天井フックの耐荷重は要チェック|重さ別の取り付け方法と注意点
天井フックを使って天井から物を吊り下げると、空間の有効活用ができたりインテリア性が高くなっておしゃれな空間を作ることができます。そこで注意したいのが天井フックの耐荷重です。天井フックには1㎏程度から20kgほどの耐荷重があるものまでバリエーションが豊富ですが、天井からどんなものを吊るしたいかを先に決めて天井フックや吊り下げ方法を選ぶと安心です。この記事で詳細を説明していきますが、まずはこの記事で紹介している内容の結論を簡単に記載します。
POINT この記事のポイント
・天井フックを使って、天井に物を吊るす際には、落下のリスクを慎重に検討する必要がある
・天井フックで安全に物を吊るせるのは、5キロまでで、それ以上の重さの場合は、天井補強工事などが必要になる場合がある
・天井フックの工事費用は、1.5万円〜30万円が相場
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天井フックで吊り下げたいものがあるけど耐荷重は大丈夫?
天井の空間活用として吊り下げるインテリアが人気ですが、天井から物を吊るす際に気になるのが耐荷重です。気になるというより、耐荷重は必ず気にしなくてはいけない部分です。耐荷重を超える物を吊り下げると、落下するだけでなく最悪の場合天井材ごとはがれ落ちてきてしまいます。
天井から物を吊り下げたい場合は基本的には下地の強度がある部分に天井フックなどを利用して吊り下げますが、どの部分に強度があるか壁紙クロスが貼ってあるので分かりづらいので、できるだけ専門業者に取り付けを依頼したほうが安心です。
では、天井フックで吊り下げたいものの重量別に吊るす方法や注意点などを解説します。
5kg以内の物を天井に吊るしたい場合
植物やオーナメントなどはほとんどの場合5kg以内の重量なので、天井の石膏ボードの部分にも天井フックで吊り下げることが可能です。石膏ボードとは石膏を特殊な紙で包んで板状に加工した建築資材のことで、壁や天井に広く使われています。
居室と居室の間仕切り壁や天井材には石膏ボードが使用されていますが、物を取り付ける際にビスが刺さらないというデメリットがあり、基本的には天井フックも刺さりません。
石膏ボードに天井フックを使う場合には、石膏ボード専用のビスを選びましょう。石膏ボード用ビスであれば開けた穴が目立たないので、賃貸住宅の天井にも物を吊り下げることができます。
10kg程度までの物を天井に吊るしたい場合
天井に吊るしたいものが5~10kg程度の場合、引掛けシーリングを使ったり石膏ボードにも取り付けできる場合がありますが十分注意が必要な重さです。
1. シャンデリア・シーリングライトなどの照明器具
天井には照明器具を簡単に取り付けられるよう「引掛けシーリング」または「引掛けローゼット」という配線器具が取り付けられています。耐荷重量は下記が目安です。
・引掛けシーリング:約3.5kg程度までの照明器具
・引掛けローゼット:約7kg程度までの照明器具
7kg以上の重量があるシャンデリアやシーリングライトは天井の下地がある部分に天井フックを取り付けて吊り下げ、配線をつないで直付けする必要があります。
出典:吊下型シャンデリア|Panasonic
2. スピーカーやプロジェクターなど音響・映像機器
スピーカーやホームプロジェクターなどの音響・映像機器も10kg前後の重量があります。精密機械ですので、万が一の落下に備えて天井直付け+天井フックやワイヤーなどで補助をしておくほうが安心です。
出典:ホームプロジェクターdreamio(ドリーミオ)|EPSON
最近では天井から吊り下げずに棚などに設置できるタイプの商品もありますが、スクリーンの正面に設置するには天井から吊り下げるほうがより美しく投射することができます。
3. ピクチャーレール
ピクチャーレールも壁付けタイプと天井付けタイプがありますが、飾る物によっては天井フックで取り付けるほうが綺麗に飾ることができます。絵画などは1つの天井フックで吊るすより2つ以上で吊るすほうが荷重バランスが取りやすいので、できるだけ複数のフックで吊り下げましょう。
関連記事:ピクチャーレールの耐荷重の考え方を図でわかりやすく解説します
100kgを超える物を天井に吊るしたい場合
100kgを超える物にはどんなものがあるかというと、お子様が大好きなハンモックや、自宅でトレーニングするための器具などがあります。どちらも人が乗って動くので、少なくとも100kg以上、200kg程度の耐荷重が求められます。一般的な天井フックでは200kgには対応ができません。
ハンモックを天井から吊るすには天井の躯体部分にアンカーを施工してしっかりと取り付ける必要があるので、いったん天井の取り付け部分を解体するような大がかりな工事が必要になることが多いです。
どういった物を吊るしたいかが分かっていると見積もり依頼の段階で別の最適な方法を提案してもらえることもあり、費用を安くできる場合もあります。ご参考までに家仲間コムでの過去の見積もり事例をご紹介します。
マンションの天井は大きな吊り下げ荷重には耐えられない
マンションの天井というのは、通常簡易な下地が組まれてるだけだったり、コンクリートのスラブ(上階の床板)にそのまま壁紙が貼られていたりします。なので、基本的にはそこに重量物を吊下げることは難しいのです。 重量物を吊下げるには、専用の梁などを新たに設置する必要がある場合もあります。見た目や工事費用が想定外とならないよう、事前に業者としっかり打合せをしておきましょう。
監修者:高橋 みちる(一級建築士)
見積もり事例1. 天井補強と照明変更工事
ハンモック用天井補強とダウンライト変更工事をご希望のお客様からの見積もり依頼です。価格相場は20万円~30万円でした。こちらのお客様の予算を超えていたため施工には至っていませんが、現状を訪問見積りしてもらうことで価格相場よりも安く施工出来る場合があります。
見積もり事例2. 子供部屋にハンギングチェアを取り付けたい
子供部屋にハンギングチェアを取り付けたいお客様からの見積もり依頼です。価格相場は1.5万円~9万円でした。お客様は天井の部分補強でお考えでしたが、「床から天井にかけて下地となる木を設置する方法のほうが安くて強度も高い」との提案がありました。
ご自身では思いつかない、専門業者ならではの方法で費用が抑えられることがあります。
見積もり事例3. 天井にサンドバッグを吊るしたい
天井にサンドバッグを吊るせるような鉄パイプのようなものを設置したいというお客様からの見積もり依頼です。価格相場は8万円~15万円でした。お客様は天井にサンドバックを吊るしたいとお考えでしたが、施工経験が豊富な業者さんからは、造る費用と撤去費用を考えて別の方法の提案がありました。
築年数が16年経っている木造住宅という情報も考慮しての専門家ならではの提案です。
天井フックの耐荷重が不安な時は?
天井フックの耐荷重が不安な時は、専門業者に一括見積りをしてみてはいかがでしょうか?吊るしたいものと依頼内容を入力すると業者から連絡が来て、価格相場や施工方法、別の安全で安心な方法の提案などがもらえます。
天井に重量のあるものをDIYで吊るすのは安全とは言えません。家仲間コムの見積もりサイトには約1000社の登録業者さんがいて、施工経験も豊富なので、吊るしたいものの耐荷重を考えて最適な方法で天井補強をしてくれます。
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完全無料で利用できるので、お気軽にご利用ください。
アールイーデザイン一級建築士事務所代表。
住宅業界で新築・リフォームの営業・設計・現場監理などを経験。
これまで3000件以上の現場を見ながら、「永く、快適に住み続けるためにはどうしたらいいのか?」を常に探求し続け、リフォーム提案を行っている。
また、現在は執筆活動や企業向けの社員研修、一般向けの講演会なども全国各地にて実施。
著書「やらなければいけない一戸建てリフォーム」(自由国民社、2020年7月発売)
【保有資格】
- 一級建築士(登録番号:第331817号)
- 既存住宅状況調査技術者(証明書番号:第02201400260号)
- 住宅性能評価員(終了証番号:第02170424号)
- インテリアコーディネーター(登録番号:011961A)
- 福祉住環境コーディネーター2級(証書番号:05201851)
- 震災建築物応急危険度判定士(認定番号:730220552)
【所属】
- アールイーデザイン一級建築士事務所:代表
- JIO|株式会社日本住宅保証検査機構:検査員 及び 評価員
- 三井ホーム株式会社:リフォームプランナー
noteにてリフォームに関するお役立ち情報を発信中!
高橋みちる|リフォームコンサルタント|note
利用会員数260,000人、登録リフォーム会社数1,400社を超える日本最大級のリフォームマッチングサイト「家仲間コム」を運営するリフォーム専門家集団の編集部が、一般的なリフォームの情報を纏めた簡易的な記事ではなく、実際の見積情報や価格相場に基づいた読者に役立つ、価値ある情報をお届けしています。
大永 和弘 (おおなが かずひろ)
大学卒業後、カーテンレールシェアNo1の内装材メーカートーソー株式会社にて、7年間勤務。
入社後は、大手ハウスメーカーやリフォーム会社、工務店、内装工事業者など約200社を担当。その際に新築住宅やリフォーム住宅など数多くの現場を経験。
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地震時には荷重が増大!
余裕をもった計算を 天井用のボードフックなどは自分でも簡単に工事ができて手軽ですが、やはり天井に吊るすには、落下のリスクを慎重に検討する必要があります。 製品に表示されている耐荷重の範囲内で使用していても、地震時などに揺れることで荷重が増大し、引き抜けてしまう恐れもあります。 天井からの落下は思わぬ怪我や物損にもつながりますので、耐荷重にはくれぐれも余裕を持って、なるべく割れ物などは吊下げないなど安全に配慮するよう気を付けましょう。
監修者:高橋 みちる(一級建築士)