フローリングワックスが剥がれたら|補修方法と業者に依頼したときの費用目安
フローリング床ワックスは、表面に皮膜剤を施していないフローリングのメンテナンスを手頃に続けたい場合は必須のアイテムです。剥がれは放置していると、フローリングを傷め寿命を短くします。
今回は、床ワックスの効果的なメンテナンス法が分からずお困りの方へ、床ワックスの剥がれの原因や補修法、耐久性の高いワックスの塗布を業者に依頼した場合の費用目安、施工例などを解説します。
ご自宅の床にワックスをかける正確な費用を知りたい方には、複数の地元業者と相見積もりが無料かつ匿名でできるボタンも用意していますので、ぜひ試してみてくださいね。
POINT この記事のポイント
・フローリングワックスは、表面に皮膜剤を施していないフローリングのメンテナンスを手頃な価格で行いたい場合は必要
・フローリングワックスの塗り直しのサインは「黒ずみが出る」「フローリングの色がまだらになっている」「艶がなくなった」「ひび割れのようになっている」など
・フローリングのワックスが剥がれてしまう原因は、主に「歩いたり家具を動かした時の摩擦」「液体などをこぼしたり濡れ雑巾で掃除した際の水分」の2つ
・フローリングのワックスがけを業者に依頼した場合の費用は、1帖あたり約3,000円〜
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フローリングワックスは必要?
「フローリングにワックスは必要か」。結論からいうと、ご自宅の床が表面に皮膜剤を施していないフローリングで、フローリング表面のメンテナンスを手頃な価格で続けたい場合は必要です。
ワックスの主成分はアクリルやウレタンなどで、フローリング表面に塗ると、人が歩いたり家具を動かしたりする際に起こる摩擦から床を守り、傷がつきにくくなります。
また、フローリング表面にワックスをかけると、表面がフラットになり、光が均一に反射するため、美しい光沢感も生まれます。
ワックスはドラッグストアやインターネットで手軽に入手でき、1回分が1リットルだとすると価格は1300円ほどですから、年4回行う場合は5200円。10年で52,000円で、きれいな床を維持できることになります。
一方で、ワックスにはデメリットもあります。
デメリット1つ目は、床に塗られたワックスに汚れがたまったり、水滴が落ちたりすると、黒ずんだり、白くなったりと、変色の恐れがあることです。
2つ目はワックスの種類によって、数ヶ月から1年に1度の塗り直しが必要になるということ。ワックスが床表面に作る被膜は、それほど強固ではないためです。
しかも、ワックスに汚れが付着している場合は、既存のワックスを専用の剥離剤で剥がすという作業から始めなければなりません。
床ワックスのメリット・デメリット
以上、床(フローリング)ワックスのメリット・デメリットをまとめると、次のようになります。
メリット
・摩擦から床を守り、傷がつきにくくなる
・床にツヤが出る
・メンテナンスの費用が手頃
デメリット
・汚れを放置するとワックスが変色
・数ヶ月~1年に1度の塗り直しが伴う
・汚れがひどい場合は剥離作業も必要
フローリングワックスの塗り直しのサイン
フローリングに下記のような症状が出ている場合、ワックスの塗り直しのサインです。
【床ワックス塗り直しのサイン】 ・ワックスに黒ずみが出てきた ・フローリングの色がまだらになっている ・ツヤがなくなった ・ひび割れのようになっている |
多くはフローリングワックスの剥がれが原因。最後の「ひび割れ」のような症状は注意しなければいけません。
フローリング本体にひび割れが起きている場合
「ひび割れ」は表面のワックスがはがれているだけの場合もありますが、長期間にわたってワックスがけをしていない状態であれば、フローリング本体がひび割れを起こしている可能性もあります。フローリング本体のひび割れは放置していると、そこに湿気やゴミが入り込み、カビが発生したり腐食の原因となります。
また、ダニなどの虫が集まってしまうこともありますので、できるだけ早く対策しておきましょう。
関連記事:調湿建材の特徴|結露対策やカビやダニの抑制に効果的!
フローリング本体にひび割れが起きている場合は、ひび割れ部分の補修を行ったあとワックスなどでコーティングを行います。
関連記事:フローリングの修理・補修・張替えを考える|工事のポイントと価格相場
なぜフローリングのワックスが剥がれてしまうの?
フローリングのワックスが剥がれてしまう原因は、主に下記の2点です。
1. 歩いたり家具を動かした時の摩擦
フローリングのワックスがはがれている部分は、よく歩く場所や、椅子などを動かす場所であることが多いです。フローリングの上によく座る場合もその部分だけ摩擦が起きやすいため、ワックスが剥がれてきます。
2. 液体などをこぼしたり濡れ雑巾で掃除した際の水分
フローリングのワックスは水分にも弱い欠点があります。ダイニングで液体をこぼしたり、調理中や洗い物の際に水分が飛びやすいキッチンのフローリングなども、ワックスが剥がれやすい場所です。
また、フローリングを雑巾で水拭きするとワックスが剥がれやすくなるので、水拭きの際には水気をよく絞って行いましょう。
フローリングワックスの耐久性は約半年~1年程度
ワックスはもともと耐久性が低いため、半年~1年程度で剥がれてきます。1年に一度はワックスシートなどで塗り直しをしておくと剥がれにくくなりますが、あまり何度も重ね塗りをすると汚れも蓄積されます。
3年~5年に一度、春か秋の晴れ間が多く乾燥しやすいシーズンを選んで、ワックスをすべて剥がして塗り直しを行うことをおすすめします。
監修者コメント「床に物を置かない生活にチェンジ!」
フローリングワックスの剥がれの補修方法
フローリングワックスが剥がれた場合の補修方法は、一般的には下記の手順で対応します。
1. 既存のワックスを剥離(はくり)する
2. 新しくワックスを塗布する
作業前には掃除機でゴミを吸い取り、表面をキレイにして、家具など動かせるものは移動させておきます。ワックスの剥がれ補修に必要な道具は下記です。
【ワックスの剥がれ補修に必要な道具】
・マスキングテープ
・ワックス剥離剤
・床材に合ったワックス液
・毛羽立たない布またはワックスがけ用モップ
・ゴム手袋
・マスク
ワックス剥離剤やワックス液はアルカリ性で皮膚への刺激が強いため、安全に行うためにもゴム手袋とマスクをしてから作業を行いましょう。
1. 既存のワックスを剥離(はくり)する
出典:ワックスはがし上手|リンレイ
1. 掃除機をかけてゴミやほこりを取り除き家具を移動させたら、ワックスがつかないよう巾木やドアの下部にマスキングテープを張ります。
2. 狭い範囲に分割してワックス剥離剤を塗布し、スポンジとブラシでこすり落として、乾いた布で拭きとります。フローリング本体がむき出しになるため長く水分にさらされていると、本体のたわみや反りの原因となります。この作業は素早く数分で終えるよう急いで行いましょう。
3. すべて剥離できたら綺麗な布を使って、ワックス剥離剤が残らないよう丁寧に拭き上げます。
2. 新しくワックスを塗布する
出典:樹脂ワックス|リンレイ
1. 丁寧にワックスを剥離したあとよく乾燥させてから、新しいワックスを塗布していきます。ワックスを塗布したあとは乾燥させるため数時間は歩行できませんので、足跡がつかないように、部屋の奥から出口に向かって塗布していきましょう。ワックス剤は量が多いと、乾燥に時間がかかったり、塗りムラができたりするので、少量ずつ薄く塗布していきます。
2. 全体的に塗って乾燥させたら、2度塗りをするとより仕上がりが綺麗です。
参照:まるわかり!ワックスがけアドバイス|リンレイ
フローリングのワックス掛けを業者に依頼した場合の費用
フローリングの剥離とワックス掛けを行う場合は、作業が難しいので業者さんに依頼したほうが安心です。プロの業者さんは、ワックス剥離剤を塗布して拭き取るまで、かなり作業に集中し、手早く行ってしまいます。
それほどフローリング本体は水分に弱いため、手早く剥離して液体を拭き取る必要があるのです。一般の方にはこのような短時間での作業は難しいため、フローリング本体に大きなダメージを与えてしまいます。
フローリングのワックス掛けをプロの業者さんに依頼した場合、一般的には剥離のほうが単価が高くなります。また、業者さんによってはフローリングの傷なども同時に補修してくれることもあるので、ワックス剥離と同時に依頼しておくと二度手間にならず施工が一度で済みます。
ワックスクリーニング内容 | 費用目安(1帖あたり) |
---|---|
ワックスクリーニング | 約1,200円~ |
ワックス剥離 | 約3,000円~ |
フローリングの傷補修 | 約3,000円~(1時間当たり) |
フロアーコーティングなら10年以上メンテナンス不要!
フローリングの表面を保護するためにはワックスが最も費用が安く抑えられますが、半年ごとの塗り直しや3年~5年ごとのワックス剥離と再塗布のメンテナンスをしないと、ワックスが剥がれてフローリングが黒ずんだ状態になってしまいます。
まめにメンテナンスができない場合には、初期費用はかかりますがフロアーコーティングをしておくほうが長持ちして、10年以上もメンテンナスの手間がかかりません。
フロアーコーティングの魅力や種類、DIYの方法、業者に依頼した場合の費用などについては、記事「フロアコーティングをDIYするには?主な注意点や業者費用の目安を解説」で詳しく説明しています。
関連記事:傷や汚れを防いでピカピカのフロアーを長持ちさせよう!フロアーコーティングの種類と費用
移動させにくい大型家具を置く部屋や、よく人が通るリビングはフロアーコーティングをして、家具が少ない部屋や使用頻度の低い部屋はワックス、というように分けるのもおすすめです。
監修者コメント「ワックスフリーのフローリングならラク」
ワックスは掛けたいけど、面倒…。という方は、ワックスフリーのフローリングに張り替えてはいかがでしょうか。 今はフローリングには本当にたくさんの種類があり、表面の塗膜が強化され、ワックスを掛けなくても美しい光沢を保てるものも多くあります。 表面の塗膜がしっかりしていると、フローリングそのものも傷つきにくく、長持ちするというのも嬉しいメリットです。 フローリングを張り替える際には、見た目だけでなく、ぜひ機能や性能にも目を向けてみてくださいね。
監修者:高橋 みちる(一級建築士)
「家仲間コム」での施工事例
弊社「家仲間コム」登録業者さんによるワックスやフロアコーティングの施工事例を紹介します。参考にされてください。
1. 賃貸の床 ワックスでピカピカ
施工業者:Kurashikku Work
施工場所:東京都府中市
建物のタイプ:マンション
築年数:約15年
施工箇所:フローリング
施工価格:清掃+ワックス1,000円/㎡ 剥離+ワックス2,400円/㎡
施工期間:2日
業者さんの投稿記事はこちら
2. コーティングで20年超の汚れがリセット
施工業者:T.FALL
施工場所:栃木県栃木市
築年数:約25年
施工箇所:一階フローリング部分約50平米
施工価格:15万
施工期間:2日
業者さんの投稿記事はこちら
フローリングのワックス掛けやフロアーコーティング費用を一括見積り!
フローリングのワックスが剥がれた時は、プロの業者さんに依頼したほうが綺麗に早く仕上がります。特にフローリングの剥がれや黒ずみがひどい場合や、フローリングがまだらになるなどの症状がある場合、いったんワックスを剥離しないと頑固な汚れがとれなくなってしまいフローリングが傷みます。
家仲間コムの見積もりサイトには約1000社の登録業者さんがいるので、現状を見てもらってワックスとフロアーコーティングの特徴や費用などを比較してみると良いでしょう。匿名・無料で見積もり依頼ができるのでしつこい勧誘などもありませんよ。
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完全無料で利用できるので、お気軽にご利用ください。
アールイーデザイン一級建築士事務所代表。
住宅業界で新築・リフォームの営業・設計・現場監理などを経験。
これまで3000件以上の現場を見ながら、「永く、快適に住み続けるためにはどうしたらいいのか?」を常に探求し続け、リフォーム提案を行っている。
また、現在は執筆活動や企業向けの社員研修、一般向けの講演会なども全国各地にて実施。
著書「やらなければいけない一戸建てリフォーム」(自由国民社、2020年7月発売)
【保有資格】
- 一級建築士(登録番号:第331817号)
- 既存住宅状況調査技術者(証明書番号:第02201400260号)
- 住宅性能評価員(終了証番号:第02170424号)
- インテリアコーディネーター(登録番号:011961A)
- 福祉住環境コーディネーター2級(証書番号:05201851)
- 震災建築物応急危険度判定士(認定番号:730220552)
【所属】
- アールイーデザイン一級建築士事務所:代表
- JIO|株式会社日本住宅保証検査機構:検査員 及び 評価員
- 三井ホーム株式会社:リフォームプランナー
noteにてリフォームに関するお役立ち情報を発信中!
高橋みちる|リフォームコンサルタント|note
利用会員数260,000人、登録リフォーム会社数1,400社を超える日本最大級のリフォームマッチングサイト「家仲間コム」を運営するリフォーム専門家集団の編集部が、一般的なリフォームの情報を纏めた簡易的な記事ではなく、実際の見積情報や価格相場に基づいた読者に役立つ、価値ある情報をお届けしています。
関連するテーマの見積もり依頼
床のコーティング施工 | ¥198,000 ~ ¥238,000 |
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フロアコーティングを希望します | ¥80,000 ~ ¥110,000 |
リビングダイニングなどのフロアコーティングしたい | ¥106,000 ~ ¥147,000 |
3階建の新築約115m2 フロアコーティング | ¥180,000 ~ ¥370,000 |
床、UVコーティングをしたい | ¥240,000 ~ ¥401,000 |
※価格はこの依頼での一般的な価格相場です。
丁寧にワックスを掛けたフローリングは美しく、できればしっかりお手入れをしたいところです。でも、いざワックスを掛けるとなると、床に置いた荷物をすべて移動させなければなりませんね。荷物の移動が面倒で、ワックスを掛ける気力がわかない、という方も多いのではないでしょうか。 なるべく床に荷物を置かない生活スタイルにするためには、 ①家具は壁に固定(造り付け)する ②壁掛け用のフックをつくる ③カウンターをつくる などが有効です。 床に物がないと、部屋全体も広く見えます。 この機会にぜひ、お部屋の使い方も考えてみませんか?
監修者:高橋 みちる(一級建築士)