ガスコンロの火がつかない|故障が疑われる場合の8つのチェックポイントを解説
ガスコンロは火を扱うため、何か異変を感じた場合そのままにしておくのは大変危険です。ガスコンロの耐用年数はおおよそ10年で、2008年以前のガスコンロには安全機能が装備されておらず火災のリスクが高まります。古いガスコンロをお使いの場合は、住宅火災を防止するためにもガスコンロの交換をしておきましょう。この記事で詳細を説明していきますが、まずはこの記事で紹介している内容の結論を簡単に記載します。
POINT この記事のポイント
・「点火しない」「点火してもすぐ消える」「点火するが、点火スイッチを離すと火が消える」「ガスの炎の色が赤っぽい」などの症状がある場合には、ガスコンロの故障が疑われる
・2008年以前のガスコンロには安全装置が搭載されていないため、早急に交換するのがおすすめ
・ガスコンロの修理費用は、約10万円~25万円が相場
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ガスコンロの故障?こんな症状ありませんか?
ガスコンロが故障している場合は、主に画像のような症状が現れます。これらの症状は、ガスコンロの8つのチェックポイントを参考に状態を確認して汚れなどを取り除くことで改善される場合が多いです。
・ガスの匂いなど異臭がする
ガスの匂いなど異臭がする場合は、注意が必要です。慎重に行う必要がありますので、別で確認ポイントと対処法を解説します。
ガスコンロの故障が疑われる場合の8つのチェックポイント
ガスコンロの故障かな?と思われる次の症状には、共通のチェックポイントがあります。
・点火しない
・点火してもすぐ消える
・点火するが、点火スイッチを離すと火が消える
・ガスの炎の色が赤っぽい
このような症状が起きた場合には、まずは下記の8つのチェックポイントを確認してみましょう。
1. 電池切れ
ガスコンロの点火に関する不具合は、乾電池の寿命の場合も多いです。ガスコンロはガスだけを使っているわけではなく、着火には乾電池を使用して火花を起こして火をつけます。乾電池切れの場合は事前に乾電池ケース付近のランプが点灯しますので、新しい乾電池に交換してください。
ガスコンロに使用される乾電池の多くは「単一電池」(大きいサイズの電池)で、使う頻度の高いガスコンロには長持ちする「アルカリ乾電池」がおすすめです。
2. 点火プラグ周辺の汚れ
ガスコンロは、調理中の吹きこぼれや飛び跳ねなどでよく汚れます。ガスコンロのバーナーキャップ・点火プラグなど、コンロの熱源周辺にコゲなど汚れがこびりついていないか確認しましょう。
ガスコンロを使い終わったら、濡れ雑巾やキッチンペーパーでさっと全体を拭き、熱い部分は冷めてからブラシなどでこすってお手入れをしておくと、不具合が出にくくなります。特にコゲやこぼした料理などがそのままだと不衛生なだけでなく、火が燃え移ることもあり危険です。
3. バーナーキャップのズレや歪み
バーナーキャップは鍋を置く部分にある部品で、お手入れや調理器具を動かす際に当たったりしてズレることがあります。筆者宅でも時々フライパンがバーナーキャップに当たってズレてしまい、点火しないことがあります。
バーナーキャップには「前・うしろ・▲」など取り付け位置の目印がありますので、位置を合わせて手で簡単に元の位置に戻すことができます。火傷しないよう必ず冷めている状態で触ってくださいね。
4. 水がかかっていないか
洗ってすぐの調理器具をそのままガスコンロに置くと、水滴がついてすぐ火が消えてしまうことがあります。一部にだけ火がついて一部が消えている場合も同様の原因が考えられますので、調理器具を洗ったあとは軽く拭いてからガスコンロの上に置くと安心です。
5. 温度センサー・立ち消え安全装置の作動
ガスコンロには、新しい機種になるほど安全性を高めるための機能がついています。「立ち消え安全装置」は、ガスコンロの熱源部分にあるペン先のような突起部分で、調理中の吹きこぼれなどで火が消えてしまった場合に、安全のため自動でガスを止める機能です。
「温度センサー」は熱源の中央に飛び出ている細い筒のような部分で、火をつけたままの状態で高温になりすぎないよう自動的に火を消します。これらの装置も汚れていると誤作動を起こすことがありますので、まずは汚れを落として点火するかどうかを確かめてみましょう。
6. チャイルドロックがかかっていないか
お子様が誤って触ってしまわないよう、ガスコンロにチャイルドロック機能が装備されている機種があります。何かの拍子に設定されていることがありますので、こちらも確認してみましょう。
チャイルドロックは、操作パネル部分にありますがメーカーによって操作方法が異なります。一般的に多いチャイルドロックの操作方法は下記の2パターンです。
・スライドさせてロック/解除する(ボタンが少し固い)
・ボタンを3秒長押ししてロック/解除する
7. ホースのねじれや緩み
ガス元栓とガスコンロはホースでつながっていますが、お手入れの際にガスコンロを動かすことがあるとねじれたり緩んでくる場合があります。また、ホースは消耗品ですので劣化してきます。ひび割れや変色などが起こっている場合も、新しいホースへ交換が必要です。
8. エアコン・扇風機・加湿器の使用
火がすぐ消える場合、エアコンや扇風機の風がガスコンロに当たっている可能性がありますので風向きを変えてみましょう。また、ガスの火が赤やオレンジ色の場合は加湿器が影響していることがあります。
加湿器に使う水道水にはアルカリ性の金属が微量に含まれており空気中に広がりますが、その成分がガスと反応して炎が赤やオレンジ色になることがあるのです。これを「炎症反応」と言います。加湿器の使用を中止して、炎が青い色になれば正常運転しています。
ガスコンロで異臭がする場合は要注意!
ガスコンロからガスの匂いがする場合は要注意です。
1. 電気系統のスイッチに触らない
まず、すべての電気系統のスイッチには触らないでください。
・ガスコンロのスイッチ
・レンジフード(換気扇)のスイッチ
・部屋の電気スイッチ
など
万が一ガス漏れしている場合、スイッチのオンオフの際に発生する静電気により引火の恐れがあります。レンジフードがすでに作動している場合はそのままにして触らないようにしましょう。当然ながらこのような場合は火気厳禁ですので、ライターやタバコなども使用しないでください。
2. 窓を開けて換気
スイッチを入れないよう注意しながら、窓をそっと開けて換気をします。
3. 早急に業者を呼ぶ
ここまでを素早く行い、至急ガスコンロ業者に連絡をしてください。ガスコンロにはガス漏れなどにすぐ対応できるよう連絡先が記載されたシールが貼ってあります。
ガスコンロの修理費用目安
ガスコンロの修理費用には【出張費+技術料(修理費用)+部品代】がかかります。
修理費の内訳 | 修理費用目安 |
---|---|
出張料 | 2,500円~4,500円 |
技術料 | 1,500円~35,000円 |
電装基板や圧電装置といった、ガスコンロ内部の電気系統を修理する必要があると修理費用が上がります。部品代は、バーナーキャップなどの手で外してお手入れできるようなものであれば1,500円程度ですが、分解しなければいけないような部品はもう少し費用がかかりますので、事前に見積もりをもらいましょう。
ガスコンロの交換費用目安
ガスコンロの交換費用はどのグレードのガスコンロ本体を選ぶかによって変わってきますが、約10万円~25万円が目安です。上位モデルの場合は、安全機能の豊富さやお手入れのしやすさに加えてデザイン性も優れていますので、どの程度の機能と見た目を求めるかよく検討しましょう。ガスコンロは、設置業者さんによる割引がありますのでお得ですよ!
2008年以前のガスコンロは早めに交換を!
「温度センサー」や「立ち消え安全装置」などの安全機能は「Siセンサー(エスアイセンサー)」と言い、2008年に国による安全基準に基づいてガスコンロ全機種に搭載が義務づけられました。
安全機能は2008年以前のガスコンロには搭載されていませんので、火災防止の観点からも新しいガスコンロへの交換を強くおすすめします。住宅火災の出火原因はコンロが最も多いというデータがあります。
参照:STOP!コンロ火災|東京消防庁
1. 国によって義務付けられた安全機能
国の安全基準に基づいて義務付けられた安全機能は下記の4種類です。
安全機能 | 内容 |
---|---|
立ち消え安全機能 | 鍋底の温度が約250℃になるとセンサーが感知して自動的に消火 |
調理油加熱防止機能 | 火が消えた際に自動的にガスを止める |
消し忘れ防止機能 | 一定時間が経過すると自動消火 |
早切れ防止機能 | 鍋底が約250℃になっても消火せず、自動で火力を調節して早切れを防ぐ |
2008年以降に発売されているガスコンロにはすべて搭載されています。
2. メーカー独自の安全機能
安全機能には他にも下記のような種類があり、メーカーによってすべてのガスコンロに標準装備されている場合と、機種によって装備内容が異なる場合があります。
安全機能 (メーカーにより名称が異なる) |
内容 |
---|---|
チャイルドロック | 誤操作やお子様のいたずらによる点火を防止 |
焦げつき消火機能 | 鍋底が焦げ始めたら自動で消化 |
グリル防炎機能 | 魚焼きグリルの排気口から炎が出るのを防ぐ |
鍋なし検知機能 | 鍋を置いていないと点火しない 鍋を持ち上げると弱火になる 一定時間、鍋が乗っていないと自動消火 |
感震停止機能 | 震度4相当の揺れを感知すると自動的にガスを遮断 |
ガスコンロの寿命は1年程度
ガスコンロはシンプルな機能のものは比較的長持ちしますが、1年を過ぎるといろいろな部品が劣化していきます。鍋からのふきこぼれなどによって目が詰まったり、不完全燃焼なども起こりやすくなります。また、古くなるとメーカーでも部品の保管期限切れにより修理不能となってしまう場合もあります。 上記の通り、28年以降のガスコンロには安全センサーもついていますので、この際新しいコンロに買い替えるのもいいかもしれませんね。
監修者:高橋 みちる(一級建築士)
ガスコンロの取り扱いメーカー上位モデルをご紹介!
では、安全性能が高く、操作性や便利機能も豊富なガスコンロの3大メーカー上位モデルをご紹介します。
スタイリッシュ ブリンク|ノーリツ
出典:オートグリル機能付き無水両面焼ワイドグリル「スタイリッシュ ブリンク」|ノーリツ
ノーリツのガスコンロ上位モデルの「スタイリッシュブリンク」です。「鍋無し検知機能」「感震停止機能」が追加されています。オートタイマー付きで自動調理ができ、親水アクアコートにより汚れがつきにくくお手入れも簡単!
グランドシェフプレミアム|パロマ
出典:グランドシェフプレミアム|パロマ
パロマのガスコンロの上位モデル「グランドシェフプレミアム」です。「あんしんモード」という消し忘れ防止機能が装備されています。
ラクシエプライム|リンナイ
出典:ラクシエプライム|リンナイ
リンナイのガスコンロ上位モデル「ラクシエプライム」です。「鍋無し検知機能」「感震停止機能」が追加されています。左右のコンロが別々に温度設定でき、タイマーセットも同時に行えるので調理が楽になります。
ガスコンロの故障は早めに修理・交換して火災リスクを軽減!
ガスコンロの修理交換費用の見積もりを依頼する際は、一括見積りが便利です。火を扱うガスは故障したまま使い続けていると、火災の原因につながり大変危険です。故障かな?と思った場合は早急に修理してもらいましょう。
家仲間コムの見積もりサイトには約1000社の登録業者さんがいて、ガスコンロを交換する場合には大幅値引きをしてくれることもありお得です。また、匿名・無料で見積もり依頼ができるのでしつこい勧誘などもありません。
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アールイーデザイン一級建築士事務所代表。
住宅業界で新築・リフォームの営業・設計・現場監理などを経験。
これまで3000件以上の現場を見ながら、「永く、快適に住み続けるためにはどうしたらいいのか?」を常に探求し続け、リフォーム提案を行っている。
また、現在は執筆活動や企業向けの社員研修、一般向けの講演会なども全国各地にて実施。
著書「やらなければいけない一戸建てリフォーム」(自由国民社、2020年7月発売)
【保有資格】
- 一級建築士(登録番号:第331817号)
- 既存住宅状況調査技術者(証明書番号:第02201400260号)
- 住宅性能評価員(終了証番号:第02170424号)
- インテリアコーディネーター(登録番号:011961A)
- 福祉住環境コーディネーター2級(証書番号:05201851)
- 震災建築物応急危険度判定士(認定番号:730220552)
【所属】
- アールイーデザイン一級建築士事務所:代表
- JIO|株式会社日本住宅保証検査機構:検査員 及び 評価員
- 三井ホーム株式会社:リフォームプランナー
noteにてリフォームに関するお役立ち情報を発信中!
高橋みちる|リフォームコンサルタント|note
利用会員数260,000人、登録リフォーム会社数1,400社を超える日本最大級のリフォームマッチングサイト「家仲間コム」を運営するリフォーム専門家集団の編集部が、一般的なリフォームの情報を纏めた簡易的な記事ではなく、実際の見積情報や価格相場に基づいた読者に役立つ、価値ある情報をお届けしています。
大永 和弘 (おおなが かずひろ)
大学卒業後、カーテンレールシェアNo1の内装材メーカートーソー株式会社にて、7年間勤務。
入社後は、大手ハウスメーカーやリフォーム会社、工務店、内装工事業者など約200社を担当。その際に新築住宅やリフォーム住宅など数多くの現場を経験。
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ガスコンロのみ交換 | ¥88,000 ~ ¥110,000 |
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流し台とコンロ台を交換したい | ¥25,000 ~ ¥800,000 |
トイレの交換工事 | ¥39,000 ~ ¥47,000 |
クロスの張り替え、和室の畳交換 | ¥530,000 ~ ¥580,000 |
ビルトインガスコンロとレンジフードの交換について | ¥340,000 ~ ¥510,000 |
※価格はこの依頼での一般的な価格相場です。
安全センサーは便利、でも不便?!
家庭用のガスコンロに設置が義務付けられている安全センサーですが、これによってガスコンロによる火災が減少傾向にあるようです。安心ですね。 ただこのセンサーによって、調理中に火が消えてしまったり、意図せず弱火になってしまうこともあります。鉄鍋で高火力の中華料理をするときなどにも、センサーが働いてしまうこともしばしば。 このセンサーを、火をつけている間だけ一時的に解除することもできます。操作方法は機種によりますので、ぜひマニュアルを確認してみてくださいね。
監修者:高橋 みちる(一級建築士)