勝手口のリフォーム特集|断熱性と防犯性を高める方法を解説
勝手口はゴミ出しや駐車場への出入口など、移動や家事の利便性を高めてくれる住宅設備です。今回は、勝手口リフォームで断熱性と防犯性を高める方法をご紹介します。まずはこの記事のポイントを以下にまとめました。
POINT この記事のポイント
・勝手口にはメリット多数
・勝手口のデメリットは「断熱性が落ちる」「防犯面が心配」のふたつ
・勝手口のデメリットはリフォームで改善できる
・勝手口のドア交換にかかる費用目安は約10万円~30万円
勝手口のメリット
勝手口には主に上記の5つのメリットがあります。
1. ゴミ出し用の出入口
キッチンからゴミ出しをする時に、キッチンに勝手口があると便利です。外への出入口が玄関しかないと、キッチンからゴミを持って廊下を通り玄関まで運ぶという長い動線になりますが、キッチンに勝手口があるとすぐ外に出せるので、ゴミの液だれや匂いを住宅内に持ち込まずに済みます。
マンションでもキッチンからベランダに出られるように勝手口が設置されているところがあり、嫌な匂いのする生ゴミなどを手軽に外のゴミ箱へ置いて置けるので室内が快適です。
2. 洗濯物干し場への出入口
洗濯物干し場は庭やベランダから出入りする場合もありますが、外部から見えないように家の裏手などに造られてることもあります。そのような間取りの住宅では、家事の動線を効率よくするために勝手口を設けておくと洗濯物干し場への移動が楽になります。
3. 駐車場や駐輪場への出入口
駐車場や駐輪場から室内への出入りに使える勝手口があると、買い物から帰ってきた場合に荷物の運び入れが楽になります。特に毎日の食材などは買い物の頻度が高いので、キッチンとつながる勝手口があるとより便利でしょう。
4. 避難用経路
勝手口があると避難用経路としても役立ちます。万が一玄関側で火災が発生したり浸水などの自然災害が発生した場合、避難経路があると安心です。庭やベランダは必ずしも外部とつながっているわけではありませんが、勝手口は外部とつながっているので避難用経路として利用できます。
5. 採光できる
住宅密集地や住宅の北側は日当たりの良くないことが多いですが、採光のために勝手口を設ける方法があります。空気の入れ替えもしやすく湿気対策としても有効なので、カビが気になる方は勝手口を設置して通気性を良くしておくと安心です。
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1. 断熱性が落ちる
窓などの開口部は、室内の暖まった空気を逃がしたり外部の冷気を室内に取り込んでしまうなど、住宅内で最も断熱性が低い場所です。勝手口は出入りをするために面積が大きいので、断熱性を高めておく必要があります。
関連記事:家が寒い原因を解消する3ヶ所の断熱リフォーム
2. 防犯面が心配
勝手口は鍵の閉め忘れが多く、空き巣が侵入口として目をつけやすいポイントでもあります。忘れずに施錠する習慣をつけ、防犯性の高い勝手口用ドアを採用するなど防犯対策は厳重にしておくことが大切です。
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勝手口のデメリットはリフォームで改善!
勝手口のデメリットには「断熱性が落ちる」点と「防犯面が心配」である点の2つがありますが、勝手口のドアリフォームなど、改善方法を見ていきましょう。
1. 断熱性の高い勝手口ドアにリフォーム
出典:リシェント勝手口ドア|LIXIL
商品価格:17.5万円~
・アルミと樹脂のハイブリッド構造により断熱性能とデザイン性を両立
・熱を通しにくい複層ガラス
昔の住宅の勝手口は費用を抑えるためにアルミサッシや木製の簡易ドアが設置されている場合も多いですが、これでは断熱性が低くなり「勝手口から冷気が入り込んで家の中が寒い」という状態になってしまいます。
アルミは軽量で価格も安いので取り入れやすいのですが、ドアの素材としては最も断熱性が低く室内が寒い原因となります。玄関ドアや窓でも、アルミサッシを使っている場所は同様に寒さを感じます。
関連記事:
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玄関の寒さ対策には「高断熱玄関ドア」が最強!
出典:勝手口通風ドア「フレミング J」|YKKap
商品価格:12万円~
・アルミと樹脂を組み合わせた構造で断熱効果をアップ
・結露防止
・サムターン回し対策を施したダブル鍵
2. 勝手口の防犯性を高めるリフォーム
勝手口は、ちょっとゴミを捨てる間や洗濯物を干している間など、わずかの時間の出入りが多くなる場合があり、つい鍵を閉め忘れてしまうことがあります。古い住宅に設置された勝手口はドアの鍵も簡易タイプが多く、あっという間に開けられてしまいます。
また、家の裏側にあると人目につかないので空き巣の侵入口としても狙われてしまう危険性があります。勝手口の防犯性を高めるには下記の3つの対策がおすすめです。
・格子付きの勝手口ドアにリフォーム
・防犯ライトやカメラを設置する
・勝手口の外側に防犯砂利を敷く
すべて取り入れるほうが防犯対策としては効果的です。
1. 格子付きの勝手口ドアにリフォーム
勝手口のドアは採光を良くするためにガラス素材が使われることが多いですが、防犯対策として割れにくいガラスを採用した格子付きの勝手口ドアにしておくと安心です。
出典:リシェント勝手口ドア|LIXIL
商品価格:17.5万円~
・ピッキング対策万全の2ロック鍵
・破壊されにくい防犯合わせガラスを選べる
出典:高断熱勝手口ドア|三協アルミ
商品価格:7.2万~
2. 防犯ライトやカメラを設置する
勝手口の外側に人感センサー照明を取り付けておくと防犯ライトとして役立ちます。また、人目につきにくいような立地の場合は、万が一の侵入に備えて防犯カメラの取り付けも検討しておくほうが良いでしょう。
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3. 勝手口の外側に防犯砂利を敷く
手軽にできる防犯対策として、勝手口の外に防犯砂利を敷いておく方法があります。防犯砂利は人が通ると音がするので、在宅時に不審者が通った時に気づきやすくなります。防犯砂利だけでは不在時や就寝時の防犯対策としては弱いので、防犯機能を高めた勝手口ドアと共に採用しておくほうがより安心です。
関連記事:庭に最適な砂利の種類【庭のテイスト・用途別】
勝手口をリフォームするには
勝手口の断熱性や防犯性を高めるリフォームは、ぜひ行っておきたいですね。ドアを交換するには、カバー工法なら今の枠をそのままに、上から被せるだけで手軽に行うことができます。今よりも一回りサイズは小さくなりますが、コストや工期を大幅に抑えられるかもしれません。もし勝手口をなくしたいなら、小さい窓に変更するか、壁として塞いでしまうこともできます。ぜひ信頼できるプロに相談してみてくださいね。
監修者:高橋 みちる(一級建築士)
勝手口リフォームまとめ
勝手口は、ゴミ出しや家の裏側への出入りの際にあると便利な設備ですが、開口部が増えることによって断熱性が劣る点と防犯面に不安が残ります。最近の勝手口ドアは、アルミと樹脂を合わせたサッシと複層ガラスで断熱性能も飛躍的に上がっており、またガラス破りや鍵のこじ開けも防ぐことのできる防犯性も高められています。
勝手口のドア交換だけなら10万円~30万円程度で、施工工事と同時にドア本体を購入することで割引してもらえることも多いので、見積もり依頼だけでもしてみてはいかがでしょうか。
勝手口をお得にリフォームするには?
勝手口をお得にリフォームするには一括見積りが便利です。既存の勝手口を撤去して新しい勝手口を取り付けるだけなら、工事は一日で完了することがほとんどです。勝手口ドア本体も割引があることが多いので、複数の見積もりをとって比較検討してみてください。
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アールイーデザイン一級建築士事務所代表。
住宅業界で新築・リフォームの営業・設計・現場監理などを経験。
これまで3000件以上の現場を見ながら、「永く、快適に住み続けるためにはどうしたらいいのか?」を常に探求し続け、リフォーム提案を行っている。
また、現在は執筆活動や企業向けの社員研修、一般向けの講演会なども全国各地にて実施。
著書「やらなければいけない一戸建てリフォーム」(自由国民社、2020年7月発売)
【保有資格】
- 一級建築士(登録番号:第331817号)
- 既存住宅状況調査技術者(証明書番号:第02201400260号)
- 住宅性能評価員(終了証番号:第02170424号)
- インテリアコーディネーター(登録番号:011961A)
- 福祉住環境コーディネーター2級(証書番号:05201851)
- 震災建築物応急危険度判定士(認定番号:730220552)
【所属】
- アールイーデザイン一級建築士事務所:代表
- JIO|株式会社日本住宅保証検査機構:検査員 及び 評価員
- 三井ホーム株式会社:リフォームプランナー
noteにてリフォームに関するお役立ち情報を発信中!
高橋みちる|リフォームコンサルタント|note
利用会員数260,000人、登録リフォーム会社数1,400社を超える日本最大級のリフォームマッチングサイト「家仲間コム」を運営するリフォーム専門家集団の編集部が、一般的なリフォームの情報を纏めた簡易的な記事ではなく、実際の見積情報や価格相場に基づいた読者に役立つ、価値ある情報をお届けしています。
大永 和弘 (おおなが かずひろ)
大学卒業後、カーテンレールシェアNo1の内装材メーカートーソー株式会社にて、7年間勤務。
入社後は、大手ハウスメーカーやリフォーム会社、工務店、内装工事業者など約200社を担当。その際に新築住宅やリフォーム住宅など数多くの現場を経験。
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勝手口は必要?不要?
勝手口といえば昔から「台所にあるもの」として、計画されるのが標準となっていました。確かに外のゴミ箱や洗濯物干しなど、庭への出入りが多ければ、台所からの勝手口は便利ですね。しかし最近はライフスタイルも変わり、ゴミ回収の頻度も増えてそれほど溜まらない、室内干しなので庭に出ないなど、勝手口を必要としない家も増えています。もし使わない勝手口があるのなら、思い切って撤去してしまうのもいいかもしれません。
監修者:高橋 みちる(一級建築士)