フローリングのフロアコーティングをDIYするには?主な注意点や費用の目安について解説
「フローリングの耐久性を飛躍的に上げる」と話題の「フロアコーティング」は、実はDIYが可能です。しかし、不慣れな方がいきなりチャレンジすると、かえって床を傷めてしまうことがあります。
今回は、フロアコーティングの手順や気を付けたいポイント、業者に依頼した場合の費用相場、実際の施工事例などを解説します。
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POINT この記事のポイント
・フロアコーティングとは、フローリングの表面に耐水性、耐傷性、耐汚性、耐薬品性、防滑性、美観を向上させる専用の溶剤を塗布すること
・フロアコーティングはDIYが可能だが、プロでも難易度の高い作業で、不慣れな場合は失敗の恐れがある
・フロアコーティングを自分でする際に気を付けたいポイントは5つ
・フロアコーティングを業者に頼んだ際の相場は20畳の場合、90,000~176,000円
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フロアコーティングとは
フロアコーティングとは、フローリングの表面に耐水性、耐傷性、耐汚性、耐薬品性、防滑性、美観を向上させる専用のコーティング剤を塗布することを言います。塗膜が硬いため、フローリングの耐久性が飛躍的にアップするのが最大の魅力です。施工後は床表面の光沢が増し、耐用年数はコーティング剤の種類にもよりますが、20〜30年とも言われています。
フロアコーティングは滑り止め効果もあるため、小さいお子さんやお年寄りの転倒防止にも役立ちます。犬などを飼っている方にもおすすめで、ペットのおしっこシミや爪痕などの汚れや傷からフローリングを守ることもできます。
掃除も簡単で、施工後は水拭きOK。マジックによる落書きなどの油性汚れも、アルコールを使えば容易に除去が可能です。
昔は、フローリングの表面保護には、ワックスを塗布していましたが、ワックスは耐久性が低く、数カ月〜年に一度の塗り直しが必要でした。その点、フロアコーティングは一度塗ってしまえば、あとはメンテナンスが不要で何十年も持ってくれるため、近年人気の床リフォームとなっています。
業者に依頼した場合のフロアーコーティングの費用目安
フロアーコーティングは主に次の4種類があります。それぞれの特徴と耐用年数、業者に依頼したときの費用目安を見てみましょう。
コーティング種類 | 耐用年数 | 特徴 | 1畳費用 | 20帖の場合 |
UVコーティング | 約30年~ | 光沢感が最上級 | 8,800円~ | 約176,000円 |
ガラスコーティング | 約20年~ | 中間スペック | 6,600円~ | 約132,000円 |
シリコンコーティング | 約10年 | 溶剤の元祖 | 5,800円~ | 約116,000円 |
ウレタンコーティング | 約10年 | 剥離可能 | 4,500円~ | 約90,000円 |
最も耐用年数の長いUVコーティングだと、約176,000円(20帖の場合)となります。一見、高額に感じますが、耐用年数が30年であることを考えれば、1年当たりの費用は5900円、1カ月なら490円。この価格で、新築時の床のピカピカを簡単に維持できるなら、悪くはないと思いませんか?
フロアコーティングのメリット・デメリット
フロアコーティングのメリット・デメリットをまとめると、次のようになります。
メリット
・床に光沢が出る
・ペットの爪痕から床を守れる
・滑りにくくなり転倒防止に
・メンテナンスが不要
・お掃除では水拭きOK
・落書きもアルコールで除去可能に
・耐久年数が20~30年
デメリット
・初期費用が10万円前後からと高い
・塗膜が硬く失敗しても剥がせない
・施工には技術が必要
フロアコーティングは自分でできるが、かなり難しい
結論から言えば、フローリングのフロアコーティングはDIY可能です。
ただし、溶剤の専門知識や、塗布の技術がないと、仕上がりにムラが出てしまいます。コーティング剤もプロ用とDIY用では性能に差があり、10年以上の耐久性を出すのは難しいと言われています。
また、コーティング剤を塗布していくには、専用の道具をそろえる必要があります。他の作業で使ったものを再利用するのは、塗りムラの原因になるのでおすすめしません。
では、DIYによるフロアコーティングがどれほど難しいのか。次章から薬剤の選び方やDIYの手順、注意点をご説明します。
フロアコーティング剤の種類
フロアコーティングの専門業者さんによると、上記で紹介した4種類のコーティング剤のうち、最も高性能の「UVコーティング」は溶剤を硬化させる仕上げの工程で、UVを照射する特殊な機械が必要なため、DIYでの施工は不可能。
残り3種類は理論上、素人でも施工できますが、「ガラスコーティング」と「シリコンコーティング」は一度施工すると剥がせず、やり直しが効かないため、おすすめできないそうです。
このため、自分で施工する場合は、水溶性で剥離が可能な「ウレタンコーティング」となります。
フロアコーティングのDIY法
ここからは実際にDIYでフロアコーティングを進める方法を紹介します。
1. 必要な道具をそろえよう
フロアコーティング剤を塗る前には、現状の床をきれいにする必要があります。新築物件であっても、施主が希望しない場合は基本的に、引き渡し時にすでにワックスがかけられていることが多く、フロアコーティングをするためには、このワックスを剥がす作業からスタートしなければいけません。実は、このワックス剥離作業が最初の難関です。
フローリングの種類によっては、一般的なワックス剥離剤の使用自体ができない商品もあります。施工前に十分に調べてから行ってください。
まずは、フロアコーティングの「下準備に必要なもの」と「塗布に必要なもの」を用意しましょう。
フロアコーティングの下準備は「床の掃除」と「ワックスの剥離」。必要なものは次の11点です。
1. ゴム手袋
2. 掃除機
3. マスキングテープ(巾木用)
4. ビニール製の養生シート+養生テープ(壁用)
5. 床用クリーナー
6. 雑巾
7. アルコール
8. ワックス剥離剤
9. スポンジ
10. ヘラ
11. フローリング補修キット(床に傷やへこみがある場合)
また、フロアコーティングの塗布には、次の3点が必要です。
1. フロアコーティング剤
2. コーティング専用モップ
3. コーディング剤の受け皿
それでは、早速、フロアコーティングのDIYを進めていきましょう!
2. フロアコーティングの前にはワックス剥離
出典:オール床クリーナー|リンレイ
コーティングをする前の最も大切なこと!それは「ワックスの剥離」です。ワックスは完璧にはがしてしまわないと、コーティング剤を塗った時に、かなり目立ちます。ワックスが残っていると耐用年数にも影響しますので、時間をかけてでも丁寧にきちんとワックスを剥がしましょう。
ワックスの剥離手順は次の通りです。
【ワックスの剥離手順】
1. 床のゴミを掃除機で吸い取る
2. 中性洗剤とスポンジで皮脂や油汚れをきっちり落とす
3. 水拭きを行い、乾燥させる
4. 床クリーナーワックスを完璧にはがす
5. 水拭きを2~3回行い、乾燥させる
6. フローリングに傷やへこみなどがある場合は補修する
3. フロアコーティングの施工手順
出典:FPCプロテクションコート18L|リンレイ
税込み価格:43,890円
ここからは、いよいよフロアコーティングです。フロアコーティングの手順は次の通りです。
【フロアコーティングの手順】
1. 壁は養生シートで覆い、巾木にはマスキングテープを貼って養生
2. コーティング剤の説明書を見ながら、壁側からコーティング剤を均一な厚さで塗布
3. 入口まで塗ったら乾燥させる
4. 二度塗りして、再度乾燥させる
5. 完全硬化に必要な時間(または日数)置き、完成
以上の手順ができれば、理論上はフロアコーティングは完了です。
ただし、自分でフロアコーティングをする場合には、気を付けるべき点も多いです。次章ではDIYでフロアコーティングをする際の注意点をお伝えします。
DIYでフロアコーティングを行う際の注意点
フロアコーティングを自分でやるときの注意点は5つです。
1. 雨の日や湿度の高い日の施工は避ける
2. ワックスは完全に剥がす
3. 徹底的に掃除をして換気する
4. コーティング剤は素早く均等に塗る
5. 完全硬化するまで部屋に入らず乾燥させる
それでは、1つずつ詳しく解説します!
1. 雨の日や湿度の高い日の施工は避ける
雨の日や湿度の高い日は塗料の乾きが悪く、白濁してしまうおそれがあります。また、窓も開けにくく、換気しにくいというデメリットもあります。
天気の悪い日は家の中も暗くなりやすく、コーティング時に小さなゴミの存在に気づかないことがあるのです。 そのため、DIYで施工をする際には晴れた日を選ぶと良いでしょう。どうしても天気が悪い日にしなければならない場合、扇風機で乾かす手もあります。
また、フロアコーティングは、プロが施工しても約60㎡で6〜8時間かかるとされています。このため、DIYで施工する場合の必要日数は、数日から1週間はみておいた方が良いでしょう。
フロアコーティングは一度始めると、途中でやめることができません。ワックスの剥離作業とコーティングの施工は別日に分けるなどの工夫が必要です。
2. ワックスは完全に剥がす
すでに一度ワックスを塗ってしまっているフローリングをコーティングする際には、面倒でも古いワックスをすべて剥がしましょう。そのままの状態で施工すると、白濁してしまったり、剥がれが発生したりするおそれがあります。 フローリングの掃除も兼ねて、施工前にはまっさらな状態にしておきましょう。
3. 徹底的に掃除をして換気も行う
光沢が出る点はフロアコーティングの魅力ですが、同時に混入したごみも目立ちやすくなります。そのようなことがないように、徹底的に掃除をして下準備を万全に整えておく必要があります。 床に掃除機や雑巾をかけてゴミを取り除き、大気に舞っているホコリは換気をしながら、外に出しましょう。
4. コーティング剤は素早く均等に塗る
コーティング剤は液体であり、一度塗ると表面がすぐに乾いてしまいます。ゆっくり塗っていると跡がついたり、色ムラが発生してしまったりすることがあります。 そのようなことがないように、最初から塗るルートを決めておき、フロアコーティング用のモップを使って均一に塗り進めましょう。少量を出して、塗っていくのがコツです。
5. 完全硬化するまで部屋に入らず乾燥させる
フロアコーティングにも水性と油性があり、前者は比較的すぐに乾きます。しかし、歩行できる程度には固まっても、完全には乾ききっていないということもありますので、すぐに家具をおくのは避けましょう。フロアに傷がつく原因になってしまいます。
水性の場合は1~3日、油性の場合は1週間程度様子を見て、大丈夫と思ったら家具を置きましょう。
「家仲間コム」での施工事例
弊社「家仲間コム」登録の業者さんによるフロアコーディングの施工事例を紹介します。参考にされてください。
1. 新築の床劣化防止へコーディング
施工業者:CCIアシスト
施工場所 :大阪府池田市
建物のタイプ:RC
築年数:0年
施工箇所:LDK・洋室3室・廊下・玄関
施工期間:2日
業者さんの投稿記事はこちら
2. ワンランク上のUVコーディング
施工業者:HOME Protection Service
施工場所:静岡県富士市
建物のタイプ:一軒家
築年数:約20年
施工箇所:リビング、廊下、階段
施工価格:23万円
施工期間:2日
業者さんの投稿記事はこちら
フロアコーティングに関するよくある質問
フローリングのフロアコーティングに関するよくある質問と回答をまとめています。
Q. フロアコーティングとワックスの違いは何ですか?
A. ワックスもフロアコーティングも表面に塗布された薬剤の皮膜が床にツヤを出し、床を保護するのは同じです。しかし、ワックスの主成分が「蝋(ろう)」で、耐久性が数カ月から半年であるのに対し、フロアコーティングの成分は「ガラス」や「シリコン」が主体。ツヤだけでなく、塗布された床の耐水性、耐傷性、耐汚性、耐薬品性、防滑性も飛躍的にアップし、耐用年数は20~30年と長いです。
Q. フロアコーティング施工を選ぶ人は全体の何割ですか?
A. フロアコーティングをする人の割合は住宅新築者全体の2~3割とのデータがあります。フロアコーティングの専門業者にると、フロアコーティングの説明を受けた方の6~7割が施工する傾向にあるそうです。
DIYが不安な場合は、業者さんに頼みましょう!
今回は「フローリングの光沢感や耐久性が飛躍的にアップする」と話題の「フロアコーティング」について、自分で施工するのは可能だがプロでも難易度の高い作業であること、DIYに挑戦する場合はどんな手順になるのかーなどを解説しました。
フロアコーティングを業者に依頼した場合の費用目安は数十万円に上ることが多く、決して安くはありません。しかし、数カ月に1度の塗り替えが必要なワックスに比べ、耐久年数が20~30年と長い上、ペットの爪痕から床を守れたり、床が滑りにくくなったり、お掃除も簡単になったり...など、フロアコーティングにはメリットも多いです。
DIYが重労働な上に確実に施工できない恐れが高いことも考えると、フロアコーティングはプロの業者さんに頼んだ方が、お得かもしれません!
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大永 和弘 (おおなが かずひろ)
大学卒業後、カーテンレールシェアNo1の内装材メーカートーソー株式会社にて、7年間勤務。
入社後は、大手ハウスメーカーやリフォーム会社、工務店、内装工事業者など約200社を担当。その際に新築住宅やリフォーム住宅など数多くの現場を経験。
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床のコーティング施工 | ¥198,000 ~ ¥238,000 |
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フロアコーティングを希望します | ¥80,000 ~ ¥110,000 |
リビングダイニングなどのフロアコーティングしたい | ¥106,000 ~ ¥147,000 |
3階建の新築約115m2 フロアコーティング | ¥180,000 ~ ¥370,000 |
床、UVコーティングをしたい | ¥240,000 ~ ¥401,000 |
※価格はこの依頼での一般的な価格相場です。