防音対策の方法と費用相場|お手軽防音グッズから本格的な防音工事まで紹介
生活音、話し声や、電車、車の通る音、楽器の演奏など、私たちの生活は音に溢れています。これらも日々繰り返されていくと、音ではなく「騒音」として認識されることもあります。今回は、そんな状況を改善する為に、防音リフォームについてご紹介していきます。まずはこの記事のポイントを以下にまとめました。
POINT この記事のポイント
・防音対策には自分自身で取り付けられるものから工事が必要なものもある
・防音グッズには防音カーテンや防音マットなどがある
・防音パネル、防音材、防音シートを壁、床、天井に組み込むには工事が必要
・一般的な防音工事の相場はおよそ「坪単価40万円~」
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ご近所トラブルの原因となり易い「騒音」
国土交通省住宅局市街地建築課マンション政策室の調査によるとマンションでのトラブル原因で一番多いのが騒音となっています。生活音であっても、積み重なってくるとトラブルの原因になっていきます。トラブルにならないためにも、日頃から近隣に対して音の配慮をすることが大切です。
音の種類と防音対策
音は振動として、壁、窓、天井等から伝わってきます。そして音には様々な発生源があります。例えば、足音、話し声、いびき、ドアの開閉などの生活音や、パソコン、冷蔵庫、室外機、掃除機等の電化製品の音、ペットの鳴き声や楽器等音の原因には様々なものがあります。
原因によって、防音対策を施す個所も異なってきます。防ぎたい音の種類に合った防音対策をしていきましょう。例えば、外の騒音が気になる場合は窓の防音が効果的です。壁に比べると窓は音が伝わり易いので、窓に厚みを持たせ、隙間を作らないことがポイントです。
また、集合住宅で下の階への騒音が気になる場合は、床に音を吸収するクッションマットを敷くと良いでしょう。このように、種類で対策を考えていきましょう。
防音グッズと防音工事
防音対策を大きく分けると、ホームセンター等で防音グッズを購入し自分で取り付けるものと、業者に防音工事をお願いするものに分かれます。簡単な取り付けのものは、自分で行う方がお得ですが、工事を伴うものは業者に任せてしまう方が安心でしょう。順番に見ていきましょう。
自分で取りつけのできる防音グッズ
ホームセンターやネット等で材料を購入して自分で取り付けられる防音グッズをご紹介します。工事費もかからずお手軽に防音対策できるのがメリットです。
1. 防音カーテン
外からの音が気になったり、家の中の音を外に聞こえないようにするために利用すると効果的です。吸音性の上がるような特殊な織り方や、遮音性を高めるために金属を織り込むことで防音効果を高めたカーテンです。
防音効果は50~80%程となるようです。隙間を失くすとより効果が上がる為、カーテンボックスと併用することもお勧めです。防音効果の他にも、保温効果にも優れるため、空調などの電気代を節約できるというメリットもあります。
費用はオーダーメイドか既製品かにもよりますが、既成サイズの1m×2枚で5,000円~20,000円程が目安となります。
2. 防音マット・カーペット
既成サイズのものや、一定サイズのパネル状のものを床に敷き詰めていくものもあります。集合住宅等で下の階への音が気になる場合に利用すると良いでしょう。足音などの生活音を吸収して、下に響かないようにしてくれます。パネルを敷き詰める場合は、5,000円/1畳辺りが目安となっていきます。
パネルは予め既定のサイズにカットされた状態ですが、部屋の状態に合わせて自分で切って使うこともできます。また色も選べる為、市松模様に配置したりとアレンジを加えることも可能です。
カーペット等の場合は、素材にもよりますが2,000円/1畳~辺りから考えていくと良いでしょう。既成サイズよりも、オーダーサイズの方が費用も高くなっていきます。また普通のカーペットの下に敷くラグのようなタイプもあります。
普段利用していたカーペットをそのまま防音仕様にできるので、既にカーペットをお持ちの場合はこちらを試してみるのも良いでしょう。
3. 壁際に背の高い家具を置く
壁が薄い場合は壁を通して音が伝わってきてしまいます。これを防ぐために、背の高い家具を壁に配置して、背面に防音シートを張るという方法があります。家具が壁からの音を防ぐと同時に、部屋の中の音が外に漏れるのも防いでくれます。
家具が重い程効果が出るので、本やDVDを敷き詰めるなどしておくとさらに防音効果があらわれます。
防音シートは厚さによって値段が異なりますが、例えば幅が1mmの場合は1,000円/1m~程になります。厚みがあるほど、防音効果も高くなるので状況に応じて選択すると良いでしょう。
工事が必要な防音対策
工事を伴う防音対策をご紹介します。高い防音効果を見込むことができます。
1. 壁、床、天井の防音工事
防音パネル、防音材、防音シート等を壁、床、天井に組み込むやり方です。遮音、吸音効果のある素材を重ねて使用することで高い効果が望めます。また構造を厚く頑丈にすることになるので、防音効果だけではなく保温効果も見込むことができます。
工事の要望としては仕切り壁を作るタイミングや、子供部屋、音楽室に対して希望される場合が多いです。
防音工事の費用の目安は気になるところですが、一概にいくらということは難しいです。建物の構造、躯体自体の強度や面積、形状、窓やドア等の開口部の状態によって異なってきます。
おおよその目安としては、一般的な防音工事の相場は「坪単価40万円~」と言われていますが、状況によって異なってくるため、きちんと事前に見積もりを取ることが大切です。
2. 窓の防音工事
壁と比べると窓は薄く、構造上隙間もあるためどうしても音が伝わり易くなります。内窓を取りつけたり、窓の隙間を少なくして機密性を高めることで、防音対策になります。家仲間コムには内窓の取り付けの要望が多く寄せられます。
内窓の取り付けは防音効果だけではなく、断熱や結露対策にもなります。費用は、窓の大きさ、種類によって異なりますが、安い所では工事費込で固定窓1枚21,000円~のところもあるようです。窓の状態によって異なってくるので、事前に見積もりを取ることが大事ですが、大体一部屋分で10万円台がおおよその目安になるかと思います。
内窓で防音と断熱の快適エコライフを
内窓といえば最近は断熱効果で注目を集めていますが、もともとは線路沿いなどの防音対策用に開発された経緯もあり、断熱・防音のどちらにも高い性能を発揮します。設置方法は、今あるサッシの内側に取り付けるだけの簡単工事です。断熱性能を上げる工事は補助金の対象になることも多いため、設置の際にはぜひ最新の補助金情報も確認し、手軽におトクに、快適なエコライフを叶えてみてくださいね。
監修者:高橋 みちる(一級建築士)
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アールイーデザイン一級建築士事務所代表。
住宅業界で新築・リフォームの営業・設計・現場監理などを経験。
これまで3000件以上の現場を見ながら、「永く、快適に住み続けるためにはどうしたらいいのか?」を常に探求し続け、リフォーム提案を行っている。
また、現在は執筆活動や企業向けの社員研修、一般向けの講演会なども全国各地にて実施。
著書「やらなければいけない一戸建てリフォーム」(自由国民社、2020年7月発売)
【保有資格】
- 一級建築士(登録番号:第331817号)
- 既存住宅状況調査技術者(証明書番号:第02201400260号)
- 住宅性能評価員(終了証番号:第02170424号)
- インテリアコーディネーター(登録番号:011961A)
- 福祉住環境コーディネーター2級(証書番号:05201851)
- 震災建築物応急危険度判定士(認定番号:730220552)
【所属】
- アールイーデザイン一級建築士事務所:代表
- JIO|株式会社日本住宅保証検査機構:検査員 及び 評価員
- 三井ホーム株式会社:リフォームプランナー
noteにてリフォームに関するお役立ち情報を発信中!
高橋みちる|リフォームコンサルタント|note
利用会員数260,000人、登録リフォーム会社数1,400社を超える日本最大級のリフォームマッチングサイト「家仲間コム」を運営するリフォーム専門家集団の編集部が、一般的なリフォームの情報を纏めた簡易的な記事ではなく、実際の見積情報や価格相場に基づいた読者に役立つ、価値ある情報をお届けしています。
大永 和弘 (おおなが かずひろ)
大学卒業後、カーテンレールシェアNo1の内装材メーカートーソー株式会社にて、7年間勤務。
入社後は、大手ハウスメーカーやリフォーム会社、工務店、内装工事業者など約200社を担当。その際に新築住宅やリフォーム住宅など数多くの現場を経験。
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防音対策で断熱性能もアップしよう
防音対策には隙間を減らす、空気層をつくる、厚みを増やすなどの方法がありますが、これらには断熱性能を向上させることと共通する項目も多くあります。つまり、防音対策と断熱性能の向上は、同時に行うと効率がいいということですね。防音対策をされたいお部屋には、きっと滞在時間もそれなりにあることでしょう。この機会にぜひ、静かで快適な室温の居住空間を計画してみてはいかがでしょうか。
監修者:高橋 みちる(一級建築士)