床暖房リフォームの流れとは|戸建てとマンションの施工例を調査

床暖房リフォームの流れとは|戸建てとマンションの施工例を調査

足元からじんわり暖めてくれる床暖房は、冷え性の方に最適で、空気も汚さず、部屋も広く使えてとてもオススメの暖房器具です。今回は、床暖房リフォームの流れと実際の施工例を調べてみました。まずはこの記事のポイントをまとめました。

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POINT この記事のポイント

・床暖房リフォームは「フローリング張替え」か「既存床に新フローリングを貼る」
・床暖房リフォームの際には確認すべき点・注意点がいくつかある
・床暖房リフォームの最多価格帯は約60万円~80万円

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床暖房で冬を快適に

床暖房は足元から暖かく、とっても心地いいですよね。暖房の種類には大きく分けて2種類、エアコンのように空気を暖める方法と、床暖房のように暖かい物体から熱線を放射させる方法があります。最近のエアコンは省エネ性能は向上していますが、気密性が低い家では暖めた空気が逃げやすく、不快な隙間風が生じたり熱効率も下がってしまいます。その点床暖房なら、どんな家にもポカポカと暖かい快適な空間をつくれるのです。

監修者:高橋 みちる(一級建築士)

戸建て住宅の床暖房リフォームの流れ

床を張替えるには、「フローリングを張り替える方法」「既存の床の上から新しいフローリングを貼る方法」の2つの方法があります。 どちらも、床暖房対応のものであれば、フローリング、タイル、カーペット、畳などの床材を選ぶことができます。

1. フローリングを張り替える方法

フローリングを同じ位置に張るため、段差がつく心配がありません。施工期間は3~4日程度です。既存フローリングの撤去処分、新規フローリング貼り替えの費用がかかります。

2. 既存の床の上から新しいフローリングを貼る方法

張り替える方法と比べて床を剥がす手間がかからないため、比較的、安価に施工でき、施工期間も1~2日で完成です。現在の床よりも約3cm高くなりますが、スロープを使うなど段差を意識させない工夫で解消されます。

施工の流れ

【既存の床の上から張る方法、ガス床暖房の場合】

①既存の床の補強
床暖房の熱によって既存の床が床鳴りしないよう、下地補強用のビス打ちをします。

②床下に温水を通すチューブを配管
床下に断熱チューブを配管し、ガス熱源機から断熱ペアチューブを配管します。

③温水パネルを敷き詰める
既存の床の上から床暖房パネルを設置します。

④温水チューブと温水パネルをつなぐ
床下に配管した断熱ペアチューブと温水パネルを接続します。

⑤ダミーパネルを敷く
床暖房は床面積の50~70%にしか敷かないため、温水パネルの周辺に同じ厚さのダミーパネルを敷き詰めて、床の高さを揃えます。

⑥床材を敷き詰める
温水パネルの上に床暖房対応の床材を敷き詰めます。

⑦リモコンの取り付け
床暖房リモコンの配線と取り付けを行います。

⑧水漏れのチェック
温水チューブや温水パネルから、水が漏れていないかの検査をします。

⑨配管接続
床暖房の熱源機を設置して温水配管を接続し、圧力テストと試運転をして設置完了。

マンションの床暖房リフォームの流れ

マンションの床暖房リフォームは、基本的に既存の床の上からフローリングを貼る方法になります。 戸建住宅と違い、フローリング下に空間がないためです。また、給湯器のスペース等も限られている場合が多いので、給湯器は床暖房対応のものに入替えることもあります。(ただし、温水暖房付給湯器は使用可能) 

段差が生じてしまうため、スロープを使うなどの工夫が必要になります。

床暖房の設置面積は?

床暖房の設置面積は、部屋の広さの60~70%が快適な床暖房の目安です。60%以上敷き詰めると効果が発揮されます。マンションなどの集合住宅の場合は気密性が高いため、50%以上が目安です。

床暖房リフォームの際に確認すること

■床暖房を設置する場所
設置エリアを複数にわけるなどの工夫で、ランニングコスト(燃料費)を安く抑えることができます。

■設置面積
床暖房を主暖房として使う場合、部屋全体の60~70%に設置すると効率よく暖まります。

■電気容量
電気式床暖房の場合、運転開始時に最もパワーが必要になる「突入電力」で急激に電気容量を使います。それだけの容量があるかどうか確認し、場合によっては容量を増やす必要があります。

■床下の確認
床下に断熱材が入っていないと、せっかくの床暖房の効率が下がってしまいます。また、配管の位置やスペースの確認も必要です。

■熱源を設置するための屋外スペース
設置スペースと周りの状況の確認が必要です。海に近い場合は耐塩害仕様のものを使います。

■リモコンの設置場所
リモコンの設置と配線の場所の確認を行います。

床暖房を効率よく使うためのリフォーム

床暖房を効率良く使うためには、ランニングコスト(燃料費)を安くする工夫が必要です。床暖房は、床からの遠赤外線で壁や天井を暖め、部屋の中を遠赤外線で包み込んで温める暖房方法です。

のため、断熱がされていない壁面だと、床から放射された遠赤外線が冷たい壁に吸収されることになり、暖めるために多くのエネルギーが必要になります。床暖房リフォームの際には、家の中の断熱性をチェックしましょう。

壁の断熱材を厚くしたり、窓を二重ガラスにするなど、床暖房リフォームと同時に施工することで、床暖房の効果がより発揮され、ランニングコスト(燃料費)も安く抑えられます。

住宅金融支援機構の新省エネ基準「新フラット35S」の基準を満たせば、低金利融資制度の対象になりますので、相談されてみてはいかがでしょうか。

床暖房の上手な使い方

初期費用や光熱費がかかるイメージの床暖房ですが、上手に使うことで節約もできますし、なにより寒い季節を快適に過ごせます。

●カーペットのダニ退治に
ダニが繁殖しやすいカーペットですが、床暖房の上に敷くことでダニ中から表面へ逃げ出します。あとはカーペットの上から掃除機をかければ簡単にダニ退治できます。ただし、床暖房の上に敷くカーペットは床暖房対応の物を選びましょう。


●余熱をうまく使って節約
床暖房は運転スイッチをOFFにした後も、余熱でしばらくは設定温度近くを保ち続けます。ランニングコストを抑えるためにも早めにOFFにしておくことで節約になります。

●すぐに暖めたい時は

朝の起床時などは、タイマーで早めにONにしておくことで、起きたときには快適な温度にしておくことができます。帰宅時など、どうしても早く暖めたい場合は、エアコンなどの暖房器具と一緒に使っても良いでしょう。ただし、他の暖房器具を使えば光熱費は上がりますので、床暖房が暖まってきたら他の暖房器具は消しましょう。

床暖房リフォームの注意点

床暖房リフォームの注意点

■床材に注意
床暖房を設置する際の床材には、耐熱性があって熱伝導率の良いものを使用する必要があります。一般的なフローリングは、熱に弱く、反りや割れが発生したり、隙間があいたりする場合があるので、床暖房対応のものを使用しましょう。最近では、畳やタイル、コルクなどの床材でも床暖房に対応している商品が出ています。

■床暖房を設置する場所や広さ
床暖房は、全体に設置する必要はなく、部分的に設置します。ソファーやベッドの下に設置してもあまり意味がないですし、施工費や光熱費もかかってきます。床暖房リフォームを行う際は、設置する場所や広さをよく検討しましょう。

■床暖房の上に物を置くときは
床暖房を設置した場所に木製品を直接置くと、その部分に熱がこもり、木製品に変形やひずみが生じたり、床材が変色してしまう場合があります。高価な家具や、精巧な調度品などを置く場合は、直接置かず、下に板などを1枚敷くようにしましょう。

じゅうたんや厚手のカーペット、座布団なども熱がこもりやすいので、床暖房を利用する際にはこれらの使用はなるべく控えるか、床暖房対応の素材のものを使用しましょう。

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床暖房にするなら床下の断熱も忘れずに

床暖房は足元からポカポカと暖まり、まさに頭寒足熱の快適な暖房方法ですね。しかしせっかく床を暖めても、床下にしっかり断熱材が入っていなければ、熱は床下にも逃げてしまいます。暖房にかける光熱費を逃がしてしまうなんて、もったいないですよね。プロに相談する際は現在の床下の断熱状況を調べてもらい、必要があれば断熱材の補強工事も依頼できるよう、予算に余裕を持たせておけるといいですね。

監修者:高橋 みちる(一級建築士)

床暖房リフォームの費用相場と施工例

価格相場 価格相場

床暖房リフォームの価格は、床暖房の内容や使用する床暖房設備、工法や面積、そして現状などによって変わります。最低価格は30万円~、最多価格帯は60万円~80万円が一般的な相場となります。それでは、実際に家仲間コムに寄せられた施工例を見てみましょう。

■電気式床暖房の取り付け
築20年、2階建て、10畳の居間
50万円~80万円

■リビングの床暖房リフォーム
築22年、木造2階建て、約12畳のリビング
50万円~80万円
(床張替えで床下に断熱材を敷き込み、電気式での見積もり)

■リビング・キッチンにガス温水床暖房を設置したい
新築、木造2階建て、約12畳のリビングキッチン
60万円(電気式)~140万円(温水床暖房)

■リビングに床暖房を設置
築15年、マンション、10畳のリビング
115万円~138万円
(電気床暖房、床下地工事、フローリング工事の見積もり)

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監修者プロフィール
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一級建築士

高橋 みちる (たかはし みちる)

WEBサイト


アールイーデザイン一級建築士事務所代表。

住宅業界で新築・リフォームの営業・設計・現場監理などを経験。
これまで3000件以上の現場を見ながら、「永く、快適に住み続けるためにはどうしたらいいのか?」を常に探求し続け、リフォーム提案を行っている。
また、現在は執筆活動や企業向けの社員研修、一般向けの講演会なども全国各地にて実施。

著書「やらなければいけない一戸建てリフォーム」(自由国民社、2020年7月発売)

【保有資格】

【所属】

noteにてリフォームに関するお役立ち情報を発信中!
高橋みちる|リフォームコンサルタント|note

編集責任者プロフィール
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編集責任者

家仲間コム編集部

プロフィール


利用会員数260,000人、登録リフォーム会社数1,400社を超える日本最大級のリフォームマッチングサイト「家仲間コム」を運営するリフォーム専門家集団の編集部が、一般的なリフォームの情報を纏めた簡易的な記事ではなく、実際の見積情報や価格相場に基づいた読者に役立つ、価値ある情報をお届けしています。

執筆者プロフィール
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大永 和弘 (おおなが かずひろ)


大学卒業後、カーテンレールシェアNo1の内装材メーカートーソー株式会社にて、7年間勤務。
入社後は、大手ハウスメーカーやリフォーム会社、工務店、内装工事業者など約200社を担当。その際に新築住宅やリフォーム住宅など数多くの現場を経験。

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