【寒い脱衣所はヒートショックの恐れあり】有効な寒さ対策を解説
脱衣所が寒いと冬に入浴する際に毎回寒さを感じてつらいだけでなく、ヒートショック現象という命に関わる危険性が高まります。脱衣所は入浴前にすべて衣類を脱ぐ場所なので、温度差はなくしておかなければいけません。この記事で詳細を説明していきますが、まずはこの記事で紹介している内容の結論を簡単に記載します。
POINT この記事のポイント
<この記事のポイント>
・脱衣所が寒いと「ヒートショック」の危険性が高まる
・脱衣所が寒い場合には、「家の中の温度差をなくす」「お湯の温度を上げすぎない」「食後や飲酒後の入浴は避ける」の3つに注意する必要がある
・脱衣所には人感センサー付きの暖房器具の設置がおすすめ
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脱衣所が寒いと「ヒートショック」の危険性が高まる
脱衣所は使う時にしか行かない場所なので暖房をつけているわけでもなく、必然的に室温が上がりませんよね。暖房器具で暖められたリビングや居室から急に室温の低い洗面所へ移動して衣類を脱ぐことで、血圧の急上昇・急下降が起こります。
これが「ヒートショック」です。
参照:ヒートショックとは|済生会
ヒートショック現象により脳梗塞・脳出血・心筋梗塞などが起こると、最悪の場合死に至ります。大きなニュースにはならないのであまり身近に感じないかもしれませんが、ヒートショックは交通事故の2倍もの死亡率なのです。筆者の身近にも3人ほどヒートショックで亡くなった方がいらっしゃいます。
脱衣所の寒さ対策の重要性
上記のように冬に発生率があがるヒートショックが起こらないようにするためには、脱衣所の寒さ対策が大変重要です。今以上に加速していく高齢化社会でヒートショックによる突然死を防ぐためには、早急にご自宅のヒートショック対策に取り組まなければいけません。
脱衣所が寒い場合の3つの対策
脱衣所が寒い場合の対策は、上記の3つを意識してみましょう。
1. 家の中の温度差をなくす
脱衣所の寒さ対策として最も重要なのが「温度差をなくす」ことです。一般的な室温は場所によって以下のようになります。
場所 | 室温 |
---|---|
リビング | 約20℃~23℃ |
脱衣所・トイレ | 約10℃ |
湯船に溜めたお湯の温度 | 約40~43℃ |
移動するだけで、約10℃以上もの気温の変化があることがわかります。これだけの温度変化があると、体にも大変な負担がかかります。
1-1. 人感センサー付き暖房器具
出典:人感センサー付き セラミックファンヒーター|アイリスオーヤマ
商品価格:6,680円~
脱衣所には人感センサー付きの暖房器具がおすすめです。人の気配を自動で感知して電源をオン/オフしてくれるので、脱衣場に行くだけで自動的にハイパワーで暖めてくれます。
また意外と忘れやすいのが入浴後に浴室から出た時の温度差についてです。入浴で体が温まっているので感じにくいのですが、入浴後にも使用する脱衣所は暖かいままにしておくことが大切です。人感センサー付きの暖房器具であれば、浴室から出た時にも人を感知して自動でオンにしてくれるので安心ですね。
こちらのセラミックファンヒーターは、転倒時安全装置、チャイルドロック装置、過熱防止安全装置、切り忘れ防止装置の4つの安全装置がついていて安心です。脱衣所の他、キッチン・廊下・トイレに設置しておくのもおすすめです。
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2. お湯の温度を上げすぎない
高齢になるにつれて温度を感じにくくなってくるので、入浴時のお湯の温度が高くなりやすいです。
筆者は銭湯巡りが好きで時々町の銭湯に行くことがありますが、地元の高齢者が多い銭湯ほどお湯の温度設定が高く、入ることができないほど熱いです。こういうところはだいたいお湯の温度が43℃~44℃ぐらいの設定になっています。
銭湯の場合は脱衣所にも暖房器具が入っているので温度差は少ないですが、これがご自宅だとしたらお湯の温度と脱衣所の温度差は30℃近くにもなり、体への負担は甚大です。
脱衣所と浴室を温めておくことで温度差を少なくできますし、お湯の温度を高く設定しなくても暖かく感じるようになります。理想的なお湯の温度は38℃~40℃です。
2-1. 浴室暖房換気乾燥機
出典:浴室換気乾燥機|Panasonic
脱衣所だけでなく浴室内の温度もヒートショックの要因となるため、同時に対策をしておかなくてはいけません。浴室内を暖めるには入浴前にシャワーを出しておいたり、湯船にお湯を溜めておく方法もありますが、シャワーの出しっぱなしは水がもったいないですし、湯船のお湯は冷めてしまいます。
浴室暖房換気乾燥機であれば、タイマーで入浴前に浴室を温めておくことができるのでシャワーだけの利用時にも寒くありません。
浴室暖房換気乾燥機はヒートショック対策だけではなく、浴室内に洗濯物が干せてカラッと乾くことや浴室内のカビ対策、そしてオプションでミストサウナなどを楽しめるなどのメリットがあります。
関連記事:冬に洗濯物が乾かない!洗濯物を早く乾かす3つのコツとおすすめリフォーム
浴室乾燥暖房機で脱衣室もホカホカに
浴室だけを温めるなら、浴槽のフタを開けたままお湯を張ることでも効果はあります。でも、それでは脱衣室を温めるまでは難しいですね。
浴室乾燥暖房機なら入浴前に浴室のドアを開けて、脱衣室と浴室を同時に温めておくことができます。その場合はお風呂のフタを閉めておけば、余計な湿気を脱衣室に入れることも防げます。
また脱衣室の温度低下を防ぐために、内窓を設置したり、床下から断熱材を補強したりという手段もあります。手軽に快適性能を上げられるプチリフォームとして、いかがでしょうか。
監修者:高橋 みちる(一級建築士)
3. 食後や飲酒後の入浴は避ける
食後や飲酒後は血圧が上昇しているので、入浴は体の負担になります。体温も上がっているので、余計に脱衣所との温度差ができて危険性が高まります。食後や飲酒後は数時間空けるか、翌日に入浴するようにしましょう。入浴したい時間から逆算して食事や飲酒の時間を設定したり、水分をしっかりとっておくことも大切です。
脱衣所が寒いと危険なので暖房を利用しましょう
冬の脱衣所の寒さはつらいだけではなく命の危険がありますので、暖房は必ず使うほうが良いです。今はお手頃価格で暖房器具が購入出来ますので、まずは取り入れてみることをおすすめします。
築年数が経過した住宅の脱衣所は隙間風や断熱材の劣化などで余計に寒く、窓がある場合はより気温が低くなりますので、窓の交換や床材の交換なども考慮されることをおすすめします。
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寒い冬は危険!ヒートショックから身を守る3つのおすすめリフォーム
浴室も温めたり、室内干しや浴室のカビ対策としていろんな役に立つような設備がよければ浴室暖房換気乾燥機の設置と言う方法もありますので、複数の業者に見積もり依頼をしてリフォーム費用を比較検討してみてくださいね。
浴室暖房換気乾燥機をお得に設置したい時は?
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アールイーデザイン一級建築士事務所代表。
住宅業界で新築・リフォームの営業・設計・現場監理などを経験。
これまで3000件以上の現場を見ながら、「永く、快適に住み続けるためにはどうしたらいいのか?」を常に探求し続け、リフォーム提案を行っている。
また、現在は執筆活動や企業向けの社員研修、一般向けの講演会なども全国各地にて実施。
著書「やらなければいけない一戸建てリフォーム」(自由国民社、2020年7月発売)
【保有資格】
- 一級建築士(登録番号:第331817号)
- 既存住宅状況調査技術者(証明書番号:第02201400260号)
- 住宅性能評価員(終了証番号:第02170424号)
- インテリアコーディネーター(登録番号:011961A)
- 福祉住環境コーディネーター2級(証書番号:05201851)
- 震災建築物応急危険度判定士(認定番号:730220552)
【所属】
- アールイーデザイン一級建築士事務所:代表
- JIO|株式会社日本住宅保証検査機構:検査員 及び 評価員
- 三井ホーム株式会社:リフォームプランナー
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高橋みちる|リフォームコンサルタント|note
利用会員数260,000人、登録リフォーム会社数1,400社を超える日本最大級のリフォームマッチングサイト「家仲間コム」を運営するリフォーム専門家集団の編集部が、一般的なリフォームの情報を纏めた簡易的な記事ではなく、実際の見積情報や価格相場に基づいた読者に役立つ、価値ある情報をお届けしています。
大永 和弘 (おおなが かずひろ)
大学卒業後、カーテンレールシェアNo1の内装材メーカートーソー株式会社にて、7年間勤務。
入社後は、大手ハウスメーカーやリフォーム会社、工務店、内装工事業者など約200社を担当。その際に新築住宅やリフォーム住宅など数多くの現場を経験。
関連するテーマの見積もり依頼
脱衣所 | ¥60,000 ~ ¥72,000 |
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浴室の扉交換と脱衣所の床修理 | ¥31,000 ~ ¥37,000 |
脱衣場の床の修理 | ¥100,000 ~ ¥120,000 |
巾木の補修(洗面所の洗濯機前) | ¥11,000 ~ ¥35,000 |
脱衣所の床(2畳くらい)を修理したい | ¥30,000 ~ ¥80,000 |
※価格はこの依頼での一般的な価格相場です。
脱衣室には専用コンセントを
寒い脱衣室に、簡易に温めることができるヒーターを設置できたらいいですね。ここで気を付けたいのは、ヒーターは電力消費量が大きいものが多いということ。ヒーターをつけたらブレーカーが落ちた!となっては、不便が生じてしまいすね。
全体のブレーカーが落ちてしまうのは、電力会社との契約電力を上げるしかありませんが、特定のブレーカーのみが落ちる場合は、新たに専用回路を引いてコンセントを分けることで防ぐことができます。
洗濯機に乾燥機能や温水機能がある場合は、消費電力も大きくなっています。洗濯機やドライヤーとは分けた専用コンセントを、リフォームで追加できれば安心ですね。
監修者:高橋 みちる(一級建築士)