すべり出し窓のメリット・デメリット|効率よく風を取り込む方法を紹介
すべり出し窓は狭いスペースにも設置ができて、見た目にもおしゃれでスタイリッシュな外観になるため人気があります。今回はすべり出し窓のメリット・デメリットや、すべり出し窓を設置するにあたって気になる疑問にお答えします。後ほど詳細を説明していきますが、まずはこの記事で紹介している内容の結論を簡単に記載します。
POINT この記事のポイント
・すべり出し窓のメリットは、「効率よく通気できる」「狭いスペースでも設置可能」「防犯性が高い」「見た目がおしゃれ」「雨が入り込みにくい」「気密性が高い」の6点
・すべり出し窓のデメリットは、「大きな窓は設置できない」「防犯面で油断してしまう」の2点
・すべり出し窓の設置がおすすめなのは、廊下や階段の踊り場・吹き抜けスペースの天窓や高窓・トイレ、洗面、浴室などの水回りなど
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すべり出し窓ってどんな窓?
出典:すべりだし窓「マディオ」|三協アルミ
窓にもいろいろな種類がありますが、その中に「すべり出し窓」という窓があります。左右に引く窓と違い、すべり出し窓は、縦または横の軸を基準に外へ窓が開くタイプです。開く幅を決められるので、少しだけ開くタイプなら防犯効果を高められる点が特徴。取り付け場所は、天窓・高窓・キッチンの勝手口など、高いところや狭い場所にも設置可能です。開き方は手動と電動タイプがありますので、手が届きにくい場所でも安心です。
すべり出し窓のメリット
すべり出し窓のメリットは主に上記の6点です。順番に詳しく見ていきましょう。
1. 効率よく通気できる
出典:エピソードNEO たてすべり出し窓|YKKap
すべり出し窓はその構造上、縦または横に90度まで開きますが、風が窓ガラスに当たることで室内に効率良く風を取り込むことができます。風が壁に沿って吹いている場合、一般的な左右に引くタイプの引違い窓では風が通り過ぎてしまいますが、すべり出し窓は窓ガラスにぶつかって風が室内に入り込んでくるイメージです。特に住宅密集地では建物と建物の間に十分なスペースを取ることが難しいので、すべり出し窓を設置して効果的に風を取り込んで通気性を良くしておきましょう。
2. 狭いスペースでも設置可能
出典:すべりだし窓「APW33」|YKKap
すべり出し窓は、狭いスペースでの設置が可能です。引き違い窓だと2枚の窓ガラスを設置するため横幅が広く必要ですが、すべり出し窓は一枚分のスペースがあれば良いのが魅力!メーカーによって多少異なりますが、引き違い窓は最も狭くて約600mm、縦滑り出し窓であれば約260mm程度から設置可能です。
3. 防犯性が高い
すべり出し窓は開口スペースを調節することができ、人が入り込めるほどの隙間を作らなければ引違い窓よりは防犯性は高いと言えます。とはいえ、犯罪者がどのような手段で侵入を試みるかはわかりませんので、防犯対策はしっかりしておきましょう。
4. 見た目がおしゃれ
出典:すべりだし窓「マディオ」|三協アルミ
すべり出し窓は引違い窓と比べるとスタイリッシュでおしゃれな印象を与えます。実用面では引違い窓を採用し、家の狭い場所やアクセントとしてすべり出し窓も組み合わせると外観に動きが出るのでおすすめです。
5. 雨が入り込みにくい
出典:すべりだし窓「マディオ」|三協アルミ
すべりだし窓には、縦すべり出し窓と横すべり出し窓の2つがあります。横すべり出し窓は、窓枠上部を軸として下から上に外に開くタイプですので、庇のような役目を果たし雨が入り込みにくい特徴があります。
6. 気密性が高い
すべり出し窓は隙間が少ないため気密性に優れています。高断熱以外の引違い窓よりは断熱効果も高いので、北向きや日当たりの良くない場所へ設置して断熱性を高めましょう。
すべり出し窓のデメリット
すべり出し窓のデメリットは主に上記の2点です。
1. 大きな窓は設置できない
すべり出し窓は、縦または横の軸部分で窓ガラスを支えるため、耐荷重量の関係上あまり大きなサイズの窓は設置できません。そのため小さいサイズで狭い場所への設置ができるので、引違い窓を設置する場所とすべり出し窓を設置する場所とを組み合わせると良いでしょう。
2. 防犯面で油断してしまう
すべり出し窓は引き違い窓と比べると侵入しにくいのですが、犯罪者はどのような手段を使って侵入してくるか分かりません。油断してすべり出し窓を開けっぱなしで外出してしまったり、いつも開け放したままにしておくのは要注意!すべり出し窓は住宅の裏側や隣家との境界面、トイレや洗面所といった水回りに使用されることも多く、人目につきにくい場所へ設置されることもあります。防犯性は十分高めておくほうが安心です。
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すべり出し窓の5つの疑問を解決!
すべり出し窓を設置するにあたり、お問い合わせの多い疑問についてお答えします。
・どんな場所に向いてる?
・網戸の取り付けはできる?
・カーテンはどうする?
・お掃除がしにくいのでは?
・雨戸やシャッターの取り付けはできる?
レイアウトなどのご参考になさってください。
1. どんな場所に向いてる?
すべり出し窓は狭いスペースへ設置できる点がメリットですので、下記のような場所への設置がおすすめです。
・廊下や階段の踊り場
・吹き抜けスペースの天窓や高窓
・トイレ、洗面、浴室などの水回り
・その他、換気をしたい狭い場所
トイレ、洗面、浴室などの水回りは開口スペースを小さくし、外部からの不法侵入や覗き対策を高めておきましょう。高所への取り付けも可能ですが、手が届かない場所には電動タイプのすべり出し窓を採用しておくと開閉が楽になります。
2. 網戸は取り付けできる?
すべり出し窓にも網戸は取り付け可能です。すべり出し窓は外側へ開くタイプの窓ですので、網戸を取り付けるなら内側への設置になります。狭小スペースでも取り付け可能な「ロール網戸」や「プリーツ網戸」「ブラインド網戸」などがおすすめです。
3. カーテンはどうする?
出典:ロールスクリーン「マイテックシーズ」|TOSO
上下に開閉するタイプのウィンドウトリートメントにすればスッキリと見えるでしょう。おすすめは下記の2種類です。
・ロールスクリーン
・ローマンシェード
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4. お掃除がしにくいのでは?
出典:すべりだし窓のお掃除モード|YKKap
すべり出し窓は一階にあれば外に周って掃除をすることができますが、2階など高所にあると手が届きませんよね。メーカーによってはお掃除モードという機能を設定してある商品があり、窓ガラスを平行にして手を入れて拭き掃除をすることができます。
5. 雨戸やシャッターの取り付けはできる?
出典:装飾窓用シャッター|三協アルミ
すべりだし窓は外に開くタイプの窓ですので、雨戸やシャッターの取り付けができないと思われますが、実はシャッターの取り付けができる商品があります。
すべり出し窓まとめ
窓には多くの種類がありどこにどのタイプの窓を取り付けようか迷いますが、今回の記事をご参考にすべり出し窓も取り入れて家の中の通気性をアップさせましょう!
リフォームで窓の位置や大きさを変えてみよう
住み始めてから、「ここに窓があれば…!」と思うことって、ありますよね。設計の段階ではイメージしにくかった日当たりや眺望、風通しなど、住むことで最適解が見えてくることは多いものです。そんなときは、リフォームで窓を変更してみるのはいかがでしょうか。窓がついている外壁は、耐震壁であったり断熱材が入っていたりします。ぜひ信頼できるプロに相談し、間違いのない計画を立ててもらいましょう。
監修者:高橋 みちる(一級建築士)
すべり出し窓を上手に取り入れるには?
すべり出し窓を上手に取り入れるには、窓の取り扱い経験が豊富な業者さんに相談することです。立地や周囲の環境を合わせて考え、防犯面も強化してすべり出し窓を設置してみましょう。
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アールイーデザイン一級建築士事務所代表。
住宅業界で新築・リフォームの営業・設計・現場監理などを経験。
これまで3000件以上の現場を見ながら、「永く、快適に住み続けるためにはどうしたらいいのか?」を常に探求し続け、リフォーム提案を行っている。
また、現在は執筆活動や企業向けの社員研修、一般向けの講演会なども全国各地にて実施。
著書「やらなければいけない一戸建てリフォーム」(自由国民社、2020年7月発売)
【保有資格】
- 一級建築士(登録番号:第331817号)
- 既存住宅状況調査技術者(証明書番号:第02201400260号)
- 住宅性能評価員(終了証番号:第02170424号)
- インテリアコーディネーター(登録番号:011961A)
- 福祉住環境コーディネーター2級(証書番号:05201851)
- 震災建築物応急危険度判定士(認定番号:730220552)
【所属】
- アールイーデザイン一級建築士事務所:代表
- JIO|株式会社日本住宅保証検査機構:検査員 及び 評価員
- 三井ホーム株式会社:リフォームプランナー
noteにてリフォームに関するお役立ち情報を発信中!
高橋みちる|リフォームコンサルタント|note
利用会員数260,000人、登録リフォーム会社数1,400社を超える日本最大級のリフォームマッチングサイト「家仲間コム」を運営するリフォーム専門家集団の編集部が、一般的なリフォームの情報を纏めた簡易的な記事ではなく、実際の見積情報や価格相場に基づいた読者に役立つ、価値ある情報をお届けしています。
大永 和弘 (おおなが かずひろ)
大学卒業後、カーテンレールシェアNo1の内装材メーカートーソー株式会社にて、7年間勤務。
入社後は、大手ハウスメーカーやリフォーム会社、工務店、内装工事業者など約200社を担当。その際に新築住宅やリフォーム住宅など数多くの現場を経験。
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窓を開けて室内に外気を取り入れるのは、気持ちがいいですよね。天気の良い日は積極的に窓を開け、空気を入れ替えたいものです。風の通りが良くなるよう、入口と出口の二か所の窓を開けられればベストですが、間取りによってはそれが難しい場合もありますよね。そんなときは、縦長の窓がおススメです。縦長の窓を開けると上側から室内の暖まった空気が抜け、下側から外気の涼しい空気が入り、1窓でも効率よく換気を行うことができるのです。
監修者:高橋 みちる(一級建築士)