強制退会となる仕組みとなっていますので、安心してご利用ください。万が一、業者さんが工事でお客様のお家に損害を与えてしまった場合は、最高1000万円までサイト側が補償致します※。おかげさまで、サービス開始から約17年間で、累計利用者数は26万人以上、累計見積もり件数は32万件以上を数えています。
発注業者が決まったら、業者が正確な見積もりを作るために、ご自宅を訪問しますので、内容に納得できればサインします。工事が複雑な内容となる場合、実施は当日ではなく後日となるケースもあります。
※補償には条件があります。
「家仲間コム」での施工事例と価格

お得!安心!リフォームのポイント
リフォームは、それなりに費用がかかるだけに、必ずや成功させましょう。成功のポイントは4つです。
①最低3社の業者と相見積もり

リフォームの優良業者とのお得な取り引きには、最低3社との相見積もりが大切です。実際の相場感や必要な費用の全体像を把握でき、有利な交渉の材料ともなります。
見積もりをとる際は工事費の内訳だけでなく、「出張費」「見積費」「早朝・深夜・休日割増料」「キャンセル料」「交通費・高速代・ガソリン代・駐車場代」などのオプション料金も必ずチェックしましょう。
見積書に「記載なし」や詳細を記さない「諸経費」「一式」などの表記がある場合は、内訳を確認。不明点は全て潰しておくことが肝心です。
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なお、公益財団法人「住宅リフォーム・紛争処理支援センター」には、見積書・図面などを郵送またはFAXで送付すると、相談員が無料でチェックの上、助言してくれるサービスがあります。詳しくはこちらのサイトをご覧ください。
②業者の技量・質を見極める
トイレリフォームは、専門性の高い工事だけに業者の技量を見極めて発注しましょう。チェックポイントは以下の7点です。
【リフォーム業者選びのチェックポイント】
①保有資格
②施工実績
③口コミ評価
④費用設定は明瞭か
⑤客側の予算や希望をヒアリングした上で最適な工事を提案してくれているか
⑥工事内容やメリットやデメリットについて、分かりやすい説明をしてくれるか
⑦アフターフォローは万全か
③必要なリフォームはまとめて行う

リフォームを格安で済ませるためには、部分的な工事を複数回に分けてするより、一度にまとめて行うのが鉄則!業者さんの人件費や出張費、現場の足場・養生設置代などが少なくて済む上、セット割引が効くからです。
以下は家庭内設備のメンテナンスサイクルを示した表です。メンテナンス時期が近いもののリフォームはまとめて行いましょう。
| メンテナンスサイクル | リフォームの種類 |
| 5~10年 | ①フローリング補修 ②壁紙クロスの張り替え ③天井の張替え ④ふすまや障子の交換 |
| 10~15年 | ①畳の張替え ②トイレリフォーム ③外壁塗り替え ④ガスコンロ交換 ⑤食洗機交換 |
| 15~20年 | ①フローリング張替え ②浴室リフォーム ③キッチンリフォーム ④洗面所リフォーム ⑤室内・玄関ドアリフォーム ⑥屋根リフォーム |
| 20年~ | ①窓リフォーム |
暖房便座に関するよくある質問
Q.ウォシュレットを使わない人はどれくらいの割合ですか?
A. 民間の調査会社のアンケートによると、温水洗浄便座(ウォシュレットなど)の使用状況は「使用している」が約7割、「使わない」が約3割だったそうです。男女別では「使わない」は男性が約15%、女性が約26%。女性の人が使わない人が多いことがわかりました。ちなみに、温水洗浄便座は国内の7割の家庭に普及しているそうです。
Q.ウォシュレットはやめたほうがいいですか?
A. 温水洗浄便座(ウォシュレットなど)は、適度に使う分には、問題はないようです。ただし「温水洗浄便座症候群」という病気があるそうです。これは、ウォシュレットによる「洗いすぎ」が原因とされています。医師によると、手や顔と同じで、お尻も洗いすぎると皮膚を守ってくれている皮脂膜や常在菌まで流され、皮膚のpHが弱酸性から忠誠・アルカリ性に偏り、保水力や柔軟性を失ってしまいます。医師が推奨する温水便座の設定は次の通りです。
| 機能 | 医師推奨の設定 |
| 水圧 | 最弱 |
| 水温 | 最低 |
| 洗浄時間 | 5秒以内 |
| 温風乾燥 | 使わない |
まとめ
今回は、暖房便座の設置リフォームについて、①電気代は温水洗浄便座(ウォシュレットなど)の方が安い場合が多いこと②設置を業者に依頼した場合の費用相場は、本体価格+施工費用+廃材処分費で約4~7万円であること③便器交換などの必要がある場合は、暖房便座設置もまとめて業者に依頼した方がお得であることーなどについて解説しました。
暖房便座設置の主な依頼先はリフォーム業者です。業者を選ぶ際には最低3社と相見積もりを行い、過去の口コミや実績も考慮してベストな選択を叶えましょう。
それでは、お得で安全な満足いくお取引が実現しますように。心からお祈り致しております!
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アールイーデザイン一級建築士事務所代表。
住宅業界で新築・リフォームの営業・設計・現場監理などを経験。
これまで3000件以上の現場を見ながら、「永く、快適に住み続けるためにはどうしたらいいのか?」を常に探求し続け、リフォーム提案を行っている。
また、現在は執筆活動や企業向けの社員研修、一般向けの講演会なども全国各地にて実施。
著書「やらなければいけない一戸建てリフォーム」(自由国民社、2020年7月発売)
【保有資格】
- 一級建築士(登録番号:第331817号)
- 既存住宅状況調査技術者(証明書番号:第02201400260号)
- 住宅性能評価員(終了証番号:第02170424号)
- インテリアコーディネーター(登録番号:011961A)
- 福祉住環境コーディネーター2級(証書番号:05201851)
- 震災建築物応急危険度判定士(認定番号:730220552)
【所属】
- アールイーデザイン一級建築士事務所:代表
- JIO|株式会社日本住宅保証検査機構:検査員 及び 評価員
- 三井ホーム株式会社:リフォームプランナー
noteにてリフォームに関するお役立ち情報を発信中!
高橋みちる|リフォームコンサルタント|note
利用会員数260,000人、登録リフォーム会社数1,400社を超える日本最大級のリフォームマッチングサイト「家仲間コム」を運営するリフォーム専門家集団の編集部が、一般的なリフォームの情報を纏めた簡易的な記事ではなく、実際の見積情報や価格相場に基づいた読者に役立つ、価値ある情報をお届けしています。
編集長
田中 敦子 (たなか あつこ)
九州大学工学部卒業後、西日本新聞社に入社。記者として22年間、政治、経済、司法、軍事、文化、教育など、あらゆる分野の取材に従事する。旅と建築、インテリアが好きで、退社後は世界一周旅行に挑戦。アジア、欧米、中東、アフリカ各国の内装自慢のホテルや「サグラダファミリア」「トプカプ宮殿」などの一級建築物を取材し、撮影動画をYouTubeで2年間配信した。母親は宅地建物取引士、元インテリアコーディネーター。
関連するテーマの見積もり依頼
| 温水洗浄便座交換 | ¥8,000 ~ ¥9,600 |
|---|---|
| 洋式トイレ(奥行120㎝ 幅75㎝)リフォーム | ¥200,000 ~ ¥280,000 |
| トイレの交換を検討しています | ¥32,000 ~ ¥250,000 |
| シャワートイレの設置がしたい | ¥33,000 ~ ¥40,000 |
| 普通の洋式トイレにウォシュレットを付けたい | ¥15,000 ~ ¥25,000 |
※価格はこの依頼での一般的な価格相場です。





瞬間式のウォシュレットなら使うときにしか電気を使わないため、使わない間もずっと電気で温め続ける貯湯式のものより、電気代を削減することができます。ついでに暖房便座の機能も瞬間式のものを選べば、省エネ性能は大きく違ってきます。今お使いの便座が貯湯式のものなら、省エネな瞬間式に交換することで、光熱費の削減分で購入費をまかなえるかもしれません。エコで便利でスマートな瞬間式のウォシュレット、ぜひご検討されてみてはいかがでしょうか。
監修者:高橋 みちる(一級建築士)