床浸水後にカビが発生するのはなぜ|知っておきたい予防方法

床浸水後にカビが発生するのはなぜ|知っておきたい予防方法

昨今、甚大な被害をもたらしている集中豪雨により床下浸水してしまった住宅が数多くあります。復旧作業は大変な手間と時間がかかりますが、最後にきっちり行わなければいけないのがカビ対策です。この記事で詳細を説明していきますが、まずはこの記事で紹介している内容の結論を簡単に記載します。

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POINT この記事のポイント

・床下浸水後にカビが発生する要因は、主に「湿度の高さ」「温度」「カビの餌になるものの発生」の3つ
床下浸水後のカビの発生を食い止めるには、しっかりと乾燥させることが第一
・床下浸水後の清掃やカビ対策を業者に依頼した場合の費用は、1㎡あたり1,500円~2,000円前後

床下浸水後に発生するカビ問題

床下浸水は、地面より上で、住宅のコンクリートの土台(基礎)に水が至った状態のことを指します。おおよそ地面より50cm程度上まで水が浸る状態です。

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床下浸水後は、泥出し→排水→乾燥→消毒という一連の作業がありますが、実はこの作業を終えた数週間後にカビが大発生してしまうことも少なくありません。

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カビの発生にすぐ気づけばまだ対策は簡単ですが、しばらく経って住宅の異変に気付いて下地を確認したら「カビだらけだった!」という事態も。このような状態はすでに住宅の劣化が進んでおり、早急に対処しないと腐敗から倒壊の恐れがあり大変危険です。

床下浸水後の対処はどの工程も大切なのですが、カビ対策としての最重要ポイントが「乾燥」で、完全に乾燥するまでには時間がかかります。

床下浸水後にカビが発生する要因

床下浸水後にカビが発生する要因

床下浸水後にカビが発生する要因には上記の3つが挙げられます。一度カビが発生してしまうと、その後はどんどん繁殖していき住宅建材の腐食につながります。泥出しや排水などの床下浸水後の対処で心身ともにかなりの負担ですが、大切な資産である住宅を守るためにもカビ対策は重要です。

1. 湿度の高さ

「浸水」というぐらいですから、住宅の床下まで水浸しになっていて基礎や床下、土間などすべてが水を含んでいます。あふれた水が引き排水作業を経て表面上は乾燥したように見えますが、まだまだ内部には湿気が溜まっています。湿気が溜まっているものとして、特に忘れがちな建材が断熱材です。

1-1. 断熱材は交換

断熱材は一度水を含んでしまうと乾燥させることは至難の業です。最近の断熱材の主流である「グラスウール」は大変湿気に弱く、乾燥するまでの間にカビが発生するため、浸水してしまうと交換以外に方法がありません。

重い水分を含むことで取り付け位置もずれてしまい、床や壁の内部に断熱材のないスペースも生まれます。断熱材は繊維の隙間に空気を含むことで断熱効果を発揮しますが、浸水で濡れてしまうとその空気層がつぶれてしまうため、浸水してしまうと残念ながら断熱材としての性能を期待することはできません。

1-2. 石膏ボードも交換

石膏ボードは、近年の住宅壁に多く採用されている建材で、構造壁(建物を支える壁)ではない間仕切り壁などはほぼ石膏ボードでできています。石膏ボードも湿気に弱く、内部の濡れた断熱材の水分が伝わり、カビてしまうことがあります。

中の断熱材を取り除く際に、浸水して濡れてしまった石膏ボードもすべて解体して張り替える必要があります。石膏ボードと断熱材を取り除いたあとの下地や基礎に泥や水が残っていないかどうかも丁寧に確認して、新しく施工する前に最低でも1ヶ月間は乾燥させておきましょう。その間の生活は不便になりますが、その後の住宅の劣化を防ぐためにも必要な時間です。

2. 温度

カビが好む温度は約20℃~30℃で、ちょうど春から梅雨時期の気温はカビが発生しやすい好条件です。この季節には集中豪雨なども多く、床下浸水する地域も少なくありません。雨が続くとなかなか乾燥させることも難しいですが、できるだけ速やかに濡れた家具などを搬出し、断熱材や床材をはがして内部の乾燥を急ぎましょう。

3. カビの餌になるもの

カビが繁殖するために必要な餌には【ほこり・木材・繊維・食べ物】などが該当します。どこの住宅にも存在するものですので、丁寧な掃除が大切になります。床下浸水で濡れてしまったカーペットや畳、家具や靴などもすべてカビの栄養源となり、湿度と温度との相乗効果でどんどんカビが繁殖するため速やかに処分するか乾燥させなければいけません。

浸水後のカビの発生を食い止めるには?

床下浸水後のカビの発生を食い止めるには「乾燥」が第一です。床下を早く乾燥させるには、サーキュレーターや扇風機を使用する方法があります。サーキュレーターや扇風機を使う前には、必ずコンセントの状態を電力会社さんや電気工事士の有資格者に確認してもらってから行ってください。

1. コンセントの使用は電気会社の確認後に!

床下浸水ではコンセントまで水浸しになってしまうことがよくあります。電気が流れるコンセントに水が浸った場合は、漏電や発火の原因となりそのまま使うと大変危険です。ブレーカーには漏電防止機能がついていますので、床下浸水した場合は自動的にブレーカーが落ちる仕組みになっています。

もしブレーカーが入ったままの場合は、まずブレーカーを落として全てのコンセントを抜き、火災防止対策をとってください。

関連記事:ブレーカーの故障かな?と思ったら|よくある原因と修理費用目安

その後電力会社や電気工事士の有資格者による復旧作業が終わるまで、ブレーカーは落としたままにして電化製品の使用は控えましょう。乾いているように見えても中の電気回路が故障している可能性があり、また泥などが残っている場合もあり得ます。

電化製品も浸水してしまったら再利用はできませんが、被害に遭った証拠として写真を取り、火災保険に損害賠償請求を行いましょう。

2. サーキュレーターや扇風機を使用する

床下の乾燥を早めるために最も安全なのが、サーキュレーターや扇風機を使用する方法です。電気の復旧作業が終わり使用許可が出たら、これらを複数台使用して、床下の隅々まで風を送って乾燥させましょう。サーキュレーター|アイポケット

出典:サーキュレーター|アイポケット

ジェットヒーターなどの温風機もありますが、熱によって木材の反りや割れが発生したり周囲の環境によっては火災のリスクが高まりますので、専門業者さん以外の使用はおすすめしません。

床下浸水後の清掃やカビ対策を業者に依頼した場合の費用

床下浸水後の清掃やカビ対策は、慣れない素人にとっては大変困難な作業です。大きな災害時には自衛隊などの災害対策チームがある程度まで対応してくれますが、きっちり乾燥させるところまでは対応が難しいのが現状です。

業者に依頼した場合の費用は、1㎡あたり1,500円~2,000円前後が目安です。20坪の床面積の場合は約10万円~15万円という計算になります。

関連記事:「浸水」を含む価格相場

床下浸水後のカビ対策はプロに任せて安心!

業者さんに依頼すると10万円以上の費用がかかることもあり決して安いとは言えませんが、床下浸水後の清掃作業や消毒作業には感染症のリスクも伴い、慣れていない一般の方にとっては大変危険な作業になります。また、カビ対策としてしっかり隅々まで乾燥させることも、住宅の構造を熟知していないと難しいでしょう。

ご自宅が床下浸水に遭う可能性がある地域であれば、日頃から業者さんを見つけておくのも安心ですよ。

床下浸水後のカビ対策を専門業者に依頼するには?

床下浸水後のカビ対策を専門業者に依頼するには、一括見積りが便利です。見積もりの際には、清掃・乾燥・消毒のどの範囲まで含まれるのか、詳しい内容をよく聞いて比較検討してみましょう。

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大永 和弘 (おおなが かずひろ)


大学卒業後、カーテンレールシェアNo1の内装材メーカートーソー株式会社にて、7年間勤務。
入社後は、大手ハウスメーカーやリフォーム会社、工務店、内装工事業者など約200社を担当。その際に新築住宅やリフォーム住宅など数多くの現場を経験。

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